「糸巻」をつくっているところです。ホゾの大雑把な加工は昨日終えています。しかし、昨晩、仮組したものを肴(さかな)に食事をしたところ、何となく変なのです。

6本の柱の5本は垂直に立っていますが、1本がやや傾いています。少しがっかりします。しかし、まだ仮組の段階です。どのような作品であっても微調整は必要な工程のようです。

今朝、あらためて各パーツをチェックしてみます。すると1本だけ、ホゾ孔の幅(はば)が違っています。それもほんの1mm弱ほどです。どうやらこの1mmが悪さをしていたようです。

修正後、組み立てて再確認することなく、次の工程に進みます。「面取り」です。これまでは組立後にしていた工程です。しかし、今回は、塗りも面取りも組立前にすることにしました。


組み立ての前の面取りには多少の気遣いが必要です。面の延長上が別のパーツの面と接する部分は、その部分の面取りはしたくないところです。

しかし、ある程度の気は使ったものの、全体的にはアバウトなレベルで妥協します。耐えることの出来ない結果であれば、また作り直せば良いだけです。

それでも、サンダーは、粗(あら)い目と細かい目の2種類を使い分けます。その後、布で乾拭きし、微粉末を削除してやります。

ここまで進むと、即、塗装に入りたくなります。漆の色については、これまで悩んできた課題のひとつでした。黒か朱か、です。結局、朱になります。無難なのは使い慣れている黒ですが、今回の「糸巻」は座敷用の「花台」のつもりです。冒険しても良さそうだったのです。

一回目の塗りは、木地にタップリと浸み込ませたいところです。朱漆にテレピン油を若干混ぜて撹拌します。それを無垢の木地に擦り込んでやります。組立の際に隠れる部分には極力漆を付けないようにします。

次は、塗った漆の拭き取り作業です。使った漆の殆(ほとん)どを拭き取ることになります。その意味では、「拭漆」というのは極めて贅沢な塗装ということになります。

しかし、木地の木目が浮かびあがることが魅力です。拭き取った後の色は塗った直後と変化しています。深い朱になっています。


拭漆は、塗り重ねることで光沢が増します。一般的には6回ほどは塗り重ねています。

しかし、今回は、どの辺で妥協するかが難しいところです。或いは、今回の1回だけで終えることにもなりそうです。またまた悩むところです。

漆は暖かい気温と高い湿度で乾く性質を持っています。予報では、明日は日本全国が雨です。そして、それなりの暑さでもあるようです。その意味では、一年の中で、今が最も漆塗りに適した季節のようです。

本来は「漆風呂」に休んでもらうところですが、四阿(あずまや)のテーブルに置いておくつもりです。

2013/06/14(金) 17:31