
「園芸事情」・・・紅
早朝、風邪でもないのに頭痛です。手首も不愉快な存在感を訴えています。やはりヤマセ(東風)です。
庭に「水引」が咲いています。昨日の日記に「ホトトギス」を載せたばかりです。そのホトトギスは鳥の「不如帰」と同じ名前の草花でした。
今日は「水引(みずひき)」です。これも、祝儀不祝儀に使われる「紙紐(かみひも)」を糊(のり)で固めた「水引」と同じ名前です。秋の花です。
「水引」を使う習慣は中国から伝わったもののようです。結構古そうですが、国内に入ったのは、遣隋使の小野妹子の頃だそうです。ほんの1500年前です。他方、草花の「水引」は有史以前から咲いていた筈です。とはいうものの、何れが先に命名されたかの判断は難しそうです。
鳥の「ホトトギス」をテーマにした作品は結構あるようです。他方、草花の「水引」を歌ったものは少ないようです。「九条武子」が残しています。
『あるかなきか茂みのなかにかくれつつ水引草は紅のもつ』です。見事な作品です。閣僚の与謝野議員の祖母ほどにはどぎつさは無いものの、明治時代特有の雰囲気が伝わる作品です。
そよとした風にも反応する反面、ひっそりと草むらに赤く咲く花です。「不如帰(ホトトギス)」の「浪子」のように、内に秘める自己主張が表現されているようです。
「工房事情」・・・塗り朝の一番に「塗り」です。下駄の第3作目を拭き漆仕上げにするつもりです。昨日はその初回でした。今日は2回目です。
塗る前の木肌はある程度整えてはいるものの、初めて漆に触れる木肌は立ち上がる傾向があります。その結果ザラザラになります。2回目を塗る前にサンダーがけです。400番で全面を削ります。乾燥した漆の微粉末が発生します。それを水に漬けて固く搾(しぼ)った布で拭き取ります。
そして2回目の塗りです。生漆(きうるし)を使います。暫らく置いた後に拭き取ります。これには専用の「拭紙(ふきがみ)」を使います。折角被せた漆の削除です。
勿体無い(もったいない)気もしますが、これが「拭漆」です。実は、拭き取ったとしても、後には極薄い漆の膜が残ります。その膜を数層重ねることで、拭き漆独特の風合いが生まれます。明日の朝まで「漆風呂(うるしぶろ)」の中で乾燥を待つことになります。
・・・栞今日は新しい試みに挑戦してみます。青森ヒバを使った「栞(しおり)」づくりです。青森ヒバの産出量の80%以上が当県産のようです。いわば世界オリジナルの作品ということになりそうです。
これまでも考えていたテーマです。しかし、木を薄いシートにする能力が伴っていなかったのです。そのヒントらしいものに、昨日出会いました。
実は、下駄の歯を挿し込む際に、無理やり考えたシートづくりがヒントになっています。専門化や達人の皆さんには普通のことですが、素人には偶然の出会いです。
ツールは丸鋸(まるのこ)テーブルです。加工方法は「金太郎飴(きんたろうあめ)」方式です。とはいうものの4隅の調整と紐(ひも)を通す孔(あな)を開けるだけです。スライスする前にすることで、即、結論に達します。
しかし、トラブルもあります。シートに丸鋸の刃の跡が残ります。これは刃の傾きが正確でない結果のようです。やはり、スコヤ(square)をあててみると狂っています。時折確認する必要がありそうです。
ゴツい結果になりましたが、何とか完成です。次は焼印押しです。当県のマップ(地図)、青森ヒバ、KUROOBI等、あれもこれも焼き付けます。KUROOBIは名刺(めいし)として使うときのものです。
最後はリボンと袋です。昼前、その調達に出かけます。何とかそれらしいものを探し当てます。
午後は袋詰めとリボン付けです。勿論?、助手が担当します。完成です。まだまだ拙(つたな)い試作品ですが、、取りあえずA工房に置いていただきました。しばらくの間は皆さんの反応を窺うことになります。
今回は、俎板(まないた)のために製材した端材を使っています。馥郁(ふくいく)とした香りも然ることながら、その廃材を使うところに正義があります。これからは何段階ものバージョンアップをくり返すことになりそうです。乞う、ご期待、です。
2011/08/22(月)
15:57

ホトトギス(杜鵑草)が咲いています。このホトトギスは鳥のホトトギスの姿に由来しているようです。実は、これまで、その似るところを葉の模様と誤解していました。
葉もまた濃淡の斑(まだら)を持っているのです。その勘違いから、あまり好きになれない草花でした。
そして、今夏、初めてホトトギスの花を見ます。白地に水色、青、そして紫の斑点(はんてん)が散っています。不思議な艶(あで)やかさです。
名前の由来は、その綺麗な花の斑(まだら)が、鳥のホトトギスの胸の様子に似ていることからのようです。これまでの不見識に汗顔すること頻(しき)りです。
徳富蘆花(とくとみろか)が「不如帰(ホトトギス)」を書いています。舞台は日清戦争の頃です。浪子の『あああ、人間はなぜ死ぬのでしょう! 生きたいわ! 千年も万年も生きたいわ!』は、微(かす)かな記憶に残っています。
くどいようですが、『目には青葉 山ほととぎす 初がつを』の「ホトトギス」は「鳥」のようです。初夏の「初がつを」から判断できそうです。
他方、植物のホトトギスは今咲いています。植物のホトトギスの季語は秋のようです。いつの間にか秋になっていたことになります。
よく解かりませんが、ホトトギスにはたくさんの字が使われているようです。霍公、霍公鳥、郭公、不如帰、子規、蜀魂、杜鵑、杜宇、田鵑、時鳥等、だそうです。
鳥か花かは解かりませんが、仮に、正岡子規も採用したとなると驚くと同時に納得もします。古い歴史を秘めるホトトギスです。然(さ)もありなん、です。
まだ蕾(つぼみ)のものがグジャグジャついています。暫(しば)らくは咲いていそうです。あらためて楽しむつもりでいます。
さて、工房では日課の作品づくりとともに、「下駄づくり」です。前者は仕事で後者は研修テーマです。下駄づくりは第3作目に入っています。今日は組み立てと塗りです。組み立て、というのは歯(足)の挿(さ)し込みです。少し気合の入るところです。実は、ホゾが紙一枚ほど幅広のようです。青森ヒバの薄い木片で微調整することにします。薄い、というのは0.2mmほどの、文字通り紙のようなレベルです。
この加工手段につかったのは丸鋸(まるのこ)テーブルです。0.1mmほどの厚さでも綺麗に仕上がります。実は、以前、プレナー(自動鉋)で試したことがあります。無理でした。
今日は長い間の懸案が解決した日です。感動する瞬間です。実は、この方法は初めて試すものです。
結果の如何を予測できなかったのです。その後、接着剤で固定します。邪道とは思うものの、プロの皆さんもこの方法に頼っているようです。
次は塗装です。これまでの第1作目と2作目は無塗装の白木(しらき)です。これはこれでそそられます。潔(いさぎよ)く清潔感があります。
何よりも馥郁(ふくいく)とした香りを放つところが秀木の青森ヒバの白木の捨て難いところなのです。迷うところです。
しかし、懸念は汚れです。その解決には塗装せざるを得ないところです。迷った末、塗料を漆(うるし)にします。「拭漆(ふきうるし)」です。これは、塗った漆を拭き取る方法です。ある意味では贅沢な漆の使い方です。それは、使った漆の殆(ほとん)どを捨てることになるからです。
一般的には5~6回も繰り返します。回数を重ねる毎に光沢が増す傾向があります。しかし、今回は2~3回程度にするつもりです。折角の青森ヒバです。その木の雰囲気を薄い漆の膜から窺(うかが)うことのできる厚さに止めるつもりです。
尤(もっと)も、多少厚く塗ったとしても、時間の経過とともに漆は透明化します。特に陽光が透明化を促進させます。とはいっても、その時間は数年レベルです。勿論、その頃の歯は磨り減っていることになります。あれやこれやの迷いが交錯します。
久しぶりに漆を扱います。作業時間はほんの一瞬ですが準備と後始末が大変です。いつものことです。明日から数日は漆とのお付き合いです。しかし、青森ヒバの拭き漆仕上げの下駄です。おそらく、今の世の中には存在していない筈です。面白くなりそうです。
2011/08/21(日)
19:04

明け方は寒いほどですが、日中は流石(さすが)に暑いです。寒暖の差が大きくなっています。
このところ下駄づくりに挑戦しています。生まれて初めてのことだけに面白いです。それは、さまざまなトラブルと出会うことができるからのようです。それを乗り越えることに面白さがあるようです。
昔から馴れ親しんでいる下駄ですが、いざとなるとよくその内容を理解していないことに気付きます。これまでよく観察していなかったのです。
今日は昨日の第2作目の手直しからです。結局、1足(そく)の1方を初めから作り直すことになります。そして第3作目に入ります。やはり「日和下駄(ひよりげた)」です。
内容は、第1作目と第2作目のつくりを合わせたものになります。第2作目の歯はダブテールで接(は)いでいます。それに対して第1作目は単純な差し歯です。これからの第3作目も差し歯です。
必然的?に、歯を差し込む台の厚さを大きくする必要があります。今日の台は1寸以上のものを使います。
また、「日和下駄」の歯には硬い木を薄く使うようです。製材所のY社長からいだいたケヤキ(欅)を使うことにします。まず、歯の準備です。プレナー(自動鉋)で厚さを調整します。そして台づくりです。ゴツいテーブルソーに活躍してもらいます。轟音(ごうおん)と煙を伴いますが何とかなります。そしてプレナーで調整します。
歯を差し込むホゾ掘りには、先般入手した丸鋸台(まるのこだい)です。台をスライドさせることで一定の高さを確保できます。しかし、ホゾの幅(はば)の設定には気を使います。歯よりも大きくなれば困ることになります。勿論、最終的には微調整もできます。
しかし、いつもこれを当てにしては醜(みにく)い作品になるばかりではなく、上達のスピードにも影響が出てくるようです。本来はスパッと一回で決めたいところです。
今日が第3作目です。失敗箇所がいくつかあります。ひとつは木の元末(上下)を誤ったことです。勿論、表裏とともに意識していたポイントです。しかし、歯を差し込むホゾに丸鋸を当てる際、フッと集中力が途切れたようです。
不思議なことに、この種の失敗は歯を当てた瞬間に判るものです。取り返しのつかない失態です。弁解するとすれば、暑く汗だくの所為(せい)もあったようです。
とても人前に出せる代物(しろもの)ではないレベルですが、それでもヒントらしきものがチラチラと見え始めてきたことは収穫です。
自宅で個人的に使うつもりです。この頓珍漢な作品を使う度ごとにほろ苦(にが)さと出会うことが目的でもあります。丁度「臥薪嘗胆」のようなものです。話は飛びますが、今BSで「孫子の兵法」が放送されています。前回は呉王の夫差(ふさ)の奴隷になった越王の勾践(こうせん)が、再起を誓うために薪(たきぎ)の上に寝、苦い胆(きも)を舐(な)めて復讐の志を奮い立たたせる、という内容です。「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」の由来のです。
夕刻、K社長がお見えになります。「日課」の進捗状況の確認のためです。これは宿泊客に振舞う「お土産(みやげ)」です。3.11以降心配されていたものの、花火大会、ねぶた祭り、インターハイ、お盆等と宿泊客が多くなっているそうです。工房KUROOBIもまた忙しくなっています。
この傾向はこれからも続くようです。「下駄づくり」の奥義(おうぎ)を極めるには、一般的には20~30年のようです。僅か2~3日では不謹慎なのかも知れません。
2011/08/20(土)
17:56

雨が上がり、暑さがもどってきます。数日振りの青空です。午前中は研修にします。外に出ることで現在の様子を確認できます。また、新しい情報に触れる機会にも恵まれます。
車で小一時間のS市に向かいます。途中の道路わきに咲く花が一様です。延々と同じ花が咲いています。実は、我が家の前の小川にも咲いています。少し不思議です。
これだけの花です。おそらく名前がありそうです。しかし、まだ解からないでいます。不調法です。
今日の外出は、漬物(つけもの)の準備のためです。道の駅にはいつも旬の野菜が山積みされています。今日はナス(茄子)、ピーマン、そしてキュウリ(胡瓜)が圧巻です。ナスは長ナスです。どの棚にあるのも30cm以上のものばかりです。小さいナスはまだ出ていないようです。
小型のキュウリを探すのが目的でした。しかし、これもまた30cm以上のものが大半です。小型はまだこれからなのかも知れません。
それでも10袋ほどは確保します。よく解かりませんが、キュウリは小型が美味しいのだそうです。それにしても安価です。価値観に自信が無くなります。
来年までもたせる「オク(奥?置)ヅケ」です。まず塩漬けからスタートです。因(ちな)みに、昨年漬けたものは未だに美味しく、食感もカリカリとした見事な出来になっています。
帰路、F工房にお邪魔します。道路に面しています。いつも気になっていたのですが立ち寄るのは初めてです。裂き織(さきおり)をはじめとした工芸品をつくっています。特に気合が入っているのは焼物です。指導されている先生が、『やってみませんか。』と勧めてくださいます。実は、木工もそうですが、この焼物も予(かね)てからの憧(あこが)れの的でした。
詳しく訊いてみます。平日は9:00から16:00までです。自宅から30分ほどのところです。気の向いたときに通えそうです。ついその気になります。
しかし、面白そうなだけにハマりそうでもあります。実際に、この工房で修行した何人かは本格的な窯(かま)をつくったそうです。
帰宅後は下駄づくりです。作品第2号です。今日は歯の取り付けと鼻緒挿げ(はなおすげ)です。この鼻緒の挿げ方はWEBに公開されています。
細部は、そのページによって多少の違いはあるようです。実は、これまで2足を手がけていますが、多少の臨機応変はあり得ることを実感するものです。
鼻緒の挿げ方のテーマは適度な緩みを持たせることのようです。しかし、使っているうちに伸びては困るものです。勿論、緩んだときにはまた結びなおせば良いだけです。ま、何とかなるものです。しかし、今日は見事な失敗です。無理やり力を加え過ぎた所為です。歯にトラブルが生じました。本来、鼻緒は下駄の歯を挿し込んだ後に挿げるもののようです。
しかし、歯をセットした後では結び難くなことから、歯のセットの前にしたのです。尤も、不都合であればつくり直せば良いだけです。
ま、10分もあれば何とかなる筈です。その楽しみは明日の課題に残すことにします。結構、丈夫で可愛い下駄になったようです。赤い鼻緒のジョジョです。
2011/08/19(金)
17:21

終日のシトシトとした雨です。ながい間水不足に窮していた庭も生き生きとしています。シドケ(モミジガサ)が咲いています。とはいうものの、この花の盛りがよく解からないでいます。
最初に白い筒状が伸び、その先端に白い放射状の触覚のようなものが出ます。更に、その先端がやや黒っぽく色づきます。それぞれに風情があります。
エーデルワイス(Edelweiss)もそのようです。言葉を直訳すると「高貴な(気高い)白」だそうです。しかし、テレビで見る範囲では純白ではなさそうです。
今朝もまたO下駄屋さんにお邪魔します。ご婦人用の「下駄(げた)」の鼻緒(はなお)をいただくためです。お忙しい中、前回よりも詳しく手ほどきしてくださいます。
自作2号をみた奥さんが『これは日和下駄(ひよりげた)ですね。』と言います。実は、「日和下駄」の名前はしっていましたが、自分で使うには自信のない言葉でした。
一般的には「雨天用の下駄」のようです。しかし、「日和」には「良い天候」の意味がありそうです。諺(ことわざ)の『待てば海路の日和あり』は、「辛抱強く待っていれば、必ず航海に適した良い天候になる。」と訳されるようです。
雨天時に、下駄の先端に爪皮(つまかわ)をつけて用いる下駄を「日和下駄(ひよりげた)」としている根拠が理解できなかったのです。
O下駄屋さんでたくさんの種類の下駄を紹介されました。帰宅後、何でも知っているWEBにお尋ねしてみます。驚きます。
足駄(朴歯の高下駄)、山下駄、吉原下駄、露卯(ろぼう)、柳下駄、馬下駄、駒下駄、桐下駄、小田原下駄、外方(げほう、下方)下駄、助六下駄、右近下駄、日和下駄、利久下駄、吾妻下駄、鉄下駄、高下駄、厚歯、田下駄、一本歯、八ツ割(ヤツワリ)等々です。
聞いたこともない名前もあります。しかし、半世紀前のご年輩の皆さんにはおそらくポピュラーであったものらしいです。爪皮にしてもそうです。今は死語にちかくなっているようです。失われつつある勿体無い文化です。結局、「日和下駄」は、その「日和」の意味どおり、もともとは晴天に使用されたもののようです。歯は足駄よりも低く、差歯であったそうです。
それがやがて雨天に使われ出します。しかし、昔の名前がそのまま残ってしまったようです。凡人が理解できないのも無理からぬことです。小学校では教わった記憶の無いものです。
2作目はその雨に日に使う「日和下駄」ということになります。ご婦人用です。赤い鼻緒を選びます。しかし、店の「日和下駄」を見せていただくとニュアンスが違っています。聞くと、『日和下駄の歯は薄くつくられています。台とは違う硬い木を使います。』と教えて下さいます。
その歯は第2号の歯の半分ほどの厚さです。単純な差し歯です。台をぶ厚くすることで頑丈(がんじょう)さと固定を成り立たせているようです。ここまで踏み込んだ以上は薄い歯の日和下駄に挑戦したくなります。またまた新しい課題の出現です。工房にあるのはケヤキ(欅)です。何とか工夫するつもりです。
参考資料を持たないで、心もとない記憶だけをたよりに始めた「下駄づくり」でした。簡単な筈が大変なことになってしまったようです。少し頭を冷やすことにします。
鼻緒をいただいた折り、『私のつくったものです。』とたくさんのパプリカとナス(茄子)をいただきます。巨大でした。我が家のプランターに生っているものと比べると、ピーマンは5~6倍、ナスは20倍ほどの大きさです。驚きます。
尤(もっと)も、パプリカは「ジャンボピーマン」ともいわれています。それにしても大きいです。ナスは「京ナス」なのかも知れません。
涼しい日でした。しかし、体と意識にはまだ先日までの余韻が残っています。相も変わらず、上半身はノースリーブです。適応能力も鈍ってきているようです。
2011/08/18(木)
18:09

久しぶりの終日の雨です。実は晴天が続いていることで田んぼが気になっていました。いつもお世話になっているK社長も田んぼを丹精しています。近くの小川からポンプで汲み上げていたほどです。
畑もそうですが、3面の出穂(しゅっすい)した緑の稲が水不足で萎(な)えることは悲痛の次元です。昨晩から続いている雨が天の恵みに思えます。
昨日、ゴツい下駄(げた)をつくります。生まれてから初めての作品です。感激し、ある程度の満足感もあります。しかし、一晩経(た)つと事情は違ってきます。何かが変なのです。
歯の嵌(は)めこみ方法です。昔、アシダ(?足駄)を屡(しばしば)付け替えていました。下駄屋さんがやっとこ(鋏)のような道具で磨り減った歯を抜いていたのです。やはりダブテール接(は)ぎであったようです。実は、W氏もこの方法で作っていたのです。
即、第2作目に挑戦することにします。しかも、今回は多少デリケートなつくりのご婦人用です。実は、このデリケートな世界が厄介(やっかい)です。高度?な技術が要求されます。助手のT女史のためにつくることにします。ま、仮に失敗しても許してもらえそうです。
久しぶりにトリマーを使います。いざやろうとするとオロオロします。実は、以前、数種類のジグ(jig・定規)を作っていたのですが、何のために拵(こしら)えたものか失念している有様です。困ったものです。この加工の成否はオスとメス(ホゾとホゾ孔)の寸法の如何(いかん)にあります。配慮すべきポイントは幅の一致もありますがビットの高さにあるようです。そのためには一旦決めた高さを、オスとメスに反映させることです。
理屈は理解しているつもりですが、最終的には手技(てわざ)の出来不出来にかかっています。如何に電動工具とはいえ、何十回、何百回の稽古によってだけ習得できる世界のようです。
丁度、背負い投げに似ています。しかし、毎日数百回、2~3年も繰り返して体得できない背負い投げでした。センスも要求される世界です。
やはり、ホゾが狭くなったようです。しかし、いつでも挿(す)げ変えることのできる部材です。恥を偲んで続行することにします。台にアクセントをつけることにします。
単なる四角い平面と思っていましたが、実際にはデリケートな曲線や曲面が伴っていることが多いようです。それは、視覚への気遣いもありますが、履き心地にも配慮されたものののようです。
指とかかと(踵)の一部を沈ませてみます。そして4隅にもそれらしいカーブをつけてみます。ほんの少し手をかけることで雰囲気はガラリと変化します。不思議な世界です。
どういう訳か、青森ヒバの下駄は世の中に存在していないようです。ひっそりとではあっても、是非、世界に発信したいところです。
来客中です。昨晩は庭の四阿(あずまや)で食事です。テーブルが紫雲石(しうんせき)です。一升瓶(いっしょうびん)を載(の)せるには気をつかいます。酩酊(めいてい)するとガシャンといきかねません。そこで登場させたのが袴(はかま)です。実は、2年ほど前につくった桶のようなものです。青森ヒバの拭漆(ふきうるし)仕上げで、一升瓶のお尻が納まる大きさにしています。
これはタガ(箍)を指南して下さったA県の匠(たくみ)K氏に納めるつもりのものです。生活に密着する作品のひとつのつもりです。
昼過ぎ、Y氏がお出でです。『今朝捥(も)いだ嶽(だけ)キミです。』とワンサカお届けして下さいます。嶽は岩木山麓の地名です。そしてキミはトウモロコシのことです。
極端に甘く、皮が軟らかいブランドもののです。下世話で恐縮しますが、一般的なものの3~4倍の価格です。即、茹(ゆ)でます。やはり美味(おい)しいです。
先般、W氏からいただいたものと甲乙のつけがたいものです。ブランド化のなせる業です。初秋の恵みを満喫させていただいています。有難いことです。
これまでの水不足の鬱憤(うっぷん)を晴らすように雨が降り続いています。『過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し』です。適度な量で満足するところです。少しの緊張があります。
2011/08/17(水)
20:10