
「工房事情」・・・お土産
ぐずぐずした曇り空の午前中です。今日は降らない予報でしたが午後ににわか雨です。短時間ですが豪雨の類(たぐい)です。畑にとっては貴重な恵みです。
工房の予定は部材づくりです。昨日カンナがけの概ねを終えています。まず幅ぎめです。3寸5分を3寸に修正します。例によって、テーブルソーに頼ります。当初、このツールが入房した頃は敬遠していました。理由はいくつかあります。パワフル過ぎること、轟音が伴うこと、そして、何よりも使い慣れていなかったことです。
しかし、『パワフルなことは結構なことです。逞しい音も無視すれば良いだけです。』と、製材所のY社長からアドバイスをいただきました。それ以来、頼りがいのある、仲良しのツールとして重宝しています。
目指す寸法は3寸ですが余裕をもって挽きます。その余裕の削除はプレナーが担当します。しかし、この工程が結構気を使うところです。
木の繊維に対して直角に切られた面の木口(こぐち)はカットし易いのですが、長い面の木端面の加工は斜めになる傾向があるのです。しかし、今回は10枚程度をまとめてかけます。ま、何とかなったようです。
テーブルソーで端材が生まれます。これはこれで活躍の場面があります。畑で重宝しそうな細い棒です。舞台裏の歓迎するお土産(みやげ)です。これは青森ヒバの葉書の部材づくりです。
並行してコースターの下拵(したごしら)えです。これにも端材(はざい)が生まれます。これもこれで香木として活躍します。皆さんが、下駄箱(げたばこ)、箪笥(たんす)、玄関、風呂場、手洗い所、書斎(しょさい)につかっているようです。
「園芸事情」・・・ナンバ味噌河原の菜園?がそれなりの成長をみせています。困ったのはトウガラシです。実は、下方になったものが真っ緑ですが大きくなり過ぎているようなのです。本来は真っ赤になる筈のものです。このまま秋?まで赤になるのを待つべきか、或いは、青い段階で採るべきかの判断が伴うのです。
夕刻、Z氏がおいでになった際に解決します。『下方に生ったものを採らなければ上方が大きくならないですよ。』、『赤トウガラシとはいうものの、青い段階で採ったものは青唐辛子です。これがまた美味しいのです。ナンバ味噌が格別です。』、とご披露します。
ナンバ(ン)を油で炒め、味噌、みりんを入れて練るようです。熱いご飯にのせてもよし、オニギリに入れても乙のようです。早速(さっそく)明日収穫することにしています。
今日のディナーは畑から採ったものも参加します。ナス(茄子)、ピーマン、パセリ、シュンギク、イチゴ、トマトです。勿論少量ですが、皆さんが笑っていただきます。初物(はつもの)をいただくときの慣らしのようです。ささやかな至福です。
午後、北海道にお住まいのH女史がお出でになります。久し振りにお会いします。10日ほどの滞在予定です。これまで話きれていないことの情報交換をしたいところです。
啄木の「一握の砂」にある『船に酔ひてやさしくなれる いもうとの眼見ゆ 津軽の海を思へば』のように、今はコトンと横になっています。週末はY女史もお出でになります。賑やかになります。
夕刻、失念していた地元の町会の会議があります。前期どおり、何がなんだか解からないままに委嘱状を頂戴します。帰り際、ベンチの評価をいただきます。
先日ほたる湖に置いたベンチです。噂ではそれを酷評しているご仁もお出でのようです。人それぞれです。概しては善し、とすべきのようです。
2011/07/05(火)
21:04

昨夜半から降り出した雨は昼前まで続きます。やがて雲間に青空が見えます。やがてやや強い風が伴います。午後裏庭の「ほたる湖」に出かけます。風とともに木々の葉の表裏が反転します。表は濃い緑で裏は白です。
王維(おうい)の『渭城朝雨裛輕塵 客舍青青柳色新 勸君更盡一杯酒 西出陽關無故人』ではありませんが、その葉に輕塵が拭い去られたことでフレッシュ感を明確にしています。初夏独特の見事な美を堪能します。
昨日は情報交換会でした。気温が高いことから庭でのパーティーになります。酒屋のS氏がセッティングしてくださいます。冷却装置、ガスボンベイ、そして生ビール等です。
意外に大がかりなものです。やはり、美味しいです。しかも、『今回はサービスです。』、と言ってくださいます。甘んじることになります。
工房では相変わらずの作業が展開しています。ここしばらくの作業にはノルマが課せられています。今日もその日課に従うことになります。勿論、それらの部材づくりも伴います。先日Y製材所から運び入れた板へのカンナ(鉋)がけが主なテーマです。枚数が多いことで気合が少し伴います。
多少の難度は伴いますが作業自体は単純なものです。難度は順目(ならいめ)と逆目(さかめ)の区別です。順目では綺麗に仕上がりますが逆目では木肌が醜くなります。
もちろん、逆目にかけた結果の醜い仕上がりでも次の工程ではサンダーがけが待っています。さほど潔癖になる必要もなさそうです。しかし、この見極めが腕を磨く過程であることを信じてムキになります。
鉋がけにはお土産(みやげ)が派生します。鉋屑(かんなくず)です。狭い工房にはこの集塵(しゅうじん)器は不可欠のようです。100枚ほどの板の両面に、最低2回ずつプレナー(自動カンナ)を通すことになります。都合400~500回ほどになります。必然的に膨大な量になります。
この集塵器にもキャパスィティーはあります。つい、それを越えてしまうことが多いです。吸い込みが衰えたことで理解します。しかし、そうなってからでは後処理が大変です。大抵のときはいつも大変な事態になっています。いわば表面には出ることのないない舞台裏です。
反面、清涼な青森ヒバの香りに浸(ひた)るひと時てもあります。その中でカンナがけを終えます。舞台裏はあるものの、結果の変身ぶりには感激します。いつものことですが余りにも劇的なのです。
立ち木を伐採し、数十年自然乾燥させ、大鋸で製材し、そしてプレナーがけです。それぞれにはそれぞれの役割があることを実感します。
2011/07/04(月)
20:23

朝から生暖かい日です。NHKのラジヲ体操の前、友人のT氏がおいでになります。『ミズナを採りにいこう。』、ということで裏山に出かけます。
目的地に着くと一面がミズナの葉で覆われています。車で5分ほどのところです。驚きます。流石に山に詳しいT氏です。
ミズは「ウワバミ草」の別名があります。ウワバミは大きいヘビ(蛇)のようです。ヘビの居そうな湿地に生えることから命名されたようです。
朝靄(あさもや)のかかる早朝です。ヘビもそうですがクマ(熊)も心配されました。実は、T氏は腰に鈴をつけていましたが、同行者は今日に限って携行していなかったのです。
僅(わず)か10分ほどで予定した量を採り終えます。実は、このミズは拵えに時間を要します。皮むきです。多く採りすぎれば大変なことになることから少量に止める傾向があります。ミズは秋まで収穫できます。食べたいときに採ればいいだけなのです。
朝食前に市場に出かけます。季節の認識のためには貴重な時間です。日曜日とはいうものの、朝の市場には独特の活気があります。旬の食材に出会います。今晩のメインデッシュが決まります。
このところの陽気で庭が変化しています。ツクバイ(蹲)の前のユキノシタ(雪の下)がいつの間にか咲いています。パラリと白い花です。以前、この雪のような白さが名前の由来と想像していました。しかし、実際には違うようです。葉が寒さに強いことから雪の下にあっても元気である、という意味のようです。
葉はテンプラ(天婦羅)でいただくようです。また、漢方薬としても重宝されているようです。しかし、何れも試したことのないものです。勇気を奮って挑戦することになりそうです。
鉢植えのカボチャ(南瓜)がグングンと伸びています。植えた当初は15~20cmだったものが1m以上にもなってグルグルと支柱に絡み付いています。先端には花の下が球形の雌花が次々についています。愈々鉢植え南瓜が真実味を帯びてきました。
同じ鉢植えで生育が遅いのはオクラです。聞くと、『まだまだ暑くならなければ顕著には伸びないようです。』の答えです。本格的な夏をじっと待つことにします。河原の菜園も変化しています。ミニトマトの1個が色づいています。また、ナス(茄子)もナスらしくなってきています。勿論?2~3個程度です。
反面、やや元気がないのはキウリです。つい先日まで毎日2~3本も収穫していたのですがパタリと止んでいます。花は咲いています。もう少し様子をみることになります。
2011/07/03(日)
16:36

奥州最北端の日の出は、首都圏よりも早いようです。明るくなるのは3時半ころでしょうか。昔は明るくなって起床し、暗くなってから休む、というのが生活習慣であったようです。しかし、流石に3時半は早いようです。このところ5時頃に起きています。
話は飛びますが、日本語では、「目覚め」もありますが、起きることを「起きる」だけで表現しているようです。英語では「wake up(覚醒する)」、「get up(床から上半身を?起こす)」、「stand up(立ち上がる)」等に区別しているようです。そして「let’s go(さあ、やろう)」と続くようです。
その意味では「get up」が0時頃で「get up」が5時頃、ということになります。そして「let’s go」が朝食後の7時半です。まず散髪です。実は、3月11日から伸ばしていたヒゲが伸び過ぎてだらしなくなっています。
これは、先般の震災をテレビ画面で見続けていたことによります。3月11日から日に日に皆さんのヒゲが伸びていることに気付きます。顔を洗うどころではない生活を余儀なくさせられていることが伝わってくるのです。そのことに殉じたつもりのヒゲです。
流石に3ヶ月も経た今では、中国映画の少林寺の登場人物に似てきています。被災地の皆さんは既に小ざっぱりしてきています。今日は、そのことに殉じたことになります。初めてのヒゲです。手入れの仕方が解からないことから散髪屋さんのお世話になります。帰宅後は即、工房の掃除です。ここ数日、「肩揉み器」等をつくっていたことでカンナクズ(鉋屑)やオガクズ(大鋸屑)が床に堆積しています。工具もまた散乱しています。それらの片付けと掃除です。いつものことですが数時間も要します。
そしていつものように新しい空間と出会います。その瞬間、さらに環境を整えたくなります。実は、昨晩、Z氏が丸鋸(まるのこ)と台を届けて下さいました。
日立の優秀なものです。これは綺麗なカット面が要求される細工には不可欠のツールです。流石に見事な切れ味です。しかし、これだけでは十分な活躍は難しいようです。
多くの皆さんはjig(ジグ・治具)を併用しているようです。実は、先般、このサンプルをW氏がつくって下さいました。それをもとにつくってみます。直角の精度は今一ですが、何とかなったようです。早速、試し切りです。やはりフットワークが良いです。何とか使いこなしたいところです。
午後、達人のI氏から電話があります。『A町で10年間続けたクラフト展が市内で開催されています。見てきました。』、とのことです。開催期間は明日までです。
是非見学したいところです。創作意欲満々の溌剌とした皆さんです。失礼な見方ですが、何よりもその清貧さに惹かれます。是非再会したいところです。
しかし困っています。実は、明日のスケジュールは分刻みです。それでも何とかしたいところです。
2011/07/02(土)
20:51

モヤーッとしています。それは曇り空のこともありますが、中途半端(はんぱ)な気温も作用しているようです。ピリピリとした零下10℃もの外気に比べるとモヤーッとしてくるのです。
半年近くも厳冬の中に馴染(なじ)んだことで、今の気温に対応しきれていないようなのです。しかし、今日から7月です。夏至も過ぎ、これからはその厳冬にまっしぐらです。寒くなる頃には、これからの暖かさが基準になっている筈です。
数日前から「肩揉み器」をつくっています。車として使う「玩具」兼、癒し効果を狙った「オブシェ」兼、消臭殺菌効果を狙った「芳香材」兼、「揉み器」です。簡単な工作です。しかし、何となく納得できない世界あります。それはデザイン系です。
サンプルは半年ほど前につくっています。しかし、大きさ、厚さ等の寸法、手に持つ際のフィット度、そして作品の持つ物語性に改良の余地があるようでした。今回の試みでは、その中のフィット度と大きさを最優先してみます。
やはりサンプルとは全く違う結果になります。持つだけで安心感を覚えます。数種類のバージョンを考えることになりますが、とりあえず完成させることにします。
まず車輪づくりです。サンプル段階では角材を丸くしていますが、今回は枝を使うことにします。笛の材料として乾燥させていたものです。しかし、丸い枝、とはいうものの、綺麗な円になっていないことから、そのまま使うには少し苦しいです。木工旋盤で形を整えます。丸くなった棒を20mmほどにカットします。
そして面とりです。この段階で枝の年輪を初めて認識します。正確には数えられませんが40年ほども経たものです。驚きます。しかも、極狭い年輪が魅力的です。神秘的です。是非活用したいところです。
車軸は直径4mmの竹籤(ひご)です。車体?に抜きとおす孔は4.8mm、車輪には3.5mmほどのビットを使いました。いつものことですが、ボール盤に感謝すること頻(しき)りです。即、その出来たばかりの作品を5~6人の皆さんにご披露して廻ります。
やはり、『持ち易(やす)いですね。』、『気持ちが良いです。』、というご意見です。何とか目処がついてきているようです。
しかし、不満足もあります。形全体にストーリー性が無いことです。今の状態はカニ(蟹)の甲羅(こうら)の形状です。もう少し工夫の余地がありそうです。
今回使った部材は厚さ1寸です。試しに1寸3分で作ってみました。ほんの3分(約9mm)の違いですが、明確な変化が生じます。それは、左右の車輪の間隔が広くなることで、滑らせると車本体の腹が体についてしまうことです。しかし、或いは、車の取り付け位置を工夫することで解決のできるものなのかも知れません。
この種の工作を満足に至らしめる近道は、実際に作ってみることが一番のようです。あれやこれやと数種類つくってみるつもりです。そして、納得した段階で本格的につくることになります。不満足のものを量産してもナンセンスなのです。
実際の加工は簡単です。しかし、定まっていない目的地を模索しながら進むには特殊な能力が必要のようです。最も悩む工程のようです。丁度、幾何(きか)を解く際の1本の補助線を探すのに似ています。その模索に何ヶ月も要していることになります。
ある日突然、僅(わず)かに戦(そよ)ぐ風を感じてパッと閃(ひらめ)くことになる筈です。その戦(そよ)ぐ風との出会いが人生なのかも知れません。ま、楽しみながら前進するつもりです。
2011/07/01(金)
16:17

ぐずぐずしていましたが、朝の遅い時刻というか早い昼前から降り出します。やがて午後にはどしゃ降りになりますが夕刻になって上がります。
今日も工房三昧(ざんまい)です。実は、3/11から閑散としていた街が賑(にぎ)わいを取り戻しています。その対応の末席(ばっせき)を工房KUROOBIも多少汚(けが)しています。連日、日中の数分の一はそのことに割(さ)かれています。
また、別枠のオーダーとともに個人的な創作意欲にも駆(か)られます。実は、昨夕『樽の蓋(ふた)をつくってください。』とのオーダーがありました。
どうやら「落し蓋」のようです。我が家でも昔は使っていた生活の道具です。いつものことですが、つい、安請け合いに至ります。
瞬間的に昔を思いだします。5~6個の樽が土間にあったようです。しかし、記憶には残ってはいるものの、実際に作るとなると事情は違ってきます。
まず、材料の設定です。当初、工房にある「青森ヒバ」を考えます。しかし、「味噌樽(たる)」にしても「漬物(つけもの)樽」にしても菌の発酵(はっこう)が伴います。抗菌力の強い「青森ヒバ」は不適当のようです。
次に思い浮かんだのは「落葉松(からまつ)」です。幅広の一枚板があります。しかし、これも香りが強すぎるようです。結局、杉に落ち着きます。昨年、裏山から伐り出して製材したものがあります。これは、製材したものの、杉のピンク色が綺麗でなかったものです。勿論、蓋に使うには問題は全く無いのです。
まず、カンナ(鉋)がけです。いつも感謝しているのですが、手鉋(てかんな)と違ってプレナー(自動カンナ)では一瞬です。驚くべき利器です。蓋の直径は、樽の内径の35cmに内接する寸法にします。板の長さは適当にします。桟(さん)を打ち付けてから円形にカットするからです。
カットにはジグソーを使います。しかし、ジグソーを使って円形を切り出すことは初めての経験です。やはり、多少のテクニークがあるものです。
やや凸凹(でこぼこ)の円にはなったものの、大局的には合格ラインのようです。然程の時間の要しない工作です。ついでに上蓋にも及びます。単に直径を大きくするだけです。
前後しますが、「味噌ダル」と「漬物タル」とは構造に違いがあるようです。本来の「味噌ダル」は、長く貯蔵して置くことで口を狭くしているようです。空気に触れる面積を極力小さくするためです。それに対して「漬物ダル」はテーパーが大きいようです。
しかし、今回の寸法は、現物の樽を見ていないことからアバウトにします。本来の「落し蓋」は底の直径になるべき、のようですす。しかし、その寸法であれば樽の上部にするときの隙間が大きくなります。当然?底面よりも大きい蓋になります。それこそ、アバウトが理想的のようです。ま、何とかなる筈です。
落し蓋の中心に孔を穿つことにしました。樽の外周に指が差し込めなければ取り出せないことを憂慮してのことです。しかし、蛇足の要素もありそうです。勇気が伴います。単に蓋づくりとはいってもなかなか手強いものです。次は「玩具」です。兼「肩揉み器」です。実は、先般、数個をつくりましたが、何となく納得できないものがあります。いくつかの理由があります。まず大きさです。次にフィット感です。それらの両者を満足することを考えていました。
勿論、オリジナルの世界です。このデザインづくりが最も難しい工程です。木工とはいうものの、丁度、文字や絵を描くのに似ているようです。
数度の試行錯誤で何とかなりそうです。目的地が見えている加工は単純な作業ですが、「どのようにつくるか。」となれば全く事情は違ってきます。
まず、手に馴染むものを優先につくってみます。作業時間は5~6分程度です。結果は恥ずかしい限りです。拙(つたな)いセンスが悲しくなる瞬間です。
しかし、一歩の前進のためには恥も外聞も無い行動も必要としているようです。メンツに拘る歳はとうに過ぎているのです。
2011/06/30(木)
19:51