雪片づけが日課になっています。朝は5時過ぎからの開始です。早朝、最も必要とする情報は積雪の量です。その多少は作業時間に反映します。10cmと30cmとはやはり違ってきます。

また、全く雪は無くアスファルトの見える状態の日もあります。勿論、その日の雪片づけは必要ではなく、その分の時間は他に使うことになります。

大抵は沐浴(もくよく)の時間にあてられます。いつもより長湯(ながゆ)になります。また、工房の掃除時間にも振られます。とはいうものの、単に、床に入っている時間が長くなることが多いようです。

何れにしても、雪の多少は朝の時間の分配に大きく関係しています。当然、早起きのご婦人からその情報を入手します。実は、雨は屋根にぶつかる音を立てますが、雪は全くの音無しに降ります。実際に外に出てはじめて認識する世界です。

毎朝、『今朝は○○cmほどです。』の情報を得ての一日のスタートです。寝床に居てのこの会話は、正岡子規?の『いくたびも雪の深さを尋ねけり』を連想させます。尤も、子規の本来表現したかった意味とは違っているようでもありますが・・・。


『いくたびも・・・』の意味のひとつは積雪のスピートとも関連があります。降るときは10分で20cmも積もります。聞いたときに降っていなくても、10分後の状況には再確認が必要なのです。

雪、雪の毎日です。庭の門の屋根には1mほども積もっています。昔から、この1mの値が普通の木造家屋の耐久限度といわれています。門は、単に2本の柱を立てて屋根を乗せただけの粗末なものです。しかも自作です。気にはなっていましたが、そろそろ限界のようです。ついに昨晩の雪下ろしを決断します。

勿論、屁っぴり腰に甘んじます。アルミの梯子(はしご)は、雪の付いた靴では恐ろしく滑るのです。更に、下した雪は意外に多い量です。タイヤショベルの出動です。

恒例の越冬事情です。しかし、今年は特に多いようです。この雪の量は、自然界の緻密なメカニズムが作用しているのかも知れません。昨年夏のキノコの不作と関係づけたくなります。

話は飛びますが、『アメリカ大陸のハリケーンは、アフリカ大陸奥地のジャングルの蛾(が)が作用している。』、という考え方があります。それは、羽ばたきの回数です。億?近い蛾の一匹が、いつもは20回羽ばたくところを21回羽ばたくときの差です。その1回多い振動が、やがて大きいエネルギーに増幅し、気象の変化をもたらす、というものです。

この論法は、カナダバンクーバーの若者から聞いたものです。勿論?冗談の類(たぐい)ですが、ま、キノコの出来と積雪量との関連づけも然程の飛躍は無いようなのです。

あと3週間ほどで立春です。『 ♪ 春よ来い 早く来い』です。



2012/01/11(水) 17:07

昨晩から今朝にかけての積雪はほんの1~2cmです。ツルンツルンに凍った上に積もったものです。そして日中の気温はプラス1~2°と穏やかです。道路の除雪は小休止の日になります。

しかし、あちらこちらで屋根の雪下ろしをしています。85歳の老婦人が屋根の上にいるのには驚きます。雪下ろしには後始末が伴います。落下した雪の処理です。大抵は川や海に捨てに行きます。大変な労力です。

昔の一般説に、『冬は運動不足になりがちです。』があったようです。それは雪の無い地区を舞台とした論法です。しかし、奥州最北端では冬こそが運動過多となります。噂では3週間ほどで立春です。信じ難いところですが信じたいところです。


一昨日からの3連休の大半は工房に籠ります。「桶(おけ)」づくりです。昨日は久しぶりにルーターにご出馬願います。幅広の木端(こば)の調整のためです。大分煮詰まってきました。

また、本番前のリハーサルをします。実は、本来の材は青森ヒバの厚手です。余りにも優秀過ぎることから、ビビるのです。リハーサルに使うのは薄いバラ板です。ほぼトラブルなく作業は進みます。

それには、「仮に失敗しても替わりの材はある。やり直せば良いだけです。」の心理が作用していそうです。その伸び伸びした精神状態が成功に導いたようです。この成功は、ある意味では人が持つ優れた部分のようです。しかし、反面、誰もが背負っている弱点とも言える宿命でもありそうです。


今日は本番です。リハーサルで納得している工程です。しかし、緊張します。角度や寸法等の確認は何回も確認しますが、納得してからも確認する有様です。本番にはそのような精神状態が伴うものです。

丁度、楽器演奏に似ています。部屋に籠って一人で演奏するときに完璧にできるのが、いざ人前では勝手が違うのです。不思議です。また、筆で新聞紙に書くときにはまあまあの出来になるものが、一枚だけの真っ白い紙に書くときには事情が違ってくるのに似ています。

結局は稽古不足のようです。特に書の上達は、『如何に多くの紙を使ったかが上達の程度を決めます。』、と、書道のM先生に教わったことがあります。半世紀ほども昔のことです。今、工房活動の中で思い当っています。

同じような類(たぐい)がたくさんあります。例えば、普段着慣れない晴れ着を着ると必ず汚します。しかし、いつも綺麗な着物で生活している人は殆ど汚さないものです。

残念ながら、伸びやかな作品作りには、稽古もそうですが、傲慢(ごうまん)さに似た度胸のようなものが、その要素とされるのかも知れません。

今日は底板を嵌める溝を掘ります。伝統的な作り方とは違う方法です。底板の厚さは決まっています。その厚さに合わせて溝幅を加工します。期待する幅は、やや力を加えて嵌るようにしたいところです。溝幅が狭く、嵌(はま)らなければ意味はなく、緩過ぎても役に立たない世界です。

また、この溝には側面のテーパーの角度も反映させます。この加工のツールは丸鋸盤です。丸鋸を逆さにして台の上から刃を出したものです。刃の位置は固定され、加工材をスライドさせるものです。


この溝掘りにはルーターが一般的のようです。しかし10mmほどの深さです。勿論?刃の高さを少しずつ変化させるものの、荷が勝ちすぎるようでもあります。パワフルな丸鋸に頼ります。

丸鋸の刃の厚さは結構あります。材を少しずつ移動させることで刃の厚さ分だけ削除されます。一片の加工には10回弱の回数、刃をあてます。単調な作業です。

十二角形の側面です。その2個分です。24枚を加工します。緊張の連続です。実は、鋭利な刃が回転しています。不用意に触れるだけで材に瑕(きず)がつきます。特に、加工し終わった瞬間が要注意です。刃の回転が止まったことを確認してから加工材を取り上げます。

夕刻、K社長がお出でになります。桶の進捗(しんちょく)状況をご覧いただきます。『高さがあり過ぎませんか。』、と心配してくれます。実は、最終的な高さの決定は未だです。参考になります。

そしておまけです。『12日から大人の休日が始まります。大丈夫ですか?』、です。実は、県外のお客様に出す「青森ヒバの箸置き」の心配です。明日からはお勤めです。或いは、夜間の工房活動も考えることになりそうです。

2012/01/09(月) 19:42

今日も30cm以上の積雪です。昨日アスファルトを見せたばかりです。恐れ入ること頻(しき)りです。早朝の沐浴後、即、除雪です。愛車のタイヤショベルを駆ります。

自宅前は狭い道路です。ほんの25分ほどで復元します。しかし、庭は手つかずの状態です。心残りは、他のエリアの除雪でカバーします。S商店の前、A工房、そしてS割烹旅館の駐車場と範囲を広げます。

ある程度体を使ったところで平常心を取り戻します。「憧れの桶(おけ)づくり」に没頭します。実は、正十六角形をつくるつもりですが、ビットの当て方が曖昧(あいまい)です。以前、数回体験した際に、確認すべき点としてインプットされていたのです。

それは、板の表裏天地の設定です。正十六角形の内角の一角は120°のようです。それは60°+60°です。それはまた直角プラス30°で構成されてもいます。使うビッもまた60°+90°+30°の要素で構成されているのです。


その30°と60°を外側に設定するか内側にするかで結果は全く違ってきます。結論は、部材の裏面を表にして刃を当てることになります。このメカニズムのデリカシーが記憶に残っていたことになります。

本来は1寸の板です。カンナをかけて8分板です。しかし、サンプルには勿体ないです。3分板を使います。カンナをかけた仕上がりはほんの7mmほどです。厚さは異なるものの、幅と高さは本物らしくします。

テーパーは2°ほどにしてみます。実は、この値は、32cmの長さにどのように反映するかも確認したかったところです。このテーパーは箍(たが)の締め付けに必要な構造です。しかし、必要以上のテーパーは殆ど意味を持たなくなります。また、見た目にも美しく映らないのです。

話は飛びますが、天文学的な尺度では、ほんの1°の違いであってもその両端は無限の隔たりに繋がります。唐詩選にあったようですが、『盈々(えいえい)たる一水の閒(間)脈々として語るを得ず』の世界です。

織姫と牽牛星の物語だったようです。実際に試してみなければ説得力に欠ける世界なのです。またまた話は飛びますが、「平行線の定義」の中に、「あの世で交わる直線」というのがあったようです。ある意味では大ロマンでもあります。

加工後、即、組み立ててみます。実は、数年前、桶の組立の「虎の巻」をいただきました。桶づくりの名人からです。その中には、『桶の組立は一人でやります。両手両足を駆使してです。』とあります。


しかし、今日は、助手の他に友人を加えての6本の手で組立てます。流石(さすが)苦労?した30°、90°、そして60°のコンビネーションです。見事な造形を展開します。しかも、底板は嵌めこんではいませんが、適度に締め付けた箍(たが)によって考えられないほど頑丈です。

結果的には、32cmの長さに及ぼす2°ほどのテーパーは径で4.5cmほどです。周としては14cmです。しかも、どぎつい傾きでないものです。この程度のテーパーであれば何とか妥協の範囲のようです。

次に、本物の底板の加工に入ります。幅広の一枚板は無理です。3枚を相欠(あいじゃくり)で接(は)ぐことにします。これは両者を厚さの二分の一を削除して合わせる方法です。この二分の一の設定が曲者(くせもの)です。アインシュタインの相対性理論のようなものです。

本来は、多少の目違い(段差)があってもプレナーで解決するものです。しかし、そのプレナーに入る幅でないことから、ストレートビットのデリケートな高さ調節が要求されます。勇み足でも寸足らずでも不合格です。紙よりも薄い次元の設定を余儀なくさせられます。

しかし、この調整が楽しいのです。とはいうものの、集中力が鈍ってきています。ある程度の段階で、明日の課題に残すことにします。

2012/01/08(日) 20:31

降らない、と思っていましたが、やはり降っています。朝からタイヤショベルを駆ります。今日のお勤めはお休みです。午前中は雪片づけのボランティアです。ボランティア、とはいうものの、稽古のようなものです。

10年ほども使ってはいるものの、タイヤショベルの御し方はまだ不満足です。除雪の機会を増すことは腕磨きのようなものです。

昼過ぎからは「桶(おけ)」づくりです。とはいうものの、サンプルづくりです。実は、本物は余りにも優秀な材です。加工の粗相(そそう)は勿体(もったい)ないことから、薄い板で試すことにします。

試す、というのは、正確な加工をいかに単純に熟(こな)すか、の確認です。平常心では間違うことは無いのですが、意外に失敗した過去があるのです。このサンプルづくりの工程は、いわば学習の賜物のようなものです。

テーマは木の表裏上下を如何(いか)に、刃に普通に当てるか、です。まず、底板を嵌める溝掘りです。実は、側面にテーパをつけています。このテーパの角度はあちらこちらに反映します。勿論、底板を嵌める溝にもです。

しかし、側面のテーパの角度を底板の溝にコピーすることは意外に難しいものです。本来の桶の溝は弧を描いています。その構造では気にすることは無いようなのですが、今回の設計ではその角度のこだわりが大切な要素になります。


工夫を要することは他にもあります。実は、側面の板の長さはスライド丸鋸(まるのこ)で対応できない長さです。結局、これまの経験で得た雰囲気を根拠に表現することになります。アバウトな加工です。極めて数学的で無い世界です。

加工後、気づいたのは「対頂角」の利用です。その確認は明日の楽しみに残すことにします。方針が決まりさえすれば単純極まりない加工の筈なのです。

2012/01/07(土) 20:24

明け方に降ったようです。結構な積雪です。まだ暗いうちからの除雪作業です。こういう日はご近所の皆さんは皆笑っています。抗しがたく積もる雪に呆れているのです。

ここ2~3日は工房作業に手をかけることが出来ませんでした。しかし、頭の中はクルクルと回転しています。当面している「桶(おけ)」づくりの今後の作業方針についてです。

昨夕、依頼主のO氏がお出でになります。進捗状況の確認のためです。進捗、とはいっても、単にカンナをかけ、部材のカットを終えただけの状態です。しかし、カットした部材を並べるだけで概ねの大きさは把握できそうです。

今回は12角形を紹介します。もっと大きいものにするには16角形も可能です。依頼主の意向に委ねることになります。開口一番『ずい分立派ですね。大きさも手ごろです。』と評価してくださいます。このパターンでゴールを目指すことに決定します。


明日から3連休です。何とか目途(めど)をつけたいところです。当面の作業は、側面の板(フ)への底板を嵌める溝掘りです。その後、側面の板(フ)にテーパーをとります。テーパーをつけた後では直角を確保し難いことが懸念されるからです。

作業は一瞬の筈です。そして単純なものです。注意点は木の表裏と元末を把握しておくだけのようです。しかし、これまでの経験ではそれすらも間違うことのある世界です。今日は静かに頭を冷やすことにします。


2012/01/06(金) 15:51

雪の降らない三が日でした。その間、工房活動を満喫します。しかし、4日から家を離れてのデスクワークです。家を離れると雪が降ります。不思議なメカニズムです。

今朝も猛吹雪です。氷点下5°ほどです。沐浴後の除雪作業です。除雪することで綺麗に変化します。作業の積み重ねが結果に反映することが木工作業と似ているようです。勿論、これにも拙巧があるようです。

依頼があり、「桶(おけ)」のようなものをつくっています。進捗状況は、まだ部材の一部を揃えただけです。実は、材料の「青森ヒバ」を補充することにしました。厚さ1寸、幅3寸5分の板です。

本来であれば必要分を準備すべきのようです。しかし、今回は(?も)設計変更が考えられます。また、加工途中、材が傷むことがあります。ほんの1~2の部材追加であっても、それを他の部材の寸法と一致させることからのスタートになります。

エキストラを準備しなかったことが悔やまれます。しかし、余裕のある時に限って、その予材は不要になることが多いようです。条件によって成功率に違いがあることが不思議です。


昨日、N竹店にお邪魔します。「トヨシ(籐葦)」をいただいてきます。桶の箍(タガ)材の候補です。選択肢には金属も入っているのですが、方向が決まった時点でどちらにも対応可能にしておくためです。

話は飛びますが、竹店ではこのトヨシを竹籠(たけかご)の縁(ふち)をまとめるために使っています。竹は身が厚く、小さいRには対応し難いのだそうです。それに対してトヨシは柔軟性に富み、強靭なのだそうです。

トヨシの直径は3cmほどです。N竹店ではこれを2分割、4分割、8分割、16分割等にして使います。その割ったものをいただいてきます。いわば下拵えをしたものです。実際には、この身を更に削除します。柔軟性が高まります。

その際、水に漬けて作業します。乾燥したトヨシは非常に鋭利ですが、水を含んだものは不思議に鈍くなります。また、実際にタガとして編む場合にも水に漬けます。実は、トヨシは革(かわ)の性質に似ています。水分を含むと伸び、乾燥すると収縮します。

更に話は飛びますが、N竹店の大将が『トヨシで、完璧に編んだものが翌日にはグニャグニャになっていた。』と話していました。乾燥による収縮の所為です。これを聞くと、やはりタガ材としては第一候補にしたいところです。ビシーッときめたいところです。

ヨーロッパのウイスキーの樽には鉄のタガが使われているようです。鉄を赤く焼いてから嵌め込むのです。焼かれた鉄は伸び、冷える課程で収縮するという性質をつかっているようです。

またまた話は飛びますが、子供の頃、このトヨシを凧(たこ)の唸り(うなり)に使っていました。竹で弓をつくり、弦(つる)材にトヨシを使うのです。一般的な唸りは、糸に和紙を貼り付けますが、音色が違うのです。

和紙の弓がブルブルと鳴くのに対して、トヨシはビャャーン、ミャーンと鳴くのです。しかし、このトヨシを使う人はほとんど見かけなくなっているようです。

話は飛びますが、大人の腕に快い凧の大きさは畳半畳ほどです。それが空に上がると、葉書の大きさ、切手の大きさになり、やがて点に変化します。そして微かに唸りが聞こえます。

どこからともなく聞こえる、ビャャーン、ミャーがまた格別です。最近凧を揚げたのは30年ほど前です。またその気になっているところです。



2012/01/05(木) 14:12