雪の降らない三が日でした。その間、工房活動を満喫します。しかし、4日から家を離れてのデスクワークです。家を離れると雪が降ります。不思議なメカニズムです。

今朝も猛吹雪です。氷点下5°ほどです。沐浴後の除雪作業です。除雪することで綺麗に変化します。作業の積み重ねが結果に反映することが木工作業と似ているようです。勿論、これにも拙巧があるようです。

依頼があり、「桶(おけ)」のようなものをつくっています。進捗状況は、まだ部材の一部を揃えただけです。実は、材料の「青森ヒバ」を補充することにしました。厚さ1寸、幅3寸5分の板です。

本来であれば必要分を準備すべきのようです。しかし、今回は(?も)設計変更が考えられます。また、加工途中、材が傷むことがあります。ほんの1~2の部材追加であっても、それを他の部材の寸法と一致させることからのスタートになります。

エキストラを準備しなかったことが悔やまれます。しかし、余裕のある時に限って、その予材は不要になることが多いようです。条件によって成功率に違いがあることが不思議です。


昨日、N竹店にお邪魔します。「トヨシ(籐葦)」をいただいてきます。桶の箍(タガ)材の候補です。選択肢には金属も入っているのですが、方向が決まった時点でどちらにも対応可能にしておくためです。

話は飛びますが、竹店ではこのトヨシを竹籠(たけかご)の縁(ふち)をまとめるために使っています。竹は身が厚く、小さいRには対応し難いのだそうです。それに対してトヨシは柔軟性に富み、強靭なのだそうです。

トヨシの直径は3cmほどです。N竹店ではこれを2分割、4分割、8分割、16分割等にして使います。その割ったものをいただいてきます。いわば下拵えをしたものです。実際には、この身を更に削除します。柔軟性が高まります。

その際、水に漬けて作業します。乾燥したトヨシは非常に鋭利ですが、水を含んだものは不思議に鈍くなります。また、実際にタガとして編む場合にも水に漬けます。実は、トヨシは革(かわ)の性質に似ています。水分を含むと伸び、乾燥すると収縮します。

更に話は飛びますが、N竹店の大将が『トヨシで、完璧に編んだものが翌日にはグニャグニャになっていた。』と話していました。乾燥による収縮の所為です。これを聞くと、やはりタガ材としては第一候補にしたいところです。ビシーッときめたいところです。

ヨーロッパのウイスキーの樽には鉄のタガが使われているようです。鉄を赤く焼いてから嵌め込むのです。焼かれた鉄は伸び、冷える課程で収縮するという性質をつかっているようです。

またまた話は飛びますが、子供の頃、このトヨシを凧(たこ)の唸り(うなり)に使っていました。竹で弓をつくり、弦(つる)材にトヨシを使うのです。一般的な唸りは、糸に和紙を貼り付けますが、音色が違うのです。

和紙の弓がブルブルと鳴くのに対して、トヨシはビャャーン、ミャーンと鳴くのです。しかし、このトヨシを使う人はほとんど見かけなくなっているようです。

話は飛びますが、大人の腕に快い凧の大きさは畳半畳ほどです。それが空に上がると、葉書の大きさ、切手の大きさになり、やがて点に変化します。そして微かに唸りが聞こえます。

どこからともなく聞こえる、ビャャーン、ミャーがまた格別です。最近凧を揚げたのは30年ほど前です。またその気になっているところです。



2012/01/05(木) 14:12