朝からの雨が昼前には上がり、真っ青な空になります。やがて再びの雨です。このような変化には気を使います。実は、ゼンマイとシイタケを干しているところです。

少しでも陽光を浴びせたいことから、晴れ間には外に出したいところです。そして、パラパラとした時に慌(あわ)てて室内に取り込みます。

話は飛びますが、昔、お付き合いした、今は亡きH氏のことを思い出します。山の好きな方です。その彼が、日曜日に収穫したものを月曜日の朝、外に出してお勤めに出かけます。

そして火曜日の朝、『すべて風で飛んでしまいました。』、『雨に濡れてしまいました。』、と、よく落胆していました。洗濯物を干す以上に遥かにシビアな世界です。懐かしい思い出です。


今日は工房内の大掃除です。テーマは床の大鋸屑(おがくず)や木片等を掃くことよりも、工具等の整理整頓です。18畳間の工房です。20人ほども集まって落成式をするだけの空間がありました。しかし、次第に狭くなります。

この理由は、細々とした工具、そして板や垂木(たるき)等が増えたことがあります。しかし、それ以前に、それらの整理整頓がなされていないからのようです。足の踏み場もない体たらくでした。その乱雑さが創作意欲に水を差してもいるようです。


3時間を要しての掃除でした。殆(ほとん)どの工具にはキャスターをつけています。使う際に中央に移動し、普段は寄せて置くことができます。

掃(は)いて整頓するだけでカラリとした空間が生まれます。不思議な世界です。

昨日、W氏手製の丸鋸(まるのこ)盤が入房しています。ソリ(橇)つきです。それに感化されたこともあります。やる気が出てきます。正直なものです。明窓浄机(めいそうじょうき)とはよく言ったものです。

今日のテーマはトリマー台の制作です。実は、先日、40cm四方のトリマー盤が届きました。アラレ組等の細かい加工のために調達しました。

しかし、盤だけではどうしようもないものです。自作の台が必要です。教科書では厚さ15mmのMDFを使っています。そのMDFが工房に無いことで、鉄製の脚を使うことにしました。これは手押しカンナについてきたものです。

多少の工夫が必要でしたが、何とかなったようです。流石に重い手押しカンナ用です。ガッシリしています。今日はソリまでには及びませんでした。

その代わり、アクリル板でカバーをつくることにしました。これはトリマー盤の保護用です。平板であることから、つい、物を置きたくなる筈なのです。それ以上に、確実に沈殿してくるヒバの微粉末を心配してのものです。

しかし、接着剤を探せませんでした。急遽、近くのホームセンターに出かけます。自宅に近いホームセンターは、家の西側と東側にあります。ほぼ等距離です。

最初に向かった東側のホームセンターでは売り切れです。アクリル板はあるのに接着剤が無いのです。困った商魂というよりも役に立たないことが残念です。

即、その足で西側に向かいます。597円です。アクリル用の接着剤は、他の接着剤のコーナーではなく、アクリネ板の近くに置いています。

接着剤を探すついでに、当然のようにアクリルコーナーにも目が向きます。


アクリル製の蝶番(ちょうつがい)の他に、丸棒やナットまでもあります。曲げるための加熱器も揃(そろ)っています。

アクリル専用の接着剤は毛管現象を利用したもののようです。一瞬でビタリと接着します。しかも綺麗に、です。

実は、先日、結構な量のアクリル板をいただいています。アクリルを使っての工作もしたくなってきます。しかし、それには裁断した結果が正確な寸法であることが最低条件になります。またまたエンドレスゲームになりそうです。

尤も、このカバーはやがて作り直すことになりそうです。ソリを滑(すべ)らせる台木をつけると嵌(はま)らなくなるようなのです。ま、そのときはまたその時です。

丸鋸(まるのこ)台もトリマー台も試運転はまだです。もう少し下ごしらえの必要があります。気力の充実を待つつもりです。

2011/05/13(金) 20:56

「園芸事情」・・・80個?

午前中、遠方に出掛けました。津軽の酒造店です。唐突に話は飛びますが、100年続いている会社は意外に少ないものです。その中で370年も続いている老舗(しにせ)です。勿論、県内最古です。

子供の頃遊びまわって迷子になったことがあります。座敷に入った時でした。いくら襖(ふすま)を開け続けても無限に座敷が続いていたのです。60年近くも昔のことです。いつ行っても懐かしさがこみ上げてきます。

いつも通りの服装では汗ばみました。日中は20℃を越えていたようです。この麗(うら)らかさが不安になります。

実は、苗の準備がまだだったのです。例年、あれこれ仕掛けはするものの、納得する結果を得ていない現状です。しかし、毎年、今年こそは、という思いにさせられます。不思議です。

苗の取り扱い時期は連休の頃のようです。しかし、奥州最北端ではまだ寒いのです。数年前、そのことを心配して買いそびれたことがあります。あちらこちらを探しても、もはや店頭に置いていませんでした。そのトラウマが今でも尾を引いているようです。

外出の途中、W工房にお邪魔しました。園芸作業の最中でした。ニンニク、タマネギが元気盛んです。採り頃のアスパラがあちらこちらに出ています。花用と食用のキク(菊)が成長の途中です。ビニールハウスのイチゴは既に色づいているものもあります。

ジャガイモは植えつけた後です。実は、近く、K社長一団がジャガイモを植え付けることになっています。気になっているところでした。即、植え方のポイントを伝授していただきます。

まず、木灰(もくばい)の使い方です。種イモをカットするときに使います。ジャガイモはあちらこちらから発芽するそうです。その中のグジャグジャとした芽を削除するのだそうです。その切り口に灰を塗るのだそうです。そして残った灰はその畑に蒔くのだそうです。

「ほたる湖」近くでは、今日、その畑を耕したようです。S氏の話しでは大きい石がゴロゴロ出てきたそうです。そうでなければ、ジャガイモづくりの本来の意味が無くなりそうです。そして将来できることになるであろうジャガイモ自体の有り難味も失せるようです。

残念ながら、広い畑の鍛えは身体障害者には不向きのようです。陰からになりますが、心だけは砕くつもりでいます。他方、W氏の畑にはホコホコ感があります。しかも、キッチリと綺麗に手入れされています。


イチゴの苗を10鉢ほどいただきました。『やがてランナーに長男、次男、三男・・・と子供が生まれます。来年用の苗には長男は向いていないようです。捨ててください。長男は親株のよくないところを受け継いでいます。』、と解説してくれます。

実は、我が家にもイチゴの鉢が数個あります。いずれも、数年前からの親株を後生大事に育てています。捨てるに忍びない思いもありますが、主題は葉の緑を鑑賞するための鉢です。全くの間違い、というものでもないのです。しかし、今年は葉よりも赤い実をテーマにするつもりです。

久しぶりの外出です。W工房の帰り、ホームセンターに寄ります。ミニトマト、キュウリ、ピーマンを求めます。最低限、ミニトマトとキュウリは必要不可欠です。ピーマンも次々に実をつけるところが魅力です。欲しかったゴーヤはまだ出ていないようです。

そのホームセンターでO氏とお会いします。彼もなんだかんだやっています。『野菜づくりにはクド石灰が欠かせません。トマトやピーマン等の実のなるものにはリンが必要です。』と解説してくれます。実は、物置には、ここ10年も買い集めた肥料が蓄積されています。

ところが、具体的に何が眠っているかが解らなくなっている有様です。考えてみれば、ここ数年の不作は肥料にあったようです。施肥をした明確な記憶が無いのです。当然?ながら、即、今日も買い求めてしまいます。

今年は、シュミエン(趣味の園芸)ほか社会常識を遵守(じゅんしゅ)するつもりです。シュミエンでは、1本のピーマンの苗から80個?を収穫する企てもしています。ホームセンターでお会いしたO氏は『1本から120以上は収穫します。』、と言います。他方、我が家では、毎年、精々(せいぜい)10個程度です。少しムッとします。

そのピーマンを3苗も?求めてしまいます。リンの骨粉をガンガン与えるつもりです。理論的には大変な量になりそうです。ま、表向きは期待しないで、ひっそりと期待する毎日を過ごすつもりです。


「工房事情」・・・お化粧

W工房にお寄りしたのはJIGの受け取りのためです。電動工具はそれだけで活躍します。しかし、JIGと併用することで作業能率、安全性、精密度等が更に高まります。

実は、先日入手した「丸鋸(まるのこ)テーブル」があります。そのJIGについて、一昨日相談したところ、即、その日のうちに完成させていたのです。有難いことです。試運転はまだですが、小さい作品づくりには大活躍する筈です。

あらためてみると簡単なつくりです。しかし、素人が白紙状態でつくるには曖昧模糊(あいまいもこ)な世界です。これを手本にコピーすることは簡単そうです。やがて新しい丸鋸の入房の際には自作が可能なようです。


今日の工房作業は「賽銭箱(さいせんばこ)」のお化粧です。この賽銭箱の名前を「初穂箱(はつほばこ)」と呼んでいます。これを毎年、5月から11月までの半年間、日本最大級の赤松の前に置いています。

この冬期間、工房内でお休みしていました。近く、山に運ぶ予定です。その準備です。まず、箒(ほうき)とコンプレッサーで埃(ほこり)等(くもの巣や小鳥の糞も付着しています。)を取り除き、雑巾で水拭きします。

そして塗り、です。塗料の「柿渋(かきしぶ)」が今日、静岡県から届きました。作業時間はほぼ一瞬です。しかし、手入れ後は全く?見違えます。ご婦人のお化粧に似ています。

話は飛びますが、以前、仰天したことがあります。一度もお目にかかったことが無いご婦人から声をかけられたことがあります。ところが、その方は毎日出会っているご婦人だったのです。

あれ以来、お化粧の力を信じるようになってしまいました。残念?なことです。

2011/05/12(木) 20:11

心配していましたが理想的な天候に恵まれました。実は、今日も裏山探索の約束をしています。雪の冬以外の山の達人のT氏とです。今春4回目のトレーニングです。

さまざまなテーマの中からワサビを選択しました。実は、ワサビの調理方法の中に「ふすべる」、という伝統文化があります。

殺菌した器に水気を抜いたワサビを入れ、その中に煮立てただし汁を注ぎ、冷やす方法です。その結果、ワサビのサワサワ感と辛味を味わうことができます。

その辛さは、つい、目と鼻に手を運ばざるを得ない程度です。このだし汁はそれぞれのお宅で異なるようです。一般的には、八方汁と日本酒を煮立てるようです。ツウだけのレシピのようです。

このときの器にはビン (瓶)を使うことが多いです。ワサビは徹底的に詰め込みます。結局、1ビンつくるためのワサビの量は意外に多くなります。

是非、奥州最北端の春の旬(しゅん)を遠方にお住まいの皆さんにお届けしたいところです。今日は気合を入れるところでした。

車で数分走って山に入ります。やがて、白い花の絨毯(じゅうたん)が待っています。足の踏み場も無いワサビ畑です。

適当な場所に籠(かご)を置き、座ります。座った周囲を採って、場所を2mほど変えます。その繰り返しです。


今日入った山は1週間前に入っています。1週間は、山の様相が激変して余りある時間です。草木の成長が驚くほど進んでいます。

無らしきところから生じた新芽、そして、幼いものがいつの間にか逞(たくま)しくなっています。春は驚きの世界です。

結局、収穫したものはワサビの他、シドケ、ボンナ、コゴミ、ウド、アイコ、ゼンマイ、そしてアザミ等です。その中のウド、シドケ、アザミ、コゴミ、ゼンマイはT氏が収穫したものです。

実は、山菜採りの後始末には意外なほどの時間を要します。T氏は、『今日は後始末の時間がありません。』、と、収穫した全てを委ねてくれたのです。

ヘプバーンの「ローマの休日」のラストシーンではありませんが、それぞれが貴重なものばかりです。しかし、その中で特に気になっていたのはアザミです。つい数日前、茹(ゆ)でた結果、真っ黒になって嘲笑を浴びたものです。

工房の薪(まき)ストーブをガンガン焚(た)いて、そして、落とし蓋(ふた)を使っての再挑戦です。勿論(もちろん)、大成功です。相当分茹でた後に冷たい水にとります。ホウレンソウのように真っ青です。コツを理解すれば簡単ですが、初めて出会う世界です。

ご近所のご年輩のご婦人方にお分けします。ワサビ等は先日お届けしています。今日はウドだけです。若い頃に知った味はご高齢になっても思い出すようです。ホッとする瞬間です。これから後始末に挑戦です。


帰路、手首が腫(は)れているのに気付きます。どうやら虫に刺されたようです。これも1週間前とは事情が違ってます。そのことを知ったT氏が『これを数回塗ってみてください。』、と小瓶(こびん)に入った透明の液体を渡します。

正体を聞くと、豆腐の凝固剤の「ニガリ」だそうです。虫刺されに利くのだそうです。本職の世界です。信用できそうです。これにも驚きます。


昨夕の会合で多くの皆さんにお会いしました。特に、県病のS先生、国文学のK先生と話し込みました。その中で、K先生から執拗(しつよう)に迫られた課題があります。

K先生は、『一般的に、青森の代表はリンゴとされています。しかし、寺山は、「青森のオリジナリティーはヒバです。」、と訴えています。ところが、その花を見たことが無いのです。是非目撃したいのです。』

というものです。実は、KUROOBI自身も見たことが無いのです。汗顔の至りでした。

K先生は古典にかかわる著書を数刊も出版されています。特に源氏物語については第一人者です。文学について語るとき、昔から話の合う方です。また、たくさんのコーチをいただいている方です。

ヒバの花を実際に見ることで、講義の内容に幅が出てきそうです。是非、裏山に咲く青森ヒバの花にご案内したいところです。


明日は津軽平野にお邪魔します。帰路の途中、W工房にお寄りするつもりです。実は、有難いことに、つい昨日お願いした丸鋸(まるのこ)の盤JIGGが完成したそうなのです。期待すること頻(しき)りです。

2011/05/11(水) 19:15

小雨から始まりましたが昼過ぎから青空です。風がやや強いです。昼前、達人のI氏とW氏がお出でになりました。

彼らは木工の求道とともに耕作もしています。朝からの雨のため、耕作活動がお休みのようです。これまで制作した作品をお持ちになりました。刺身(さしみ)等の料理をのせるトレイ、石鹸(せっけん)箱、押し寿司用の型枠です。

殆どがダブテール(あり組み)やあられ組みでジョイントされています。デリケートな加工を正確に綺麗に仕上げています。見事な作品です。参考になるものばかりです。近いうち、ヒントをいただくことになります。

W氏にJIG(治具)をつくっていただくことになりました。つい先日入手した丸鋸(まるのこ)テーブルに使うスライド板です。実は、彼の工房には、丸鋸用はじめトリマーで使う数十種類のJIGがあります。

時々お邪魔するときに観察しています。しかし、いざ自作するとなると、いつも記憶が薄れています。専門家に依頼することにしました。完成の暁には、フットワークが一段と変化してきそうです。

お昼は製材所のY社長のお宅でとりました。さまざまな情報を交換できました。近く、青森ヒバの山に入ることになります。

「京ちゃん工房」にもお邪魔しました。地元活性化についてヒントをいただきました。「注連縄(しめなわ)」づくりに招待されました。はじめての挑戦です。ワクワクしています。



明るい空になったことで、木々や草花が輝いています。赤い紅葉(もみじ)が葉を広げているところです。(雑草に埋まっているものの)サクラソウが満開です。シドケも林になっています。近いうち、また山に入るつもりです。


今夕は法事があります。昔、大変お世話になった方です。今、その方に教わったことを思い出しています。強烈に残っているものに、「不易流行」、「自在」、「スバルタの母」等があります。

「不易流行」は中国の「荘子」の言葉のようですが、日本では「芭蕉(ばしょう)」の言葉として伝えられているようです。「不易」は不変的なもの、そして「流行」はその時代時代の特徴のようです。

この正確な意味はよく解りませんが、芸術には、「不易」ばかりではなく「流行」も取り入れるべきではないか、という意味に勝手に訳しています。


「自在」は、『格に入りて格を出ざる時は狭く、格に入ざる時は邪路にはしる。格に入り、格を出てはじめて自在を得べし。』の「自在」です。格には、内部の事情、という考え方もあるようですが、物事の基本の意味のようです。

これも勝手に訳すとすれば、『(作品づくりは)基本の段階で止まるだけではいけない。しかし、基本を無視するとでたらめになる。肝要なことは、基本をマスターしたうえで、一旦、その基本から抜けだしてオリジナリティを目指す。』、となりそうです。


更に、「スバルタの母」にも鼓舞されました。『足らざるは一歩進んでこれを補え』です。これは戦場に赴く息子のスパルタに母が言った言葉です。

経済的に長い剣を買ってやれなかった母が、『短い剣しか買い与えることができません。相手よりも短い分は、自分が一歩進むことで条件は同じくなります。』、と諭した、というものです。

これらは、現在の工房活動にそのままあてはまる教訓ばかりです。永遠の課題です。そのご指導をいただいた方の7回忌です。昔のことを偲びながら、明日からの創作活動に思いを馳せるつもりです。合掌。

2011/05/10(火) 16:23

午前中はやや風のある晴天です。その風が時折サクラの花びらを運んできます。吹雪まではいかない、一集団が20~30フレーク程度のパラパラとしたしたものです。

このサクラ本体は最も近い場所で10mも離れています。少なくとも10mは風に乗っていたことになります。

今日の工房活動は「杖(つえ)」の「漆塗り」だけです。作業自体は一瞬で終えますが、実際には乾燥するまで20時間ほどを要します。完成までは長期戦です。明日の結果が不満足であれば、また同じ時間をかけることになります。

今日は、「トリコシバ(クロモジ)」の仕掛けがメインテーマになりました。先日友人の山から採ってきた枝の整理がまだでした。これは煎じ薬(せんじぐすり)の要素になるものです。

クロモジの本来?の表皮は緑色です。しかし、実際には所々は黒くなっています。よく解りませんが、木自身が出す粘液のように見えます。

この黒い部分をタワシで擦(こす)って水洗いします。それを1寸ほどの長さにカットして陰干し(かげぼし)します。この行程に5時間ほども要します。

しかし、その状態からは、あとは時間が解決してくれます。その長短はありますが、丁度、漆の乾きを待つことに似ています。


この量で3年ほどは使い続けることができます。やがて季節が進むにつれてイカリソウ、ドクダミの収穫です。

やがて秋になって、ツチアケビ、サルノコシカケ、キササゲ等と続きます。数千年、数万年も昔から続く文化のようです。

「ヤマツツジ」の花が色づいています。庭のツツジの中では最も早く咲く種類です。雪で大分折れましたが今年も花をつけています。この花色の表現に困っています。

朱、サクラ、橙(だいだい)、赤、サンゴ(珊瑚)等に近い色ですが、「これだ」、という色の名前に辿(たど)りつかないのです。感じ方にもありますが、昔は下世話な色に見えていました。

しかし、何十年も毎年出会うことで、その価値観は変化してきています。初々(ういうい)しく、清楚な中に派手さのある、そして他の花には無い世界であることに気付いてくるのです。

「ヤマツツジ」の後、赤、朱、薄紫のツツジと続きます。そしてサツキが咲きます。これからの数週間は目まぐるしい、花との追いかけっこです。桜花のこの頃はまだ肌寒いです。ツツジ、サツキの花見も良さそうです。花見の宴(うたげ)を開くつもりでいます。


他方、ひっそりと咲いている花もあります。「スグリ(酸塊)」です。スズランに似ていますが、大きさは2mmほどと小さいです。

花の後は丸い実が生(な)る筈です。実は、ここ2~3年、小さい虫に犯されています。花後に葉が食べられるのです。薬を使わない庭では仕方の無いところです。少しビビリながら観察することになります。


昨晩、K社長とO社長がお出でになりました。ジャガイモづくりが愈々始まるようです。木灰(もくばい)は篩(ふるい)にかけて準備しています。身体障害者としては陰からひっそりと応援することになります。

また、そろそろ、賽銭箱(さいせんばこ)を山にあげるそうです。日本一の「赤松の巨木」の前です。実は、このお賽銭が管理費の一部になっています。

雑草とり、注連縄(しめなわ)はり等の費用に役立てています。勿論、箱そのものもお化粧もKUROOBIの完全ボランティアです。善き哉、です。

山に上げる前にお化粧です。今日、そのための「柿渋」を静岡県に発注しました。昨年からバージョンアップされています。容器がこれまでと違っていることと、在庫が「無臭」だけなのです。少し驚きました。

2~3日で到着する筈です。奥州最北端の1年はこれから始まることになります。

2011/05/09(月) 18:04

「園芸事情」・・・たつ沢

緑の事情が日一日と変化しています。人力ではブレーキをかけることの出来ない力強さと確実な進捗(しんちょく)です。絶え間なく移り変わっている季節を実感します。

草花が次から次に芽を出して花をつけています。蕗(ふき)は既に腰の高さにまでなっています。それぞれが、それぞれに応じたタイミングを見計らって変化しているようです。

木々はまだ芽吹前のもの、芽吹いているもの、既に花をつけているもの等さまざまです。例年、合歓(ねむ)は遅い芽吹きです。それよりも遅いのはケヤキ(欅)です。

カエデ(楓)は今が最中です。赤い葉の紅葉(もみじ)が開き始めています。下から見上げると青空が赤い葉に透けて見えます。

「タツサワ(たつ沢)」は花をつけています。三夕(さんせき)の歌で知られる西行法師の歌に織り込まれた紅葉(もみじ)です。


「工房事情」・・・石突き

槐(えんじゅ)で簡単な杖(つえ)をつくることにしました。「転ばぬ先の杖」の諺(ことわざ)がありますが、それとはニュアンスの異なるものです。腰の不調法なものにとっては「痛さの緩和」のつもりです。

一般的な杖は、アメリカではcaneのようです。シャーロックホームズのイギリスでは(walking) stickのようです。日本のステッキの語源のようです。これらは柄(え)の無いものを指すようです。

曲がった柄のついたものが「crook(曲がったもの、不正直な人)」で、更に、魔法の杖となると「a magic wand(しなやかな枝・指揮棒)」だそうです。

しかし、今回の形は、T字型のインカ文明バージョンです。英語でも日本語でも何と表現すべきかが解らないでいるところです。

とりあえず「杖」としておくことにします。その「杖」のおおよそを昨日つくり終えました。しかし、その後あらためて考えてみると、結構な奥行きがあることに気づきます。単なる杖とはいかなくなってきたのです。

まず「石突き(いしづき)」からです。クラシックな名前ですが、これは杖の先につけるものです。今は「杖先ゴム」等の名前が一般的のようです。

実は、この役割を明確に理解していませんでした。考えていたころ、友人がお出でになりました。タイムリーでした。

彼の言は『何かをあてなければ杖本体が痛んで醜くなってしまうから付けるのでしょう。木のままであれば外側に捲(めく)れあがってしまいます。』です。

しかし、「滑り止め」の役割もありそうです。一般的な材料は柔らかいゴムや金属のようです。悩むところでした。


結局、「皮」になりました。実は、昔、「皮細工」に挑戦したことがあります。リュックやバッグをつくったこともあります。

その際の皮が残っていることでフットワークが良いです。糊で貼り合せた2枚の皮を杖の先端にビスで固定します。その後3枚目を糊付けします。最後に不要部分を削除し、サンダーで整えるだけです。

今回の「杖づくり」はノウハウの全く解らない一人旅でした。しかし、何となくそれらしい風貌を呈し始めています。少しドキドキしています。

尤も、仮に不都合があったとしても、やり直しや作り直しは何時でも可能なのです。果敢に前進するだけです。

次は塗装です。さまざまな選択肢の中から採用されたのは「漆(うるし)」です。「拭き漆」です。塗って拭き取ることを数回繰り返す方法です。拭き取っても、漆の薄い膜が残ります。繰り返すことで、その膜が重なっていきます。4回目頃から艶(つや)が出る筈です。

この「拭き漆」は初回の塗りが将来に直結します。1回目はテレピン油で粘度を低くし、木部に十分浸透させます。2回目からは「上生漆(じょうなまるし)」だけで繰り返すつもりです。

1回目を終えた後は黒さが目立ちます。折角の白黒のコントラストが曖昧(あいまい)になったようです。しかし、漆は光にあたることで次第に透明化する性質があります。

話は飛びますが、この「色が落ちる」ことを、漆の世界では「色があがる」と表現します。この種の験担ぎ(げんかつぎ)は他にもあります。

「葦(あし)」は「悪し」につながることで「よし(善し)」、となり、「スルメ」は掏(す)る、失う、盗むにつながることから「アタルメ」です。さらに、聖徳太子の持つメモ用紙の笏(こつ)は骨(こつ)を連想させることから「しゃく」です。

前後しますが、「杖」づくりの最も肝要な点はその長さにもあるようです。今回は自分で使うことを目的とした試作です。使ってみて良い点とそうでないものを分析するつもりです。

自分の身の丈(たけ)に合わせた長さにしたつもりです。しかし、この長さには常識があるようです。カット後に判明しました。

身長に対する適度な長さは、160cmに対して82cm、170cmに対して87cm、180cmには92cmです。

結果的ですが、その値は自身の身長に対応する値とピタリと一致しています。0.5cmの違いも無くです。トンチンカン(頓珍漢)な順序になったものの、結果は正解です。感激すること頻り(しきり)です。

2011/05/08(日) 16:11