
シトシトのレベルですが、今日の日中は雨に恵まれます。ここしばらく、ギャーギャーと少雨についてボヤいていましたが、何とか溜飲を下げる日になります。タツサワ(立つ沢)の花が終わり、いつの間にか種をつけています。タケトンボ(竹蜻蛉)の形です。
今日の木工活動のテーマは、「糸巻」の組立です。少し気合いが入っていますが、実は、悶々としているところでした。組んだ部分に若干の隙間があったのです。昨日の時点では、その状態で組立て断行するつもりでいました。
しかし、いざ組み立てる段になると、やはり釈然としない思いに襲われます。しかし、それでも断行します。仮に、微(?)修正の必要があったとしても、組立後でも可能なのです。結局、妥協に寄り切られます。
ホゾとホゾ孔の相性は、ややキツめに加工しています。当初は、接着剤に漆を考えていましたが、これも結局妥協し、木工用ボンドに頼ることになります。その理由は、単に、自身の実績が無いことだけです。
それぞれの接着箇所に接着材を塗布して嵌めこむだけです。しかし、塗れ雑巾は絶えず活躍します。不必要部分に塗らないように心掛けてはいるものの、あちらこちらに接着剤が着いてしまうのです。その都度拭き取ることになります。
何とか組立て終えます。しかし、「締め付け」が必要です。適当なツールが見つからず、ゴム輪に活躍してもらいます。大型車のタイヤのチューブを輪切りにしたものです。正六角形を中心に向けて締め付けるには適しているのです。
昼食後、その輪ゴムを外してみます。全体的には、まあまあの出来です。そして、上段に茶碗を載せてみます。数種類を試みた結果、ブルー系が良さそうです。剣山を使って茶花なんぞを活けてみたくなります。
しかし、何となく釈然としない思いが追いかけてきます。材と材の接ぎ合わせ部分が粗末なのです。作品の出来は、100点満点の45点ほどです。精神衛生上、極めて不健全です。やはり、作り直すことになりそうです。
午後は工房探訪です。昨日に続いて今日も、です。実は、昨日、「下駄(げた)」のサンプルをつくりました。構造的には、まだまだ検討の余地が多い段階のものですが、「鼻緒(はなお)」についての検討会です。如何にミニチュアとはいえども、「鼻緒挿げ」も本物にしたところです。実は、「下駄」のストラップは結構見かけます。しかし、本物の「鼻緒」が無いのです。その理由は、適材が見当たらないことと、作業が難しいからのようです。
これまで、さまざまな素材を試してきましたが、何れも不満足です。しかし、そのヒントは、意外に身近なところに潜んでいそうです。試行錯誤とともに、その素材探しもまた工房活動の範疇なのかも知れません。
2013/06/19(水)
19:06

未明にポツポツと、そして、朝食後、ザーッと降ります。しかし、短時間です。野菜にとっては恵みの雨です。
しかし、昼前、W氏の畑を見ると、畑全体は濡れているように見えますが、ジャガイモの葉の下等は乾いています。その程度の雨量です。それでも、四阿(あずまや)では肩が濡れます。今日の活動は工房内でします。
今日の予定は3回目の「拭き漆」です。最後の塗りのつもりです。2回は朱で拭いています。3回目は黒の生漆です。仕上げのコーティングのつもりです。単に、黒漆を全体に塗って拭き取るだけです。
しかし、大きな誤算が生まれます。黒漆の乾きがあまりにも早かったことで、黒を拭き取ることが出来ない状態になります。その理由は、いくつかありそうです。まず、漆の乾燥する条件が満たされ過ぎていたことです。
雨が降って湿度が高くなっています。そして、それなりの気温です。やや、蒸していたのです。もうひとつは、塗ってから拭き取るまでの時間が長かったことです。今回の部材は24ピースです。その全てを塗った後に拭き取ろうとしたのです。
拭き取ろうにも、既に漆は乾き始めています。真っ青になります。即、テレピン油をつけて、ゴツいゴム手袋でゴシゴシ擦(こす)り取ることにします。それでも結果は、拭き取ることのできなかった黒が部分、部分に、残ることになります。
全く予定しなかったものになります。この解決方法は、サンダーで再び削り取ることです。しかし、見方によりけりですが、この斑(まだら)もまた面白そうに思えてきます。この状態で続行することにします。所謂(いわゆる)、発想の転換です。
作品づくりには、常識もそうですが、独自性もまた貴重な要素です。しかし、「糸巻の花台」もそうですが、「朱漆の拭き漆」もオリジナルです。実は、先般、漆問屋のH氏がお出でになったとき、『全国で朱の拭き漆をやっている人はいません。KUROOBIさんだけです。』と、驚いていたのです。
そして、今日の「朱に黒の斑(まだら)」も見たことのないものです。独自性に過ぎるようでもありますが、一度はこの壁を打ち破らなければ、前進できない世界でもあります。
明日は組立の工程になりそうです。その後、またまた微修正が待っていそうです。
悪戦を終えた昼前、W工房にお邪魔します。朝、I氏から電話をいただき、様々な情報交換をすることになったのです。その折、「下駄(げた)」を持参します。評価をいただくためです。
即、お見せします。すると、I氏もW氏も同様に『面白い。』と言ってくれます。その後、『数個(足)つくってみようか。』と言います。I氏が、即、設計図を描きます。『サンプルよりも少し大きいものにしよう。1足合わせて正方形にしてみます。』、と、方針が決まります。あとは作業だけです。
端材を探して、作業に入ります。使ったツールは、手押し鉋(かんな)、丸鋸(まるのこ)、プレナー、トリマー、アジャスタブルフェンス、ノギス、曲尺、等です。トリマーにはスパイラルビットを装填します。そして、最も優先する哲学は、早く、正確な作品をつることです。瞬く間に11足分の部材の完成です。台が22、歯が44ということになります。歯の厚さは台と同じ6mmです。押し込むとビシーッと挿し込まれます。
『焼印が欲しいですね。旅の方には最高のお土産になりますね。』と、喜んでくれます。しかし、これからの作業もまた付随しています。鼻緒挿げ(はなおすげ)、面とり、等です。或いは、下駄そのものの加工よりも、そちらの方が大変な作業になりそうです。
2013/06/18(火)
20:04

今日も晴天です。昨日の雨は新聞記事のようです。嘘は表現していないのですが、本質もまた伝えていないのです。情報の持つ危うさです。
WEBの週間予報では、明日は傘マークです。期待を大きく持つべきではない、と警戒しながらも、期待しているありさまです。先日の「静御前」の「雨乞い」を、やや冗談を含んで書きましたが、それが現実になっています。
今日のニュースで、全国あちらこちらで行われている「雨乞い」が紹介されています。大の大人が真剣に神事に参加しています。彼らの一人は『藁(わら)にでもすがる思いです。』と話していました。
我が家でも、毎日、ハンコで押したように、水遣りの励行です。今日はM酵素の液肥を使います。実は、先般、W氏からいただいたイチゴを収穫しました。その後、第二弾も収穫します。しかし、何れも小粒です。どうやら、肥料不足の所為だったようなのです。慌てての施肥です。
今日の工房活動は「塗り」です。しかし、その前にすべきことがあります。まず、数個のパーツの作り直しです。実は、昨日組立た際に若干の隙間を生じていました。当初、「埋め木」も考えたのですが、作り直した方が簡単そうだったのです。
次に、「指紋」の削除です。これは、仮組を素手で行った所為(せい)です。実は、昨夕、十分に乾いていない段階で組み立ててみたのです。ベタベタと指紋が見えています。指の油分の付着です。
指紋の削除の正しい方法はよく解りませんが、近くにあったテレピン油を使います。軟らかい布に浸み込ませて拭き取るだけです。完璧ではないものの、ま、ある程度は消えたようです。
次に塗りです。全体的には、これまで2回塗っています。しかし、実際には、1回だけのものもあります。今朝つくったパーツはまだ白木です。足並みを揃えることにします。全ての部材に2回塗った段階で3回目にすすむつもりです。
木口(こぐち)には何回も塗り重ねました。多少、厚く塗っても、導管が吸い込んでしまいます。塗って様子をみて、再び塗る、の繰り返しです。3~4回は繰り返したようです。
実は、木工の基本的作法として、木口を極力見せない、というルールがあるようです。今回の作品で木口が露出している部分は、6本の柱の先端です。その上部は最も目につくところです。一応の配慮です。
全体への3回目は、「黒の生漆(きうるし)」で拭くつもりです。これは、コーティングのようなものです。朱漆は、乾いても布で拭き取ると、赤い色が布に付着します。よく解りませんが、おそらく、顔料を含んでいることで、漆自体の成分の密度が薄くなっているからのようです。
次回は3回目の「拭き漆」です。おそらく、明日になりそうです。組立はその後です。今回は、これまでの作業手順を変えています。パーツごとに塗った後に組み立てる順序です。どちらが効率的であるかは、実際にやってみなければ解からないところです。
乾きを待つ状態を見ていると、以前、同じような場面を見たことを思い出します。旧宅の近所にあったS建具屋さんで、です。60年ほども昔のことです。あのときは、障子(しょうじ)の外枠がズラリと並んでいました。黒漆塗りでした。
それも、まだホゾ加工前のものでした。だとすれば、組立と塗りは、塗りの方が先だったことになります。詰将棋と同じように、仮に正しい手順があるとすれば、今回の「糸巻づくり」で、それが明らかになるかも知れません。
キウイの花が咲きそうです。
2013/06/17(月)
16:39

昨日の雨は予想を遥かに超えたものです。ほんの一瞬、ポツリポツリと感じる程度です。今日の早朝も同じようなものです。
「糸巻」をつくっているところです。今日は少し気合いが入ります。実は、6方に渡す「貫(ぬき)?」に桟(さん)を渡すことにしました。突然の設計変更です。ホゾ接(は)ぎにするつもりです。
そのオスとメスの加工が可能かの確認を昨日しています。手間はかかりますが何とかなるようでした。今日は、その部材づくりからのスタートです。3寸5分幅の板を3枚に割ってプレナーに通します。意外に簡単な作業です。
次は、桟のパーツづくりです。桟の厚さがホゾの溝幅と一致することが第一条件です。無理やり嵌(は)め込むと、相手がパーンと欠けることが考えられます。この脆(もろ)さは、雑木とは違う青森ヒバの特性です。
桟の数は12本です。ホゾとホゾ孔はそれぞれ24ヶ所です。ある程度正確に下拵え(したごしらえ)をしたつもりですが、それぞれの箇所にはそれぞれの事情があります。殆どはホゾ孔の幅にあります。そのそれぞれに対して、現場合わせをします。何とかそれらしくなります。
次は塗りです。一回目を塗ったのは一昨日です。ザラザラしています。特に、一回目を塗った後は木肌が立つ傾向があります。それにサンダーをかけてやります。ほんのザッとです。そして二回目の塗りと拭き取りです。(見る角度にもよりますが)ある程度の艶(つや)が出ています。そして、期待していた木目も表現されています。
今朝つくった12ピースの桟材は一回目です。実は、今回の「拭漆(ふきうるし)」は、塗り重ねる回数を決めていませんでした。やはり、一回だけではパサパサ感があります。あと数回は繰り返すことになりそうです。
まあまあの段階で組立るつもりです。その後、組み合わせた面の隙間を埋める必要がありそうです。本来は、ピタリとあわなければならないものです。しかし、初心者には、この微調整は避けては通れない工程です。
とはいうものの、ほんの0.2mm(?)程度です。ま、サンプルとしてスタートした作品です。良しとするところです。因みに、この隙間に埋める工程を欠かせない未熟な人を称して「梅木さん」というそうです。I氏から聞いたことです。当初は何のことか理解できませんでした。I氏の説によると、「埋め木さん」だそうです。
筆者のようなレベルでは、この「埋め木」を如何にさりげなく、そして芸術的な味わいを演出させるかが課題のひとつになっています。しかし、この「埋め材」に迷うところです。漆だけにするか、ヒバの微粉末と漆を混ぜたものか、漆専用の埋材か、等です。
サンプルと雖も、結構な時間を要してきました。ここまできた以上は、最後まで見届けざるを得ないようです。
作業中、K社長がお見えになります。『これとこれではどちらが美味しいか。』と、ルバーブのジャムを持ってきます。これまで数種類のバージョンでつくっています。極め付けの味に挑戦しているのです。本気になっています。
2013/06/16(日)
14:08

昨晩から、今日は日本全国が雨、という予報でした。その雨を期待して朝を迎えます。その結果、パラパラと申し訳程度の雨です。
降った、降らない、の何れか、となると降ったことになります。その雨を楽しみながら、水遣りをします。
乾いた土にイチハツ(一八、鳶尾)が咲いています。毎日見ているものの、このイチハツとハナショウブ(花菖蒲)、アヤメ(菖蒲)、カキツバタ(杜若)の区別を今もって理解できないことが自然の奥ゆかしさのようです。
「糸巻」をつくっているところです。昨日、第一回目の塗りをします。朝は乾いています。即、組立てもいいのですが、設計に手を加えることにしました。強度を高めるためです。今のままでは、上下からの圧縮には強いのですが、左右の加圧に弱さがあるようだったのです。
突然の設計変更です。柱は6本ありますが、隣り合う柱を「?貫(ぬき)」で繋ぐことにしたのです。これに関係する角度は、正三角形の一角の60°です。直角(90°)をベースにすると30°と150°に関連する角度です。ルーターでも何とかなりそうですが、ホゾ孔の加工をスライド丸鋸(まるのこ)ですることにします。
頭で考えると簡単なものです。しかし、念のために端材で実際にやってみます。懸念した通りでした。丸鋸の刃を30°傾けたことで、切り口がギザギザになるのです。途方に暮れます。
しかし、一服後、再挑戦です。丸鋸での加工は、所詮(しょせん)、アバウトなものである、と納得しさえすれば良いのです。結局、基本に戻り、手で削ることにします。鑿(のみ)での加工は無理です。ツールに、鋭利なカッターナイフを用います。
120°の加工は然程(さほど)でもないのですが、60°の部分は厄介です。加工箇所は24ヶ所です。結構な力技です。粗末な出来ですが、何とか終えます。組立てはまだですが、まずはめでたし、めでたし、です。このホゾに嵌めるパーツは次回の楽しみに残すことにします。
次に、全体の様子を再確認することにします。6本の部材を並べてみると、寸法にチグハグがあります。この部材で組み立てても、結果はピタリとならないようです。驚きとともに愕然とします。全てを基準に合わせ直します。二度手間、三度手間に没頭します。
それでも、コツコツと削り直すことで、やがて帳尻が合ってきます。とはいうものの、その精度は70%程度です。このチクハグは、さまざまな理由に起因するようです。
考えられるのは「墨付け」の精度です。そして、刃を使うときの定規です。簡単なジグ(治具)をつくることで全て解決しそうです。ま、試作の一作目というのはこんなものです。
2013/06/15(土)
18:56

「糸巻」をつくっているところです。ホゾの大雑把な加工は昨日終えています。しかし、昨晩、仮組したものを肴(さかな)に食事をしたところ、何となく変なのです。
6本の柱の5本は垂直に立っていますが、1本がやや傾いています。少しがっかりします。しかし、まだ仮組の段階です。どのような作品であっても微調整は必要な工程のようです。
今朝、あらためて各パーツをチェックしてみます。すると1本だけ、ホゾ孔の幅(はば)が違っています。それもほんの1mm弱ほどです。どうやらこの1mmが悪さをしていたようです。
修正後、組み立てて再確認することなく、次の工程に進みます。「面取り」です。これまでは組立後にしていた工程です。しかし、今回は、塗りも面取りも組立前にすることにしました。
組み立ての前の面取りには多少の気遣いが必要です。面の延長上が別のパーツの面と接する部分は、その部分の面取りはしたくないところです。しかし、ある程度の気は使ったものの、全体的にはアバウトなレベルで妥協します。耐えることの出来ない結果であれば、また作り直せば良いだけです。
それでも、サンダーは、粗(あら)い目と細かい目の2種類を使い分けます。その後、布で乾拭きし、微粉末を削除してやります。
ここまで進むと、即、塗装に入りたくなります。漆の色については、これまで悩んできた課題のひとつでした。黒か朱か、です。結局、朱になります。無難なのは使い慣れている黒ですが、今回の「糸巻」は座敷用の「花台」のつもりです。冒険しても良さそうだったのです。
一回目の塗りは、木地にタップリと浸み込ませたいところです。朱漆にテレピン油を若干混ぜて撹拌します。それを無垢の木地に擦り込んでやります。組立の際に隠れる部分には極力漆を付けないようにします。
次は、塗った漆の拭き取り作業です。使った漆の殆(ほとん)どを拭き取ることになります。その意味では、「拭漆」というのは極めて贅沢な塗装ということになります。
しかし、木地の木目が浮かびあがることが魅力です。拭き取った後の色は塗った直後と変化しています。深い朱になっています。
拭漆は、塗り重ねることで光沢が増します。一般的には6回ほどは塗り重ねています。しかし、今回は、どの辺で妥協するかが難しいところです。或いは、今回の1回だけで終えることにもなりそうです。またまた悩むところです。
漆は暖かい気温と高い湿度で乾く性質を持っています。予報では、明日は日本全国が雨です。そして、それなりの暑さでもあるようです。その意味では、一年の中で、今が最も漆塗りに適した季節のようです。
本来は「漆風呂」に休んでもらうところですが、四阿(あずまや)のテーブルに置いておくつもりです。
2013/06/14(金)
17:31