昨日は用事のため、遠方に飛びます。奥州最北端を8:20に出発します。羽田で乗り換えて九州に着いたのが12:30です。実は、11:45に着く筈であったのですが、羽田からの出発が遅れたのです。

その理由は、座席数よりも多い搭乗券が発券されたのだそうです。羽田の搭乗口で、『次の便に変更できる方には、協力金として10,000円、若しくは7,500マイルを差し上げます。』と、係員が訴えます。そのときには申し出る人はいませんでした。

10分ほど経つと、『15,000円』に内容が変わります。そして、やがて『20,000円、15,000マイルです。』になります。丁度、「フーテンの寅」こと浅草の「車寅次郎」のご商売の逆(ぎゃく)の構図です。結局、最後の2名を何とか募集して無事、羽田を出発します。

後期高齢者には想像すべくもないのですが、「座席数よりも多い搭乗券の発券」には、航空券を扱う、良からぬ組織の関与があるとも思われます。だとすれば、ITのレベルに感服するとともにおっかなくもなります。結局、目的地に滞在したのはほんの1時間です。空港と飛行機の中、そして車の中で11時間を費やしたことになります。

話は飛びますが、この11~12時間は、仁川からロスまで移動できる時間のようです。数回往復したことがあります。この飛行中、3回ほどの機内食が出たようです。いただく側は殆ど座ったままで、エサだけが運ばれてくる仕掛けです。丁度ブロイラー(broiler)になった思いがします。


東京も九州も21℃ほどです。そして花の事情も似ています。どちらも八重桜が散り始め、赤いツツジ(躑躅)が咲いています。

夜、奥州最北端に戻ったときの気温は2℃です。そして今日は雪です。昨日の別府湾は春霞です。空間的距離、時間的距離、緯度的・経度的距離、精神的距離によって、事情が全く異なるのが面白いです。

またまた話は飛びますが、地名には読みづらいものがあります。昔、奥州最北端の「弘前(ひろさき)」の読み方が共通一次試験に出た記憶があります。普通は読めない字のことからです。

大分には「国東(くにさき)」があります。これも読みにくいです。「東」を「さき」と言わせたのは、おそらく、太陽が昇る東方が、陸の先端にあることから「さき」と言わせたのかも知れません。「岬(みさき)」にも関係しているのかも知れません。

他に「東雲(しののめ)」があります。この読み方を教えてもらったのは高校時分だったでしょうか。読み方を知らない人がどんなに考えても正解を出せない世界です。しかし、意味きなんとなく解りそうです。この意味は、「闇から光へと移行する夜明け前に茜色にそまる空」なのだそうです。


まもなく連休です。奥州最北端の弘前の桜には不思議な現象がおきています。木がシートで覆われているのです。このところの気温が低く、このままでは開花が遅れるのだそうです。暖かくして連休に間に合わせる試みです。邪道とは思うものの、一笑には伏すことのできない真剣さが感じられます。

明日はお休みをいただく予定です。実は、取材予定があります。内容はよく解りませんが、工房に関わるもののようです。皆様に失礼のないように対応するつもりです。



2013/04/19(金) 19:31

一昨日から遠方に行っていました。初めて訪れる地もあります。これまで外に出る機会の少なかったものにとっては、新しい発見ばかりです。

まず、地名です。何となく知っているものもありますが、初めて聞く地名が殆どです。銀座線?の「馬喰町」を「バクろうチョウ」と読むと思っていました。実際には「バクろチョウ」です。少し不思議でした。

千葉に入って、茂原、蘇我、東金、富津、君津、葛西、袖ケ浦等は初めて聞く地名です。千葉県にはこれまで行ったことが無かったのです。葛西は苗字で一般的ですが、地名にあるのをはじめて知ります。

木更津は聞いたことがあります。源冶店(げんやだな)の「切られ与三」の台詞に、『しがねえ恋の情が仇 命の綱の切れたのをどう取り止めてか木更津から・・・』があります。

「お富、与三郎」に出てくる木更津が千葉県の木更津と同じかどうかは解かりませんが、小学生の頃から聞き慣れています。実は、昔、長谷川町子のサザエさんの愛読者でした。その中に取り扱われていたのです。

この台詞(せりふ)が、「しがねえ恋の情が仇」と、「しがねえ恋が情の仇」の何れが正しいのか、という4コマ漫画です。小学校の頃(今から60年近くも昔)のことです。

今更ながら、つまらないことを覚えているものだと、溜息(ためいき)が出てくる始末です。


千葉の今日の気温は20℃もあったようです。しかし、風は冷たく、日蔭では寒く感じます。しかし、奥州最北端とは異なり、朱色のツツジ(躑躅)が既に咲いています。セコいとは知りつつ、嫉妬心が芽生えます。

君津から高速で羽田に向かうパーキングエリアで一服します。習志野の手前だったようです。外から中(?中から外)が覗える建物が喫煙所です。東北自動車道では見たことの無いものです。驚きます。

中に入って更に驚きます。屋根の無い青空天井の建物です。この構造は全く理解できないものではないのですが、不思議な出会いです。

話は飛びますが、よく思い出せませんが、電車内が禁煙になったのは今から40年ほど前だったようです。突然禁煙になった記憶があります。実は、昔、電車の中でタバコをふかしたことがあります。久しぶりに上京した折です。

当方は、それまで認められているルール通り、堂々と吸っています。しかし、何となく周囲の雰囲気の異常さを感じます。座席に座っている乗客が皆、下を向いたり、あらぬ方を見、当方と視線を合わせないようにしているようなのです。その時は、その理由が解かりませんでした。


後で気づいたのですが、そのときには既に全車禁煙の時代になっていたのです。ルール違反だったのです。ぎこちなく視線を逸らしてしていたのは、おそらく、その青年(筆者)をヤクザか何かと思っていたに違いなかったのです。

その瞬間を今になっても思い出します。あのころは角刈りをしていました。思い出す毎に、人のいないところで赤顔し、汗顔しているありさまです。


夜、帰宅するとアイヌネギ(行者ニンニク)が届いています。いつもお世話になっている友人からです。アイヌネギはニンニク同様、匂いがキツことから、本来は、仕事のお休みの日の前の日にいただくのが作法のようです。

しかし、早速、味噌をつけていただきます。辛(から)みの中にも微(かす)かな甘味があります。シャキシャキしています。一年ぶりの出会いです。感激します。

また、期待していた、卵の白身の入ったアサドキの酢味噌和えがこしらえてあります。トショッて(年寄って)いるのではないか、と心配していましたが、まだ若く、これもまたシャキシャキしています。春をいただいているのを実感します。

2013/04/16(火) 22:02
緑の塊(かたまり)が見えます。アサドキです。当地ではアサズキと呼んでいます。このレシピの極めつけは、茹(ゆ)でた卵の白身とともに酢味噌和えです。

奥州最北端ならずとも、日本全国の春の楽しみです。しかし、すでに15cmにも伸びています。固そうに見えます。もう少し早く河原に下りてみるべきでした。

しかし、食するのは根に近い白い部分です。明後日帰宅した折の朝食にオーダーしています。楽しみです。



ニラも15cmほどに伸びています。数年前、友人が持ってきてくれたものです。既に食べ頃のようです。

どんなに刈っても1週間も経つと食べごろに伸びます。昨年は8回~10回も切り取って食べます。生命力の旺盛な植物です。我が家のレシピは、ニラタマと、シラウオを入れた卵としです。今年も楽しめそうです。

ニラもまた採りごろがあります。伸びて時間を経たものはやはり固いのです。そのときは、一度根元からバッサりと刈り取ります。そして新しい芽の出るのを待ちます。

サツキの陰にあるフクジュソウ(福寿草)は、堂々と黄色の花をつけています。このフクジュソウの紹介は今春になって3回目です。

1回目は、まだ残雪の頃です。2回目は、つぼみ(蕾)の中心が黄色になりかけた頃です。しかし、それは早朝のものです。あるいは、日中に咲いていたのかも知れません。

今日は日曜日です。昼に見ると、パッとした黄色が自己主張しています。葉だけのものもあります。来年はもっと楽しめそうです。


花の都の東京は、奥州最北端よりも1.5ヶ月も早いようです。羽田から浜松町に向かうモノレールの車窓から、白ツツジ(躑躅)の庭を見ます。やや広い庭ですが、白ツツジだけの庭です。驚きます。浜松町に向かって左側の車窓です。

八重桜が散り始めています。イチョウ(銀杏)が緑の葉をつけています。活動弁士ではありませんが、『嗚呼春や春 春南方のローマンス』です。奥州最北端も、間も無く春になる筈です。

そろそろカニ(トゲクリガニ)も最盛期を迎えます。待ち遠しいです。しかし、鮎川いづみの『 春 と思えば 夏が来て 夏と思えば 秋が来て 所詮最後は・・・』の「冬の花」を思い出します。春は冬への序奏であることは確からしいです。


2013/04/14(日) 12:11
シドケが芽をを出し始めています。別名(本来の)名前はモミジガサ(紅葉傘)です。

場所は、薄紫のツツジ(躑躅)とシダレイシ(糸比婆)の下です。芽はあちらこちらにありますが、既にモミジの葉っぱを呈しているものもあります。文字通り、赤ん坊の手に似ていますが、大きさは1/6ほどの大きさです。茎の高さはほんの2~3cmです。

やがて夏から秋になると1mもの高さに育ちます。山菜の王様といわれるほどの美味です。勿論、、せいぜい20cmほどのものをいただきます。薄塩の出し汁に漬けていただきます。

話は飛びますがも、この日記を書いているのは東京の渋谷です。数人と食事した後です。そこでの話題に山菜が出ます。シドケ、ボンナ、ウド等です。

驚いたのはウドです。普通は酢味噌和(あ)えでいただきます。しかし、o先生は、味噌汁が良いと言います。初めて聞くレシピです。世の中の広さに出会う瞬間です。

自宅の裏山のウドは、連休の頃がよさそうです。o氏は、山に入るとき味噌だけを持っていくそうです。それを採りたてのウドに付けていただくのだそうです。タケノコ同様、採りたてには、殆どアクが無いのだそうです。

皆さんが熱く語ります。それぞれに春を待ち焦がれている様子が伝わってきます。

雪融け後気になっていたものに「桜草」があります。「ニホンサクラソウ」です。20年ほど前に津軽の庭からいただいてきたものです。どうやら原種のようです。頂いたのは一抱えでしたが、今は1000株以上にもなっています。

サクラソウにはたくさんの種類がありますが、唯一気に入っているのはこれだけです。

まだ芽を出していないと思っていました。しかし、よく見ると、小さいながらもグジャグジャと葉が出ています。独特の縮れた葉です。花の茎が伸びるにはまだのようですが、早晩、パッとした姿を見せる筈です。おそらく、2週間もすれば清潔で潔(いさぎよ)い花と会えそうで゛す。

春早く咲く、といわれるスイセン(水仙)が既に花芽をつけています。咲く寸前です。単純で無防備な黄色は理屈なしに心を和ませてくれる花です。あと2~3日で咲きそうです。目くるめく春の営みを体感しています。


午後、花の都に着陸するとき、『今日の東京の気温は20℃です。暖かい春です。』とスチュアディスがアナウンスしていました。奥州最北端は19℃です。庭に出て少し動くと汗ばみます。処によって、表現の仕方が異なっていることが不思議です。


2013/04/14(日) 12:10

昨日よりも10℃ほども暖かい日になります。やや風はあるものの、春を思わせます。今日は午後からお仕事です。やはり、早起きになります。

沐浴後、工房に入ります。このところ手をかけている「額」づくりを進めることにします。当面の課題はフレームの「塗り」です。如何にすべきかを考えた末、「漆」に落ち着きます。

話は飛びますが、奥州最北端には「津軽塗」があります。これは木を漆でコーティングし、緑、赤、黄等のさまざまな色漆を塗り、その表面を削り取る方法のようです。結果は、2つとない模様になります。

しかし、本体に何の木が使われているかが解からないのが残念です。折角の木目を漆で覆(おお)い、自然の姿を隠しているのです。残念です。今回は、自然の木目(もくめ)を味わいたいことから、「拭き漆」にします。


これは、塗った直後に漆を拭き取る方法です。贅沢な漆の使い方です。そして、色彩を朱と黒にするつもりです。

この2色の色を効果的に演出するには、まず、朱を塗り、その上に黒を重ねる手順をとります。黒を拭いた後に朱を重ねると、朱が拭き取られ、黒が強くなってしまうのです。失敗から学んだ手順です。

久しぶりの漆塗りです。一回目は塗り残しのないように時間をかけます。硬い筆を使ってみます。漆にはテレピン油を混ぜます。これは、木部への浸透度を高めるためです。

塗った後、「拭き紙」で丁寧に拭き取ります。拭き残しはそのまま結果に反映します。一般的には、コーナーの拭く残しが多いです。

一回目の漆はスッと木部に浸透します。乾く前に拭き取ります。そのタイミングの見極めには緊張します。5架の額です。全てを塗るには多少の時間を要します。

結局、小さい3架と大きい2架に分けての作業にします。どういう訳か、この作業は、接着剤を使うときと同じように、急き立てられる思いに迫られます。


拭き取った跡を窺(うか)がうと、あちらこちらに斑(むら)があります。接着剤の跡です。塗る前に、注意して木地づくりをしたものの、接着剤は乾くと透明になります。見落としがあったことになります。

先を急いだ結果です。ガッカリします。しかし、塗っている最中は手が漆でベタベタになっています。多少のトラブルは無視せざるを得ない作業です。

我慢できないほどの醜さであれば、漆が乾いた段階で再び削り取ることになります。


朝、K社長がお見えになります。『春だ。畑が終われば田んぼだ。』とこれからの作業に気合いが入っています。そして、『間もなく連休だ。お土産をつくっておいてください。』と注文を置いていきます。忙しくなります。


昼、「蹲(つくばい)」の水を取り替えます。一冬手をかけていないことから、あれやこれやの枯葉が入っています。水を取り替えた後、その中に「メダカ」を放します。廊下に置いた小さい水槽で越冬していたものです。


2013/04/14(日) 12:08

乾燥した冷たい風です。庭は水気を失っています。早朝、水遣(みずや)りをします。しかし、すぐに乾燥した状態に戻ります。

今日はお休みをいただきます。明日から出張が続きます。気になっているやり残しが山積しています。早朝から工房に籠(こも)ります。当面しているテーマは「額づくり」です。フレームは組み立てています。今日は、ダストカバー、裏板、そしてトンボをつくることにします。

ダストカバーをアクリル板にします。作業は、単にフレームの大きさに合わせてカットするだけです。しかし、技を知らなければ、結構、手ごわい加工です。これまでの失敗が味方になります。ツールを丸鋸(まるのこ)の昇降盤にしますが、刃の高さ設定にポイントがあります。

実は、以前、この刃をアクリルの厚さよりも高く設定したことがあります。その結果、大事件が起きます。回転する刃をあてると、アクリルがバリバリと音を立てて細かく分裂してしまったのです。


今回は、刃の高さをアクリルの1/2程度にします。そして、表裏に刃を当てます。結果は、見事成功です。プロの皆さんには常識と思われるものの、素人には失敗することで初めて知り得る素晴らしい世界です。

次は裏板です。材料がありさえすれば、これもフレームに合わせてカットするだけです。問題は、材料の選択です。実は、今回の「額」の構造をこれまでのものと変えています。中に入れる写真の面を、フレームの前面に出してみたのです。

この結果、裏板の収まる深さが大きくなり、厚い板でなければフレームの面と面一(つらいち)にならなくなります。結局、12mmのベニヤ板にします。昨年、家を新築した友人が持ってきてくれた端材です。一部、釘(くぎ)の孔はあるものの、ま、何とかなりそうです。

今日のメインテーマはトンボづくりです。裏板とフレームの留め具です。昔からトンボの名前がついています。何となく蜻蛉(トンボ)の形に似ていることから命名されたようです。ホームセンターでは10円ほどで求められるものです。しかし、手作りに徹することにします。

額の数え方は~架、或いは~面のようです。今回は5架(面)です。使うトンボの数は20匹です。1匹ずつつくるには効率的でないようです。ケヤキの端材を薄くカットし、それを両面テープでまとめてサンダーに当てます。短時間で20匹(予備のために22匹)の完成です。形は幼いものの、ストッパーとしての仕事はしてくれそうです。


この段階で概ねの加工を終えたことになります。しかし、最終関門が控えています。如何なる「塗り」にするかです。ここ数日悩んでいた課題です。

作業自体は簡単です。しかし、「木固めエース」にするか「漆」にするか、また、「漆」にする場合に、どのような色彩でどのような塗りにするかが、作品の全てを決定づけます。重大な決断を迫られることになります。


昼前、F氏がお見えになります。アジア大会チャンピオンだった達人です。さまざまな情報交換をします。その中に、交感神経と副交感神経が出てきます。均衡のとれたバランスの重要性を説明してくれます。

本来の仕事と全く違う工房活動をすることが、このバランスを保つために最適なのではないか、と喜んでくれます。明日からの出張には老骨に鞭(むち)を打つことになります。しかし、今日のトンボづくりが、華奢(きゃしゃ)な精神の均衡を保ってくれそうです。

2013/04/13(土) 18:43