
朝からグズグズした小雨です。午前中、外出した時は5℃です。昨日よりも13℃~14℃も低い気温です。驚きます。更に、今週末は雪の噂(うわさ)です。昨日の時点では信じ難いものでしたが、今日になると、有り得るかも知れない、と思ってしまいます。
このところ狭庭に手をかけています。雪融け後の必須恒例作業である「雪囲い」の取り外し等の概ねが漸(ようや)く昨日で終えます。今日は、やや高次元の課題を設定します。数年前から気になっていた「井筒(いづつ)の蓋(ふた)」のリニューアルです。因(ちな)みに、その中には、水道の蛇口とゴムホースが収納されています。是非に必要な蓋です。
本来、「井筒」は井戸の囲いです。庭の世界では、実際に井戸が無くても、あるように見せるために置くことが多いようです。丁度、「石臼(いしうす)」を置くのに似ていそうです。材は、一般的に石や木です。我が家のものは御影石(みかげいし)です。所謂(いわゆる)花崗岩(かこうがん)です。70cm四方の大きさです。そして、被せる蓋(ふた)は青竹が一般的です。
話は飛びますが、この「井筒」は能でも取り扱われています。世阿弥(ぜあみ)がつくったといわれる曲の中に、「子供の頃に遊んだ思い出の井戸」として扱われています。主人公は在原業平(ありわらのなりひら)とされています。
彼の歌に『筒井筒 井筒にかけし まろがたけ 生いにけりしな 妹見ざるまに』(昔、井筒と比べた頃の背丈よりも、今はずっと高くなっています)があります。これは、もともと、伊勢物語や大和物語の中あった物語のようです。それを世阿弥が編集したことになります。またまた話は飛びますが、世阿弥(ぜあみ)は「善知鳥(うとう)」も編集したようです。「みちのくの外ヶ浜なる呼子鳥 鳴くなる声はうとうやすかた」と藤原定家が歌ったものがテーマです。因みに、「善知鳥」という鳥は、親鳥が「うとう」と鳴くと、子の鳥が「やすかた」と鳴いて居場所を知らせるのだそうです。
棟方志功の作品にもこの「善知鳥」をテーマにしたものがあります。その題名は「夜訪(よどい)」です。夜、旅の坊さんが漁師の家を訪問する場面を版画にしています。実際の絵には、対応に出た娘さんが描かれています。奥州最北端には、今でも、「善知鳥」、「安方(やすかた)」、「外ヶ浜」の名前が残っています。
よく解りませんが、鎌倉時代、藤原定家は実際に奥州最北端には来ていないようです。しかし、当時の文化圏の文人にとっての奥州最北端には、歌のテーマにしたいほどの魅力を秘めていたことが想像できます。
さて、材料の竹を探しに、N竹店にお邪魔します。直径1寸5分ほどの茨城県産があります。垣根用です。それを70cmにカットして13本~14本を調達します。元末(もとすえ)の末側は節(ふし)の上で伐ります。元側も制約することは無理です。組立て際は、元末を交互に合わせます。次は、紐(ひも)の調達です。ホームセンターで、普通の園芸用を求めます。15mものです。色は黒です。
これで準備の概ねは整います。しかし、最大の問題は「編み方」です。紐(ひも)の結び方は、やったことの無いものにとっては、手も足も出ないほどの難しさがあるものです。結局は、いつもお世話になっているWEBにお訊ねします。当初、これについては教えてくれないだろう、と、やや期待薄でした。
しかし、驚くなかれ、動画で載っています。それも数パターンも、です。その瞬間、不思議な世の中になっていることを感じます。その動画を見ながら、まずは短いロープで試してみます。1ヶ所編むことができれば、全て可能になる筈なのです。因(ちな)みに、70cmに対して必要な紐(ひも)の長さは5mほどです。それが3ヶ所です。ギリギリ間に合います。
小雨の中、庭の井筒に載せてみます。明確な根拠は無いものの、何となくマッチングしていそうです。どうやら、単なるアクセントではないようです。先人が極めた、我が国のオリジナリティーです。何かがありそうです。
2014/04/04(金)
18:01