「工房事情」・・・補助線
明ける時刻が遅くなりました。日の出は6:50あたりですが、実際に明るくなるのはその30分ほど前あたりでしょうか。まだ暗いうちに沐浴に出ました。その頃、既にチリチリと降っています。
地表に触れた瞬間に融けてしまう淡い雪です。時刻がすすむにつれて次第に大きいフレークになったものの、結局は、積もる元気の無い程度です。惑っている初冬の雪は春の名残雪(なごり雪)に似ています。
日課のノルマを済ませた後、積木づくりの下拵(したごしら)えに入りました。以前にもつくっています。ところが、同じ繰り返しは作業意欲に拍車がかかりにくいものです。前とは違うことを考えたくなります。
まず、面取り(稜角の削除)を、これまでの角面から丸面に替えることにしました。通称ボウズ面といわれています。はじめて使うツールです。
先日、7.9mmのR(半径)を試しました。やはり、40mmの面には大らか過ぎるようでした。注文していた、Rが3mと4mのビットが昨夕届きました。
今朝3mmを試しました。やや繊細(せんさい)なものの、丸面独特の安心感が伝わってきます。この3mmで決定です。一応のスタンバイが終りました。
しかし、タルキ(垂木)が正確な直角を呈していないことが気がかりです。鉋(かんな)がけの前にジョインターを使わなかったのです。手直しは簡単です。今晩考えることにします。
午後、達人のI氏とW氏がお出でになりました。タイムリーでした。彼らは木工の専門家です。実は、先般、W氏の工房にお邪魔した折、「卓上丸ノコ」に専用のジグ(jig・治具)を併用していました。
カットに安定感があります。そのジグについて訴えていたとろ、今日、その秘密兵器を持って来てくださいました。
W氏の「卓上丸ノコ」と我が工房のものは同じ機種です。ピタリと一致します。しかし、当方の刃がゴツいことが問題です。切り口が醜くなるのです。躊躇(ちゅうちょ)していたところ、I氏が、『卓上丸ノコ用のジグとスライド丸ノコ用は同じ理屈です。つくりましょう。』、と、即、行動開始です。
このジグは固定された定規(じょうぎ)のようなものです。しかし、それだけであればこれまでと同じです。今回のものは刃が納まる空白部分を最小に設定できます。
必然的に、加工材の安定度が増すことになり、安全度が増します。クランプ(万力)の固定方法を工夫しました。勿論?見事完成です。次のステップに進むことができそうです。
他に、トリマー用のジグも持って来ました。トリマーを固定する装置です。片手でコントロールするにはトリマーは結構重いです。単純なジグですが、その仕掛けだけで作業事情は全く変わります。作業が億劫(おっくう)でなくなるのです。
これらジグは、種明かし後にはいとも簡単な仕掛けに見えます。しかし、素人が自力で思いつくには大変なことです。丁度、幾何(きか)の補助線を引く瞬間の閃(ひらめ)きに似ています。悶々(もんもん)とした時を経て、突然トイレで思いつくようなものです。
「園芸事情」・・・ツチアケビ
昼前、T氏がお出でになりました。彼はキノコの達人であると同時に植物愛好家でもあります。いつも楽しい鉢を持って来てくれます。有難いことです。
今日は「四季咲き苺(いちご)」です。『冬の室内には虫が居ない。花が咲いたら授粉が必要ですよ。』、と言います。
形が歪(いびつ)な苺は雌蕊(めしべ)全体に花粉が回らなかったときの結果だそうです。庭の苺はいつもほったらかしでした。それでも、2~3個は生(な)っていたようです。これからは工房の住人です。いつも観察することができそうです。
「ツチアケビ」も持って来てくれました。感激しました。別名は「土通草(どつうそう)」だそうです。強壮、利尿・婦人病、膀胱炎、新陳代謝の促進、疲労回復、高血圧予防、更年期障害などに効果があるとされている薬草です。今は希少になってしまったそうです。
実は、数年前から「薬湯」を嗜(たしな)んでいます。サルノコシカケ、キササゲ、イカリソウ、クロモジ、ドクダミ、等々の他に、このツチアケビを入れて煎(せん)じます。Z氏に、『何千年も昔から伝えられている抗ガン剤だ。』、と薦められた秘薬です。
早速、工房の一角に吊(つ)るしました。勿論、ヒバの洗礼を受けながらの乾燥です。この量で数年分は恩恵に浴すことができそうです。
明日の日中の気温は今日と一転して高くなるそうです。とはいうものの、ほんの6~7℃です。しかし、わずか1°の違いが液体(水)と固体(氷)とを分かつ世界で。この6~7℃には大変な違いである筈です。期待するところです。
2010/12/10(金)
20:01