作品を漆風呂に納めてから、遠方に出かけます。奥州街道を東の太平洋側に向かいます。今日の気温は高く1℃ほどです。1℃であっても氷点以上です。道路はアスファルトが見えています。

はじめはタイヤのあたる部分だけにアスファルトが見えていました。やがて道路全体がカラカラに乾いていきます。わずか1時間の距離で気象が異なっていることが不思議です。

M先生から、木工かかわるヒントをいただきます。『1/2+1/3は分母を通分して計算する。今の子供たちは、そのようにして機械的に正解を出すが、本当にその意味を理解しているのだろうか。』

『これを玩具(おもちゃ)でつくってみると面白いかも知れない。』というものです。この仕掛けは、長方形でも円形でも出来そうです。早速、挑戦したいところです。またまた課題出現です。


夕刻、数人の友人がお見えになり、突如の新年会です。肴(さかな)は、囲炉裏(いろり)で炙(あぶ)った魚です。

K社長の板さんが焼いた魚も届きます。厳寒の今の魚は脂がのっています。質素な新年会ですが美味です。

いつものように、経済、文化等、あれやこれやの話題に及びます。勿論、漆風呂の中の作品も評価していただきます。



2013/01/12(土) 12:42

今日は3連休の初日です。このような日にはやることかたくさんあります。除雪、工房内の清掃、そして創作活動です。特に漆塗りです。そして、遠方のM先生をお訪ねすることになっています。5:00前の起床になります。

起床直後は除雪です。愛車のブルドーザーを駆ります。次に、掃除です。今日のテーマは、「漆風呂」の引っ越しです。これは漆を乾かすための特別室です。空気に流れが無く、高い湿度と温度を保ち、何よりも埃(ほこり)の無い空間が「漆風呂」の条件のようです。

その引っ越しの前に小清掃です。この「漆風呂」をつくったのは3年前です。以来、工房の一角に鎮座していますが、驚くほどの塵に埋まっています。その正体の殆どは青森ヒバの微粉末です。埃は漆の乾燥の天敵です。仕上がりが醜くなるのです。



厳寒の今は漆塗りには不適のようです。本来は、この冬期間に木地づくりをして、初夏から夏にかけての塗りが適当のようです。

しかし、どういう訳か、冬に塗りたくなります。一旦つくった木地の結末を早く確認したいからなのでしょう。

雪の庭に向かってコンプレッサーで埃を飛ばします。そして水拭きします。青森ヒバの香りがパーンと伝わってきます。綺麗になった「漆風呂」を座敷の一角に移動します。その瞬間に、座敷が工房の一部に変化します。


愈々(いよいよ)漆塗りです。一週間前に朱だけを塗っています。気になっていた境界線は、まあまあです。

今日は、全体に黒を塗ります。テレピン油を混ぜて粘度を緩くしたものです。朱の上からも塗ることになります。

その後、全体を「拭紙」で拭き取ります。その段階では、木部の年輪は見えています。しかし、時間が経つと黒く変化します。艶(つや)の無い黒です。漆風呂には温めたお湯を入れています。その所為か、良い乾きになっているようです。


2013/01/12(土) 12:39
今日も厳寒です。午前中は工房に籠ります。一昨日から手をかけている「手拭きトレイ」を一歩?前進させます。

一作目のサンプルを拵(こしら)えた瞬間には、これで完全だ、と思ったものの、時間を経るごとに、次々に疑問が湧いてくるのです。1作目は、全体の形を直線で構成しています。それなりに潔(いさぎよ)さはあるのですが、何となく、板そのものです。

昨日つくった2作目の3点もまたサンプルです。それぞれを別バージョンにして様子を窺がうことにします。長方形の四隅を、1/4円形の弧と、平面でのカット、そして、1作目バージョンにしてみます。

前者2点に、約30°の角度を持たせます。この加工にはベルトサンダーを使います。最近手に入れた優れものです。デザインの違いによって、雰囲気がガラリと変化します。不思議な世界です。


次に、塗りです。1作目を「木固めエース」にしています。2作目の3点は漆です。基本的には、「生漆(きうるし)」の黒で「拭漆(ふきうるし)」にするつもりです。しかし、その中の2点に「朱」を入れるつもりです。

これは、色と色との境目が上手くいかない傾向があります。しかし、複数の色を使うことを、つい先般、「バインダーづくり」で試しています。その際も、失敗しています。マスキングテープを貼っていても、境界線を越えて色が滲(にじ)んでしまうのです。

この理由は、白木に1回目の色を塗る際、漆にテレピン油を混ぜるからです。これによって漆の粘度が落ち、木部に浸透し易くなるのです。1時間後にテープを剥いでみます。やはり、懸念していた通りです。この段階で気づいたのは幸いなことです。バインダーで失敗したことによる学習効果の現れです。


マスキングテープと木部の間に朱漆が侵入しています。このままでは醜い結果になります。即、手直しです。勿論?テレピン油を混ぜない朱漆で境界線をクリアーにします。フリーハンドで筆を使います。ま、何とかなりそうです。

この作業の続きは1週間後ほどになりそうです。空気が乾燥し過ぎているのです。その間、「漆風呂」でお休みしていただくことになります。

他方、年末年始のお休みは今日で終わりです。明日からは、本業への復帰です。当初予定した1/10ほどの工房活動でしたが、この一週間の創作活動で鋭気を回復したようです。

2013/01/06(日) 18:03
いつの間にか結構な積雪です。手をかけていない庭の四阿(あずまや)の屋根には1mほどの雪が乗っています。今日の最高気温は氷点以上です。

1℃ながらも、除雪後は、路面が融けます。一瞬なりとも、その状態を確認したく、今日も早朝からブルを駆っての除雪です。

今日は土曜日です。年末年始のお休みが明日までの職場が多いようです。貴重な時間です。Z氏もお見えになり、あちらこちらの除雪です。ボランティアのつもりでしたが、そのお礼に、S旅館から「生酒」をいただきます。


残り少ない時間です。我が工房でも、気になっているさまざまな課題に挑みます。まず、工房内の掃除です。道具を収納した後、床を掃くだけです。しかし、これだけで、作業環境が一変します。


そして、気力が生まれてきます。いつもながら、不思議な現象です。気を良くして取り掛かったのが「ステッキ(杖)スタンド」です。腰が痛みを訴えたことで、昨夏に下拵え(したごしらえ)をしていたものです。

ケヤキ(欅)とエンジュ(槐)を「相決り(あいじゃくり)」で接いだものです。勿論、デザインは我流です。少し?頓珍漢な造作です。固定は未だでした。ショックを与えるとすぐにカタカタと分解していました。糊付け後、ビス止めします。

話は飛びますが、一般的には、木種の異なる材でひとつの作品をつくることはしないようです。しかし、当時、適当な材料が無かったことから妥協した結果です。またまた話は飛びますが、エンジュは木偏に鬼と書きます。

しかし、最近、「延寿」とも表していることを知ります。昔から、四は嫌われる文字でしたが、最近はシアワセにつながる、という価値観も生まれているようです。同じように、フクロウは苦労を含むことで嫌われていましたが、近年は、不苦労と解釈する傾向があるほどです。

「杖スタンド」の次は「トレイづくり」です。昨日、サンプルをつくりました。デザインは、まあまあ、のようですが一考はありそうです。今日、それに塗装してみます。本来は、漆のつもりですが、今の季節では乾かないのです。


結局、木固エースにします。舐(な)めても人体に悪さをしない、とされる優秀なものです。白木に塗った1回目の木固エースは、乾きが意外と早いです。薪ストーブの傍に置くと2時間ほどで触れることができるようになります。

それを眺めながら、数個をつくってみます。当面の課題はその寸法です。話は飛びますが、普通の長方形で安定感のあるものに「黄金比」があります。縦横の寸法を約、1:1.618としたものです。しかし、今回は、「おしぼり置き」です。その割合では少し難しそうです。

昨日、作った瞬間は満足した筈なのですが、一晩経ると、工夫の余地が次々に現れてきます。これもまた不思議な世界です。丁度、一旦完成した絵に手を加えるのに似ています。

2013/01/05(土) 19:03
今日も、先の見えない猛吹雪です。除雪には神経を使います。

今日もお休みをいただいています。正月らしく、「ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート」を観ます。勿論、テレビで、です。新年の一大イベントです。元旦に行われた再放送です。

感激します。まず、メスト(フランツ・ウェルザー・メスト)が良いです。細かいことですが、お辞儀が綺麗です。両手の指をピタリと合わせています。最近のオーストリアではカラヤンに次ぐ逸材とされています。

深刻さを見せることなく優雅に振舞っています。音楽的には、曲にドラマチック性を持たせています。それも洗練されたものです。強弱とテンポの操作によってつくられる曲の表情が良いです。

今年も、掉尾(とうび・ちょうび)の2曲は「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」です。前者はヨハン・シュトラウス2世、後者は1世の作品(の筈)です。


解説者の池辺晋一郎が、「私の日本の先輩が、『普遍的なものは民族的なものである。』と言っていました。」と言っていました。

よく解りませんが、その意味は、それぞれの事情がそれぞれの文化を育み、それぞれの色合いを醸し出す。ということのようです。

その、事情に応じたオリジナリティーにこそ価値がある、ということなのでしょう。何となく理解できる世界に思えてきます。鑿(のみ)や鉋(かんな)を使う木工の作品づくりにも通じるところがありそうです。

くどいようですが、テレビ画面で観る限りですが、色彩が見事です。残像としては黒、赤、緑、金色です。勿論、白もあります。しかし、それは他の色彩によって美しく映っているようです。これがヨーロッパに長い間受け継がれる、新年を寿(ことほ)ぐ演奏会の所以(ゆえん)に思えます。

来年のコンサートのチケットは、既に一昨日の2日から売られているそうです。それも抽選の参加申し込み券のレベルです。一度、タキシードを着こなして参加したい世界です。


さて、今日は「ほしぼりトレイ」の試作品づくりに挑戦します。少し、気合いが入ります。実は、これまで、頭の中にはあったのですが、そのデザインと加工方法に悩んでいたのです。

加工技術というのは、曲面の作り方です。当初、平板も考えました。それであれば、プレナーに通すだけの作業です。一瞬で済みます。しかし、やはり、曲面にします。

このツールを手鉋(てかんな)にします。実は、気合いが入る、というのは、修行していない手鉋を使うことだったのです。正確には、「外鉋(そとまるかんな)」です。昔、桶(おけ)づくりのために新潟三条から求めたものです。


しかし、実際の桶づくりには別のツールを使っていました。今回、初めて試すツールです。刃をほんの少し出しておそるおそるかけます。

勿論?材料は端材です。しかし、素性の良い「青森ヒバ」です。結果は、意外に簡単に削ることが出来ます。ホッとします。この「外丸鉋」で底も削ります。座りの安定を考えてのことです。

その後はサンダーで微調整です。今日は、試作品です。1個だけにします。要した時間は10分ほどです。

少し満足しています。このデザインと材質は、世界中の誰もつくっていないバージョンの筈です。勿論、手前味噌と心得てはいます・・・。明日からの日課に組み込まれそうです。


2013/01/04(金) 16:14

朝、友人がお見えになります。筆者が大特(大型特殊免許)と建設機械の作業免許を取得したのは13~14年前です。しかし、彼は40年も前からブルを御している達人です。即、家の前を除雪していただきます。

30℃もあったのはつい2ヶ月前です。しかし、今は、雪吹とギリギリした寒さを伴って、いつもより厳しい冬将軍様がお出でになっています。


今日の工房活動は、ため込んだ時代劇を観ることです。殆どは「鬼平犯科帳」や「剣客商売」です。実は、この中に作品づくりのヒントがたくさん織り込まれているのです。

行燈(あんどん)、テーブル、桶(おけ)、衝立(ついたて)、膳(ぜん)、台、裁縫箱(さいほうばこ)、火鉢(ひばち)、囲炉裏(いろり)の自在鉤(じざいかぎ)等の生活用具等です。


しかも、それらは、毎回、違ったものが使われています。顕著なのは行燈(あんどん)の格子(こうし)です。毎回、縦横の位置が微妙に変化しているのです。そして何れも見事です。

相当な達人が作っていることを窺がわせます。それも、センスの世界で、です。どのバージョンも唸らせるのです。おそらく、番組の制作者が拘(こだわ)った世界のようです。

難を言えば、何れも立派すぎることです。普通の長屋や居酒屋にはそぐわないものが多いのです。しかし、それらをさりげなく使っていることで、違和感無しに映ります。

毎回、それらの調度品を観察することが楽しみです。作品づくりのヒントになるのです。最近観た中に「台」があります。軍鶏鍋(しゃもなべ)の具材を入れた皿を置く台です。天板の大きさは1尺×2尺ほどの変哲のないものです。しかし、その縁は、自然を意識した見事な形に削られています。

また、その高さに感激します。ほんの3寸ほどと低いのです。一般的には見かけない世界です。実は、別の番組にもこの天板が登場していました。感激します。

このイメージをもとに、次の課題に進むことができます。実は、方針が立たなく、足踏み状態の台が2~3あります。目途が立ちます。

しかし、この加工は、木の微粉末を生じます。工房内では漆を使っています。雪が落ち着いてから庭での作業が良さそうです。

別の課題を設定します。「おしぼり置き」です。以前から考えていた課題です。当地の秀木の「青森ヒバ」に漆を着せたものです。この組み合わせは、木の美しさもさることながら、衛生面を意識したものです。

漆の器にノロウィルスの菌を入れると24時間で死滅します。それよりも殺菌力が強いのが「青森ヒバ」と言われています。面白くなりそうです。


先日、柿の「渋抜き」を終えました。雪が降り始めた頃に収穫した渋柿です。実は、1年前、この渋抜きに失敗しています。大量の柿を捨てることになりました。

今回は2回目の挑戦です。必死のリベンジです。結論は成功?です。方法は、単に、蔕(へた)を35°の焼酎につけてビニール袋に入れておくだけのものです。このところ、毎日5~6個を試食しています。その段階では100%です。

しかし、客観性の欲しいところです。今日、数人の友人がお出でになります。皆さんに食していただきます。K社長は、『ま、こんなものでしょう。』と評価します。しかし、Z氏は、『ビニール袋に入れたでしょう。その方法ではこんなものです。』と、作り方をあてて不満足を表現します。

続いて、『私も数回の失敗で悟りました。微かに空気の出入りする、段ボール箱が良いのです。そうすれば、もっと甘くなります。その方法では2週間を要します。』と詳しいです。少しがっかりしますが、また、今年の課題が具体化したことになります。

2013/01/03(木) 16:11