「工房事情」・・・補助線

明ける時刻が遅くなりました。日の出は6:50あたりですが、実際に明るくなるのはその30分ほど前あたりでしょうか。まだ暗いうちに沐浴に出ました。その頃、既にチリチリと降っています。

地表に触れた瞬間に融けてしまう淡い雪です。時刻がすすむにつれて次第に大きいフレークになったものの、結局は、積もる元気の無い程度です。惑っている初冬の雪は春の名残雪(なごり雪)に似ています。


日課のノルマを済ませた後、積木づくりの下拵(したごしら)えに入りました。以前にもつくっています。ところが、同じ繰り返しは作業意欲に拍車がかかりにくいものです。前とは違うことを考えたくなります。

まず、面取り(稜角の削除)を、これまでの角面から丸面に替えることにしました。通称ボウズ面といわれています。はじめて使うツールです。

先日、7.9mmのR(半径)を試しました。やはり、40mmの面には大らか過ぎるようでした。注文していた、Rが3mと4mのビットが昨夕届きました。

今朝3mmを試しました。やや繊細(せんさい)なものの、丸面独特の安心感が伝わってきます。この3mmで決定です。一応のスタンバイが終りました。

しかし、タルキ(垂木)が正確な直角を呈していないことが気がかりです。鉋(かんな)がけの前にジョインターを使わなかったのです。手直しは簡単です。今晩考えることにします。


午後、達人のI氏とW氏がお出でになりました。タイムリーでした。彼らは木工の専門家です。実は、先般、W氏の工房にお邪魔した折、「卓上丸ノコ」に専用のジグ(jig・治具)を併用していました。

カットに安定感があります。そのジグについて訴えていたとろ、今日、その秘密兵器を持って来てくださいました。

W氏の「卓上丸ノコ」と我が工房のものは同じ機種です。ピタリと一致します。しかし、当方の刃がゴツいことが問題です。切り口が醜くなるのです。躊躇(ちゅうちょ)していたところ、I氏が、『卓上丸ノコ用のジグとスライド丸ノコ用は同じ理屈です。つくりましょう。』、と、即、行動開始です。

このジグは固定された定規(じょうぎ)のようなものです。しかし、それだけであればこれまでと同じです。今回のものは刃が納まる空白部分を最小に設定できます。

必然的に、加工材の安定度が増すことになり、安全度が増します。クランプ(万力)の固定方法を工夫しました。勿論?見事完成です。次のステップに進むことができそうです。

他に、トリマー用のジグも持って来ました。トリマーを固定する装置です。片手でコントロールするにはトリマーは結構重いです。単純なジグですが、その仕掛けだけで作業事情は全く変わります。作業が億劫(おっくう)でなくなるのです。

これらジグは、種明かし後にはいとも簡単な仕掛けに見えます。しかし、素人が自力で思いつくには大変なことです。丁度、幾何(きか)の補助線を引く瞬間の閃(ひらめ)きに似ています。悶々(もんもん)とした時を経て、突然トイレで思いつくようなものです。


「園芸事情」・・・ツチアケビ

昼前、T氏がお出でになりました。彼はキノコの達人であると同時に植物愛好家でもあります。いつも楽しい鉢を持って来てくれます。有難いことです。

今日は「四季咲き苺(いちご)」です。『冬の室内には虫が居ない。花が咲いたら授粉が必要ですよ。』、と言います。

形が歪(いびつ)な苺は雌蕊(めしべ)全体に花粉が回らなかったときの結果だそうです。庭の苺はいつもほったらかしでした。それでも、2~3個は生(な)っていたようです。これからは工房の住人です。いつも観察することができそうです。

「ツチアケビ」も持って来てくれました。感激しました。別名は「土通草(どつうそう)」だそうです。強壮、利尿・婦人病、膀胱炎、新陳代謝の促進、疲労回復、高血圧予防、更年期障害などに効果があるとされている薬草です。今は希少になってしまったそうです。

実は、数年前から「薬湯」を嗜(たしな)んでいます。サルノコシカケ、キササゲ、イカリソウ、クロモジ、ドクダミ、等々の他に、このツチアケビを入れて煎(せん)じます。Z氏に、『何千年も昔から伝えられている抗ガン剤だ。』、と薦められた秘薬です。

早速、工房の一角に吊(つ)るしました。勿論、ヒバの洗礼を受けながらの乾燥です。この量で数年分は恩恵に浴すことができそうです。


明日の日中の気温は今日と一転して高くなるそうです。とはいうものの、ほんの6~7℃です。しかし、わずか1°の違いが液体(水)と固体(氷)とを分かつ世界で。この6~7℃には大変な違いである筈です。期待するところです。

2010/12/10(金) 20:01

「越冬事情」・・・雪の出迎え

北極に発生した寒気が三つに分かれて南下しているそうです。アメリカとヨーロッパ、そして日本の方向だそうです。やはり、アメリカ、ロシアは大雪です。特にフランスはこれまでに経験しないほどの豪雪に見舞われています。

他方、日本では寒いものの、本格的な雪は今はまだです。しかし、早晩、当地にもお出でになると考えるべきです。カラカラとした道路事情ですがタイヤ交換を決断しました。30分離れた市内のガソリンスタンドにお願いしました。

なんだかんだあるものです。タイヤ圧は勿論ですが、ホイールバランス、エンジンオイル、不凍液、ワイパー等に関係するチェックです。今日はとりあえず雪対策がテーマのつもりです。エンジンオイルは次回にしました。勿論?洗車もです。

実は、これまで洗車は恵みの雨に頼っていました。この1年、それだけで満足していたのです。しかし、正月前には車内とともに手を掛けるつもりです。このタイヤ交換に2時間以上も要しました。

帰宅後、T氏がお出でになりました。数鉢を持ってきてくださいました。その中にワサビがあります。ワサビの旬は春と秋と言われています。庭のワサビも今はガリッと元気です。しかし、T氏が持ってきたのは正月用です。

今の時期に鉢に移して充分な水を与えます。大きい葉を削除し、暖かい室内に取り込むことで、丁度正月は生まれたての小さい緑の葉とともに可憐な小さい白い花を鑑賞できるのです。勿論、タイミングを誤らなければ、です。

新春用としては福寿草と梅、笹等の寄せ植えが一般的です。しかしワサビもまた乙(おつ)です。更に、通(ツウ)の皆さんはバッケ(フキノトウ)も採用します。

本来のバッケは、当地では4~5月頃に咲きます、今のまだ固い芽のうちに室内に取り込むことで、フワーッと淡い、見事な花をつけます。ポインセチアやシクラメンとは全く異次元の清楚さがあります。勿論、咲くまでの過程もまた楽しみの一部です。



「工房事情」・・・口輪タガ

午後は桶の微調整です。昨日の時点では糊(接着剤)を使わないつもりでした。しかし、箍(たが)を廻す前に外側を整える必要があります。結局、糊(のり)を使うことになりました。秋田県にお住まいの現代の名工も使っています。妥協しました。

いつものことですが、糊を使う前まではピタッと組まれているものが、本番にはそのフィット感が失われています。ごく若干の角度の狂いが全体に反映しているからのようです。

これまで何回も経験しているジレンマです。しかし、この段階での微調整は大事(おおごと)です。狂ったままの固定にならざるを得ない工程です。

邪道であることは百も承知ですが、背に腹は替えられないところです。穴埋めを断行しました。これは、塗りの際の木地調整と同じです。同材の青森ヒバの超微粉末で隙間を埋めることにしました。恥ずかしいことですが、これまで数十回以上熟(こな)してきた裏技です。

それなりには何とかはなったようです。夕刻には糊が乾いてほぼ最終段階です。手鉋(かんな)で出っ張りを削除しました。そして愈々(いよいよ)箍(たが)がけです。昨日から水に漬けられていたトヨシの出番です。久しぶりの「グニ編み」です。

今日のところは「口輪タガ」と「底持ちタガ」の2本だけにしました。何とかなったようですが、ただ、「口輪タガ」をもう20mm少ほどは上部にしたいところです。ま、今回はイントロダクションです。本番は次に控えています。出来の如何は兎も角、次回の参考には貴重な資料です。


微調整の最中、達人のI氏とW氏がお出でになりました。実は、当面するたくさんの課題があったところです。まず、ジョインターの扱い方です。これは「カネだし」の必需品です。木材に鉋(かんな)をかける前に2面を直角にするツールです。

つい先般、工房に入ったジョインターです。数回使ってはいるのですが、まだまだ本物の使い方には至っていないところでした。熟達者のコーチがどうしても必要なところでした。

I氏が、『まず掃除だ。綺麗な環境でなければ怪我につながる。』、と言います。W氏もまた、『綺麗な環境でなければ良い作品は出来ない。』、と言います。まずは工房の掃除からです。

そして愈々ジョインター(手押しカンナ)です。まず定規の確認からです。極(ごく)若干ですが、やはり狂っています。W氏があちらこちらのビスやナットを操作し、漸(ようや)く直角に修正できました。自力では克服できるレベルではありませんでした。

工房のツールの操作で最も怪我が多いのがこのジョインターのようです。それは手(指)の位置にあるようです。I氏がいつも言っているのは『平面的に見て、刃の位置には絶対に手を置かない。』です。

今日の講習会もそのことに徹しました。怪我は不愉快なのです。刃が回転していない状態で、何回も反復練習をして体に覚えさせることが必要なようです。

その他、スライド丸鋸(まるのこ)のジグ(jig・治具)についても教わりました。実は、当面している課題の解決には不可欠の要素です。早速、明日、そのjigの理論を拝借することになりそうです。



「新幹線事情」・・・雪椿

夕刻、K氏がお出でになりました。お隣のT旅館の社長さんです。実は、一昨日の7日、タレント・俳優・歌手・画家・プロボクサーのT・K氏がT旅館にお泊りになりました。今の新幹線に絡んだ取材と撮影です。

奥州最北端と首都圏が3時間余りの時間的距離になったことで、ここ最近、当地をクローズアップする仕掛けが盛んです。今回のテーマは、ねぶた、三内丸山、そして「志功」のようです。実は、彼も志功を演じたことがあるようです。思い入れは一入(ひとしお)のようです。

T旅館には、まだ無名の頃の志功を育てた経緯(いきさつ)があります。現在も当時の作品が保管されています。その縁での取材だったようです。K社長とT・K氏が歓談した折、T・K氏が、『自分がつくったTUBAKIをテーマとしたカレンダーがある。贈ります。』と言っていました。そのカレンダーが、今日届きました。一昨日の今日です。驚きの早業です。

拝見すると、皆お目出度い絵柄です。1月の絵は、七福神がフグに乗っている語呂合わせになっています。「福(フク)乗り」の名前です。ツバキがあちらこちらに描かれています。春の椿も良いですが、12月の「雪椿」が圧巻です。

期待した新幹線には2面性がありそうです。当地区としては、お隣の北海道に乗り入れる前までが勝負のようです。いまのうちに、ねぶた、三内丸山、そして「志功」発信の基盤を固めたいところです。

いつものことですが、行政をはじめとした地元には他力本願の傾向が頻(しき)りです。反面、首都圏では既に具体的な下拵(したごしら)え段階です。

大局的には志功を取り上げざるを得ないのです。来年は「箸置きづくり」や「コースターづくり」、そして「玩具づくり」等で多忙を極めることになりそうです。

2010/12/09(木) 21:52

いつの間にか師走になり、その師走も既に半ばです。当然のことですが結構な寒さです。雪はまだ降ってはいないものの、降ってもおかしくない寒さです。外の空気が白々としています。


久しぶりに桶(おけ)をつくっています。概(おおむ)ねの部材づくりを昨日終えました。部材とはいっても、横板と底板の2種類だけです。

昔、この桶を日本固有の文化だと思っていました。おそらく、時代劇を見過ぎたからのようです。しかし実際には何千年もの昔から、フィンランド等の北欧はじめ中国、ヨーロッパ等の世界中でつくられ使われてきた歴史があります。

横板と底板を組み立て、それを箍(たが)で締め付けるだけで水を張る器が出来ることが不思議です。その単純さにクラクラするほどの大ロマンがあります。熟練のプロでなくても挑戦したくなる筈なのです。

濱田庄司(はまだしょうじ)ではありませんが、長い間受け継がれてきた文化には、贅肉(ぜいにく)が極端に削(そ)ぎ落とされているものが多いようです。その洗練された結果に美しさが見えることが嬉しいです。

桶の側面の板を榑(ふ)といいます。今日はこの榑(ふ)に、底板を嵌(は)める溝を掘る作業からです。榑(ふ)の厚さは約20mmほどです。溝の深さをその1/4の5mmほどにしました。刃径6mmのストレートビットを使いました。


溝の幅に気を使います。底板の厚さよりも大きければガフガフになります。万力で木殺し(木を潰す)をして漸(ようや)く納まる距離にしたいところです。しかし、狭ければ嵌めることはできなくなります。無理やり押し込むとパーンとヒバは割れてしまいます。そうなれば万事休すです。デリケーな世界です。

この溝掘りの際、加工する榑(ふ)にも勾配をつけることにしました。桶全体は2°のテーパーがついています。その角度が底板の納まる溝にも反映するようなのです。今回はじめての試みです。方法は榑(ふ)の上部に当て木をするだけです。両面テープを使いました。このテープは何回も使いまわしのできるタイプです。

次は底板づくりです。桶の底の直径はおおよそ8寸ほどです。幅5寸の板2枚を相決(あいじゃくり)で貼り合せることにしました。両者を板の半分の厚さで欠くことで、合せた結果は同一平面になります。・・・勿論、1/3と2/3、2/5と3/5としても良いようです。ビットの高さ調整は、端材を使っての何回もの試行錯誤になります。

次は、合せた底板を榑(ふ)に掘った溝に納まるようにカットします。溝の深さが5mmです。底板の余裕(溝に嵌るノリシロ部分)が5mm以上であれば嵌りきらないことになります。逆に、隙間があり過ぎても困ることになります。


一見単純に見える桶です。しかし、これらデリケートな世界が、熟練者でなければ桶はつくれない、といわれる所以(ゆえん)のようです。

一応の仮組みをしてみました。2次元から別世界の3次元に変化する瞬間です。結果の如何は兎も角、感激の一瞬です。結局、満足度は85%ほどです。予想以上の出来です。15%の微調整は明日の楽しみに残すことにしました。

折りしも、先ほど『金星探査機「あかつき」が失敗した』、と報じられました。何をかいわんや、です。「大成功」と評価すべきなのです。

「あかつき」が金星をまわる軌道に乗るためには不可欠の要素としてとらえるべきなのです。桶と衛星とでは次元の全く異なるものです。しかし、所謂(いわゆる、)完全無欠といわれるものとその経過は同一のものです。失敗を含めての成功なのです。

箍(たが)をトヨシにするつもりです。トヨシは当地だけの呼び方のようです。おそらく、籐(とう)と葦(よし・あし)から命名されたようです。昨日から水を張ったバケツに浸しています。

まだ決定していませんが、今回は接着剤を使わないつもりです。箍の締め付け加減が、そのまま桶全体の強度につながる単純さが好きです。

大役を担うトヨシです。勿論、箍を外すと、自(みずか)らがパラパラと解体していきます。組み立て工程とは逆の、3次元から2次元への単なる変換ですが、これもまたドラマチックな世界なのです。


向こう2日間は更に冷え込むようです。振り返ってみると、ここ数年、風邪をひいていませんでした。風邪には不愉快さが伴います。老いた今は更に気をつけたいところです。



2010/12/08(水) 18:24

今日明日の最高最低気温は、事前の予報では4℃と1℃ほどでした。警戒していたところ、早朝は意外にも高く、7℃ほどです。しかし、時間を経る毎に次第に下がってきました。やはり、です。


毎日の課題と並行して、昨日から「積木」づくりをしています。昨日、鉋(かんな)がけと分揃え(ぶぞろえ)を終えています。次はカットするだけです。しかし、その前に面取り(稜角の削除)することにしました。

勿論、木口(こぐち)はカット後でなければ出来ませんが、木端(こば)面は、まだ部材が長い状態のときが効率的のようだったのです。

前回は面取り鉋での手作業です。この方法では、90°の稜角が135°の鈍角に変化します。しかし、今回は丸面ビットを使いたくなりました。

この丸面ビットを通称ボウズ面ビットというようです。数種類の手持ちがあります。先般、達人のI氏とW氏が『安価なものをみつけた』、と2種類持って来て下さいました。

この種類、というのにはさまざまな視点があります。刃径、刃長、軸径、軸部、そして半径(R)等です。それぞれが大事な要素ですが、今回はR(半径)の選択がポイントになります。これまで使った経験が無いことから、まず、トリマーを使っての確認です。

トリマー用のRは9.5mmと7.9mmがあります。積木の最も小さいパーツは42mm四方です。Rの小さいほど良さそうです。7.9mmのビットで試してみました。全く不適、ということもないのですが、やはりRが大き過ぎます。


3~4mmが良さそうです。早速、電話で、市内のY金物店にお聞きしました。やはりだめでした。取り寄せになるのだそうです。

取り寄せであればWEBの方がフットワークが良いです。いつもお世話になっている静岡に注文することになりました。

ついでに、数種類の丸面ビット、トップベアリングパターンビット、フラッシュトリムビット、そして6mm軸を12mmに変換するスリーブも手配しました。現在手がけている玩具づくりには必需品のようです。


ボウズ面ビットが到着するまでの間は桶づくりです。久しぶりです。朝、材料調達のためにY製材所にお邪魔しました。昨日お願いしていたものが出来上がっていました。

実は、期待する板の厚さは7分(おおよそ21mm)です。挽(ひ)いている在庫が無かったため、厚い板を割ってもらっていました。


そして底板です。これには4分(おおむね12mm)板を使うつもりです。カンナがけ後は9mmほどになります。『桶に節があっては可笑しいです。』、というY社長の勧めで、材料だけはドーンとインパクトのあるヤクモノになりました。

今回は数個の桶をつくるつもりです。その中には水を入れることを目的とした、所謂(いわゆる)桶ではなく、オブジェ的な飾りを兼ねた入れ物もあります。優秀な材料ほど加工が丁寧になる傾向があります。気合の入るところです。

板合わせの加工に角面ビットを使うつもりです。6角形(表裏を変えると12角形になります)、8角形、16角形用のビットがあります。まず1個目を、高さ160mmの8角形に加工しました。

スライド丸鋸(まるのこ)で8枚の板をつくります。次にテーパ(勾配)の仕掛けです。これは将来、箍(たが)を廻すために必要な傾きです。2°の傾きにしてみました。結果をみると少し多かったようです。1°でも箍はきくものです。2作目の課題になりそうです。

実は、これまで100個ちかくの桶をつくってきました。それぞれの設計図は頭の中だけに残っています。それも曖昧な状態です。しかし、いざ当面するときには意外にも明確に蘇(よみがえ)ってくるものです。

次回は底板を嵌(は)める仕掛けづくりです。底板の厚さが9.4mmです。横板の溝ほりには6mmのストレートビットを使うつもりです。

しかし、桶全体にテーパーがついていることから、この溝にも傾きが必要です。余り神経質になることも無いようですが、結果だけはビシーッと決めたいところです。

作業は簡単ですが、それなりの気力が伴います。ルーターがテーブルに固定されていることから、ビットの交換が大変です。コレットチャックをスパナで廻すスペースがほんの僅かです。いつも苦労するところです。

2010/12/07(火) 17:58

やや寒いものの、昨日と同じように落ち着いた日です。雲の所為で反射する光が少ないことから、外はキラキラとした派手さを抑えています。

曇天には真っ青な空が恋しくなり、逆に、快晴のときはシトシトとした雨に思いが馳(は)せます。厳寒には暑い夏を思い、真夏にはギリギリとした冬の猛吹雪を想像することに似ているようです。


今日の作業は早朝からのスタートです。予定のノルマを早めに終えて、新しい課題の下拵(したごしら)えです。積木(つみき)と桶(おけ)をつくるつもりです。

積木は数ヶ月前からの予約です。また、桶は数年前からのものです。何れも当面している課題です。一歩を踏み出すことにしました。

それらの材料調達のためにY製材所にお邪魔しました。とりあえず、1寸5分角のタルキ(垂木)と3寸幅の、厚さ1寸5分の板を運び入れました。これらは積木用です。


分揃えのためにタルキと板とを同時進行させます。1寸5分(約45mm)四方の各面をプレナー(自動鉋)に通すと1寸4分(約42mm)四方になります。その2倍の84mmになるように3寸(約90mm)幅の板を調整します。

いつものことですが、プレナーを扱う場合には逆目(さかめ)との対決があります。恥ずかしい限りですが、刃の最終調整段階で逆目になることもあります。分を揃える(すべて同じ厚さにすること)ためにはすべてに鉋(かんな)を掛け直すのが本来なのかも知れません。

鉋の掛け直しは簡単です。しかし、その数が多いときには気力の充実が伴うことになります。他方、現在のままでは、1辺が42mm、84mm、168mm、の42mm単位の積木になります。

少しゴツいようでもあります。前回つくったサイズは41mmほどだったようです。このほんの1mmの違いで全く雰囲気が違ってくるようです。

頭を冷やすために今日は一旦終えることにしました。一晩を要してフレッシュな感性を取り戻し、明日あらためてその方針を決断することにします。


話は飛びますが、鉋がけは結構な量の鉋屑(かんなくず)を生み出します。ところが、この屑(くず)の表現が不本意です。

一般的な国語辞典には、「物のかけらや切れ端などで役に立たないもの」、とあります。しかし、この青森ヒバの鉋屑は、今は極めて有用なものとして取り扱われています。

青森ヒバは他と違う特殊な能力を持ちます。強力な殺菌力、抗菌力、防腐効果(ヒノキチオール)に富み、爽やかで清潔な香(ツヨプセン)を放ちます。

特に香りはこの鉋屑の状態が最も強いです。車内、下駄箱、座敷、トイレ、玄関、箪笥(タンス)の中、あるいはバッグ、ポーチ、靴、ポケット等に忍ばせる方も多いです。

屑どころではない貴重な主役を演じていることになります。今回も結構な量になりました。近い折、いつもの皆さんにお届けするつもりでいます。

夕刻になってシトシトとした雨です。明日からの気温はガクンと下がるようです。少しは要警戒です。

2010/12/06(月) 17:28

顕著な寒さはありませんが、昨日と違って日中は暗いほどの曇天です。雨が無いだけ庭仕事の適日のようです。早朝からの日課(箸置きとコースターづくり)の目処(めど)をつけた後、庭に出ました。

今日は小さい木に手をかけました。サツキ、ツツジ、コザクラ、トクサ、アジサイ等の10本ほどです。小さいとはいってもアジサイは2m半以上に伸びています。

これらを荒縄(あらなわ)でギューッと縛(しば)ってやります。大抵の雪にはこの程度で十分です。本来は山の中で活き続けるものです。しかし、この後、タルキ(垂木)等で補強することになります。

昨冬の雪で生垣(いけがき)のマサキ(正木、柾)がだいぶ痛んでいます。裂けたりグンニャリと曲がっていたりします。遅ればせながらも一部分に手当てをしました。

しかし、工房に面した数メートルが悲惨です。この手当てには気合が入ることになります。勿論、後日の仕切りなおしになります。


マサキはニシキギ(錦木)科のようです。錦にはカラフル(多様な色)の意味があるようです。一見、常緑樹にも見えますが、年に一度、黄色に紅葉した後に葉を落とします。

恥ずかしいことですが、このカラフル、という意味がよく解らないでいます。どう見ても西陣織りのようではないのです。

しかし、丁度今、小さい実が生(な)っています。実の割れたところからは赤(朱色)が覗いています。春に咲いた花が、今、種になっています。あるいは、この状態がカラフル(錦)の意味であるのかも知れません。

フキノトウ(蕗の薹)の蕾(つぼみ)が出始めています。春の雪融け後の風物詩のバッケです。勿論?まだ堅い状態ですが、雪の洗礼を受けて軟らかい花をつけることになります。

殆どの草花は朽ちています。その結果、今を旬(しゅん)とする緑が浮上しています。ワサビ(山葵)が生き生きとしています。やや厚い葉です。

よく解りませんが、ワサビの旬は春と秋のようです。春の山には2種類の葉が見えます。今の秋の葉が一冬、雪の下で越した堅い葉と、雪融け後に芽を出した軟らかい葉です。

よく解りませんが、一般的には、酒粕(さかがす)のワサビ漬けには春に出たばかりの葉を使うようです。今の緑は観賞用としておきます。

スローテンポですが、着々と庭の雪囲いが進行されています。昼前にお出でになったS氏が『俺のところはまだだ』、と言っていました。

殆どの庭では終わっている時期です。雪は突然やってきます。我が家もまだ初期段階であることを忘れ、S氏の庭木を少し心配しています。


夕刻、K社長がお出でになりました。新幹線乗り入れと並行して、新しく生まれた「青い森鉄道」を迎えるセレモニーが、昨日と今日ありました。その仕掛けづくりの大役を終えたことで少しホッとしているようです。

今後の当地の対応についての話題になりました。その中に棟方志功の作品取り扱いがあります。現在、鎌倉に保管されている作品を当地が管理する動きがあります。

800点のようですが、実際には数千点に及ぶようです。三内丸山やネブタが国内レベルであるとすれば、志功は世界のムナカタです。間もなく、大変なことになりそうです。

将来を見通したプログラムづくりが迫られます。優秀な行政も考えておられるのでしょうが、その雰囲気が一般庶民に伝わっていないところが不安です。簡単なプログラムの筈なのですが・・・。


Oご婦人から作品納入の催促をいただきました。以前から依頼されていたものです。恐縮すること頻(しき)りです。明日あたりからは手をかけざるを得ないようです。

明日も今日と同じような天候のようです。いつものことですが、鋸(のこぎり)や鉋(かんな)を駆使しながら、天下国家の趨勢(すうせい)に思いを馳(は)せることになりそうです。

2010/12/05(日) 18:51