ぐずぐずしていましたが、朝の遅い時刻というか早い昼前から降り出します。やがて午後にはどしゃ降りになりますが夕刻になって上がります。

今日も工房三昧(ざんまい)です。実は、3/11から閑散としていた街が賑(にぎ)わいを取り戻しています。その対応の末席(ばっせき)を工房KUROOBIも多少汚(けが)しています。連日、日中の数分の一はそのことに割(さ)かれています。

また、別枠のオーダーとともに個人的な創作意欲にも駆(か)られます。実は、昨夕『樽の蓋(ふた)をつくってください。』とのオーダーがありました。

どうやら「落し蓋」のようです。我が家でも昔は使っていた生活の道具です。いつものことですが、つい、安請け合いに至ります。

瞬間的に昔を思いだします。5~6個の樽が土間にあったようです。しかし、記憶には残ってはいるものの、実際に作るとなると事情は違ってきます。

まず、材料の設定です。当初、工房にある「青森ヒバ」を考えます。しかし、「味噌樽(たる)」にしても「漬物(つけもの)樽」にしても菌の発酵(はっこう)が伴います。抗菌力の強い「青森ヒバ」は不適当のようです。


次に思い浮かんだのは「落葉松(からまつ)」です。幅広の一枚板があります。しかし、これも香りが強すぎるようです。

結局、杉に落ち着きます。昨年、裏山から伐り出して製材したものがあります。これは、製材したものの、杉のピンク色が綺麗でなかったものです。勿論、蓋に使うには問題は全く無いのです。

まず、カンナ(鉋)がけです。いつも感謝しているのですが、手鉋(てかんな)と違ってプレナー(自動カンナ)では一瞬です。驚くべき利器です。蓋の直径は、樽の内径の35cmに内接する寸法にします。板の長さは適当にします。桟(さん)を打ち付けてから円形にカットするからです。

カットにはジグソーを使います。しかし、ジグソーを使って円形を切り出すことは初めての経験です。やはり、多少のテクニークがあるものです。

やや凸凹(でこぼこ)の円にはなったものの、大局的には合格ラインのようです。然程の時間の要しない工作です。ついでに上蓋にも及びます。単に直径を大きくするだけです。

前後しますが、「味噌ダル」と「漬物タル」とは構造に違いがあるようです。本来の「味噌ダル」は、長く貯蔵して置くことで口を狭くしているようです。空気に触れる面積を極力小さくするためです。それに対して「漬物ダル」はテーパーが大きいようです。

しかし、今回の寸法は、現物の樽を見ていないことからアバウトにします。本来の「落し蓋」は底の直径になるべき、のようですす。しかし、その寸法であれば樽の上部にするときの隙間が大きくなります。当然?底面よりも大きい蓋になります。それこそ、アバウトが理想的のようです。ま、何とかなる筈です。


落し蓋の中心に孔を穿つことにしました。樽の外周に指が差し込めなければ取り出せないことを憂慮してのことです。しかし、蛇足の要素もありそうです。勇気が伴います。単に蓋づくりとはいってもなかなか手強いものです。

次は「玩具」です。兼「肩揉み器」です。実は、先般、数個をつくりましたが、何となく納得できないものがあります。いくつかの理由があります。まず大きさです。次にフィット感です。それらの両者を満足することを考えていました。

勿論、オリジナルの世界です。このデザインづくりが最も難しい工程です。木工とはいうものの、丁度、文字や絵を描くのに似ているようです。

数度の試行錯誤で何とかなりそうです。目的地が見えている加工は単純な作業ですが、「どのようにつくるか。」となれば全く事情は違ってきます。

まず、手に馴染むものを優先につくってみます。作業時間は5~6分程度です。結果は恥ずかしい限りです。拙(つたな)いセンスが悲しくなる瞬間です。

しかし、一歩の前進のためには恥も外聞も無い行動も必要としているようです。メンツに拘る歳はとうに過ぎているのです。

2011/06/30(木) 19:51