早朝は曇り空ですが、間もなく青空に変化します。行き会う皆さんとの挨拶は、異口同音に『雨が欲しいですね。』です。

予報では『夕刻には雨のところもあるでしょう。』です。期待し過ぎることなく、粛々(しゅくしゅく)と待つべきのようです。

「二人静(ふたりしずか)」が咲き始めました。「一人静(ひとりしずか)」に遅れること1ヶ月半ほどです。

よく解りませんが、この「静」は『しずやしず しずのおだまき 繰り返し 昔を今に なすよしもがな』の「しず」のようです。その「しず」は、粗末な衣服の布の「賤(しず)」と、白拍子の「静御前」との「掛詞(かけことば)」のようです。

「静御前」は、『吉野山 峰の白雪踏み分けて 入りにし人のあとぞ恋しき』の歌にある「源義経」に関係のある才女です。この場面を、高木 彬光(たかぎ あきみつ)が「成吉思汗(じんぎすかん)の秘密」に書いています。

これは、50年ほど前、筆者の誕生日にY姉からプレゼントされた本です。中学1年の頃だったようです。高木彬光は奥州最北端県の当県出身です。筆者の高校先輩です。


「成吉思汗」を「読み下し文」にすると、「吉成りて 汗を思う」です。「吉」は「吉野山」、「吉野山での静御前との約束」、そして「世界制覇の大業」等を意味し、サンズイに干の「汗」は「水干」で、白拍子の服装を表現している、というものです。

奥州平泉から最北端の当県、そして北海道を経て中国大陸に渡った「義経」が、頼朝(よりとも)に気をつかい名前を変えて成吉思汗を名乗ったという物語です。

そして、成吉思汗が世界を制覇するだけの原動力は、『私はここにいる。』というメッセージを「静御前」に伝えたい一心であった、というのです。

「おだまき」は「苧環」で、糸を繰る道具です。「いつまでも繰り返す」という意味のようです。丁度今、「糸巻」を試作しているところです。今朝、「二人静」の花をみて、あれやこれやと思いを馳せています。

因みに、「静御前」は、「雨乞い」もしたようです。誰が舞っても降らなかった雨が、静が舞い始めると大雨になったそうです。三日間も降ったそうです。

そのことによって、院は「日本一」の院宣を与えたといわれています。晴天続きの奥州最北端です。せめて「二人静」にでも舞っていただきたいところです。


「一人静」がひとつだけの花をつけるのに対して、「二人静」は数輪です。3輪でも4輪でも「二人静」と称する世界が嬉しいです。「一人静」の方が葉に艶があります。

アイヌネギがボンボリをつけています。行者大蒜(ぎょうじゃにんにく)です。やはり、ネギはネギです。背丈の高いフキ(蕗)の下で白い花をつけ、落下傘で種を飛ばす準備をしています。

ミズナも咲いています。黄色い爽やかな花です。今春、T氏からいただいた鉢植えです。

2013/06/14(金) 10:04

H氏が当県にお見えになっています。福井県の漆問屋の方です。2ヶ月に一回、さまざまな情報を持ってきてくれます。今回もいくつかの課題を解決していただきます。

実は、先般、「拭漆(ふきうるし)」で「手拭受(てふきうけ)」をつくっています。「お絞りのトレイ」です。材料は「青森ヒバ」です。漆も青森ヒバも抗菌力が強いことから、最適と思ったのです。

因みに、青森ヒバに漆を施した「重箱」に「ノロウィルス」を入れると一晩で死滅する、といわれています。この「手拭受」はサンプルの段階です。素性(すじょう)の良い材を「外丸鉋(そとまるかんな)」で仕上げています。意外に簡単な作業で加工できました。

しかし、若干の憂いがあります。黒くなり過ぎて、目論(もくろ)んでいたヒバの木目(もくめ)が隠れて、地肌を表現できなかったのです。木地(きじ)が漆を多く含み過ぎたようなのです。

この状況をH氏に相談します。すると、『漆は直射日光で色が上がります。試に、お日様にあててみてはどうでしょうか。』と教えてくれます。このところの晴天です。早速お日様に晒(さら)してみます。午後の半日で期待通りに仕上がります。感激すること頻り(しきり)です。

漆の世界では、色が「落ちる」でなく、色が「上がる」と表現しています。丁度、「スルメ」を「アタルメ」と表現するのに似ています。「笏(こつ)」を「しゃく」と読ませていることにも似ているようです。


奥州最北端とは雖(いえど)も、流石(さすが)に今日の工房は暑いです。少しの時間で集中力が鈍ってきます。今日の「糸巻」づくりは、四阿(あずまや)で行うことにします。外は暑いのですが、四阿の中は不思議に涼しいものです。

「糸巻」の試作を思いついたのは3日ほど前だったようです。普通?であれば2時間ほどで完成できる筈のものです。しかし、ダラダラとした進捗(しんちょく)です。制作の第一の目的は楽しむことと心得ているのです。

その中には、工夫や数字との触れ合い等も含まれます。今回は、紙と筆記用具を手元に置きます。計算は微分積分のレベルではなく、2数の加法と減法、そして2での割り算です。

簡単な計算ですが、その結果は頭の中にメモする年齢ではなくなっています。紙に残した方が効率的です。

昔から傾向はあったものの、この記憶力の衰えに少しでも歯止めをかけることが、作品づくりの目的でもあります。ま、頭と腕力のトレーニングのようなものです。

今回予定したパーツの数は12です。すべてホゾ組にします。そのホゾとホゾ孔も12ヶ所ずつです。昨日の「決り(しゃくり)」を含めると20ヶ所です。単純なホゾ孔ですが、「角鑿(かくのみ)」が故障していることで、手作業になります。


ドリルで大雑把に孔をあけた後に鑿(のみ)を使います。結構な時間と集中力を要する作業です。

時折訪れる爽やかな風を楽しみながらコツコツと作業します。いつものことですが、鑿と金槌(かなづち)を使っていると、本物の大工さんになった錯覚に陥ります。幸せを感じる瞬間です。

ホゾ加工の後、早速(さっそく)、組立ててみます。18ヶ所を順番に組立ていきます。結果は、予想した範囲のものです。自己採点では、100点満点の65点ほどです。ま、こんなものです。

次回は、これを再び分解し、まず、面取りです。これは、鋭い稜角の鈍角化です。その後、塗りに入ります。実は、これまでは、組み立ててから面取りや塗りをしていました。今回は、この作業工程を入れ替えることになります。

組立て後の塗装は、えらく大変なのです。特に、2面が出会うコーナーに漆が溜まる傾向があるのです。H氏も、『複雑なものは、パーツごとに塗ることが効率的です。』と言っていました。初めての試みです。面白そうです。

2013/06/13(木) 18:53

一昨日思いついた「糸巻(いとまき)」に手をかけることにします。勿論、サンプルづくりです。

これにはいくつかの目的があります。ひとつは、想像したものを具体化できるか、の確認です。また、それをつくる際、如何に単純な工程でつくり、無駄な動きを回避できるかの模索です。それは、工具を如何に効率的に使いこなすか、でもあります。

今回課題として設定した、3つの部材の平面化は以前つくっています。それを参考にします。2つの部材を接(は)ぐときの「相決り(あいじゃくり)」は、両者を1/2ずつ(1/3と2/3でも可能のようですが)削除しています。

今回の3本を合わせる場合は、それぞれ1/3ずつ削除するのが基本のようです。これを手鋸(てのこ)で加工するだけの気力は既に無く、如何に苦労しないでつくるかをこれまで考えていました。やはり、電動工具の「スライド丸鋸」を試すことにします。


この利器は、まず、角度調整が簡単です。問題は、切り込む深さを1/3と2/3にできるかどうか、です。

実は、先般、I氏がお見えになったとき、『これは高さ調整ができる鋸ですね。』と話していたのです。早速(さっそく)試すことにします。

その、刃の高さ調整には、若干の試行錯誤が伴いますが、一旦設定してしまえば、一瞬でできる加工です。感激一入(ひとしお)です。

組み合わせてみると、まあまあの出来です。このまあまあ、というのは、「墨付け(位置の目印つけ)」がややだらしなかったことによります。

この段階で、簡単に「正六角形」の「貫(ぬき)?」の加工ができることが確認されます。その瞬間、創作意欲が落ちていることに気づきます。丁度、数学の問題を解くときの心境です。解き方が解かった時点で、問題の魅力は失われるのです。

とはいうものの、今回は最後までやり通すことになりそうです。「糸巻づくり」は初めての試みです。ゴールまで何が潜んでいるかはまだ確認していないのです。


この「糸巻」の用途は、実際の糸巻として使うのではなく、鉢台や花台等に使うためのものです。邪道ながら、単に、クラシカルな形を拝借しているだけです。

話は飛びますが、一升瓶から徳利(とっくり)に移すときに使う「片口(かたくち)」に花を活けたり、徳利を一輪挿しに使ってもいます。同様に、「糸巻」をパソコンの台や花瓶台等としても面白そうなのです。


2013/06/12(水) 19:06

ハーブの苗を植えた後、K社長がお見えになります。『種を採るのはいつごろか。』と訴えます。K社長が本気になっている「ルバーブ」のことです。

「ルバーブ」はロシアが原産のようです。その種を昨年の春、S町のM氏からいただきました。筆者の小さい手に一杯の量です。

それを苗用の小さいポットに入れて発芽させます。1000株(鉢)になります。とても、我が狭庭に植えることは出来なく、K社長はじめ知人や友人にお分けします。

K社長はそれを2ヶ所の畑に植えます。I氏、W氏、T氏も畑に植えます。今年で丸一年が経過したことになります。


『とにかく現場を見てくれ。』と訴えます。そして現地調査になります。白い花が終りかかり、その跡にグジャグジャと種が生っています。

よく解りませんが、「種の採取は、種自身が落ちる頃が良いのではないか。」と答えます。

その種で、またまた増やそう、という企てです。目的は「ジャムづくり」です。奥州最北端からのオリジナルが発信されるのも時間の問題のようです。

実は、今ブームの「カシス」を発信したのもM氏です。近い折、進捗状況を報告することになりそうです。

Y女史の畑に見かけない花を見ます。「これは何ですか。」と訊きます。『こちらが小手毬(こてまり)、むこうが大手毬です。』と教えてくれます。大手毬もいいですが、小手毬もまた魅力的です。


よく解りませんが、この「小手毬」は、別名、「鈴懸(すずかけ)」のようです。

或いは、昔、灰田勝彦の「鈴懸の径」は、このような白い花の咲く道を歌ったものか、と思ってしまいます。広い畑のあちらこちらに、見慣れない花が咲いていました。


我が狭庭では、遅く咲く白ツツジ(躑躅)が満開です。それに遅れて、早いサツキが見ごろです。そして、「茜色(あかねいろ)」も咲きだしています。

2013/06/12(水) 19:04

朝一番に野菜への水やりです。足元の小川からくみ取ることで、いとも簡単な作業です。

ナス(茄子)の花が咲いています。小気味のよい紫は、所謂(いわゆる)、花よりも綺麗な花です。

朝は曇り空でしたが、間もなく真っ青な空に変わります。一般的な農家は、このところの晴天続きで困っています。昼前にお邪魔した畑では、発芽したばかりの芽がドライフラワー化していました。

今日は、たくさんの課題の中から「苗の植え替え」を選択します。先般、「アオジソ」と「バセリ」の種を蒔きました。寒い春であっても、春の声を聞き、ワクワクしながらのことだったようです。

その中のアオジソの芽がようやく存在感を呈してきています。種からここまで1ヶ月ほども要したことになります。


友人は『袋全部を蒔くと大変なことになる。ほんの少しで十分だ。』と言っていました。

その指示どおり、加減したつもりでしたが、グジャグジャに出ています。このまま放っておくことが出来ず、地植えを断行します。

まず、畑づくりです。どれほどの広さが適当か、判断がつかないままに、畳1畳ほどを確保します。手順は、土を掘り起こし、草の根を削除し、肥料と土を撹拌するだけです。ほんのこれだけの作業で一汗かきます。

しかし、狭かったようです。苗の数が多すぎたのです。当初は20cm間隔を予定していましたが、ビチビチ(狭い間隔)に植えることになります。それでも半数以上の苗が余ります。この処置は後刻考えることになります。


パセリの発芽が思わしくなく、出ているのはほんの10株ほどです。おそらく、種を蒔く際に、土を多く被せた所為(せい)のようです。

それでも、それらは一か所にまとめて植えます。これらを植えた場所はミントの近くです。

やがて、ハーブ街道ができることになりそうです。ま、草の街道よりは許せるようです。

2013/06/12(水) 18:52

K.TAKAKURAの、『♪春に 春に追われし 花も散る』の「ハマナス(浜茄子)」が咲いています。『春に追われた花』です。奥州最北端にも、初夏が訪れたようです。今日も晴天です。このところの常套句になっています。

山積する課題の中、まず、「腰板」の塗りを断行します。実は、数年前、近くのT旅館の玄関周囲の腰板貼りをしました。17~8mの距離です。青森ヒバ仕上げです。他に門柱も貼ります。

Y社長の他、I氏、そしてD氏も手伝ってくれた力作です。2年前、そのD氏は他界しています。作業した頃を思い出すと、今はできないような大(?中)仕事です。想い出の多い腰板です。

「腰板」というのは、建物の内装・外装の、下方から腰の位置までの、約90cmあたりまで施す貼り材のことです。これには実用的目的の他に美的センスの要望も絡(から)んでいるようです。

昔は一般的な建築方法だったようですが、今の建物には少なくなっています。しかし、根強い人気があり、再復活しているようでもあります。

塗料は「柿渋」です。「柿渋」は完全自然塗料です。水を弾(はじ)き防虫効果があります。陽光を浴びると赤く変色します。何よりも、和みを演出してくれるのです。しかし、年に2~3回の塗り替えが必要です。


ここ近年、忙しかったことで、手をかけていませんでした。しかし、塗るにも、そのタイミングがあります。

台風3号がやってきそうです。塗った後に雨に降られたくないところです。今日の晴天が作業日和(びより)のようでした。

いつでも作業できるように、2種類の「柿渋」を準備していました。ひとつは、これまでの「匂い(におい)」のあるもの、そして他は、最近開発されたといわれる「無臭タイプ」です。この2種を混ぜて使うことにします。

「柿渋」の色彩はどぎついパンチの無いものです。しかし、塗る前と塗った後では、明らかに趣(おもむき)が異なります。塗っている中、Y社長と女将(おかみ)さんがお見えになります。塗る前後を見て、『えっ。こんなにも変化するのですか。』と喜んでくれます。

そして、『次回からは私が塗ってみます。私は塗るのが好きなのです。』、また、『柿の木があります。そして柿渋の作り方も知っています。自作してみます。』と意欲満々です。次回は9~10月頃が良さそうです。ほんの30~40分の作業時間です。誰がやっても面白いのです。


「腰板」の塗装後は即、庭の整理です。薪小屋(まきごや)の整理、雪囲いに使った萱(かや)の収納、昨年カットしておいた薪や芝の収納、そして庭樹の剪定(せんてい)等です。

結局、6時間以上も要します。それでも、これらは気になり続けていた課題でした。作業終了後は、ホッとします。やや筋肉痛はありますが、精神的には極めて有益です。リフレッシュします。

2013/06/11(火) 15:07