
早朝、友人がお出でになります。今日は天下のお休みです。彼もお休みのようです。『雪で折れた葡萄棚(ふどうだな)を直している途中です。』とのことです。今冬の雪はそれほどの威力があったのです。フレームの材料とインパクトドライバーを持っていきます。
そしてリン酸です。実を期待するにはこのリン酸が不可欠なのだそうです。ミニトマト、キュウリ、ゴーヤ、ナス、スグリ等、そしてブルベリー用です。その教えの恐怖感から、昨晩、仕事帰りにホームセンターで手に入れます。
狭庭です。ほんの少しで事足りるものです。しかし、適当な量の袋を探すことができなく、大きい袋を買ってしまったのです。「ブドウ」にも必要な要素です。お分けすることにします。
お帰りになる頃、ポツリポツリと降り出します。歓迎する雨ですが、少しの憂(うれ)いがあります。シイタケ(椎茸)です。芽を出していたことは知っていましたが、ほんの一昨日と昨日の2日間で突然肥大化しているのです。
しかも、丁度収穫適期です。極度の水分を含んでいない状態です。それがこの雨でまたまた膨れます。収穫は、晴れて再び水分を飛んだ後になります。雨が降る前に収穫すれば良いだけのことです。しかし、シイタケといえども所詮は鑑賞用です。悩みます。
折よくご近所のご婦人がお出でになります。少しですがいただいてもらいます。『丁度息子が来ています。』と喜んでくれます。

狭庭はここ2日間で激変しています。目出し直後のアイヌネギの頃は出ていなかったフキ(蕗)は既にアイヌネギの背丈の2~3倍にも伸びています。先般ご紹介した「一人静」も花をつけています。或いは年齢の所為か、時間の経過がやたら早く感じます。
降り出したことで決心します。工房活動に専念です。課題は山積しています。まず、納品する作品づくりです。そして新しい挑戦もあります。昨朝依頼されたものです。「看板」です。
思い起こしてみると、これまで数多くの看板をつくってきました。地元に置いているだけでも10数点もあります。最近作は昨年だったようです。Aホテルの浴場の殿方用とご婦人用です。
話は飛びますが、作品づくりの後にはいつも悔恨が待っています。勿論、作っている最中は真剣です。しかし、次回の折にはこうしよう、ああしよう、の思いがつきまとうのです。要するに、結果はいつも不満足に至ります。
今回も、依頼された瞬間に「面白そうです。やってみましょう。」と安請け合いをします。テーマは、素朴でありながら優雅、みみっちさの無い素朴さ、派手さを殺した品性、他のコピーでない独自性等です。
壁に貼り付けるタイプではなく、スタンドタイプにします。素材はケヤキです。実は、工房に適当な大きさの板があったのです。そして作りかけのイーゼルも、です。0からのスタートよりも作業は簡単そうだったのです。
文字を緑漆で描きます。ケヤキの色に緑は、一般的ではなく、しかも、良くマッチングするのです。以前、この色使いで作った看板もあります。再びの冒険です。しかし、使う書体には個性を見せませんでした。その結果、やはり面白い出来にはならないようです。
話は飛びますが、漆には、黒の他に多彩な「色漆」があります。しかし透明は無いと聞かされています。ところが、先日、テレビで、「透明の漆」の言葉を使っています。仮に、「透明の漆」が存在するとすれば大変なことです。

実は、緑の文字を入れた後の地全体の塗装に悩んでいます。この看板は外に置くものです。多少の雨に耐える仕上げをしたいところです。緑漆は乾くことで黒っぽくなります。地を黒の拭き漆にすると明確な対比は期待できないようなのです。
しかし、はっきりとしない曖昧さが上品な色使いにはなるようです。プログラムの設定は今晩から明日にかけて悩むことにします。
漆を使ったついでに「棗(なつめ)」の塗りにも入ります。ケヤキを極度に薄く挽いた木地です。これはお抹茶を入れる器です。何十年も憧れていた課題です。これも拭き漆仕上げの予定です。7~8回は塗ることになります。今日はその一回目です。成功の暁には、友人知人の皆さんに使っていただくことになっています。少し緊張します。
シトシトと降っています。この雨であっても海岸沿いの国道は異常に混んでいます。一年間待ち続けた春の連休です。然もありなん、です。明日の工房KUROOBIは、今日よりも更に忙しくなりそうです。