「園芸事情」・・・アイヌネギ

昨日、奥州最北端の積雪0が宣言されました。県内23観測地点中、酸ヶ湯と碇ヶ関を除いた21地点です。

しかし、実際にはあちらこちらに残っています。顕著なのは軒下です。屋根から落ちた圧雪状態のものは融け難いものです。毎年、タイヤショベルで寄せられた雪は7月頃までも残っています。

ここ数日続いた好天で雪融けがすすんでいるものの、我が家の庭は半平面に1mほども残っています。他の半平面は若芽で薄緑に変化しています。雪融け水と気温の上昇の相乗効果のようです。

アイヌネギが5~6cmにのびています。別名ギョウジャニンニク(行者葫)です。ニンニンクの香りがします。話は飛びますが、この名前の由来は諸説あるようです。滋養に富むことから修行中の行者が好んで食べた、というものが一般的のようです。

しかし、逆に、滋養があり過ぎることから修行中の行者には不向きであるという正反対の説もあります。行者には禁じられた山菜だったことになります。いずれであってもその優秀さを謳(うた)っていることになります。

夏に花をつけます。その後タンポポのように、落下傘に種をつけてあちらこちらに飛散します。その種から翌年発芽するようです。しかし、一人前の株になるまでは5~6年も要するようです。また、株が分かれても増えるようです。

ニラ(韮)やアサヅキに似ています。醤油漬、おひたし、そして卵焼きに入れる等でいただきます。御酒をいただくとき、生のまま味噌をつけるのは格別です。

しかし、実際には友人が持ってきたものをいただきます。庭に育つものは幼く、まだまだ収穫するには忍びないのです。収穫に耐えるまでにはもう数年は見守ることになりそうです。


「工房事情」・・・啓蒙運動

「鶯笛(うぐいすぶえ)」をつくっているところです。昨日、おおまかな部材の加工をしました。まだ様子見の段階です。とりあえず7個分にしました。

今日はその組み立てです。昨日の丸棒づくり、カット、孔あけ等には気合が入りました。しかし、今日の組み立てにも気を使うところです。

音の出るポイントの確認、糊付け、そして補強材の取り付け等です。特に、補強材の加工はデリケートです。

ピタリとフィットする角度の加工は現場合わせになります。切手の1/4ほどの大きさの加工は玩具(おもちゃ)を作っている、という気にさせます。

鶯笛は昔から受け継がれてきた伝統文化です。しかし、青森ヒバの笛はどなたも手がけていないようです。世界中で唯一の作品です。発信することにしました。早速、午後、啓蒙活動に出かけます。


まず、番長さんのところにお邪魔します。数人がお出での中、即、「ホーホケキョ」を演奏します。

下手は下手ですが、春を告げるウグイスの鳴き声に皆さんが喜んでくださいます。我が意を得たり、です。発信する勇気が確固たるものになります。

お客様の中の一人のご婦人から、『昨日のウグイスの鳴き声は、もしや貴方(あなた)でしたか。』と訊かれます。ドキッとします。頭をかいて頷(うなず)きます。

すると、『やはりそうだったんですね。ウグイスの時期にはまだ早いと思っていたのです。』と笑います。一同の爆笑をいただきます。

実は、昨日の朝、何回も庭で練習しました。意外に大きい音色です。高音の「ケ」は特にです。それを聞いていたようです。やはり、とは思うものの、少し困った瞬間でした。

未熟なサンプル段階ですが、あちらこちらの皆さんに貰っていただきました。しばらくはウグイスの啼き声が氾濫しそうです。


明日からガクンと寒くなるようです。今日13℃だったものが5℃の予報です。「鶯笛」を練習しながら、もう暫(しば)らくは早春を楽しむことができそうです。

2011/04/01(金) 17:40

昨日、両陛下の被災者慰問について触れました。その記事の取り扱いについて見守るところでした。案の定でした。当地の朝刊では17面に扱っています。それもほんの少しのスペースです。見方によれば3面記事以下の取り扱いです。

他方、全国版のテレビではどの局もトップニュースの取り扱いです。当然のことなのです。この落差が奥州最北端の地方紙の感性です。田舎新聞とはいうものの、困ったものです。


日中は10℃ほどの麗(うらら)かな日です。雪融けが進んでいます。雪囲いを外したいところです。しかし、萱(かや)で囲んだものはまだ雪に埋まっています。

まだまだその段階では無いようです。今日は荒縄で縛っただけの数本の復元にとどまりました。実は、この雪融けの頃に気を使います。雪が融けた瞬間は草花の新しい芽が出るときと一致していることが多いです。

長靴で乱暴に踏みつけるには忍びないところです。その意味では、まだ雪のあるうちに囲いを外すべきのようです。痛し痒しの選択を余儀なくさせられます。


「工房事情」・・・鶯笛2

今日は木工三昧(ざんまい)です。昨日の「鶯笛(うぐいすぶえ)」がそれらしい音を奏でました。初めての試みの結果は、それだけ作業難度が高くない、ということのようです。

しかし、ひとしきりの充実感を味わった後、あらためて眺め直してみると、こうやったらどうか、ああやったらどうか、というさまざまな課題が浮上してきます。

その内容は、加工材の見直し、構造上の工夫、造形、作業の簡素化等です。現在は製材した角材からスタートしています。どうやら邪道のようです。枝からのスタートに正義がありそうです。

構造、というのは強度の確保です。筋交いの取り付けにはホゾ加工も考えられそうです。またダボを使う手もありそうです。


造形、というのは理由付けです。単純なこのままがベストなのかも知れませんが、あるいは、簡単な干支(えと)の十二支や、鳥、植物、人物等を表現しても良さそうです。もっとも、小学生相手の木工教室では、作る本人に工夫させた方がベターのようでもあります。

そして、作業の簡素化というのは、加工手順と使うツールによる合理化の工夫です。もっと効率的な方法がありそうなのです。いずれも考えておきたい課題です。

しかし、今日はとりあえず昨日のパターンのコピーです。2種類の太さの角材を旋盤(ミニレース)にかけて丸棒にします。この丸棒づくりは何回も熟(こな)した作業内容です。6本ほどの加工には然程の時間を要しませんでした。

粗削(あらけず)りをラフィング・ガウジが担当します。その後は100番、240番のサンダーに任せます。加工材自身が回転することでサンダーをあてるだけです。微粉末を発生させるものの、作業時間はほぼ一瞬です。旋盤の無い頃とは別次元です。

一旦、丸棒をつくった後、W工房にお邪魔しました。スライド丸鋸(まるのこ)とボール盤の按配(あんばい)もありますが、情報収集もあります。

お邪魔すると達人のI氏がお出でになっています。やはり、さまざまな課題に挑戦しています。参考になるものばかりです。特に、手作りのJIG(治具)が見事です。

丁度、ダブテール(dove tail)加工をしています。「鳩の尻尾」加工です。難度の高い加工です。実は、近い将来、このダブテール加工が待っています。

具体的な作業内容をイメージしていたところでした。昔の大工さんがこれを鋸(のこぎり)と鑿(のみ)だけで仕上げたことを想像すると驚きです。


今はルーターがあります。しかし、それでも難しいジャンルです。紙一枚の厚さのコントロールが成功と失敗を分けます。

それを簡単にこなすJIGが登場しているようです。それを使うことで何とかなりそうです。さまざまな情報をいただきました。

結局、「鶯笛」7個分の基本加工を終えました。昨日のコピーとはいうものの、多少の変化を持たせています。本体の孔加工は12mmと昨日と同じですが、吹口と鳴口には6.5mmのビットを使ってみました。

実際に音を出してみると12mmとほぼ同じです。しかし、微妙なレベルの変化があるようです。

本体の鳴口の位置も多様にしてみます。この位置は音程に関係しているようです。さまざまな相関関係が少しずつ浮上してきます。想像の範囲ではなく、実際に試すことで明確になることを実感します。

本体と吹口のなす角度を50°にしました。それを見て、W氏から『45°でも良いのではないか』、の提案があります。即、1個だけを加工し直します。やはり、問題の無いことが判明します。

50°と45°はほんの5°の違いです。これは筋交いの加工に反映する値です。実際の加工作業では大きく増幅されます。全体の修整を考えることになりそうです。帰宅の際、数種類のJIGを頂戴してきました。


明日は今日よりも暖かくなるようです。必然的に?今日よりも能動的になりそうです。

2011/03/31(木) 18:34

「園芸事情」・・・福寿草

10℃近くの気温になったようです。そして午前中は良い天気です。今日は生垣(いけがき)の手当てを決意しました。屋根雪の落下で殆ど90°に折れ曲がっています。凄惨(せいさん)でした。

何十年も問題は無かったのですが、2~3年前、工房を建設したことで事情が変わりました。折れたものは鋸(のこぎり)で切り落とします。曲がっているものは、無理やり立ち上がらせて麻縄で固定します。ポッカリと孔があくところも出てきます。

腕の良い植木屋さんはこれを見事に修復するようです。近くの枝を他に絡(から)めながら誘引し、孔を塞(ふさ)ぐのです。勿論(もちろん)その域ではありませんが、何とかなったようです。

夏ころには相当な回復を見せる筈です。ほんの5~6mに4時間も要してしまいました。久しぶりのビッショりの汗です。

ここ数日の暖かさで雪融けが顕著です。一昨日にはまだ雪に覆われていた場所には土が見えています。驚きです。

つい先日確認した「フクジュソウ」が既に咲いています。春一番に咲くだけに待ち遠しかった一瞬でした。まっ黄色です。それも数箇所に見えています。

実際にはたくさんの株がある筈です。これからの毎日がその確認になりそうです。


「工房事情」・・・春告げ鳥

このところのテーマは「音を楽しむ玩具」です。その中の「笛」です。まず音を出すことが当面の課題でした。先日、漸(ようや)くそれらしいものに辿(たど)りつきました。

ホイッスルのような音です。初めての試みであっただけに感激すること頻(しき)りです。しかし、一応の完成を確認した瞬間に、即、次の課題を探したくなります。多情なのです。

意味合いの角度は多少異なるものの、『這(は)えば立て、立てば歩めの親心』の心境に似ています。

そろそろ春らしい春になります。当然のように、次の課題は「春告げ鳥」の「鶯笛(うぐいすぶえ)」以外には無さそうです。

この「鶯笛」は、手に持ったことも鳴らしたことも記憶には無い玩具です。しかし、その存在は知っていました。江戸家猫八の影響かも知れません。どのような構造になっているかが全く解りませんでした。

例によって、何でも知っているWEBにお尋ねします。先人の皆さんのたくさんの力作が紹介されています。いつもながら流石(さすが)です。

理屈はよく解らないものの、とりあえず作ってみることにしました。今回も試行錯誤がゴールに導いてくれる筈です。殆どは竹を材料としています。しかし、敢て青森ヒバで試すことにします。まず、丸棒づくりからです。ほんの1~2分で仕上がります。

次は孔あけです。貫き通しの孔です。これもボール盤を使うことで一瞬です。12mmのビットにしました。それを適当な長さにカットします。WEBの解説には正確な寸法を示していますが無視します。今回は様子見のつもりです。アバウト(about)で十分なのです。

次は細々とした加工になります。本体のほぼ中央部分に音を出すための孔を1箇所あけます。これには8mmのビットを使いました。そしてその孔の面を平面化します。これにはふたつの理由があるようです。ひとつは音色のためです。

そして組み立てを考えてのことのようです。実は、固定には接着剤を使うのですが、そのままでは接着面積が小さいのです。さらに、1方が木口(こぐち)になることから接着剤が本来の力を発揮しないことが理由です。

接着剤を使う前に音を出して取り付け位置を確認します。ピーッとした音の出るポイントがあります。微妙な位置の変化がスー、スーとなったりピーッとなったりします。その位置を記憶しておいて接着剤を塗布します。


しかし、ここでも問題があります。固定する両者の材が斜めになっていることでクランプが使えないのです。当然のように、手がクランプです。この笛づくりの最も過酷な作業工程です。じっと6~7分耐えることで何とかなります。

しかし、往々にして、いつの間にかズレていることがあります。音の出ないポイントで固定してしまうと大変なことになります。ときどき吹いて音を確認し、位置を修整することになります。

しかし、十分な乾きを待つことなく吹きたくなるものです。勿論、「ホーホケキョ」を期待して、です。吹いてみるとすぐにコツが理解できます。

1回目の試しづくりで成功したことになります。拍子抜けの感があります。尤も、小学校3~4年生が15分ほどで完成できる工作難度です。当然といえば当然のことなのです。

「ホーホケキョ」の演奏には指使いが伴います。「ホーホ」の低い音程は孔を指で塞いで吹きます。そして「ケ」の高い音は指を離し、「キョ」は再び孔を塞ぎます。

先日つくった笛は、その「ケ」だけの音だったことになります。今回は、他の低音も演奏可能です。その意味では今回の作品の方が優秀なようです。


演奏については、最初は下手でも良いのです。ウグイス(鶯)自身であっても啼き始めは「ホーホー」や「ホキョ」等と下手です。春の山でその幼い啼き声を聞くと微笑(ほほえ)ましくなります。山に入る楽しみのひとつです。

それが、やがて夏の終わり頃には見事な啼き声に変化しています。練習の賜(たまもの)です。しかし、この「鶯笛」を上手く吹く(演奏)するには然程の時間は要しない筈です。

「鶯笛」は、本物のウグイスを呼び寄せる笛でもありそうです。よく解りませんが、縄張り意識が強いことで、他の啼き声に対して威嚇する習性があるからのようです。

明日から、徹底的に吹くことになりそうです。ご近所の皆さんに、『もうウグイスが啼いている。』、と思われることでしょう。結果的に「騙(だま)す」行為になります。多少の後ろめたさを背負いながら吹くことになります。


本家の両陛下が被災地を慰問されました。体育館らしきところの床に膝をついてお声をかけておられます。見ているこちらに涙が出てきます。

両陛下も電気を節約しておられるそうです。もったいないことです。財務大臣のお祖母ちゃんの詠んだ、『・・・おおみずからは出でまさね・・・』とは異なる有難さが伝わってまいります。

2011/03/30(水) 19:25

日中は10℃にもなったようです。午後からは曇ったものの、外出した午前中は今日も青空です。実は、3月11日から気になっていた散髪の断行の外出です。

不謹慎とは思うものの、毎日の被災情報を見て気付いていることがありました。画面に出るどなたのヒゲ(髭)も毎日顕著にのびていることです。ヒゲどころでは無い生活を強いられていることが伝わっていました。

その様子を見ると、奥州最北端には居ても、とても散髪どころではありませんでした。その程度は殉じる思いが働いてきます。その結果、いつの間にかモジャモジャになっていました。

しかし、ここ2~3日は自衛隊の風呂の提供があり、ボランティアの散髪屋さんも登場しているようです。数パーセントですが、ヒゲの処理の跡が見られるようになっています。

その状態を感じて散髪に踏み切りました。しかし、これまでのヒゲが勿体無くなり、たてることにしました。初めてのヒゲです。様子がよく解らないことで散髪屋さんのコーチをいただくことになりました。

帰宅すると皆さんに笑われます。おそらく見馴れないことによるようです。しかし、不満足であれば何時でも剃(そ)れるものです。しばらくは3月11日に思いを残して置くつもりです。


「工房事情」・・・やはり

今日の工房活動はお休みです。しかし、先日つくった「笛」が気になります。ひとつは生木(なまき)のツバキ(椿)でつくった笛です。つくった当初はピーッと良い音色を奏でていました。しかし、乾燥のすすんだ行く末が解りませんでした。

見ると、空気の出口が塞(ふさ)がっています。吹き口が閉じていることで音が出るどころではないのです。よく見ると、12mmの丸い孔も歪(ゆが)んでいます。やはり駄目でした。

次は木口(こぐち)の「割れ」の確認です。一般的には芯(しん)を持った材は木口から割れがすすむ傾向があります。しかし、割れの入りやすい木とそうでない種類があるようです。

また、乾燥の仕方やそれに要する時間にも左右されるようです。その意味では今回のイチイ、エンジュ、青森ヒバには割れが入りませんでした。

問題はスモモ、アカシアです。何れも伐ってから半年ほどの雑木です。先日カットだけしておきました。またまたやはり、です。スモモは放射状に割れが入っています。アカシアはあちらこちらの12~13箇所に入っています。

これまで外の資材置き場(薪小屋)にあったものです。それを暖房のある工房に急に入れたこと、そして短くカットしたこと等で急激に乾燥が進んだことも作用しているようです。またまたのやはり、です。


午後、K社長がお出でになりました。『明日被災地に行ってきます。子供のお土産に玩具が良さそうです。』、と言います。お隣の県の村長さんにお会いするそうです。

実は、KUROOBIとしても今回のお見舞いを考えていたところでした。しかし、義捐金をまとめるのが赤十字であることがブレーキをかけていました。

これまで何回も不正流用があっている赤十字です。金の集まるところには必ず不正が巣食うのです。些少(さしょう)な額ではあっても、とてもお見舞いを送る気にはならなかったのです。

今回は、直接、K社長はじめ旅館組合のアクションです。皆さんが存知よりの方々です。早速お届けしてもらうことにしました。玩具(おもちゃ)は小学校前の子供をイメージしたものです。残念ながら、作り置きはほんの少しでした。ご勘弁願うことになります。

実は、この玩具は地元の子供たち用として作り置いています。夏祭りにお披露目するつもりでした。今回はお隣の県の子供たちに届くことになります。何れであっても、本来の目的はまったく同じです。

寧(むし)ろ、このような環境の子供たちにこそ遊んでもらうことが本来なのです。少しでも気を和(なご)ます手立てになれば満足この上無いのです。

地元の子供用を作る時間はまだまだたくさんあります。逆に、またまた充実した時間を楽しめることに感謝することになります。

2011/03/29(火) 18:42

午前中は真っ青な空です。久しぶりの透明感です。夜間の気温は零下ですが日中は10℃弱と高い気温です。融雪が顕著です。

青空に誘われ、これまで室内に置いていた山葵(わさび)の数鉢を外に出します。先日、K氏からいただいたものです。白っぽい花芽(はなめ)が既に出ているものをいただきました。

奥州最北端では、雪の時期に花を見たくなります。しかし、単に秋に室内に取り込んだものには花は付き難いようです。実は、今年の正月に見るつもりの山葵(わさび)が花をつけませんでした。

どうやら、一旦、寒さの洗礼を受けることが花芽(はなめ)をつける条件のようです。K氏も、『この間まで外に置いていました。つい先日から室内に取り込んだ鉢です。』、と解説していました。この理屈が解れば大丈夫のようです。おそらく、来年の正月には白い花を楽しむことができそうです。


今日も木の磨(みが)きです。恐縮するほどの微粉末を生じます。例によって庭の一角が作業場です。単に、木の表皮の削除ですが、意外な時間を要する作業です。単純作業ではあるものの、筋力トレーニングを兼ねることで、やや充実感は伴います。

単に表皮の削除とはいうものの、それぞれに事情はあるものです。話は飛びますが、ほとんどの木に赤身と白身があるようです。

赤身は芯(しん)部で一般的には硬い部分です。他方白身は外側で柔らかい部分です。その白身が腐(くさ)りやすく虫が入りやすい部分です。

伐ったケヤキ(欅)を数十年外に出しておくと、この白身部分が朽ちて、硬い赤身の芯だけになります。工房関係者はこの乾燥した芯材を貴重としています。


今回のイチイ(一位)とエンジュ(槐)にもその傾向があります。しかし、エンジュは白身に入った虫が芯部にも侵略する傾向があります。その理由からか、『エンジュは伐ったら皮を剥(は)いでおく。』、というセオリーがあるようです。

更に、『床柱(とこばしら)に使うエンジュは白身と赤身の対比を強調する。』、という、昔からの価値観があります。その白身を綺麗な状態で乾燥するには伐った瞬間に表皮の薄皮を剥ぐようです。おそらく、虫の侵入を防ぐ意味もありそうです。


今回のエンジュはその手当てをしていないものです。白身を削除しても、数本に虫の移動した跡が目撃されます。針の孔のように小さいものです。それらの削除を兼ねた粗削りです。

粗目のグラインダーの後、100番、240番のサンダーで磨きます。次に気を使うのは粗いサンダーの目の跡の削除です。これには瑕(きず)をつけた目と同じ番号のサンダーを使っています。木の縦(たて)方向に繰り返すことで消えます。

数時間の作業で腕はパンパンになります。少しの矛盾を感じます。プレナー(自動カンナ)や旋盤(ミニレース)を使う工程にはさほどの筋力トレーニングはなく、所要時間も短時間です。他方、木の持つ自然美の表現に膨大な時間を要することです。

今回の作業目的は、当初は「笛」の下ごしらえでした。しかし、作業しながら別の目的に飛躍してきます。ペーパーウェイトにも使えそうなのです。多情なり、です。即、仕上がりの雰囲気を確認したくなります。

本来は最終段階でする塗装です。オイルフィニッシュは先般使ったエアブラの塗油です。やはり、まったく異なる表情になります。




震災どころではない事態が現実になってきました。この日記でも訴えましたが、地震直後に容易に推測できたものです。

昔から変わっていない取繕(とりつくろ)いと隠蔽体質のツケです。ジワリジワリと表面化する事態だけを優先してきた結果です。

『ただちに影響は無い。』の曖昧さに、世界中の誰もが矛盾を感じていました。全くの間違いであったことを今日になって訂正です。どちらも、自己弁護を優先する国会答弁の哲学を基本理念としているようです。

事ここに至っても体質の変化が窺(うかが)えないことに、世界中が気付いた瞬間です。安全確保が最優先です。20km、30kmの次元ではない筈なのですが・・・。人命には最悪を仮定しての対応をすべきなのです。

セコい商売根性には大局を見失う傾向が伴います。与党に共産党が賛成し、つなぎ予算が成立する見通しです。野党の最右翼の共産党が、です。根本的に相容れない主義主張の両党の協調です。

他方、他の野党全党が男を下げる結果になります。共通するセコしい哲学の強調の果てです。今はそれどころでは無い筈なのですが・・・。


2011/03/28(月) 20:09

「震災事情」・・・想像力

被災者にご冥福をお祈りしながらも、一日も早い復旧、復興をお祈りしています。

2週間を過ぎても終日の震災関係の番組です。入れ替わり立ち代りの討論会です。それぞれの専門家の意見にもどかしさを感じます。特に放射能の対応にはハラハラします。

欠けている要素があるのです。これまでのどなたも、「予測できる将来」とそれを前提とした対応策に触れていないことです。

昨日になって、ようやく、「想像力」に触れた解説者がいます。遅きに失するものの見事です。文化部のY氏です。ちょうど、湾岸戦争のときの軍事評論家のE氏のようです。当時、表面に出ていない情報を詳(つまび)らかにする洞察力は他の解説者とは全く違っていました。

結局、「今の状況はこうだ。だから2日後、10日後、半年後、10年後にはこうなることが考えられる。したがって今はこれをやろう。」、という方程式を唱(とな)えないことがもどかしいのです。

被災者皆さんが望むのは、この一点だけのようです。今は、それを洞察する「想像力」が望まれているようです。

放射能に汚染されたチェルノブイリでも、村人はその地を離れなかったそうです。その地でなければ生活できないことを認識していたからのようです。

福島の原発地区の皆さんも同じ事情があります。将来にわたる生活の見通しが立たなければ移住する気にはなれないのです。

批判はあったとしても、号令は権力を持つ国の代表者が発すべきです。アルバムよりももっともっと優先される筈の号令です。眼前の損得にとらわれた瞬間に正義を失います。見返りを求めない思想だけが解決に導く筈なのです。



「工房事情」・・・二刀流

チラチラと時折の雪です。昼前は明るい陽光に恵まれます。工房活動の場所を四阿(あずまや)に移しました。秋以来です。グラインダーを使うことから木の微粉末に気を使ったのです。「笛づくり」の下拵(したごしら)えです。

右手にグラインダー、皮手袋をはいた左手には加工材を持ちます。二刀流です。グラインダーは重いツールです。本来は両手でしかりと保持して使うものです。右手一本では長続きのしないウェイトトレーニングのようなものです。

時折庭を徘徊(はいかい)しながらの休み休みの作業です。結構、寒くもあります。全体の半数で妥協します。衰えも手伝っているようです。それでも明日は筋肉痛を味わうことになりそうです。


「園芸事情」・・・孤高

つれづれなるままに、雪の消えかかっている一角を窺(うかが)ってみます。狙(ねら)いはフクジュソウ(福寿草)です。

消えて間もないあちらこちらにシャキッとした芽が出ています。地表から6cmほども出ています。そろそろ咲く気配があります。不思議な生命の営みを垣間(かいま)見ます。


川原に降りてみます。ニホンサクラソウ(日本桜草)が気になっていました。株分けを4年ほどもしていませんでした。この株分けは二月頃と言われています。しかし、それは首都圏を基準とした時季です。奥州最北端では一ヶ月以上の遅れの筈です。今頃が適期のようでした。

地表には姿を見せてはいませんが、剣スコップで掘り返してみるとグジャグジャと生まれたばかりの新芽が詰まっています。お盆一枚ほどの広さに50~60も確認できます。そのひとつひとつをできるだけ独立させてやります。

殆どは再び埋め戻します。しかし、つい、植木鉢にも移植してしまいます。管理が行き届かないことは解ってはいるのですが、その気になってしまうのです。

作業中、お向かいさんのY氏から声をかけられます。すかさず、このサクラソウのいわく因縁を語ってしまいます。津軽のT氏の庭に一世紀以上も前からあったものです。原種のようです。4~5年前、その500株ほどを移植しました。

サクラソウには無数に近い種類があります。しかし、このニホンサクラソウは唯一?孤高に拘(こだわ)っている種類です。20cmほどのスッとした茎の上にパラリとしたサクラに似た花弁(はなびら)をつけます。

2011/03/27(日) 18:39