
寒い日が続いています。雪が降っても可笑しくないほどです。「花見」の企画がありますが、その日取りに迷っています。
しかし、自宅近くのT旅館の駐車場の桜が咲いています。葉も出ていることから、おそらく、ソメイヨシノではないようです。
シュミエン(趣味の園芸)でシンビジュウムに堪能な、今は亡き江尻さんは、しばしば、『植え替えはソメイヨシノの咲く頃です。』と仰っていました。その意味は、霜がおりなくなってから、という意味だったようです。
午後、Y社長がお見えになります。『畑に手をつけたいが、もう少し暖かくなってからだ。』と、奥州最北端の遅い春を憂いています。しかし、連休は連休です。県外からの花見客がお見えになります。お土産(みやげ)づくりの催促をされます。
工房では「椅子」をつくっているところです。幼児用です。とはいうものの、使う側の想像力によって「花台」等にも使えそうです。作品づくりの楽しみは、完成後の姿を思い浮かべながら作業することにもありますが、その使い道を想像しながらつくることも楽しいです。
今回の材料は硬いミズナラです。40年ほど室内乾燥していたものを先日製材しました。若干の憂いは、結構なアマが目立つことです。しかし、今回は(?も)稽古です。最後まで断行し、腕を磨くことにします。

今日の作業は、昨日の「墨付け」の続きからのスタートです。まず、昨日の結果をあらためてチェックします。恥ずかしいほどの大きい誤差に気づきます。
その原因は、部材自体の寸法の不揃いです。大きいものは1mmもあります。しかし、手直ししさえすれば済むことです。「分」を揃え直し、仕切り直しします。
「墨付け」の作業は、パズルのようなものです。いつものことですが、つい、右と左、そして上と下を取り違えます。はめ込むホゾの深さを事前に明確にして、他の部材と対応させることもポイントのようです。
この工程には加減乗除(足し算、引き算、掛け算、割り算)が伴います。昔は頭だけで処理した筈の計算を、今は紙に書いて行います。一度計算した結果をすぐに忘れてしまうのです。
数種類の部材は、それぞれ使う箇所が異なります。何回も確認しながら確認します。納得した時点て次の作業に進みます。しかし、思わぬ勘違いが結構あります。ドキッとする瞬間です。その勘違いとの出会いは、自身の診断結果を表現しているようでもあります。
間違いを発見する方法として、簡単に組み立ててみることにしています。あれやこれやの寄り道の末、大雑把ながらも何とか「墨付け」を終えます。おそらく、プロの皆さんが数分で終える程度の作業に、4時間ほども要します。ま、いいか。
次の工程は愈々「ホゾ加工」です。きっちりと組み立てるためには、きっちりとした「ホゾ加工」が必要です。実際の作業の前にイメージトレーニングをすることにします。
軟らかい木は、ホゾ孔(メス)よりもホゾ(オス)が太くても「木殺し」すること等でビシーッとはめ込むことができます。

しかし、硬い木は柔軟性が乏しいことから、金属の加工のように、精密なオスとメスの関係が必要のようです。
しかし、この「ホゾ付」は、昔から、新人の大工職人が担当するものとされています。驚きです。筆者のこれまでの経験では、最も気力と体力、そしてデリカシーの必要とされる工程なのです。
この「ホゾ組み」は、我が国だけではなく、五大大陸の何れの地にも昔から伝えられている技のようです。それだけに、昔から伝えられている一般的な手順があるようです。
①ホゾ孔を先に掘る。②ホゾ孔は、はじめに小さ目にあら彫りをし、最後に墨に合わせて仕上げる。③ホゾ孔の深さは板厚の2/3程度。④ホゾ孔の木口をきつくなるようにする。⑤孔の深さは、ホゾを挿し込んだ後に若干の隙間ができる程度にする。⑥ホゾはホゾ孔に合わせる。というもののようです。
この手順に従って、いざ、作業開始です。取り敢えず、一か所のホゾ孔をドリル(ボール盤)で下拵え(したごしらえ)をしてみます。ま、何とかなりそうです。