夕刻、工房に入ります。まず、「額」の塗りです。これまで、2度、朱漆を拭いています。今日は、その上に「生漆(きうるし)」を塗ることにします。実は、フレームの色に、黒と朱を使うことにしました。そのために、最初に朱を塗ります。

艶は今一ですが、1回目の黒で、期待する色合いになります。そして、「拭漆(ふきうるし)」にしたことで、木目も窺がえます。ま、何とかなりそうです。

早朝から「椅子」の部材づくりです。鉋(カンカナ)の最終章です。実は、先週からスタートしたものの、薄い板へのカンナがけが未だでした。悩んだ末、ビス止めにします。


理論的には問題の無いように考えられますが、何せ、回転する金属の刃の下をビスが通過することになります。ヒビります。

本来は、邪道に思えます。しかし、断行します。しかし、結果は、見事成功です。あとはカットするだけです。

当初、椅子のパーツを3種類と考えていました。しかし、実際には長短合わせて6種類は必要のようです。結局、4脚分の部材になります。ここまでに至る時間は意外に多かったようです。ま、今回は(も)稽古の段階です。良し、とするところです。

これからの作業はホゾ組の準備です。ホゾと溝をつくります。それぞれの寸法は、合わせた(嵌め込んだ)ときにビシーッとなることが条件です。簡単な筈ですが、その加工方法を考えているところです。


本来は「角鑿(かくのみ)」を使いたいところです。しかし、手持ちの角鑿は、刃が弱っています。硬い材です。

単純なドリルと鑿(のみ)での作業になりそうです。1脚のホゾとサネはそれぞれ16ヶ所ほどです。4脚では64ヶ所です。少しクラクラしてきます。

2013/04/29(月) 16:36

コゴミが採り頃です。別名クサソテツ(草蘇鉄)です。収穫時期は葉の延びる前です。この状態が「かがむ(屈)」姿に似ていることから命名されたようです。山から少し分けてきます。

一旦芽が出ると、1~2日で10cm~20cmほども成長します。毎年、伸びたコゴミをみて、来年こそは、と決意します。伸びたコゴミは料理には向かなくなります。

しかし、これも、雪融けの早い場所と遅い場所で成長に違いがあります。里に近い場所が終われば、深い山に入るだけです。

夕餉は、コゴミの胡麻和え(ごまあえ)と天ぷらです。そして、茹(ゆ)でてマヨネーズでいただきます。ボンナのおひたしと蕗の薹(ふきのとう)を甘酢でいただきます。ワサビは「ふすべ」ます。ツーンと鼻孔をくすぐります。

今日は、脚馴らしです。深い山には入りませんでした。ウド、タラノメ、コシアブラ、ササダケ、シドケはまだ出ていないようでした。これからが本番です。


他方、我が狭庭にも手をかけます。まず、イチゴの植え替えです。昨秋手に入れた苗ですが、2m近い雪の中に置いたままでした。

心配していましたが、雪が融けた後は見事な緑の葉をつけています。このような姿をみせつけられれば、実をつけるまで見守る義務がありそうです。

一回り大きい鉢に植え替えします。そして、ワラを敷きます。実は、これまで、このワラの持つ意味がよく解りませんでした。

当初、保温が目的と思っていました。しかし、シュミエン(趣味の園芸)の解説によると、水遣りや雨のとき、ハネを葉裏に着けないための技なのだそうです。

昨秋、庭で育てた稲ワラ(藁)を敷きます。



2013/04/29(月) 16:34

「二輪草」が咲き始めています。一輪草に対しての二輪草は、文字通り、一本の茎に二輪の花をつけることによるようです。しかし、正確な定義は別にあるようです。

当地では、この二輪草を「フクベラ」と称してオヒタシにしていただく方もいるそうです。筆者はまだ経験の無い世界です。薄紫のスミレ(菫)が花を開いています。離れているとつい見逃してしまいますが、グジャグジャと群生しています。

白井鐵造が詞をつけた『・・・すみれの花咲く頃はじめて君を知りぬ・・・』があります。春の代名詞につかっています。やはり、奥州最北端にも春が来たのかも知れません。

裏山は「カタクリ(かたくり)」も花をつけています。しかし、それは日当たりが良く、雪融けが早かったエリアのようです。数日前に融けた場所は、まだ、葉だけです。



友人が、『オヒタシにしますか。』と訊きます。『収穫しますか。』という意味です。しかし、フクベラ同様、未経験です。遠慮します。

その理由は、未経験のこともありますが、紫の花を見ていると、とても手折る(たおる)気になれないのです。

2013/04/29(月) 16:30

早朝、友人がお出でになります。『花を見に行こう。』と誘われます。距離は、車で5分ほどの自宅裏山です。

『先週はまだ雪があった。』と言っていますが、今は残雪は殆どありません。山間部に入ると、春の気配がします。オオッと驚くのは、ムヤーッとけぶる緑です。柳の新芽です。感激する瞬間です。


小さい草が既に花をつけています。複雑でデリケートな形をしているのは「えぞえんごさく(蝦夷延胡索)」です。どうしてこのような難しい名前がつけられたかは解かりませんが、薬草の「延胡索」と地下茎が似ているのだ、という噂があります。

湿地には「水芭蕉(みずばしょう)」です。友人は、『盛りは終わったようだ。』と言いますが、まだ一部には白い花をつけています。雪融け直後に咲いたようです。

話は飛びますが、江間章子(えましょうこ)がつくった「・・・『水芭蕉(みずばしょう)の花が咲いている・・・』の「夏の思い出」に「水芭蕉」が出ています。


少し矛盾するようです。或いは、尾瀬沼には、初夏と雪融けが同居しているのかも知れません。

この「水芭蕉」を我が狭庭に植えることを考えたことがあります。しかし、想像してみると、違和感がありました。滝野瓢水ではありませんが、「手に取るな やはり野に置け蓮華草」の世界です。


2013/04/29(月) 16:28

昨晩からの雨です。早朝、雨の中、庭に出ます。春の進捗の確認です。やはり、激変しています。

雨の作用か、シイタケの芽があちらこちらに見えます。おそらく、適度な気温も作用しているようです。びっくりしたのはヒラタケです。春のキノコは、収穫したい、という意欲が秋ほどには湧いてこないのが不思議です。観察するだけで満足してしまうからでしょうか。

シドケ(モミジガサ)が既に緑の葉を広げています。一週間ほど前には3cmほどだったものが、20cmほどにもなっています。そして、イカリソウも既に葉を見せています。寒いここ数日ですが、やはり、春は春です。


今日は、いくつかの行事がバッティングしています。その中に花見もあります。しかし、花にはまだ早いようです。また、雨が降っていることもあります。今日は試合会場にお邪魔します。

昔は50校以上も参加した大会でしたが、今日は21校です。会場は、広いMアリーナです。その広さによる錯覚か、2階ギャラリーに埋まっている席はまばらに見えます。錯覚だけではなく、試合関係者の絶対数が明らかに減少しています。


団体決勝戦終了後までの5時間ほどの間、K氏、Y氏とお話しします。さまざまな話題に及びますが、何れも柔道に関係したものです。Y氏は、三島由紀夫と石原慎太郎の対談に触れます。

「今の(当時)日本が見失っているものは何か。」のテーマで、二人同時に、考えをオープンしましょう。という場面です。それぞれが紙に書いて出した答えは同じ「犠牲心」です。その話題は、絞め技、関節技、投げ技を修行する目的について触れたものでした。

また、「3.11」についても触れます、『H駅から新幹線で上京する途中、M駅を通過した辺りで地震があった。22時間車内に閉じ込められて、漸くH駅に戻ろうとした。その時、あるご婦人が「H市にお帰りになる方はいませんか。」、と声をかけてくれた。ご厚意に甘んじてH市に向かう車に乗せてもらった。

しかし、相手の名前を訊いたが教えてはくれなかった。返事は、「どうせ、私も帰ります。ついでです。気にしないでください。」というものだった。結局、今でも、その時に助けてくれた相手の名前は解からいままだ。しかし、一生忘れることのできない宝物だ。』

また、『3.11の折、イギリスのBBC放送が取材に来た。取材のテーマは、結果的に、日本人の文化だった。配給品をいただくとき、自分の順番を整然と並んで待つ状況を報じたのである。

世界のジェントルマンといわれるイギリス人といえども、驚きの場面として受け止めたのである。柔道は、後世に残したい文化の伝承手段であるのかも知れない。』等々です。結局、優勝します。選手監督を労(ねぎら)います。


T新聞の朝刊に「工房KUROOBI」の記事が載っています。数日前に取材されたものです。当初は、30字ほど、と聞いていましたが、実際には原稿用紙1枚以上もあります。今更ながら、汗顔すること頻(しき)りです。

工房で撮った写真も載っています。作業用の前掛け(エプロン)には酒の銘柄が克明に描かれています。将軍吉宗の頃からの老舗です。おそらく、全国で最も歴史のある造り酒屋です。個人的なコマーシャルになることを気にしたのですが、いつも使っている母の実家のエプロンです。ま、ご容赦いたたくことになります。


今日は67歳の誕生日です。戦後直後の焼け跡の蔵の中で生まれたそうです。今は、内憂、外憂のあれやこれやが混在しています。身の回りの憂いは残念です。後期高齢者にはまだ間がありますが、そろそろ「犠牲心」を考えても良さそうです。

2013/04/27(土) 18:13

椅子をつくろうとしています。先日、「カンナがけ」をします。しかし、途中で妥協します。実は、カンナをかける際に、最初に木端(こば)面にかけるようにしています。妥協は、その仕掛けづくりに関係します。

話は飛びますが、普通の板材の各面には、それぞれに名前がついているようです。木の目に直角にカットされた両端が「木口(こぐち)」です。他の4面の2面は、木表、木裏というようです。一般的な板では、幅の広い面です。そして、幅の狭い2面を木端(こば)面というようです。尤も、この呼称は、単に、筆者だけの世界であるのかも知れません。

最初に木端(こば)面にかけるのは、木端(こば)面が表面(おもてめん)よりも狭いことからです。最初に木表面と木裏面にかけると、木端(こば)面の幅が更に狭くなります。そのため、プレナー(自動カンナ)に通すときは、安定度を保持するために木端(こば)面を先にしています。

他の皆さんはどのような手順で行っているかは解りませんが、失敗を繰り返したことで学習したものです。しかし、この木端(こば)面にカンナをかけるときには数枚をまとめて処理したくなります。これは、作業時間の効率化よりも木口面の4隅を正確な直角にするためです。薄い板1枚だけであれば、斜めになる携行があるのです。

このため、先日は、数枚の板の表面(おもてめん)同士を「両面テープ」で貼り合わせ、安定度を高めてから木端(こば)面にかけます。今回の椅子のパーツは3種類の寸法です。先日、その中の2種類を終えます。

しかし、残りのパーツは、これまでよりも薄い板です。木端(こば)面へのカンナがけにはこれまで以上に気をつかいます。この固定方法に悩むところです。普通の体調であれば簡単な作業です。しかし、日曜日の午後となると、流石に気力は衰えています。妥協することになりました。


以前、木端(こば)面にプレナーを通すことについてをお訊きしたことがあります。ある方が、『数枚を重ねて、両端を釘(くぎ)で留める方法がある。』と言っていました。実際には、釘はプレナーの刃には触れないのですが、何となく怖いです。これまで試したことはありませんでした。

しかし、今回は、挑戦したくなっています。ゼンネジで固定しようか、と考えているところです。


今日も遠方に来ています。初めて訪れる地にはいつも新しい発見があります。先日、地名について触れましたが今回も驚かされます。今回は「舘山寺」と「引佐」です。

奥州最北端では、「舘山」や「館山」は「たてやま」として名前の姓に使われている一般的なものです。しかし、地名として出会うのは初めてです。更に、読み方は「かんざんじ」です。更に驚くのは、MSワードで、一回で変換できたことです。当方が一般的でないことになります。

「引佐」にも脱帽します。「いなさ」です。「弘前(ひろさき)」同様、読み方を知らないものにとっては、逆立ちしても読むことのできない字です。しかし、これもワードでは一回の変換で出てきます。

当方の常識の欠如の謗(そし)りは免れないものでは無いのですが、傲慢にも、この齢になっての新しい世界との出会いにはためらいがあります。

今日の工房活動は、遠くに浮かぶ芙蓉の雪を眺めながらの、頭の中での作業になりました。『芙蓉の雪の精(?清)をとり 吉野の山の香を奪い・・・』の富士山です。



2013/04/25(木) 22:46