「椅子」をつくっているところです。少し焦っています。実は、明日、H女史が1歳4ヶ月のジュニアとともにお出でになります。

しばらく滞在の予定です。そのための椅子でもあります。残された時間が無いことから、今日である程度の目処をつけたいところです。

乾燥したミズナラを製材し、カンナ(鉋)がけをし、それぞれのパーツの寸法にカットしています。今日は愈々ホゾ組みです。1脚にまつわるホゾ孔は、数える毎に変化しますが16ヶ所のようです。


小雨の中、庭に出てホゾ孔を掘ります。ドリル(ボール盤)を使った後、ノミ(鑿)と金槌(金槌)を使います。角鑿(かくのみ)と違って、天文学的な時間を要します。肩の筋肉もプルプルとしてきます。

ホゾを「止めホゾ」にします。正確?には、「二方胴付き平ホソ接ぎ」です。これは、釘やネジなどの金属に頼らない接(は)ぎ方の一種です。

これまでは4方にすることが殆どでした。2方は今回初めて試します。2方の加工は、いつものように昇降盤です。ホゾ掘りよりも遥かに短時間の作業で済みます。

1脚にかかわるパーツの数は11です。オスとメスの収まりを微調整しながら仮組していきます。その他に、5枚の座板です。それぞれの部材を作っている段階では、全体像は全く現れていないものが、組み立てることで、一瞬にして完成します。不思議でドラマチックな瞬間です。


昔懐かしい椅子との出会いです。あらためて見てみると、質素で単純で、それでいながら優雅です。しかし、その舞台裏は途方もないデリケートな下拵えがあったことを実感する瞬間でもあります。

丁度、水面を穏やかに泳ぐ水鳥が、実は、止まることなく脚の水かきを動かしているようなものです。また、座面にはデリケートなカーブを施しています。この加工ツールはスピンドルサンダーです。

座板の固定は明日にするつもりです。方向が定まれば、作業時間は瞬時です。実は、この座板の固定方法に迷っているところです。実は、昔から伝わっているものは、正々堂々と釘止めにしているものが一般的です。

潔い(いさぎよい)のですが、折角ホゾ組にしています。釘(クギ)の頭を見せるべきか否かを考えているところです。

2013/05/03(金) 20:50