
昨日よりも10℃ほども暖かい日になります。やや風はあるものの、春を思わせます。今日は午後からお仕事です。やはり、早起きになります。
沐浴後、工房に入ります。このところ手をかけている「額」づくりを進めることにします。当面の課題はフレームの「塗り」です。如何にすべきかを考えた末、「漆」に落ち着きます。
話は飛びますが、奥州最北端には「津軽塗」があります。これは木を漆でコーティングし、緑、赤、黄等のさまざまな色漆を塗り、その表面を削り取る方法のようです。結果は、2つとない模様になります。
しかし、本体に何の木が使われているかが解からないのが残念です。折角の木目を漆で覆(おお)い、自然の姿を隠しているのです。残念です。今回は、自然の木目(もくめ)を味わいたいことから、「拭き漆」にします。

これは、塗った直後に漆を拭き取る方法です。贅沢な漆の使い方です。そして、色彩を朱と黒にするつもりです。
この2色の色を効果的に演出するには、まず、朱を塗り、その上に黒を重ねる手順をとります。黒を拭いた後に朱を重ねると、朱が拭き取られ、黒が強くなってしまうのです。失敗から学んだ手順です。
久しぶりの漆塗りです。一回目は塗り残しのないように時間をかけます。硬い筆を使ってみます。漆にはテレピン油を混ぜます。これは、木部への浸透度を高めるためです。
塗った後、「拭き紙」で丁寧に拭き取ります。拭き残しはそのまま結果に反映します。一般的には、コーナーの拭く残しが多いです。
一回目の漆はスッと木部に浸透します。乾く前に拭き取ります。そのタイミングの見極めには緊張します。5架の額です。全てを塗るには多少の時間を要します。
結局、小さい3架と大きい2架に分けての作業にします。どういう訳か、この作業は、接着剤を使うときと同じように、急き立てられる思いに迫られます。

拭き取った跡を窺(うか)がうと、あちらこちらに斑(むら)があります。接着剤の跡です。塗る前に、注意して木地づくりをしたものの、接着剤は乾くと透明になります。見落としがあったことになります。
先を急いだ結果です。ガッカリします。しかし、塗っている最中は手が漆でベタベタになっています。多少のトラブルは無視せざるを得ない作業です。
我慢できないほどの醜さであれば、漆が乾いた段階で再び削り取ることになります。
朝、K社長がお見えになります。『春だ。畑が終われば田んぼだ。』とこれからの作業に気合いが入っています。そして、『間もなく連休だ。お土産をつくっておいてください。』と注文を置いていきます。忙しくなります。
昼、「蹲(つくばい)」の水を取り替えます。一冬手をかけていないことから、あれやこれやの枯葉が入っています。水を取り替えた後、その中に「メダカ」を放します。廊下に置いた小さい水槽で越冬していたものです。