大晦日と三が日は自宅に籠(こも)ります。何十年ぶりのことです。実は、昨年末からH女史ご一行が滞在しています。家を離れることができませんでした。

この機に乗じての「工房活動」です。テーマは「桶(おけ)」づくりです。年末に制作依頼があったものです。材料の青森ヒバは既に手元に届き、これまで睨(にら)みながら気力を充実させてきました。

まずカンナがけです。今回は手押しカンナで直角を出し、基本に沿って、意気揚々とスタートを切ります。しかし、やがて気力が消沈してきます。

この「桶」づくりは何回か経験しています。しかし、今回は事情が少し違っています。これまでよりも二回りほども大きいのです。特に困るのが木端(こば)面のカンナがけです。

板の6面にはそれぞれの名前があるようです。木表、木裏、そして2面ずつの木口(こぐち)と木端(こば)面です。たいていの場合、木口以外はプレナー(自動かんな)に通すことができます。


しかし、幅広の板の場合、木端(こば)面に対応できないのです。勿論、手カンナで解決できるものです。しかし、未熟な腕では、正確な直角と平面の確保が難しいものです。今回のような精度の伴う加工には特に気を使うところです。

結局、丸鋸(まるのこ)テーブルを登場させます。切り口には刃の跡が残りますが、直線と直角の精度は愛程度確保できそうです。妥協は伴うものの、部材づくりへと進みます。

しかし、さまざまな葛藤も生じます。実は、今回は楕円(だえん)形の桶を考えていますが、何角形にするかをまだ決定していないのです。当初は長径を35cmほどと考えていました。しかし、次第に大きいものに変化してきているのです。

当初の8角形から12角形、そして16角形と柔軟的な対応も計画の中に侵入してきています。16角形となれば8角形の2倍の材料になります。必然的に、使う材料の量も、それぞれに対応し得る状態にしておく必要があります。


一旦加工した後に材料を追加することは億劫なものです。本来は、一斉の加工が望ましいのです。これはプレナー等の設定に係っています。刃の位置を同一に再設定することが困難だからです。

途中の追加はいつものパターンです。ある意味では、この自在性が作品づくりの醍醐味であるのかも知れません。とりあえず、手持ちの部材づくりにとりかかります。

期待する寸法と角度に配慮してスライド丸鋸を駆ります。大晦日に挑戦した「積み木」づくりと同じです。また、洋服の生地の裁断に似ています。結果にダイレクトに反映する工程です。

2012/01/03(火) 10:40

穏やかな年末年始を迎えます。この穏やかな気候は屋根からの落雪が気になります。軒先が氷状態、そして全体はゲチャゲチャした状態です。今日も早朝から屋根に上ります。

軒先は30cmほどの積雪です。これは雪止めをつけている辺です。つけていない辺は自然落下しますが、道路に面したところには、この雪止めが必要です。屋根雪を下す作業は非常に危険です。当然のように、屁っ放り腰(へっぴりごし)になります。

下した雪の量に以外に多いものです。下すこと自体は然程の労力ではないものの、地上に落とした雪の処理が厄介です。タイヤショベルといえども結構な時間を要します。

そして庭の除雪です。門から工房までのアプローチの確保です。その時になって、四阿(あずまや)の柱が歪んでいることに気づきます。この四阿は15年ほど前に建てたものです。頑丈なつくりと自負していましたが、年末の降雪と雨で負荷がかかり過ぎたようです。

ピサの斜塔以上の傾きです。即、つっかえ棒をします。しかし、本格的な雪はこれからです。或いは、無残な倒壊に至ることの覚悟も必要なのかも知れません。


午後からはカンナがけです。観光協会から依頼された「桶(おけ)」の下ごしらえです。これまでつくった桶は50個ほどです。勝手は心得ているつもりですが、角度等の正確な加工は妥協の許せない世界です。

実は、木工にのめりこむきっかけが、この桶づくりです。いわば、憧れの桶づくりです。昔は専門の職人が多かったようです。しかし、今の市内には皆無になったそうです。実は、つい先日まで現役であった方は85歳になり、引退したそうです。

勿体ない技を失ったことになります。残念なことです。しかし、2年ほど前、その片鱗の一部ですが、手ほどきを受けています。師匠の技を100%とすると、せいぜい5パーセントほどのレベルのようです。

今日は、その部材づくりからです。まず、木口の削除からです。次に、手押しカンナで直角を出し、プレナーに通します。実は、製材したての寸法には微妙な狂いがあるものです。何回も何回もの調整になります。数時間を要します。

いつものことですが、プレナーを通すことで、同一の寸法になることが嬉しいです。そして、世の外気に初めて触れる完全ピュアーな世界です感動する瞬間です。

しかし、プレナーに通しきれない幅広の材には困ります。この加工には丸鋸(まるのこ)を使うつもりです。

明日の課題に残すことにします。明日もお休みです。この三が日で何とか目途をつけたいところです。実は、当面する課題が山積しています。夕刻お出でになったk社長さんから、『行燈(あんどん)はいつの完成になりますか。女将(おかみ)が困っていますよ。』、と訴えられます。



実は、途中まではつくっていたのですが、停滞し過ぎていた課題でした。部材は加工済みでしたが、時間が経ち過ぎていたのです。残りの作業は単に組立だけです。しかし、25個ほどもあります。これにも結構な時間を要します。時間が欲しいです。

2012/01/02(月) 20:22

今冬の雪はその降り始めから規模の大きいものです。吹雪と降雪がダイナミックです。しかし、大晦日は雨を伴う暖気です。この暖気が曲者(くせもの)です。

案の定、屋根の雪が轟音とともに滑り落ちます。その氷を含む雪に、屋根に立てかけていた2連な梯子(はしご)の上部が見事に折れています。また、先般設置し直したテレビアンテナも根こそぎ飲み込まれています。雪崩(なだれ)のようなものです。

おそらく、アンテナの設置位置に問題がありそうです。しかし、落雪後の屋根の雪は皆無になります。一時しのぎのようですが、屋根に上って復元します。あと3ヶ月は雪との戦いになります。




大晦日と元旦と工房に浸かります。いわば仕事納めと仕事始めです。途中まで手をかけている「積み木」の完成を目指します。これまで数セットをつくっていますが、今回、新しいバージョンにします。結局、大小長短合わせて140個以上のパーツになります。

今年も二足のわらじを履くことになりそうです。

2012/01/01(日) 18:50

除雪で始まる毎日です。まだ暗いうちからです。例年の雪は、降って融け、降って融けて、を繰り返し、やがて根雪になります。今季は、そのリハーサル無しで間断なく降り続いています。

このパターンは7年ぶりだそうです。そのストレートさが予定を狂わせます。実は、植木の雪囲いの準備が途中です。不十分なまま、庭は50cmほどの雪に埋まっています。暖気になるのを待っての再開になります。

先日まで、マイナス5~6°の気温が続いていました。しかし、ここ2~3日はマイナス1°ほどです。この氷点下1°を、これほど暖かく感じることに新鮮さがあります。

北極に近いところでは、『今日はマイナス20°です。暖かいです。昨日はマイナス40°でした。』という会話があるそうです。これまで、マイナス20°を暖かく感じることを不思議に思っていました。

実は、氷点下についてはみな同じと認識する傾向があったようです。しかし、25°と30°、そして、マイナス5°とマイナス1°の違いが明確であるように、マイナス20°を暖かく感じても不思議は無さそうです。


朝から「木工作業」の満喫です。まず、当面している課題に手をかけます。ホテルに納品する作品です。下拵え(したごしらえ)は助手が済ませています。今日は仕上げの段階です。とはいうものの、結構な時間を要します。今年中には何とか納品したいところです。あと残り2日です。


昼前、O局長さんがお見えになります。先日依頼を受けた作品の打合せです。基本的には「桶(おけ)」です。しかし、やや複雑な構造の注文です。今日は寸法について確認します。

例によって、側面の板の貼り合わせはルータービットに頼ることになります。当初は、一片が3寸5分の正八角形を基本にし、向かい合う2面を幅広にするつもりでした。概ね、短径25cm、長径35cmの楕円に近い形になります。


しかし、これでは小さいようなのです。どうやら十二角形か十六角形がよさそうです。もう一度イメージを具体化する必要があります。方針が決まりさえすれば、作業自体は単純です。

現在迷っているのは「箍(たが)」の材料です。一般的には竹です。しかし、硬すぎることから「トヨシ」を使っています。

話は飛びますが、このトヨシというのは「籐葦(トウアシ)」のことのようです。しかし「葦(あし)」は「悪し(あし)」につながることから「善し(よし)」に言い換えて「籐(とう)ヨシ」と表現してきたものらしいです。丁度、スルメをアタルメと表現するのに似ています。

このトヨシは九州の一部でも栽培されているそうですが、多くは温暖な東南アジアから輸入されています。当地ではN竹屋さんで扱っています。生えているトヨシは何十メートルもの長さのようですが、実際に国内に届くのは3~4メートルです。

結構な重量の水が入る「桶」です。頑丈につくりたいところです。勿論、金属をタガ材にすることも考えています。あれやこれやと夢が広がります。間もなく決断の瞬間を迎えます。


午後、魚市場に出かけます。車で2時間ほどの東方です。当初、凹凸の激しい氷の路面が気になっていました。しかし、状況は刻々と変化してきます。太平洋側の目的地に着くと皆無の雪です。別世界です。

帰路はその逆です。次第に雪が多くなります。これまでの感覚では、雪の象徴は北国であったようです。しかし、西国をして雪国の代名詞とするのが正しいように思われてきます。


年の瀬です。やはりごった返しています。しかし、この混雑からもそうですが、市場で季節を感じることができます。蟹(カニ)、鱈(たら)、キンキン等が目につきます。かにや鮭(さけ)は通年見かけるので感激は少ないです。

ハタハタ(鰰)が出ています。しかし、近頃は、これも季節に関係なく出回っているようです。季節のもの、という感覚が薄れてきているのが残念です。

タラは圧巻です。でっぷりと太っています。値札を見ると少し不思議です。同じような大きさで、一方は5,000円、他方は13,000円ほどです。これはメスとオスの違いによります。

メスは「タラコ」を、オスは「シラコ(キク)」を孕(はら)んでいます。オスの「シラコ(キク)」が珍重されるからです。

勿論、メスをいただきます。帰宅後、早速、タラコを調理します。酒、みりん、しょうゆ、トウガラシと混ぜ合わせます。そして鋏んだスルメを入れるだけです。簡単です。

酒や醤油がやや多くても、タラコやスルメが吸ってくれます。着色された市販のものとは違い、安心していただける、昔から伝わる冬のごちそうです。

昔は「子和え(こあえ)」も膳につけていましたが、最近は省略しています。次回の挑戦にするつもりです。

2011/12/29(木) 11:57

時折の猛吹雪です。しかも日中の気温はマイナス5℃です。この気温は、水道を出しっ放しにするときの目安です。午後、数時間、家を空けて帰宅すると、やはり、凍結しかかっています。厳寒にはまだ早すぎるようなのですが・・・。

その吹雪の中、製材所にお邪魔します。実は、先般、作品の依頼がありました。数個の「桶(おけ)」です。それも、やや複雑な形状です。未熟さは百も承知ですが、即、挑戦したくなるのが困るところです。

しかし、この製作費は個人ではなく公の機関から捻出(ねんしゅつ)されるようです。失敗の許されない世界です。勿論?、材料は秀木の「青森ヒバ」です。それもヤクモノです。気合の入ること頻(しき)りです。

タイムリミットは1月一杯です。年末年始の時間を有効活用するつもりです。これまでそうであったように、ま、何とかなる筈です。


このところ、簡単?な玩具づくりをしています。簡単とはいうものの、寸法の妥協のできない世界です。ほんの紙1枚の誤差であっても、積み重ねることで極めて頓珍漢(とんちんかん)なものになるからです。とはいうものの、ほんの少しの工夫や注意力でクリアーできるもののようです。

今日は予定の半数ほどのカットを終えたところで妥協します。直円柱や直角二等辺三角形は別の機会にします。加工自体は簡単なのですが、楽しみを長く持ち続けたい思いも進捗度にブレーキをかけているようでもあります。

今回は、一応の設計図をつくってみます。しかし、にも拘らず、途中から設計変更したくなります。設計図は、所詮、大まかな方向性の目安のつもりです。頑(かたく)なな拘(こだわ)りは寧(むし)ろ本質を見失うことにつながりそうでもあるのです。


そのような理屈を盾(たて)に、紆余曲折(うよきょくせつ)を楽しみます。欲を言えば、刃物が鈍くなっいることです。刃の出口がボソボソになってきています。ま、将来は「面取り」される辺です。しばらくは我慢するつもりでいます。


遠方から飛行機に乗ってH女史がお出でになっています。数か月の滞在予定です。玩具づくりに拍車がかかります。

2011/12/25(日) 17:51
一昨日の日中、雨になります。一瞬、「雨返し(あまがえし)」を心配します。これは、雨の後に来る荒天です。やはり、昨日、今日と厳寒と吹雪に見舞われます。まだ早いものの、本格的な冬を思わせます。

今日も朝から除雪作業です。10年ほど前までは、簡易のスノーダンプでの手作業でした。しかし、腰を骨折してからは到底無理です。タイヤショベルに切り替えます。

腰を骨折したとはいえ、運転席に座ってのコントロールは問題にはならないのです。何とかなるものです。丁度マジンガーZに乗っているようなものです。

午前中は工房作業です。一週間ぶりの楽しみです。まず、先週スタートした玩具(おもちゃ)に手をかけます。タルキ(垂木)の2面を正確な直角にしています。その面を定規(じょうぎ)にして他の2面にプレナー(自動カンナ)をかけます。

プレナーの歯の高さを少しずつ変化させていきます。少しずつ、ということは、プレナーにかける回数が多くなります。かれこれ10回ほどもかけたようです。実は、同時にタルキの他にもかけます。


この材は、先般、足駄(ゲンコツ)づくりの際の余材です。その寸法と一致させる必要があります。プレナーは、単に鉋(カンナ)をかける他に、分を揃(そろ)える能力があります。頼もしいツールです。

次に、「面取り」です。これは、直角のコーナーにカンナをかけることで鈍角に変える工程です。このツールには「面取りカンナ」を使います。これには「木の目」の見極めが伴います。逆方向にカンナをあてると、削り面がささくれてしまいます。

しかし、これまで何千回も経験している工程です。ようやくそれらしく使えるようになりつつあります。材を細かくカットする前に手をかけることで、作業量が激減する、将来を見越した当然の手順です。

これで概ねの下ごしらえを終えます。次の作業はカットです。しかし、ここで少し考えてしまいます。実は、これまでは即、カットに入っていました。ところが、どのような形状を何個つくるかを事前に明確にすることにします。

実は、昔は一瞬イメージしただけで頭に浮かんできたものですが、衰えたようなのです。とはいうものの、本来はカンナをかける前に考えておくべき工程なのです。遅ればせながら、簡単な設計図をつくることにします。


実は、この玩具は「積み木」です。本来?は、決められた設計図は無さそうです。しかし、単位となる基本形を正方形にし、その一辺の偶数倍の寸法で裁断すれば良さそうです。

そして、カットしたものの集合が正方形になれば、何とか落ち着きそうです。話は飛びますが、これまでは正立方体と直方体だけで構成していました。極力、素朴さと単純さを意識してのものです

。しかし、今回は直円柱も加えるつもりです。友人の工房ではこのパターンを一般的なものにしているのです。勉強することにします。


外は吹雪です。このようなときは、「地吹雪体験ツアー」は中止になるようです。本物の地吹雪では過酷過ぎる筈なのです。

2011/12/24(土) 15:50