朝の天気予報で、『沖縄の最高気温は19℃と真冬なみの一日になるでしょう。』と報じていました。他方、奥州最北端は10℃です。朝は4℃です。薄い春の雪が降っています。風は冷たいものの春を感じます。

早朝、庭を窺がいます。福寿草が黄色の花をほんの少し覗わせています。おそらく、日中はパッと開いているのかもしれません。福寿草の花は日中に開いて朝夕は萎(しぼ)むようなのです。日中、お勤めに出ている人には見る機会の少ない花なのかもしれません。

最後まで残っていた雪は屋根の下です。タツサワ(立沢紅葉)の下です。その雪が消えた場所には、アイヌネギ(行者ニンニク)が既にニョキニョキと出ています。春先には、雪と地面の間に空白が生まれます。その隙間に伸びたもののようです。

それらは白っぽい茎(くき)をしています。しかし、雪が消えた後は、瞬(またた)く間に緑の葉に変化します。アイヌネギは山葵(ワサビ)同様、他に先がけて春一番に出ます。これは、他に邪魔をされないで日光を得るためのようです。


アイヌネギの出ている周囲は、背丈の高い秋田蕗(ふき)やタツサワの葉が繁茂し、やがて、殆ど陽が当たらなくなります。一年で採るべき陽光をこの早い春の間に吸収しようとしているのかも知れません。

シイタケ(椎茸)の芽も出ています。昨秋、不満足な出であったものです。おそらく、この冬に覆いかぶさっていた雪が徐々に融ける過程で水分を含んで発芽したようです。或いは、発芽は昨秋にあったものなのかも知れません。

このところの庭は目まぐるしく変化しています。ブレーキをかけることのできない変化です。毎日が発見の連続です。


観桜会のお誘いをあちらこちらから頂きます。奥州最北端の言葉ではこの「かんおうかい」を「かんゴウかい」と言います。静が義経と別れた『吉野山 峰の白雪ふみわけて 入りにし人の跡ぞ恋しき』は冬の吉野山です。例年、時間差で咲くといわれる奈良の吉野山が、今年は一斉に咲いたという「花だより」がありました。


他方、能の鞍馬天狗の『花咲かば告げんといいし山里の 使は来たり馬に鞍 鞍馬の山のうず桜 手折り栞をしるべにて 奧も迷わじ咲きつづく 木陰に並みいて いざいざ花を眺めん』は京都の鞍馬山です。

今日お誘いを受けたのは弘前の桜です。ソメイヨシノも見事ですが、シダレザクラに無性に会いたいです。宴は、2週間後の4月27日です。その日は筆者の誕生日です。また、試合の日でもあります。更に、その頃は奥州最北端の小学校の校庭も見ごろのようです。あれやこれやバッティングしそうです。

若い時分よりも70歳を目の前にした今のほうが、『いざいざ花を眺めん』の思いが強くなっているようです。『いざやいざや観に行かん。』です。その理由のひとつは、あと何回見ることができるかが解からないことからのようです。

2013/04/12(金) 19:22

ここ数日の最高気温は16~7℃と高いです。しかし、昨日の最高気温は4℃です。久しぶりに寒い日でした。とはいうものの、今朝は、3日前に1mもあった庭の雪が殆ど無くなっています。

1日で庭の事情は一変します。目の離せない季節です。雪の消えた後に、忽然と姿を現しているのはオモト(万年青)です。文字どおり、4ヶ月も雪に埋まっていても緑のままです。

平然と緑を演じているのは圧巻です。しかし、如何に万年青とはいえ、葉は毎年代謝します。春になると根本から新葉が出、やがて冬を越した古い葉と入れ替わるのです。

このところ、努めて工房に入っています。どうやら、木工作業は、精神のバランスを保つための重要な要素になっているようなのです。ここ数日、夜中も早朝も、舞い散る「青森ヒバ」の微粉末に塗(まみ)れています。

この時間帯の電動工具の音はご近所迷惑とは思うものの、簡単な作業や気になっている、あれやこれやのチェックや確認の時間には向いています。昨晩と今朝は、当面している「額」に手を掛けます。


一昨日、カンザシを挿しこんでいます。今日はその続きです。風鈴の削除です。・・・風鈴(ふうりん)という名前は、筆者が勝手に名づけたものです。フレームから食み出た部分のことです。

話は飛びますが、一般的な風鈴の意味は、囲碁の専門用語です。白黒両者の力量に顕著な差があるとき、黒は予(あらかじ)め4つの星、4つの辺、天元に石を置いてハンディをつけます。これが「置き碁」です。

それでも力量の差があるときには、更に三々に置きます。これが風鈴です。優雅な言葉です。昔、筆者も、風鈴をつけて指導をいただきました。

最初は4か所の風鈴から始まり、勝った次からは3個になります。1つずつハンディを軽くしていきます。3年ほど経った頃、対になり、そして白を持ち、受けに立ちます。置き碁から卒業したのは50年前です。

さて、この風鈴の削除には、数年前まで「手鋸(てのこ)」を使っていました。最近になって「スライド丸鋸(まるのこ)」を使えるようになっています。動力が電気のことから、作業は一瞬です。利器です。とはいうものの、切るべきでない位置に刃をあてても、一瞬にカットされます。少し緊張します。

カット後にあらためて挿し込み部分を見ると不満足な箇所があります。カンザシが、フレームに掘った溝にピタリとフィットしていないのです。やはり、です。この理由は、挿しこむカンザシの厚さと溝(みぞ)の幅の不一致のようです。


この段階での満足度は65%ほどです。強度は兎も角、見た目が宜しくないことから、数か所に手を加えることにします。

所謂、微調整です。作品づくりには、いつも、この微調整が伴います。いつの日か、微調整なしの一発勝負で、完璧な作品をつくるつもりでいます。

これで額の概ねは完成です。しかし、実際にはまだまだ作業は続きます。ダストカバー、裏板、トンボ、そして、スタンドづくりです。そして塗装です。塗装には、事前の悩む時間が伴います。折角の「青森ヒバ」です。何とか、その特殊性を表現したいと思うからです。

単なる「額」を1ヶ月以上の時間を要して作ることにはそれなりの意味がありそうです。しかし、100円ショップで簡単に手に入ることを考えると、疑問を持たれなくもない世界です。

実は、次の課題が出現していもます。テーマは「椅子」です。これは昔から抱き続けてきた憧(あこが)れの課題です。ま、今回の「額」は、最後までやり通すことにします。

2013/04/09(火) 19:30

一年を通しての毎日の日課に、朝の沐浴があります。歩いて1分のT旅館のお湯を頂戴しています。一週間前までは、防寒コートと毛糸の帽子をかぶって行っていました。

今朝は下駄と薄手のセーターだけで済みます。未明からの風雨でしたが、日ごとに勢いづく春の到来は抑えきれないようです。

昨日は、当面していた「雪囲い」の取り外しを終えます。満足すること頻(しき)りです。もしも、昨日の庭仕事が今日であったとすれば、作業の延期は余儀なくさせられた筈です。昨日の作業はタイムリーでした。充実感があり、満足すること頻(しき)りです。

昼の4時間ほど外出します。96歳のM氏の情熱とともに、入学式を迎えた若い皆さんから、その意気を頂戴します。そして、夕刻、久しぶりの工房活動を楽しみます。

課題は「額づくり」です。実は、これを手掛けてから1ヶ月近くも経っています。本来であれば、2~3時間で済む筈の工作です。だらしないこと頻りだったのです。


4辺のフレームは既に加工済みです、今日の作業は、マスキングテープを使っての仮組みからです。実は、4隅のコーナーの処理は、それぞれのフレームの先端を45°にし、隣り合う両者の合角で直角にする「留め接(は)ぎ」です。

マスキングテープによる仮組は、そのための事前の仕掛けです。具体的な補強の方法は「簪(かんざし)」の挿仕込みです。コーナーに溝を穿ち、その溝に雇い核(さね)を挿しこむ方法です。この加工をジグ(治具)に頼ります。工房仲間のW氏からいただいたジグです。このジグは昔からあるようですが、今でも文明の利器ともいうべき優れものです。

この溝の穿(うが)ちには昇降盤を使います。ゴツい丸鋸(まるのこ)ですが、刃の厚さが結構あることから、1回のカットで済みます。刃の高さを一定にして、加工する材料を移動する方法です。刃に指が触れると指がカットされます。単純な作業ですが、緊張する一瞬です。

次はいよいよカンザシの刺し込みです。これまで何回も経験しているものの、いつも不満足な結果になるのが不思議です。その理由のひとつは、溝幅とカンザシの厚さの微妙な関係にあります。

カンザシの厚さが小さければガフガフに(緩く)なり、厚すぎれば挿し込み困難になります。マスキングテープでそっと仮止めしていることで、力を加え過ぎれば全体がバラけてしまいます。


もうひとつは、接着剤の扱いに理由がありそうです。この道の達人は、必要最小限の接着剤で見事に目的を果たすようです。それに反して、我が工房KUROOBIではヤンチャになる傾向があります。

接着剤を、所構わず付けてしまいます。両手も接着剤で覆われます。勿論、やがては削除されるものの、加工技術の拙(つたな)さを見せつけられるのが切ないです。

それでも何とかカンザシの挿し込みを終えます。5個の額です。カンザシの数は都合20ヶ所です。カンザシのオンパレードです。鼈甲(べっこう)や珊瑚(サンゴ)とまではいかないものの、丁度、吉原の花魁(おいらん)の髪のようです。勿論、将来は、食み出た部分は削除されることになります。
2013/04/07(日) 19:27
「雪囲い」の取り外しは、早春にすべきもののようです。その理由は、おそらく、春が進むにつれて、さまざまな芽が゛出、作業中にその芽を踏みつけてしまうことにありそうです。

作業後、あらためて庭を窺がいます。タツサワ(立沢紅葉)は雪の重みで地を這っているものの、やはり、雪の融けた跡には次々に生まれたての芽が見えます。山葵(わさび)はあちらこちらに緑を誇っています。或いは、昨秋に出た葉なのかも知れませんが・・・。


スグリの葉が出ています。我が家では最も早い芽です。これは、酸っぱく、噛むとバリバリと音のする、昔からの品種です。思い出すだけで唾液が出るスグリです。6月頃が収穫時期です。

今日の日中の気温は16~7℃もあったようです。麗らかな気候とともに新芽との出会いによって、楽しみながらの力作業になります。

午後は、車で1.5時間ほどの津軽に出かけます。年配のご婦人へのお見舞いです。帰路、「道の駅」に寄ります。春の進捗を知るためです。しかし、春のメッセージはバッケ(蕗の薹・フキノトウ)だけのようです。店にある多くはリンゴやジャガイモです。春の訪れはまだまだのようです。

話は飛びますが、奥州最北端のこのころ、「シラウオの踊り食い」を出す料亭があります。板前さんから訊くところによると、南から飛行機で運ばれてくるのだそうです。この「シラウオの踊り食い」は、器にシラウオを入れ、鶉(うずら)の卵と醤油を入れます。シラウオはパチパチ跳ね上がります。即、蓋(ふた)をして落ち着かせます。やや残酷です。


若干の時間を置いていただくと絶品です。シャキシャキ感が良いです。軟らかいシラウオです。歯で噛(か)むのは3回以内が良しとされています。そろそろ、本町のM料亭でいただくことになりそうです。

明日はタイヤ交換をすべきのようです。自転車のタイヤもパンクしたままです。あれやこれやとやることが多いです。憧れの工房作業どころではない「迎春事情」です。


夕刻(夜半)、友人がお見えになります。いつものように、商売用の自家製の豆腐と厚揚げ持参です。3日ごとにお見えになります。『花見をやろう。』と提案します。

会場は小学校の校庭です。今年で廃校になったものの、花自体はいつもの通り健在です。残された人生で、あと何回の「花見」を迎えられるかは解らない齢(よわい)です。即、同意します。

劉廷芝(りゅうていし)がつくったといわれる、『年々歳々花相似たり、歳々年々人同じからず』が身に沁みます。この英訳は、『Flowers bloom the same way every year, but people do not remain the same.』のようです。

しかし、これを、『Year aftere year・・・』と訳していた方がいました。驚くとともに感激します。まだまだ、修行の至らなさを思い知らされます。



2013/04/06(土) 18:16

頭脳の頑張りが利かなくなっているようです。67歳です。然もあり何です。この回復剤は運動に如くものは無いようです。今日はお休みをいただきます。

不思議なもので、お休みの日には早起きになります。やや春めいてきたことも作用しているようです。とはいうものの、我が家の雪はまだ健在です。1mも残っているのは屋根の下です。

落ちることで雪の密度が濃くなり融け難くなっている所為です。しかし、大方は融け去っています。その跡にあれやこれやの芽が出ています。

朝食前から庭に出ます。テーマは「雪囲い」の取り外しです。大小合わせて14~5ヶ所あります。足腰と腕力を使う作業です。相当な気合いが入ります。庭仕事は楽しんでやることが肝要です。

腰が壊れていることで、すぐに下半身が痺(しび)れます。しかし、お茶をいただきながら2~3分休むことで回復します。そして、また続行します。その繰り返しです。


文字通り、助手が助けになります。一か所ずつ取り外していきます。最初は永遠に続くと思われたものの、1つクリアすることで残りが確実に1つ減っていくのが不思議です。作業のメカニズムです。

厄介なのはヨシズの処理です。毎年補充していますが、古いものはバラけていきます。今回は12~3枚を処分することになりました。その方法は焼却です。庭の中央にドラム缶のストーブ(W氏の作品)を置き、少しずつ燃やします。

一応の片づけを終えたのは作業開始から6時間後です。腰痛はやや訴えたものの、然程の疲れを感じないのが不思議です。断食(fast)を破(break)った(breakfast)のは正午です。

イスラム教徒のラマダーンは、日の出から日の入りまでの時間のようです。今日の我が家の断食は、それよりも長い16時間です。お叱りを受けるとは思うものの、然程の時間は感じませんでした。


作業の途中、友人がお見えになります。早速、注文を出します。実は、四阿(あずまや)の修復です。

この四阿をつくったのは18年ほど前です。青森ヒバとはいうものの、柱の下が腐っています。2mもの屋根雪で斜めに傾いていたのです。

トラロープを「ジャッキ結び」にし、グッグッと引っ張って復元します。作業後間もなく垂直になります。しかし、つっかえ棒をせざるを得ませんでした。この「ジャッキ結び」は、家を建てるときに使う技です。いつもながら見事な技です。


2013/04/06(土) 17:40
今日は、平成24年度の最終日です。明日が25年度のスタートです。その準備のためにお勤めに出ます。

帰宅後の夕方、庭に出ます。実は、気かがりがいくつかあっています。ひとつはイチゴです。昨晩秋、庭の石臼の上に出しっぱなしにしていたのです。

秋に苗を手に入れたのは初めてのことです。雪の下に埋まっていたとはいえ、氷点下10℃の日もありました。気になること頻りでした。


今日は6℃ほどです。庭の雪は顕著に消えています。おそるおそる窺うと、6個ほどのイチゴの苗が確認できます。緑の葉は健在です。ホッとします。同時に、厳冬を越した以上は、実をつけるまで見守る責任を感じます。

雪が消えたところに福寿草が芽を出しています。毎春、30~40輪の黄色い花をつけます。変哲もない花ですが、他に先がけて咲くことに価値がありそうです。しかし、早く咲く、ということが早く終えることと等しいとすれば、小夜嵐に先がけて散る花にもまた価値があるのかもしれません。

福寿草は正月、松や梅との寄せ植えにするようです。とはいうものの、庭の地植えの見ごろはこれからです。これから毎日、雪融けの進捗が気になります。


数日前からの課題に、「雪囲い」の片づけがあります。作業が遅れている「雪囲い」は醜いものです。それは、手がかかっていない庭の証明です。焦っています。お休みしていた園芸活動が4~5ヶ月ぶりに再開することになります。


2013/03/31(日) 19:37