日中、外出したときの気温は11℃です。青空ですが、ヒヤリとした風です。その状況下でも季節は確実に変化しています。庭の雪が全て消えたのはつい先日です。その跡に、新しい芽が次々に出現し出しています。

驚きは、シラネアオイ(白根葵)です。葉が突然、ボンと出ているのです。そして、いつの間にか、フクジュソウ(福寿草)が黄色の花を見せています。更に、冬期間、葉を落としていたカエデ(かえで)やイチョウ(銀杏)等の落葉樹の芽が膨らみ始めています。奥州最北端の今頃は、目まぐるしいばかりの毎日です。

先日、首都圏にお住まいのT氏から「桜だより」があります。彼の事務所のある大塚駅前のようです。サクラは、都会にも田舎(いなか)にもマッチするのが不思議です。日速(1日に進む距離)20kmといわれるサクラです。奥州最北端にお見えになるのは今月末のようです。正座しながらお待ちせざるを得ないのは当然のことです。


今日の木工テーマは、「鉋(かんな)がけ」です。作業の会場を庭にします。実は、材が「米ヒバ」です。その香りは本物の「青森ヒバ」とやや違っているのです。会場を庭にしたのは、その香りを室内に充満させないための配慮です。

プレナー(自動カンナ)と集塵機(しゅうじんき)を外に出します。朝食後の8:00前からのスタートです。当初、昼前には終えるだろう、と見積もっていました。しかし、その午前中は、僅(わず)か40枚ほどに止まります。予定した全体の1/5ほどだけです。

理由はよく解りませんが、日ごろ使い慣れている「青森ヒバ」と事情が違っていることのようです。今日のプレナーの発する音には、いつものような軽やかさはなく、切なさを訴えています。勿論?プレナーの刃は、遠慮しながら、ほんの少しずつ出してはいても、です。


密度が濃く、硬いです。そして、重さはケヤキのようです。更に、本来は、自動的に送られる材は、両腕の筋力無しには無理な状況です。この、簡単でないことこそ、やる気を増幅してくれる要素のようです。明日からの暫(しば)らくは、「鉋がけ」を楽しめそうです。それも、徹底的に、です。


この冬期間、筋力トレーニングを含めた鍛えをしてきたつもりです。上腕は特に、です。しかし、まだまだ甘いものがあったようです。やや、体重が増えています。止むにやまれず、今日、新しい背広のために採寸してもらいます。

朔太郎のように、フランスは遠いようですが、気侭(きまま)な旅は可能のようです。



2014/04/08(火) 16:37

青空ですが、風が強いです。元気のよいウサギ(兎)が沢山います。日本海海戦で秋山参謀が「・・・本日天気晴朗ナレドモ波高シ」と打電した日もこのようであったのかも知れません。昨日の日記で触れた高木彬光が「名文中の名文」と評した電文です。

当地区の「カタクリ(片栗)祭り」が始まっています。会場は、前沖(まよき)800mほどに浮かぶ「湯の島」です。船で渡ることから波の穏やかな日に限定されています。ここ数日波が強いことから、船は出ていないようです。我が狭庭のカタクリは、花にはまだまだのようです。


今日も朝から作業です。昨日から始まった、格子(こうし)の解体作業です。昨日、2張りを終えています。今日は、残り3張りです。格子は相決(あいじゃくり)で組まれたものです。しかし、丁寧に釘止め(くぎどめ)されています。1張りに使われている釘(くぎ)は60本ほどです。5張りでは300本ほどです。

それを1本1本、バリ(バール)と金槌(かなづち)で抜きとるには、やや、根性を要します。腰も自己主張します。しかし、昨日から助手も参加してくれています。永遠に続くかと思われた釘抜き作業は、意外にも午前中で終えます。

次は、格子を構成している板のカットです。相決(あいじゃくり)部分でカットします。1片が400mmほどの長さになります。全部で50枚分のカットです。200片ほどになります。しかし、カット中、憂いと出会います。実は、大鋸屑(おがくず)の香りが「青森ヒバ」と違っているのです。表現は難しいのですが、「ツン」とした香りです。


どうやら「米ヒバ」のようです。これは、アメリカ北部からカナダにかけてが産地のようです。腐りにくく、シロアリに強い材です。ヒバの類ではなく、ヒノキの類です。

しかし、香りが「青森ヒバ」によく似ていることから「米ヒバ」と呼ばれるようになったようです。本来の名前はイエローシーダー(Yellow cedar)です。他に、アラスカヒノキ、アラスカシーダー(Alaska cedar)の名前があります。

とはいうものの、何にでも用いることのできる優秀な材です。ここまで至った以上は、プレナー(自動カンナ)をかけるまで続行するつもりでいます。やがて、これで何かをつくることになります。何をつくるかを考えることも楽しみのひとつです。春です。鉢置き台も面白そうです。

2014/04/07(月) 16:58

昨日の朝の予報で、太平洋側に大雪注意報が出ていました。嘘だろう、と思っていました。しかし、日中の気温は3°です。あり得るかも知れない、と感じた瞬間、雪になります。尤も、積もるだけのエネルギーの無い、春の雪です。

今日も時折の微かな雪です。寒さを理由にお休みしていた作業でしたが、青空に誘われて庭に出ます。つい2~3日前に芽だししたモミジガサ(シドケ)が、その名前通り、モミジ(紅葉)の葉に変化しようとしています。

今日は解体作業です。実は、昨日、K社長から格子(こうし)をいただきます。春のリニューアルで出た廃材です。材は青森ヒバです。大きさは、1間(約1800mm)四方です。それが5張りです。当初、『薪ストーブにでも使いますか。』といただいたのですが、貴重な秀木です。「桶(おけ)」や「椅子」等の材料としても使えそうです。丁寧に分解することにします。

解体のためのツールはバール(bar)と金槌(かなづち)です。当地ではバールをバリと言っています。バリは金梃(かなてこ)のことです。話は飛びますが、「bar」の意味はチョコバーの「バー(棒)」のようです。他に、日本ではカウンター形式の酒場や飲食店という意味があります。

またまた話は飛びますが、この語源も「棒」のようです。諸説あります。まず、カウンターの設置は、酒樽からの盗飲を防止するために設けられたようです。当初は単なる横木であったようです。これが一説です。次は、酒場の前にある、馬をつなぐ横棒説です。そして、最も有力なものは、カウンターの下に置いた足をかけるための棒です。一般的には、片足を乗せるもののようです。これら3説の何れも、「棒」が語源であることを示しています。

話は戻りますが、格子の解体には、他に掛矢(かけや・beetle?)も使います。重い材を使った、やや大きめの木槌(つち)です。タイムリーに、つい先日、ケヤキ(欅)製を入手しています。驚くほどの安価でした。


ところで、この語源がよく解らないでいます。即、何でも知っているWEBで調べてみます。歴史的には、親征(しんせい)のヤマトタケルノミコト(日本武尊)の熊襲に、この「掛矢」が武器として使われたそうです。

またまた話は飛びますが、熊襲(くまそ)は、天子の住む首都圏から離れた、南の九州や、当地のような北の住民のことのようです。天子は天(天帝)の子です。天下を治める、国王、皇帝 、天皇等のことです。その天子が親ら(自ら)が出張る戦が親征(しんせい)です。

他にこの「掛矢」を使ったことで知られるのは、近くは、弁慶です。高木彬光(たかぎあきみつ)の小説では、成吉思汗(じんぎすかん)となった言われる源義経に付き添った豪傑の弁慶も背中に背負っていたようです。更に近くは、赤穂浪士が吉良邸討ち入りの際の道具として使っています。尤も、テレビの限りのことです。


またまた話は脱線しますが、成吉思汗は「吉(きち)成りて汗を思う」です。「吉」は、静御前が残した、『吉野山 峰の白雪踏み分けて 入りにし人の・・・』の、桜の「吉野山」です。また、その折の約束の成就の発信でもあります。その内容は、アジア大陸制覇の吉報です。「汗」は「水干」です。これは、静御前の舞台衣装であった平安時代の男子の装束です。

高木彬光の小説は、成吉思汗が源義経でない筈は無い、というスタート地点に立って書かれた推理小説です。55年ほど前、中学校1年になったとき、誕生日プレゼントとして姉のY女史からいただいた「成吉思汗の秘密」です。忘れられない一冊です。尤も、後で調べると、成吉思汗と義経とは、やや、世代が違っていました。それでも、人生の大ロマンをいただいた一冊でした。

話は戻りますが、バリと違って、「掛矢」の語源が曖昧(あいまい)なことが不思議です。西部劇の「bar」よりも遥か昔の日本書紀の時代から存在しているものです。何かが、何処かで屈折したのかも知れません。

あれこれと宣(のたまう)ものの、今日の解体は、5張り中、2張りだけです。雪はチラついていますが、膨大な量の汗が出ます。残り3張りは、明日以降の様子に負うところとなります。

2014/04/06(日) 15:02

朝からグズグズした小雨です。午前中、外出した時は5℃です。昨日よりも13℃~14℃も低い気温です。驚きます。更に、今週末は雪の噂(うわさ)です。昨日の時点では信じ難いものでしたが、今日になると、有り得るかも知れない、と思ってしまいます。


このところ狭庭に手をかけています。雪融け後の必須恒例作業である「雪囲い」の取り外し等の概ねが漸(ようや)く昨日で終えます。今日は、やや高次元の課題を設定します。数年前から気になっていた「井筒(いづつ)の蓋(ふた)」のリニューアルです。因(ちな)みに、その中には、水道の蛇口とゴムホースが収納されています。是非に必要な蓋です。

本来、「井筒」は井戸の囲いです。庭の世界では、実際に井戸が無くても、あるように見せるために置くことが多いようです。丁度、「石臼(いしうす)」を置くのに似ていそうです。材は、一般的に石や木です。我が家のものは御影石(みかげいし)です。所謂(いわゆる)花崗岩(かこうがん)です。70cm四方の大きさです。そして、被せる蓋(ふた)は青竹が一般的です。

話は飛びますが、この「井筒」は能でも取り扱われています。世阿弥(ぜあみ)がつくったといわれる曲の中に、「子供の頃に遊んだ思い出の井戸」として扱われています。主人公は在原業平(ありわらのなりひら)とされています。


彼の歌に『筒井筒 井筒にかけし まろがたけ 生いにけりしな 妹見ざるまに』(昔、井筒と比べた頃の背丈よりも、今はずっと高くなっています)があります。これは、もともと、伊勢物語や大和物語の中あった物語のようです。それを世阿弥が編集したことになります。

またまた話は飛びますが、世阿弥(ぜあみ)は「善知鳥(うとう)」も編集したようです。「みちのくの外ヶ浜なる呼子鳥 鳴くなる声はうとうやすかた」と藤原定家が歌ったものがテーマです。因みに、「善知鳥」という鳥は、親鳥が「うとう」と鳴くと、子の鳥が「やすかた」と鳴いて居場所を知らせるのだそうです。

棟方志功の作品にもこの「善知鳥」をテーマにしたものがあります。その題名は「夜訪(よどい)」です。夜、旅の坊さんが漁師の家を訪問する場面を版画にしています。実際の絵には、対応に出た娘さんが描かれています。奥州最北端には、今でも、「善知鳥」、「安方(やすかた)」、「外ヶ浜」の名前が残っています。

よく解りませんが、鎌倉時代、藤原定家は実際に奥州最北端には来ていないようです。しかし、当時の文化圏の文人にとっての奥州最北端には、歌のテーマにしたいほどの魅力を秘めていたことが想像できます。


さて、材料の竹を探しに、N竹店にお邪魔します。直径1寸5分ほどの茨城県産があります。垣根用です。それを70cmにカットして13本~14本を調達します。

元末(もとすえ)の末側は節(ふし)の上で伐ります。元側も制約することは無理です。組立て際は、元末を交互に合わせます。次は、紐(ひも)の調達です。ホームセンターで、普通の園芸用を求めます。15mものです。色は黒です。

これで準備の概ねは整います。しかし、最大の問題は「編み方」です。紐(ひも)の結び方は、やったことの無いものにとっては、手も足も出ないほどの難しさがあるものです。結局は、いつもお世話になっているWEBにお訊ねします。当初、これについては教えてくれないだろう、と、やや期待薄でした。

しかし、驚くなかれ、動画で載っています。それも数パターンも、です。その瞬間、不思議な世の中になっていることを感じます。その動画を見ながら、まずは短いロープで試してみます。1ヶ所編むことができれば、全て可能になる筈なのです。因(ちな)みに、70cmに対して必要な紐(ひも)の長さは5mほどです。それが3ヶ所です。ギリギリ間に合います。

小雨の中、庭の井筒に載せてみます。明確な根拠は無いものの、何となくマッチングしていそうです。どうやら、単なるアクセントではないようです。先人が極めた、我が国のオリジナリティーです。何かがありそうです。

2014/04/04(金) 18:01

今日の気温の高さは数日前から伝えられています。しかし、3日前の予報では16℃、2日前は17℃、昨日は18℃、そして今朝は19℃です。朝はストーブを焚きますが、やはり、午後からはボーッとした暑さを感じます。しかし、今週末には雪の噂(うわさ)があります。今日が暑かっただけに少し信じ難いです。


このところ、雪囲いの後処理に終始しています。昨日で、ある程度は終わります。しかし、1ヶ所だけ残っています。大きいイチイ(一位)です。実は、この雪囲いは手に余ることから、常設の雪囲いを単管でしている有様です。

冬期間は、その上に6mの板を20枚ほど被せます。今日はその復元です。同時に、簡単な剪定(せんてい)もします。手をかけないイチイは、奔放に枝を伸ばします。南側の川側は、既に手をかけるのが難しくなっています。折をみて枝を詰(つ)めることになります。


雪囲いの復元後は鉢の整理です。冬の間、大きい木の下に避難していたものを取り出します。今日は、それらの置き場所をつくることにします。名前はよく解りませんが、「鉢置き台」です。実は、数年前に1脚つくっています。オリジナルバージョンです。そのコピーをつくることにします。

まず、チェンソーで太目(ふとめ)の杉を2尺ほどにカットします。そして、両木口(こぐち)に十文字の溝を掘ります。その溝に、相決(あいじゃくり)した1寸5分のタルキ(垂木)を埋めます。固定方法はビス留めです。上部のタルキに同寸のタルキの桟(さん)を渡し、それに7分板を貼り付けるだけです。簡単な仕組みです。

麗らかな春です。作業場は、当然、四阿(あずまや)です。ツールは、チェンソーの他にスライド丸鋸(まるのこ)、鑿(のみ)、小づち、インパクトドライバー等です。作業自体は簡単です。腰は痛いものの、休み休みであれば、何とかなるのです。3脚が完成です。明日は、この上に小さい鉢が乗ることになります。


夕刻、ご近所の皆さんがお見えになります。タイムリーに、蹲(つくばい)の水は先刻取り替えたばかりです。ホッとします。

日曜日のシュミエン(趣味の園芸)に話が及びます。西行法師の『鴫(しぎ)たつ沢』です。結構、多くの皆さんが見ていたようです。実生(みしょう)が出るにはあと3~4ヶ月はかかりそうです。

話は飛びますが、この「鴫たつ沢」の「たつ」が、「立つ」か「発つ」かの議論が50年前からあります。「立つ」であれば「stand」で、「発つ」であれば「start」になりそうです。「秋の夕暮れ」に佇(たたず)んでいるのか、或いは、飛び立とうとしているのかの議論です。夜中の2時、3時まで議論したことが無性に懐かしいです。

2014/04/03(木) 18:28

今日も真っ青な空です。気温は昨日よりもやや高いようです。この天候に乗じて、今日も庭仕事です。今日のテーマは、「雪囲い」用の角材や板材の編集と整理です。古いものは40年以上前のものもあります。この際、使うには堪えないものを薪(まき)ストーブ用にすることにします。

長さの概ねは30cmほどです。材の種類は、松、ヒバ、杉等です。ツールは斧(おの)とチェンソーですが、腐(くさ)りの進んでいるものは足で踏みつけるだけで折れます。松や杉は斧で割れますが、青森ヒバは厄介です。

外側は腐っているように見えても、内部までには及んでいないのです。流石(さすが)と言わざるを得ない秀木です。


これらの全ての編集に5時間を要します。その量は意外に多く、薪小屋のスペースの1/3以上も占有します。しかし、この種は、ボーッと燃えますが、長時間は燃え続かないのです。夏の前には、9ヶ月後の冬のために、新たな薪を調達することになります。


シドケの芽が出始めています。一般的な呼称は「モミジ傘」です。山菜の王様といわれるほどの、他とは別格扱いされている春の恵みです。日当たりの然程でない庭の一角に、数年前からあるものです。小指ほどの結構な太さです。今年こそは薄い塩茹(ゆ)ででいただくつもりでいます。


工房では、「押し寿司器」に手をかけます。昨日、漆(うるし)を薄くかけたものです。これは、青森ヒバの香りを間接的にし、抗菌作用を高めることを狙ったものです。今朝、それに400番のサンドペーパーを軽くかけ、全体を水洗いします。やはり、ヒバの香りは90%ほども抑えられています。

白木(しらき)には白木の良さがありますが、塗りには塗りの良さのあることを実感します。しかし、実際の評価は、実際にこれで押し寿司をつくってみた後にされることになります。明日の楽しみになりそうです。


夕刻、松本明慶が放映されます。昔から知っている仏師です。現代、最も優れている芸術家の一人です。数年ぶりの顔には驚くほどの老いが滲んでいます。しかし、今の彼の持つ美意識や哲学、そして価値観等は、昔よりも更に洗練され高まっていることに気づきます。

日本の仏像を彫るためのヒント探しのための旅を、イタリアのフィレンツやミラノ、そしてサンピエトロ寺院等を背景にして制作されています。

それは、ミケランジェロのピエタ(PIETA)を探る旅のようです。キリストが十字架から降ろされた後の、マリアの慈悲や哀れみを表現した彫刻です。


2014/04/02(水) 18:22