長く続いた残暑のあとにガクンと寒くなります。ここ何日もヤマセが続いています。ヤマセは山背とも東風とも表すようです。

東の太平洋から秋津島根(あきつしまね)の北部に吹き込む冷たい風です。秋津島根は日本の本州のことです。農作物に影響することから、当地の言葉でケガジとも呼ばれています。

今日は、最高気温23℃、最低が14℃~15℃です。この気温がキノコの発生条件のようです。当然ながら、昨晩お出でになった皆さんとの話題はキノコに終始します。皆さんが満を持しているのです。

『湿気のある場所には出ています。』、『卵ダケは見たが、それ以外は皆目見えない。』、『今年は雨が少な過ぎた。』、『去年に続いて今年もダメかも知れない。』、『いつもは時間差で出るハツタケ、サモダシ、ヘイタイキノコ、ヒラタケ、シメジ、アミダケ、マツタケ、ムキダケ等が一斉に出ることになるかも知れない。』、等々です。


しかし、今日の朝刊に『秋の便りようやく。地物キノコ店頭に』のタイトルで「イクジ(アミダケ)」が紹介されています。筆者の最も歓迎する美味のキノコです。1ヶ月遅れて便りが漸く届いたことになります。

その朝刊に見入っている中、T氏がお出でになります。昨晩お見えになった方です。『山に行ってきました。ホウキダケ(箒茸)を採ってきました。黄色系は食べない方が良いが、ピンク色系は大丈夫です。』と、袋一杯持ってきます。

経験の無いキノコは食べないに如かず、という言い伝えがあります。山で見るタマゴダケは毒キノコの風体です。しかし、食べると美味しいのです。ホウキダケにはたくさんの種類があり、素人には、食用と毒の識別は無理です。

カラー写真のキノコと本物とを比べても同一のものかどうかを識別できないものです。本物と写真とでは異なるのです。しかし、実際に山に生えているものを触った段階で、それを認識します。一旦認識すると、遠くからでも識別できるようになります。不思議な世界です。

これまで鳴りを潜めていたキノコの情報が一気に賑(にぎ)やかになります。しかし、我が狭庭のキノコはまだ姿を見せてはいません。出るのを躊躇しているのかも知れません。しかし、早晩には対面できそうです。

夕刻、『イクジが出た。』と言いながら友人のT氏がお見えになります。今朝の新聞は、やはり正確な情報だったようです。ここ一か月は忙しくなりそうです。

因みに、いただいたホウキダケの調理は断念することになりました。何となく自信を持てないでいるのです。



2012/10/04(木) 18:51
今日は十五夜です。昨日、十五夜用の花が届きます。知人のYさんからです。タカノハススキ(鷹の羽薄)、ハギ(萩)、ガマノホ(蒲の穂)、クリ(栗)等です。何れも季節のものです。有難いことです。早速、四阿(あずまや)のテーブルに飾ります。


今朝も友人の畑にお邪魔します。畑の延長が山の裾になっている場所です。そこのイガは既に割れて、栗のお尻が見えているものもあります。栗の木は無数にあります。キノコの声はまだ聞いていませんが、今年の栗は豊作のようです。

今の畑は新旧交代の時季のようです。一方は緑で覆われています。大根の葉です。その傍らにオクラが咲いています。野菜の中で最も綺麗な花のひとつとされています。

話は飛びますが、秋の字のつく名前に、シュウカイドウ(秋海棠)、ハギ(萩)、シュウメイギク(秋明菊)、コスモス(秋桜)等があります。件(くだん)のオクラは「秋葵」です。先人は誰もが納得する名前をつけるものです。そして、花ではないのですが、「愁(うれ)い」もです。不思議です。

また、真っ赤になっているナンバンが傑作です。台風の影響か、今日は朝から小雨です。即、完熟のミニトマトを袋一杯収穫します。

トマトは雨に会うと実が割れる性質があるからです。しかし、トマトの季節はそろそろ過ぎそうです。


他方、我が家のミニミニ菜園ではゴーヤが種をつけています。実が葉の陰になっていて、生っていることを認識していなかったのです。黄色に変化し、巨大化しています。陰を覗うと真っ赤な種が見えます。

来年は落ちた種から発芽するかも知れません。そのままにしておくつもりです。このゴーヤは今春植えた1本です。実際には3本植えたのですが、実をつけたのは1本だけだったのです。

この1本から14~5個も収穫します。ほとんどはチャンプルでした。


早朝、自転車で散歩しているM氏とお会いします。『既に2回も収穫しています。ひとつどうですか。』、『渋皮をとって食べます。煮るよりも、食感も味も良いですよ。』と、生栗をいただきます。

驚きます。生の栗を食べたことがなかったのです。早速試してみます。初めて味わう世界です。感激します。キノコはまだですが、秋の序奏を少しずつ満喫しています。


2012/09/30(日) 10:27

長く続いた残暑でした。しかし、ここ数日に至って、ようやく涼しくなっています。早朝、友人の畑に行きます。目的は、紫蘇(しそ)のトウ(薹)の生育状況の確認です。

この季節になると「トウの佃煮」が恋しくなります。今は一般的でないようですが、我が家では母が残した文化のひとつです。行ってみると、畑の一角に、先端に一輪ほどの紫色の花をつけたトウがワンサカ生っています。

即、収穫します。一本ずつ扱(しご)いて採ります。1本についている種はほんの少しです。しかし、30分も続けると小さい袋一杯になります。親指と人差し指が赤茶色に染まります。




帰宅して早速、佃煮(つくだに)づくりです。レシピは簡単です。まず、数回水洗いします。それを沸騰した湯に通します。色がパッと緑に変化します。次に冷水に漬け、笊(ざる)に移して乾かします。佃煮は余分な水分を嫌うからです。

されを、沸騰させたミリン、酒、醤油、砂糖に入れてある程度の水分を飛ばして完成です。しかし、今回は昆布を入れてみました。

この「トウの佃煮」は一般的でないものと思っていました。しかし、今日の朝刊に、これが載っています。びっくりします。やはり、皆さんが気にしていた季節の贈り物だったようです。

畑近くに「芙蓉(ふよう)の木」があります。今、しきりに薄紫の花をつけています。話は飛びますが、旧制第一高(現在の東大教養学部)の寮歌に『芙蓉の雪の精をとり 芳野(吉野)の花の華を奪ひ・・・』があります。

この「芙蓉」は富士山のことのようです。富士山を芙蓉の花に見立てていることになります。

一高寮歌は、学生寮から下界を見下ろすと、平和ボケしている様子がわかる。それを嘆き、自治の理想と救国の使命に燃える心意気を鼓舞しているようです。


またまた話は飛びますが、小説「嗚呼(ああ)玉杯に花うけて」は佐藤紅緑が書いたものです。

おそらく、大正の頃です。寮歌がつくられた時代と一致していそうです。佐藤紅緑は奥州最北端の当県出身です。その食客に文人の福士幸次郎がいます。「トウの佃煮」をつくりながら、あれやこれやと思いが馳せます。


夜、地元の八幡宮の宵宮です。歩行困難な筆者は行くことができませんでしたが、幼児を含めた3人がお参りしてきます。当然、「飴煎餅(あめせんべい)」を求めてきます。
2012/09/29(土) 10:24
日曜日ですが、ハードスケジュールの日です。「工房」とは違う、別のレポートの作成があります。作成とはいっても編集です。しかし、膨大な時間を要しそうです。事務所に缶詰になって戦うことになります。

その関係で、今日は早朝からの工房活動です。このところ手をかけている「箱づくり」です。「積み木」を入れるものです。下拵え(したごしらえ)は終えています。今日は「簪(かんざし)」とサンダーがけ、そして塗りです。

「簪(かんざし)」は、箱全体の強度を高めるためのものです。四角の箱のコーナーを欠いて、その窪みに別の部材を差し込む仕掛けです。その欠き取り作業には丸鋸(まるのこ)をあてます。しかし、切り取り部分を直角二等辺三角形にしたいところです。

昔は手鋸で行っていましたが、今はジグ(冶具jig)を使っています。このジグは数年前、工房仲間のW氏からいただいたものです。工房内の文明が少し進んだことになります。期待する溝幅は、ジグ(冶具jig)を添える定規の位置を少しずつ変化させることで調節します。

次はいよいよ簪(かんざし)の嵌め込みです。これまでの経験で失敗することの多かった工程です。それは、糊付けした簪がピタリと収まらないことです。押し出された糊がその空白部分を占領し、状況が解からなくなるのです。


結局、今回も2箇所ほどに空白が出来、醜い結果となります。しかし、微笑ましくもあるようです。素人がつくったと思われるからです。更に、手作りであることも理解されるからです。後戻りのできない作業です。恥かしさを耐えることになります。簡単な作業の筈ですが、いつも不満足な結果になるのが不思議です。


次は目地調整を兼ねた表面の削りです。これはベルトサンダーに頼ります。しかし、この作業にも拙さ(つたなさ)を表現します。箱の長さよりも短いベルトです。予定していない部分が窪んでしまいます。困ったものです。

そして面取りです。これは角部分の削除です。怪我の無いためです。「坊主面ビット」でルーターを使います。実は、つい先日、フットワークの良かったトリマーがトラブルを起こしたのです。

コロ付きの「坊主面ビット」は、刃にあてるだけで角が丸くなります。最近経験したばかりの重宝なツールです。しかし、問題もあります。加工材(青森ヒバ)の目の方向によってささくれ立つのです。どうしてもザラザラと抉(えぐ)れる部分を生じます。


結局は紙やすりに頼ります。はじめに目の粗い60番ほどを使います。そして180番と進みます。時間が無いことから大雑把な仕上がりに妥協します。

最終は塗り、です。当初は白木(無塗装)も考えました。しかし、「木固めエース」にします。この塗料は、舐(な)めても良いとされ、食器に使われているものです。塗った直後はシンナーの匂いがします。

しかし、朝に塗って、夕刻、帰宅後に確認すると殆ど蒸散しています。もう一日はそのままにしておくつもりです。


東京からT氏がお見えになっていますが、お会いすることが出来ませんでした。W氏からはヒントをいただくつもりでした。しかし、何れもキャンセルします。

二足の草鞋(わらじ)には厳しいものがあります。夜は、日本最北端からお見えになっているH母子とともに過ごします。

2012/09/23(日) 09:20

2~3日前の昼頃、37℃を表していました。北の国といわれる奥州最北端で、です。昔は、真夏でも25℃を越えることは数日だった筈です。不思議な天候です。

その37℃を記録した朝、東の空が真っ赤になっています。沐浴前の5:00頃です。丁度、夜から朝に移り変わる瞬間です。見惚(みと)れているうちに少しずつ夜が明けてきます。即、裏山に行き写真に収めます。濃い群青が紺碧に変わる刹那がドラマチックです。

話はとびますが、『0の定義は何か。』と聞かれたことがあります。30年以上も前のことです。そのとき、「夜露から朝露に変わる瞬間です。」と答えた記憶があります。ドリンクの入っているときのたわいも無い会話ですが、この天体ショーを見ると思い出します。


裏山に向かう途中、20人ほどと出会います。早朝散歩の皆さんです。まだ薄暗い中の散歩です。話には聞いていましたが、不思議な光景です。

奥州最北端の鄙(ひな)びた温泉地は、海に沈む夕日もそうですが、朝焼けも逸品です志功が言った『海も山も温泉も』の通りです。

早朝散歩の皆さんの他に、この朝焼けの瞬間を写真に収めている方もいます。K社長もその一人です。何年も撮り続けているのだそうです。朝焼けは、好天の兆(きざ)しとも悪天(雨)の兆しであるとも言われています。それは地域によって異なるようです。その朝焼けの日の37℃です。

ハマナスがまだ咲いています。本来は初夏から夏にかけて咲く花のようです。あと1週間ほどで10月になる今の時季の花です。また、シソ(紫蘇)がようやく花をつけています。これも、もっと早い時季だった筈です。少し不思議です。


奥州最北端では、記録的に暑い残暑です。話は飛びますが、毎朝紹介される日本全国の気象情報で、最も気温の高いのは九州等の南ではないことが多いようです。

そして、最も気温が低いのは日本最北端の太平洋側にある釧路です。必ずしも、南が暑く北が寒いという方程式は成り立たないようです。

その日本最北端からH女子がお見えになります。子供連れです。半年ぶりの再開です。

2012/09/20(木) 13:18

昼前から工房作業です。工房とはいうものの、今日も庭での作業です。冷房設備の無い工房内では作業にならないのです。四阿(あずまや)は室内と違って頗る快適です。しかし、その都度、工具の工房からの出し入れがあります。

重量は30kgほどです。若い時分には気にならない重さだった筈です。今は老いています。事情が変わっています。落とすことで壊れることがあります。工具の移動には少し本気になります。工具というのは、意外なところに重心を持っているものです。

今日のテーマは「積木」づくりのまとめです。「面取り」は昨日終えています。しかし、それは辺の面取りです。まだ頂点の鋭さが残っています。この鈍化から作業を開始します。

友人のI氏に「面取り」の目的を聞いたことがあります。そのひとつに「怪我の防止」があります。『特に辺の集まった頂点は鋭く尖がっている。』、『角を処理したものはタンコブで済む場合でも、鋭い頂点では血を流すこともある。』等です。

今回の作品は幼児用です。十分な配慮が必要ですひとつひとつに手をかけます。その箇所は膨大な数です。2時間以上を要して終えます。

午後は愈々「箱づくり」です。最終段階です。適当な板にカンナ(かんな)をかけ、期待する大きさにカットします。4隅を留めにするつもりです。これは2つの横板が出会うコーナーをそれぞれ45°にし、合わせて直角にする方法です。


この加工作業は一瞬で終えます。先般入手したスライド丸鋸(まるのこ)が威力を発揮します。刃の回転音は低く、シュンとした音です。スイッチに触れる人差し指を離すと瞬時にストッパーが利くのも良いです。

次は底板とそれを嵌め込む溝の加工です。底板にはベニヤを使うことも考えましたが、結局、青森ヒバにします。幅広のものが無く、2枚の相決り(あいじゃくり)にします。

この加工に昇降盤を使います。当初はルーターを考えたのですが、これまで経験した昇降盤に頼ります。慣れていることもありますが、刃の高さ設定にフットワークが良いのです。

とはいうものの、相決は、両者の厚さが正確な1/2にすることがポイントです。いつものことですが緊張する瞬間です。そして、底板を納める溝加工です。これにも気を使います。溝幅は広すぎても狭すぎても困ります。この加工も昇降盤に活躍してもらいます。

底板を側面の溝に嵌めることで強化されます。特に、箱を持ち上げる際です。組み立てを終えた時点で、各コーナーに簪(かんざし)を差し込む予定です。

今日最後の作業箇所は、手をかける部分です。その加工には型枠を使うことにします。先般のポケットティッシュケースづくりの際に準備したものです。3個の箱です。6箇所に孔をあけます。気をつける箇所は孔の位置です。


トリマーを使う前に、フォスナービットで位置決めをします。単純なものです。5箇所までは予定どおりです。しかし、最後の1箇所が上下逆の位置になってしまいます。集中力が鈍ったことと油断のなせる業です。困ったものです。

この1箇所をこのままにしたくなければ、横板を1枚つくり直せば良いだけです。しかし、部材づくりの最後の最後でトリマーが故障します。優秀な日立工機ですが、ビット交換のストッパーが壊れてしまいます。

夕刻、仮組をしてみます。まあまあです。憂いは、主人公の「積木」よりも箱が立派に思えることです。本組は頭を冷やした後になります。1週間はかかりそうです。この積木は誕生祝いです。少し豪華過ぎてはいても、むしろその方が良いのかも知れません。

勿論、ビール等を運ぶときの袴(はかま)や入れ物としても良さそうです。


2012/09/17(月) 22:26