子供の頃の疑問のひとつに「初夢」がありました。小さい頃は12月31日から1月1日にかけて見る夢と思っていました。

しかし、やがて、1月1日から1月2日にかけて見る夢と教えられます。納得のいかない定義でした。更に、現在は、元日から2日の朝、更には、2日から3日の夜に見る夢も正解とされています。よく解らない世界です。

元日から2日の朝の初夢は既に記憶から遠ざかっています。2日から3日にかけてが正しい定義であるとすれば、まだチャンスはありそうです。今晩こそは記憶に留めておくつもりです。

このところ、額に拘(こだわ)っています。実は、大事な写真を入れるためのものです。少し本気になっているところです。単なる額ですが、いざとなると奥が深いことに気づくのです。

まず、ダストカバーの構造です。写真が、アクリルのダストカバーと密着すると、時間の経過でくっついてしまうらしいです。この解決には、額の裏側からアクリル板の外周に厚紙を回すこが有効のようです。アクリルと写真の間に微かな空間を生じるらしいのです。

理屈では簡単な作業ですが、実際には、裁縫のよにな細かい作業です。それなりの精度が伴われなければ頓珍漢になってしまうのです。接着には両面テープを使いました。

その仕掛けが出来さえすれば、あとは写真を入れて裏板を嵌めるだけです。しかし、これだけで結構な時間を失います。

額の微調整は何とか終えます。しかし、肝心の「額立て」の完成にはまだまだ時間がかかりそうです。漆が乾かないのです。夏分は一晩で乾いたものが、このところの気温と低い湿度では2~3倍の時間を要しそうです。

漆は2~3回塗っただけです。ここまで来た以上は6~7回は繰り返したいところです。一朝一夕には完成しないのが漆塗りです。逆に、この時間を要するところが漆塗り作品の魅力なのかも知れません。

しかし、一旦硬化した漆は、途方もない時間を経ても朽ちることが無いとされています。年越しから正月にかけて使っている「輪島」も、我が家では80年来使っている代物です。今もって、朱と黒のコントラストを見せつけているのです。


話は飛びますが、一般的な百貨店で取り扱っている漆塗りの作品は、塗り終えてから、最低、半年は寝せておくそうです。気を使う販売店では2年の時間を経た後に店頭に置くのだそうです。

その次元です。元旦からアクセクしてもどうしようも無いことなのです。ま、気長に取り組むことにします。


昨年は「年賀状」を出せませんでした。今年は、2日の今日になって印刷します。勿論、テーマは「賀春」です。しかし、表示は、このところの作品集にします。駄作ではあるものの、よくもまあ、なんだかんだの様々なジャンルをつくったものです。

今年は、そのテーマも絞るつもりでいます。今日は、そのテーマを初夢で模索するつもりです。


明日にかけて大雪のようです。

2013/01/02(水) 21:33
年に一度の元旦です。ゆっくりしようと思ってはいたのですが、今日も工房に入ります。気になっていた「バインダー」づくりの続行です。

以前にもご紹介しましたが、「幅広の青森ヒバで何かをつくろう」、と思って手がけたものです。この「バインダーもどき」は、既にお披露目済です。

まず、司会の折に使いました。そして、作品紹介の説明に、屏風(びょうぶ)代わりに活躍しました。しかし、そのときは白木の状態です。


今回は、これに塗装を施すことにします。それも、緑、赤、黒の配色の「拭漆(ふきうるし)」です。初めての試みです。勉強のためです。

これまで5~6回の「拭漆(ふきうるし)」を繰り返しています。予想外に不満足です。しかし、妥協して前進します。塗りはいつでもできそうだったのです。

次の課題は、用紙を留める仕掛けづくりです。コーナーに皮を使うことにします。数日前に漆を着せていたものです。板と皮の接着を「皮・木部専用」の接着剤にします。しかし、見事に失敗します。

漆が木部の凹凸を削除した結果のようです。仕方なく、「釘止め」にします。長さ8mmほどの小さい釘をあちらこちらに打ち付けます。その位置に一貫性は無く、これも見事に失敗します。これも、成功を迎えるための欠かせない要素です。


しかし、何とかそれらしくなっています。惜しむらくは、バインダーの大きさです。いつものように設計図無しでつくった結果です。

実は、A4が食み出てしまいます。B5用ということになります。ドイツのA版が、これまで我が国で公用紙として使われていたB版にとって代わった所為です。

しかし、人の所為にするには恥ずかしい限りです。ほんの1枚の紙をあてて様子をみるだけで解決したことなのです。ま、この失敗も、成功への一歩です。正月から腹を立てるには及ばないのです。

2013/01/01(火) 17:29
大晦日の昨晩は、「年取り」でした。一年に一度、神様と仏様の両方に御明(みあかし)を灯します。つい一週間前にはクリスマスカロルで満たされていたのに、です。神仏混交の名残です。

そして、床の間の三方に、お供え餅、昆布、スルメ、稲穂等を載せて飾ります。この三方(さんぼう)は数年前につくった試作品です。朱漆の拭漆です。組立の時点でやや狂いは生じたものの、離れてみると、それなりの役割を演じています。

無論、次回は、完璧につくる自信があります。完璧な作品をつくるに最も優れた師匠に、失敗するに如くものは無いようなのです。


膳は昔から受け継がれた料理です。しかし、或いは、この催し物は奥州最北端独自の習わしであるのかも知れません。つい先日、『関東ではこの「年取り」は元旦に行う。』と言った方がいました。また、大晦日とはいっても特別な料理をつくらない地方もあるようです。

我が家の伝統的な料理は、「大根ナマス」、「煮しめ」、「旨煮」、「黒豆の煮豆」、「数の子と炒りゴボウ」、「焼き魚」、「刺身」、「茶碗蒸し」、「昆布巻」、「口取り」、等です。昔、何日も前から大騒ぎをして支度した正月料理を再現してみると、意外に質素なものです。昔と今では事情が異なっているのでしょう。


しかし、それぞれにそれぞれの味があります。「大根ナマス」には「氷頭(ひず)」を入れて酢のものにします。デリケートな世界です。「煮しめ」と「旨煮」の材料の多くは同じです。しかし、味付けと料理方法は異なります。

材料は、里芋(さといも)、蓮根(れんこん)、カシワ(鶏肉)、牛蒡(ごぼう)、シイタケ(椎茸)、人参(にんじん)、筍(たけのこ)、蒟蒻(こんにゃく)、薇(ぜんまい)、油揚(あぶらげ)等です。

「口取り」は、「紅白の板蒲鉾(かまほこ)」、「昆布羊羹(ようかん)」、「金糸卵」、「栗金団(きんとん)」、「田作り」、「ハム」、「揚げ物」、「焼き物」等です。「金糸卵」と「栗金団(きんとん)」は本気になってつくります。

「刺身」は、「平目(ヒラメ)」、「鯛(タイ)」、「鮪(マグロ)」、「烏賊(イカ)」、「帆立(ホタテ)」、「蛸(タコ)」そして「海鼠(ナマコ)」です。これもまた一般的なものです。しかし、盛り付け方や皿によって味が変化します。

「薇(ぜんまい)」の「戻し」には究極の技が伴います。シキッ、サクッとした食感を得るには相当な修練が伴うのです。今年は、K氏の奥さんから既に戻したものをいただきました。また、難しいものの代表に「黒豆」があります。ふっくらと膨れて適度な歯ごたえに仕上げるには多くの失敗と挫折を要する世界です。

元旦のメニューは「雑煮(ぞうに)」に決まっています。サケの他に、煮しめ等の余った材料が具となります。


昔、ご年配のK氏が、大晦日と元旦の定番文句として「一夜五十日」とよく言っていました。意味は今もって解りませんが、蓮如上人の言葉に関係がありそうです。

人間の五十年が四王天の一日一夜にあたり、四王天の五十年は等活地獄の一日一夜にあたる、という世界です。

おそらく、「折角のお休みです。楽しくやりましょう。」の意味のようです。昨晩は猛吹雪だったようです。早朝の沐浴の際、吹き溜まりは30cmもあります。今日は、Z氏がブルを駆ってくれました。


2013/01/01(火) 17:25

接着剤を塗布して、ギリギリとクランプで締め付けてやります。結果は、少しの無理があります。もはや後戻りする気力は失せています。そのまま続行します。微かに?生まれた隙間は埋剤で処理します。

処理、というのは、清潔さの無い、いわば、誤魔化しのような世界です。埋剤は、H氏から譲られた漆用です。必要部分だけに使いたいことから、マスキングテープで養生して隙間を埋めます。

本来?はこの埋剤が硬化するまで待つべきなのでしょうが、小一時間ストーブの傍において、即、塗りに入ります。蝶番バージョンとともに「拭漆」です。背板と底板の白木には、黒漆に若干のテレピン油を混ぜます。

テレピン油は漆を軟化させます。漆が白木に深く浸透します。一度塗って暫(しば)らく経つと、漆が木に吸われているのが解かります。2度、3度繰り返した後に拭き取ります。次からは、テレピン油を使わないつもりです。


H字型の底板に、敢えて節材を使いました。普通ではあり得ない世界です。その節部分が漆を吸って光沢を帯びています。そして和み(なごみ)を演出しています。面白くなりそうです。

今回のスタンドは、額用につくったものです。しかし、少しの設計変更で、構造的には、「皿立て」としても良さそうです。床の間用に、「皿立て」もつくりたくなってきました。


午後、製材所のY社長がお出でになります。早速、つくりかけのスタンドをお見せします。『作品には、このような材が良いのです。』と評価してくださいます。しかし、『大きいケヤキがあります。お出でになってください。』、と勧めてくれます。


「青森ヒバ」も捨て難いのですが、「ケヤキ」も魅力的です。来年もまた忙しくなりそうです。しかし、今の段階で必要とするのは、あれやこれやの試行錯誤だけのようです。夢が限りなく膨らんできます。


サッカーが勝ったようです。そろそろ、「年取り」の大宴会が始まる時刻です。この一年のご愛読に感謝申し上げ、そして、来る年のご多幸をお祈り申し上げて平成24年の日記を終えます。ありがとうございました。


午後から猛吹雪です。蹲(つくばい)の水はカチンカチンに凍っています。
2012/12/31(月) 16:56
しかし、ここで、ハプニングがおきます。頓珍漢な位置に刃をあててしまいます。普通に考えればありえないことです。しかし、ありえないことがおきるのが、刃を使う木工です。一瞬、頭が真っ白になります。

実は、この種の失敗を、これまで数えきれないほど経験しています。ああ、またか、のパターンです。中学校や高校での数学の試験で、100点を取れなかった理由に、(1+1)=3と処理したことが思い出されます。表と裏を間違ったり、前後左右を取り違えたりの、そのような単純ミスなのです。

このような間違いは、どんなに歳を重ねても学習しきれない課題のようです。生まれながらに欠落している部分なのかも知れません。しかし、流石に、はじめから作り直す気力はなく、この際、この間違いを有効活用することにします。

底板には、敢えて節材を使っています。この、予期しないハプニングも全体に同化させることにします。


話は飛びますが、昔、寸法を間違って裁断した棟梁が、悩んだ末、その間違った寸法を生かして建物を建てたそうです。その建築法が、後の世に、新しい作風として受け継がれたという逸話があります。

次に、背板の加工です。これも薪(まき)を材料にします。幅は底板を同じ寸法にします。昨日使ったテーブルソーの定規はそのままです。設定のし直しすること無しにそのまま使えます。簡単な作業です。微調整は伴ったものの、この段階で全体の一山を越します。


底板と背板のホゾ加工を終え、いよいよ仮組です。話は飛びますが、金属加工の場合には、8mmの溝には8mmのホゾは入らないのだそうです。しかし、木工では、メスよりもオスのサイズを大きくすることがポイントとされています。


木は、縦方向に強く、横方向には弾力があります。その性質を使った「木殺し」という技です。しかし、これにも加減はあります。今回は、やや、オスのサイズが大き過ぎたようです。それでも続行します。

多分に、思わぬ間違いというものは、目の前に結論が迫っている寸前に起こることが多いです。先般、下駄(げた)をつくったときもそうです。完成直前に、真ん中からスパッとカットしてしまったのです。

刃の高さを確認しなかった所為(せい)です。その確認には1秒も要しないのに、です。天地がひっくり返る瞬間です。



2012/12/31(月) 16:52

今日は大晦日です。何となく緊張します。65歳以上を称して高齢者というようです。数年前に既にこの条件は満足しています。しかし、誰が定義づけたかはわかりませんが、この名前だけでは、「お年寄り」と思われがちです。

実際に意味するところは、「社会の中で、他の成員に比して年齢が高い一群」だそうです。その意味では、まだまだ現役といえそうです。世界的な定義では、65~74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢なのだそうです。その意味では前期高齢者ということになります。

今日も朝から工房に籠(こも)ります。イントロダクションは、このところ手がけている「額スタンドづくり」です。1作目は、2枚の板の合わせ目の一辺に蝶番(ちょうつがい)を使うつくりです。


今回、初めて挑んだ世界です。単純で合理的なつくりに思えました。しかし、頭の中だけで想像することはできなく、最初は、段ボールでサンプルをつくって始めました。老いたものです。

しかし、実際の加工はハイレベルな配慮を要します。まず、蝶番のビス留めの位置が難しいです。木の目のために、微妙に狂うのです。そのためか、蝶番を取り付けた後に2枚を畳むと両者がピタリと一致しないのです。

次に、額の底辺を留めるストッパーの角度です。意外な角度になるのです。今日は、まず、その微調整からのスタートです。とはいうものの、実際の作業は、ほぼ一瞬で終えます。使ったツールは手鋸(てのこ)、グラインダー等です。

そして、今日のメインテーマのH字型のスタンドづくりです。蝶番を使わないつくりです。背板と底板で全体を固定する方法です。昨日、底板のホゾ加工を終えています。今日は、そのメスづくりと背板のホゾ加工です。


昨晩衰えていた気力は120%回復しています。如何なる手段で加工しても対応できそうです。結局、ツールをルーターにします。

溝掘りを6mmのストレートビットにします。まず、これまで使っていた、mmをインチに変換するアダプターの取り外しです。結構渋くなっています。一汗かきます。

6mmのストレートビットの根本は12mmです。結構パワフルですが、掘り込む深さを2段階にします。この作業も一瞬で終えます。定規を設定しさえすれば一瞬で加工できるのが電動工具の魅力です。

2012/12/31(月) 16:41