最高気温マイナス5°~6°の厳寒です。そして雪です。今日もenough状態です。しかし、この厳しさで心身が鍛えられている錯覚?に陥るのが不思議です。

このところ新しい出会いがあっています。昨日はM宅にお邪魔します。車で1時間ほどのS市にある旧家です。豪邸です。座敷に通されて更に驚きます。襖(ふすま)は野沢如洋(じょよう)の松と竹です。感激します。

如洋は江戸、明治、大正、昭和に生きた淡彩墨画家です。個人的には如洋の馬が好きでした。松と竹を見るのは初めてです。如洋の、洋のサンズイの跳ねに特徴のあるサインが印象的です。

そして欄間(らんま)には堺利彦の書です。『棄石埋草』とあります。浅学の悲しさです。M先生に、「石を捨てて草を埋めると読むのですか。」と尋ねます。すると『昔、私もそのように答えて親に怒られました。』と笑われます。


そして、『これはそのまま、棄石(きせき)埋草(まいそう)と読みます。』と教えてくださいます。結局、『世のための捨て石になれ。』という、いわば堺自身の生き方そのものを書いたようです。

初めて出会う書です。読み方すらも解からなかったものが、M先生の解説でビクッとするほどの感銘を受けます。キラキラとした思想に触れる瞬間でした。

帰宅後、早速調べてみます。その堺利彦を黒岩比佐子がまとめた本があるそうです。残念ながら彼女の絶筆になったそうです。遅ればせながら、読むつもりでいます。

ルパシカ(ロシアの民族衣装)をダンディーに着こなすM先生は矍鑠(かくしゃく)とした96歳です。頭脳明晰で意欲満々、そして探究心旺盛です。2時間余りの楽しい会話にお付き合いさせていただきました。これから何回もお邪魔することになりそうです。


このところの日の出の時刻が早くなっています。そして日の入りは顕著に遅くなっています。厳寒の中であっても、確実に夏に向かっていることになります。我が家では新しい命が誕生しました。昨日が お七夜(おしちや)です。健やかな成長を願いながら神棚に命名書を飾ります。



2012/01/27(金) 17:21

一昨日の朝、奥州最北端からの一番便で東京に向かいます。少し緊張します。実は、前の晩、友人のT氏が様子を伝えてくれます。『降り出した。3cmは積もっている。車の渋滞は天文学的なものになります。電車も止まることが考えられます。飛行機が着陸できないことを計算に入れておいてください。』

脅(おど)しのようなものです。奥州最北端の生活では、3~4cmの積雪は無視される範囲です。しかし、空港に向かう出発の朝は猛吹雪です。少し不安にもなります。事実、出発が遅れます。

滑走路では7~8台のタイヤショベルが行き交っていますが、飛行機に付着した雪を取り除く作業で遅れたようです。それでも何とか無事に出発です。

花の東京に着いたのは9:40頃でした。秋津州(あきつしま・本州)最北端では猛吹雪であっても花の東京は真っ青な快晴です。そして雪の名残は道路際にチラホラとある程度です。別世界です。

それでも、この4~5cmの雪は6年ぶりだそうです。滑って転ぶ人、車の渋滞、タイヤのチェーン等でトップニュースです。日常でない状態への対応の難しさは理解できるものの軟弱さを思ってしまいます。


他方、秋津州の最北端では昨日今日と大雪です。数日間鳴りを潜めていた将軍様が存在感を誇示しています。毎日20~30cmの雪です。「もう結構です。」の満腹感です。

話は飛びますが、カナダのレストランの食事を思い出します。皿に残っている状態を見てウェイターが『finished?』と尋ねてきます。直訳では『終わりましたか。』のようです。

意味としては『皿を片づけても良いですか。』になるようです。また、コーヒーのサービスも残り半分頃になると注ぎ足しにきます。

それに対する答えは「finished」のようですが「enough」でも良いようです。その言葉を借りると、今年の雪は「もうenough」です。

仕事の合間、友人の皆さんと食事します。高層ビルの35階で、です。同行したK氏の他にT氏そしてI氏との4人の会食です。I氏からいただいた名刺にある電話番号に驚きます。内線が5ケタ(桁)になっているのです。不思議な世界です。

さて、除雪もそうですが、工房作業にもお尻に火が点いています。「桶づくり」です。これまで土日の潤沢な時間を使って優雅な作業を楽しんでいましたが、昨晩は帰宅後の夜の作業になります。少しずつでも前進することにします。

仮箍(かりたが)を外し、姿を整えてやります。はじめに手カンナ(鉋)を使います。そしてその後はサンダーに頼ります。本来は全ての作業をカンナですべきのようですが、電動のベルトサンダーの魅力が勝ります。

外はマイナス5°です。しかし、工房内では薪(まき)ストーブをガンガン焚(た)いています。作業には快い環境です。結局、昨晩は、シンデレラの帰宅よりも遅い時刻まで楽しみます。作品づくりの楽しみのひとつは、プログラムの進行ごとに変化する姿に出会えることがあります。



2012/01/26(木) 09:45

今日はやや暖気です。少し焦ります。実は、昨日に続いて今日も工房作業に没頭するつもりでした。しかし、朝から屋根に上がります。雪下ろしです。暖気は落雪につながります。しかも軒先は天文学的な重量の氷の塊です。

他に不調法があっては大変です。「桶づくり」よりも優先する課題です。屋根のほんの1/4面で2~3時間も要します。それも屁っ放り腰で、です。下から見上げる屋根は然程高く感じないものですが、屋根の上から下を見ると全く違うものです。

よく解りませんが、その差には身長(足元から目までの距離)が作用しているようです。屋根の上では2倍に増幅されるようです。実際には低い屋根です。昔であれば、アスファルトの道路といえども、飛び降りることは可能であったものです。

しかし、今は事情が違っているのです。稽古不足に加えて、やがて後期高齢者に分類される身の上です。慎重にならざるを得ないところです。結局、屁っ放り腰といえども、無事、雪下ろしを終えます。

しかし、その後、路面に落ちた雪の片づけです。愛車タイヤショベルを駆ります。軽油で力を発揮する優れものです。パワフル過ぎて、太い枝を折ることになります。それを見るK社長が笑いこけます。


そして愈々「憧れの桶づくり」です。実は、時間の潤沢であったこれまでは、「ああすればどうなるだろうか。」、「こうしたら面白そうだ。」、「もっとも効率的な方法は何か。」、などと悠長な世界を楽しんでいました。

しかし、今回は待った無しです。実は、作業時間は残り10日ほどもありますが、実際には3日ほどです。議論無しに作業を進めざるを得ない状況に追い込まれているのです。即、組立に入ります。しかし、箍(たが)はまだ仮りにします。

ここで少し面喰います。実は、今回の桶は厚さ1寸ほどもあります。これをビシーッと締め付けるには結構強力なエネルギーを要するのです。これまでのPPバンドレベルでは間に合わないことを、作業進行中に悟ります。

手当たり次第にそれらしいツールを探します。結局、ロープの登場です。笑い話にもならない「ドロナワ」です。泥棒を捕まえてから縄を綯(な)う世界です。それでも、グルグル巻きにしてガンガン締め付けることでそれなりの役割を演じます。


やがて本箍(ほんたが)になります。その下拵(したごしら)えもします。昨晩から水に漬けておいたトヨシ(籐葦)の肉部の調整です。竹よりも柔軟性があるといわれている優れものです。

実は、使う部分は薄い表皮だけです。肉部は不要なのです。本来は500円玉の太さです。それをN竹店に割ってもらっています。話は飛びますが、竹もそうですが、割ったトヨシの縁は剃刀(かみそり)のように鋭利です。しかし、水に浸した後には鈍くなる性質があります。

一応の峠は越えたようですが、今もまた延々と続く工程が待っています。数日後、やがて辺同士のフィットが一旦落ち着いてから仮箍を外しての微調整です。そして、納得した段階でトヨシの本箍を回すことになります。

明後日は出張予定です。花の都です。本来の目的もそうですが、T氏との昼食が楽しみです。しかし、数日落ち着いていた雪が再び勢力を回復するようです。もういい加減にしてもらいたいところです。
2012/01/22(日) 17:00

今日は土曜日です。少し気合いが入ります。実は、依頼されている作品づくりがあります。これまでと違って、作業時間の確保が難しくなっています。ある程度の目途をつけたいところです。2週間ぶりの工房作業の再開です。

しかし、この2週間、頭の隅の隅にはいつも桶づくりのプログラムが居座っていました。そのひとつは、等脚台形の加工方法です。定規の使い方です。

これまでの机上の理論の実践です。加工する面は48です。しかし、実際の作業は一瞬で終えます。何とかクリアーします。

次に、12角形を構成する面の加工です。ルータービットを使います。ポインとは刃の高さ設定です。端材を使っての試行錯誤を繰り返します。そして本番に入ります。この面の数は24です。それを5~6回に分けて少しずつ掘り込んでいきます。

刃をあてる回数は100回以上です。しかし、高さ調整に要する時間よりは短時間になります。下ごしらえをしさえすれば、刃の回転は電気がしてくれるのです。有難い文明の利器です。


そして底板の加工です。これにも高度?な正確さが伴います。流石に今回は、紙で型紙をつくることにします。サンプルのようなものです。ポイントは、向かい合う辺が平行であることと、各辺の長さが同一であることのようです。勿論、12全ての内角の一致です。

加工後、即、仮組(かりぐみ)してみます。大抵はトラブルがあることが多いです。とはいっても紙2枚ほどの誤差です。刃の不正確な角度が正直に表現されたものらしいです。エクセルやアクセスの計算式のように、正確過ぎて融通のきかない世界です。

若干?の手直し後再び仮組します。大抵の場合は、この仮組段階でピタリとフィットするものです。しかし、これからが厄介です。実は、本組のときには仮組のようにはいかないのが一般的です。これまで何十回も味わった悲哀です。とはいうものの、妥協の範囲ではあるようなのですが・・・。

その障害との出合いは明日にするつもりです。

2012/01/21(土) 21:51

昨日今日の早朝の気温は氷点ほどです。氷点の定義は、水が凍る温度です。しかし、氷の融ける温度でもあります。極めて不思議な世界です。

一般的に、液体の水を固体の氷に変化させる温度には相当な寒さが連想されます。しかし、ここ最近、この摂氏0°を暖かく感じるようになっています。水が凍るほどの気温を暖かいと感じるのです。

実は、つい先般まではマイナス5~7°の連続でした。数回はマイナス10°を下回っています。その低温が長く続いたことで、マイナス5~7°といえども普通の気温と体が認識してしまったようなのです。順応性に富んむことの所為か、或いは体の感度が麻痺したのかよく解からないでいます。敏感と鈍感の世界に帰着します。

今日の日中は青空です。以前、このスカイブルーを見たのは遥か昔のことに思えます。これまでは曇天の猛吹雪の連続だったのです。この天気で観測している積雪の高さが相当低くなったようです。


他方、氷点は固体の氷が液体に変化する値でもあります。路面に貼りついている氷や、家の軒先で凍っている氷柱(つらら)や塊もまた融け出します。これが危険です。融けた路面は夜分には再び凍ります。結果はアイスリンクの状態に変化します。

軒先から落下する前に雪下ろしを迫られる方も多いです。毎年のことですが、つい昨日も不幸な事故があります。どうやら屋根から滑り落ちたようです。「屋根雪を降ろさなければ、」という正義感と清潔さ、そして責任感等が作用した結果のようです。ご冥福をお祈りします。

とはいうものの、我が家の軒の雪庇(せっぴ)も大分迫(せ)り出しています。屋根の下を通る人や車への被害が心配です。明後日の土曜日には上ることになりそうです。



2012/01/19(木) 16:18

今日は火曜日です。差し迫った工房作業がある中、時間が矢のように過ぎていきます。一昨日の日曜日はボランティア活動です。雪片づけです。

少し複雑でもあります。実は、先日の地方紙に、この雪片づけのボランティア活動の記事が載っていました。それは、『65歳以上の高齢者宅を対象に雪片づけをしています。』というものです。

その記事で、筆者も立派な高齢者であったことを思い知らされます。しかし、一昨日は数十メートルの自宅前の道路をはじめ4ヶ所ほどの広い駐車場の除雪を熟(こな)します。勿論、タイヤショベルを駆ってです。

実は、タイヤショベルのコックピットは非常に快適です。外気がマイナス5~6°といえども、ヒーターをつけるとランニングシャツ一枚で作業できます。2ヶ所の椎骨は骨折していますが、座っている分は神経を逆なでしないのです。

数年ぶりの大雪です。気象庁ではさまざまな見方をしているようですが、自身の感覚としては17年ぶりです。実は、その年の昨日、カナダから帰国しました。阪神淡路大地震のあった日です。

帰国して空港に着くと、駐車していたサファリーが見当たりませんでした。1.5mほどの雪にすっぽりと埋まっていたのです。カナダは極寒の地、というイメージがあるようですが、太平洋側は温暖です。驚きました。T先生との旅行でした。17年昔を思い出しています。

屋根の雪庇(せっぴ)は1.5mほどです。その3階建ての屋根に上って落としている方がいます。I氏です。その方も高齢者です。感服すること頻り(しきり)です。実は、この雪庇の除去はやってみて初めて理解する世界です。

足元が不明なのです。極めて危険です。今後上らないように皆さんが説得します。



さて、除雪のボランティア活動を優先しているここ最近ですが、実際にはいつも工房活動をイメージしています。

実は、正確なテーパー(taper)の加工を考えているところです。これは桶(おけ)の側面の加工のためです。とはいうもの、大まかな加工であればアバウトな刃の当て方で何とかなるものです。実際に、そのアバウトな角度で50個ほどの桶をつくってきました。

しかし、今回は考えないで、機械的に刃を当てる方法を探っています。いわゆる正確な等脚台形の作り方の模索です。単純なようですが、多少の工夫が必要のようでした。

先日そのヒントを掴んだようです。例によって夢の中で、です。そのイメージを、先ほど紙を使って具体化してみます。実際にはスライド丸鋸(まるのこ)で加工するつもりです。まず、正確な長方形づくりです。これは定規の役割をすることから結構?重要なポイントです。


そして期待する角度に刃を調整してカットします。その一片を裏返して定規にする方法です。辿(たど)りつくまでは楽しい工程でしたが、行き着いてしまうといとも簡単です。

少しがっかりします。数学の幾何問題と同じ世界です。勿論、プロの皆さんには恥ずかしいところですが、そこはかとない充実感を思う瞬間です。

昨日、遠方の友人から電話をいただきます。実は、今年は年賀を欠礼しました。200枚ほどの年賀葉書は用意していたのですが、その気になれませんでした。『元気か。』の電話でした。ありがたいことです。

来年こそは思いっきりハッピーな年賀状をお出ししたいところです。

2012/01/17(火) 17:29