明け方バサバサ降っていた雪は間もなく止みました。日中は氷点以上です。やはり、母屋根(おもやね)の融けた雪はダラダラと流れ落ちています。

しかし、数日前に凍らせた庭の散水栓は頑固に凍っています。断熱材のビニールホースは、凍り難い反面、融け難いようです。

看板に手を掛けています。単に、板に文字を入れるだけです。しかし、この板の鍛えに時間をかけています。昨日、不十分ながらも一枚目の荒削りは終えています。

今日はその微調整からです。まず、トンチンカン(頓珍漢)なデザインの修正です。やはり、可能な限り、木の目の流れを採用したいところです。結構、デリケートです。今日はまず初期段階です。これから眺めながら手を掛けることにしています。


次は刃の跡の削除です。実は60番のサンダーを使っています。粗目(あらめ)のゴツいサンダーです。角度によって削った跡がリアルに残ります。無粋(ぶすい)?です。しかし、使う塗料によっては無視しても良さそうです。塗料が凹部分に埋まって平面化する、ということを聞いたことがあります。とはいうものの、気になるところです。

二枚目にも手を掛けました。やはり、膨大な量の微粉末が発生します。今日も庭の四阿(あずまや)に出張しました。しかし、1時間以上もであれば、口の中がゴソゴソしてきます。確認すると、やはりヒバの微粉末がゴッソリと詰まっています。勿論?乾燥した状態でです。

凡そのラインを鉛筆でなぞってジグソーを使います。当初、このジグソーに自信がありませんでした。板の厚さが2寸(約60mm)です。しかし、やってみると全くトラブルの無いものです。つい、勇み足はしたものの、アウトラインは何とか完成です。


愈々(いよいよ)カンナ(鉋)がけです。しかし、この工程は省略です。ベルトサンダーで用が足りそうなのです。60番の後に120番を使いました。やはりトラブルは見当たりませんでした。しかし、このベルトサンダーは平面用です。曲面に至ってはコツコツとした手作業になりそうです。


年の瀬です。年賀状が気になっていたところです。遅ればせながらも作成に入りました。テーマは、この一年の作品集の抜粋です。あらためて拙(つたな)い腕を見せ付けられる羽目になりました。送り先データーの編集に時間を要しました。例年のことですが、欠礼のご案内が意外に多いものです。

夜は、何回目かの忘年会です。急遽です。巷(ちまた)では今日の御用納めが多いようです。ま、善し、とするところです。またまた天下国家、そして当地区の現状分析です。

2010/12/28(火) 20:20

ほんの少しチラついたようですが、小休止している将軍様です。昼前、外に出た頃は眩(まぶ)し過ぎる陽光です。フロントのブラインドを使わざるを得ませんでした。車道の雪(氷)は融けていますが、気温は氷点下です。やはり外は寒いです。


日課と並行して、今日から看板に手を掛けました。しばらくは木地(きじ)づくりが続きます。今回の看板には、単にカットしてカンナ(鉋)をかけただけの材は使いたくないところです。

実は、Y製材所には、無節でアマ(木の柔らかい部分、腐り等)の無い、素直な目の、所謂(いわゆる)ヤクモノもズラリと揃(そろ)っています。しかし、余りにも無欠過ぎるところが看板には難点なのです。

今回も、敢(あ)えて、多少のアマと大きい節を含んだ青森ヒバを選びました。そのアマの朽ちた部分は削除の必要があります。この鍛(きた)えが、今回の作品づくりのほとんどを占めることになります。


最初に使うツールはノミ(鑿)とカナヅチ(金槌)です。使うのは久しぶりです。今日は不十分の状態で終えました。実は、この作業には、どうしても遠慮が伴います。

それが手加減につながります。更にそのことが、チマチマとした作品を導きます。

しかし、大胆な刃の使い方にはそれなりの強い信念が必要です。それは、作者自身の感性をどれだけ自分で信頼しているかにも関係しているようです。

大雑把(おおざっぱ)にノミを入れた後はディスクグラインダーに頼ります。これまでの経験では、ノミもそうですが、グラインダーで描かれたものにはどうしても野暮ったさが伴う傾向があります。

おそらく、一般的で常識的?な、また、少しでも安全圏内の作品をイメージするからのようです。これは、自身に対する不信感も手伝っていそうですが、作品を見る側の視線を意識しているからのようでもあります。

結果的には自分の感性を抑えた作品になってしまいます。丁度、絵や彫刻の世界に似ています。話は飛びますが、半世紀も前から「円空仏」を見てきました。その度毎(たびごと)に自信を失っている有様です。

単に、スパッ、ザグッと刃をあてているだけに見えます。しかし、そこには洗練された大らかさが表現されています。いつも、示現流の、迷いの無い一太刀を連想します。


その潔(いさぎよ)さは簡単に真似のできる世界では無いものです。以前、熟達の仏師(仏像を彫る工匠)の話を聞いたことがあります。

その中に、『何処にノミをあてるかは、木自身が教えてくれます』、がありました。因みに、この「円空仏を彫る」会が発足したそうです。素晴らしいことです。現在の会員は20名弱のようです。

全体のデザインの決定は、一旦アマを削除した後です。もう少しの間は、この、300年以上も経た青森ヒバと会話することができそうです。

グラインダーには膨大な量の微粉末の飛散が伴います。折角掃除を続けている工房です。庭の四阿(あずまや)に作業場を移しました。

雪はチラついていますが、気兼ねなく作業できるのが嬉しいです。氷点下の庭での彫刻も、また楽しからずや、です。

2010/12/27(月) 18:36

このところの沐浴(もくよく)にはまだ暗いうちに出かけます。とはいうものの、今は6:30過ぎの遅い時刻です。これから更に日の出は遅くなるようです。

薄明かりに見ると結構積もっています。場所によっては膝(ひざ)の高さもあります。反面、ほとんど積もっていないところもあります。風の悪戯(いたずら)のようなものです。

その時刻でも家の前には歩いた跡が無いことが新鮮です。今日は日曜日です。ゆっくりできる日です。除雪は沐浴後でも良さそうでした。

昨朝ほどにはシバレていないようです。雪にネバネバ感があります。氷点近くはありますが、雪を片付けた後のアスファルトは濡れています。重い雪ですが、タイヤショベルでは扱い易(やす)いです。


今日も漆塗りからのスタートです。昨日の漆がサラサラと乾いています。気温は低いものの、湿度の高さが作用しているのでしょう。スタンバイと後始末を含めて小一時間ほどを要します。

1回目の「拭き漆」の後では木地が毛羽立つものです。400番のサンダーで軽く撫(な)でてやるだけでスベスベになります。その後2回目の塗りです。

使っている漆に硬くなった漆が混ざっています。瘡蓋(かさぶた)のようなものです。昨日はこれを「吉野紙」で漉(こ)しました。しかし、今日はそのままを使います。

漉すための時間がかかり過ぎることもありますが、あとで拭き取ることから然程(さほど)問題は無さそうなのです。2回目にしては結構な艶(つや)がでています。

聞くところでは、昔、輪島(わじま)でもこの厳寒期に塗っていたとのことです。雪に埋もれながら、ひっそりと漆器を鍛えていたのです。そして雪融け後から、その作品を背負(しょ)って各地に行商に出かけたのだそうです。おそらく、初冬にかけてのようです。

「輪島塗り」の名前を全国に浸透せしめたのは行商にあります。しかし、それは同時に、冬の塗りに支えられていたことになります。一剣を磨く冬期間に、どれだけの激闘が演じられていたかが想像できそうです。

本来?、作品づくりは、ひっそりと一人で闘うもののようです。奥州最北端の厳寒期の塗りも、全く邪道とはいえないようでもあります。


先日依頼された「看板」用の青森ヒバを工房に入れました。暫らくの間、デザインの吟味(ぎんみ)を楽しむことになります。

当面は、アマ(腐り)や節(ふし)を生かすための曲線の取り方が最大のテーマです。

実際の作業にはまだ手はかけていませんが、この段階に既に、葛藤(かっとう)と決断の熾烈(しれつ)な戦いが演じられていることになります。こうでなければ面白くも無い世界です。

使うツールは、チェンソー、鑿(ノミ)、丸鋸(マルノコ)、鉋(カンナ)、ディスクグラインダー等です。必然的に微粉末が舞います。ホコリを嫌う漆塗りとは相容れない世界です。

大抵は、木地づくりと塗りは分けて担当しています。昔から、「木地師」、「塗師(ぬし)」の名前があるほどです。しかし、この木地づくりと塗りを一人で熟(こな)している工房もあります。その場合は、塗りの部屋は完全に隔離されているようです。

工房KUROOBIでは、塗り作業を完全に終えてから木地づくりです。どちらにも捨て難い魅力があるからです。勿論(もちろん)その間は、天井(てんじょう)や桟(さん)に付着している微粉末を舞い上がらせない配慮はしているつもり?です。


雪は明日以降も続くようです。日課の中に、普通に、「雪片付け」が市民権を持ってきます。

2010/12/26(日) 17:31

厳寒です。氷点下7~8℃もあったようです。朝、工房の水が凍っています。湿度を高めるため鍋に張った水、鉄瓶、ケトル(薬缶)、そして防火用等に使っているバケツ等に、です。

更に、台所(厨房)の水道も凍結させてしまました。0℃を境にして液体と固体に別れることを再認識させられること頻(しき)りです。午前中、Y製材所にお邪魔しました。5m先も見えない猛吹雪でした。

看板となる材の調達が目的です。ケヤキ(欅)、スギ(杉)もありますが、やはり青森ヒバが最適のようです。しかし、これにも様々あります。全く節(ふし)の無いヤク物、節のあるものです。看板としては、無節は味気ないものです。

更に、節も大小さまざまです。大きい節を選びました。厚さ2寸の見事な板です。しかし、これをどのように仕上げるかに、看板づくりの真価が問われます。


自然の雰囲気の表現には、そのデザインが大きい要素を占めます。大らかさ、柔軟性、気品、和(なご)み等の表現にはどうしても作り手のセンスが問われそうです。

これは庭づくりにも言えそうです。広い庭でもせせこましく貧弱なものもあります。反面、一坪に満たない空間にポピュラーな雑木(ぞうき)等を配すだけで深山幽谷を演じることもできます。全て作者のセンスに負うもののようです。これからの暫らくは、看板が頭の半分以上を占めることになりそうです。


朝一番は日課の「箸置きづくり」です。これは、T旅館に宿泊する方へのお土産です。同じものを売店にも置いています。一人で大量に求める方もおいでです。通常の製作速度に突然拍車(はくしゃ)がかかることがあります。


その後、「漆塗り」を再スタートさせました。木地はケヤキです。「拭き漆」です。実は、近くの工房にサンプルを置いています。注文が結構あります。作り置きが無くなったことで、急遽、番町さんから催促されました。また、Sお土産店からも依頼されてもいます。行動開始せざるを得ないようです。

まず、漉(こ)すことからの作業です。大きいアルミ箔に漆が入っています。実は、どうしても注ぎ口が固まる傾向があります。空気を残して蓋(ふた)をするからのようです。この不純物の削除には「吉野紙」を使います。

ものすごく優秀な紙です。簡単な容器に吉野紙を張り、時間の経過を待ちます。やがて、紙に漉されたトロトロの漆が下方に溜まります。

この厳寒が暫らく続くようです。漆を扱うには適期ではなさそうです。今回は数個に留めることにしました。例によって、デンドロやパセリの住む「温室」が「漆風呂」になります。湿度が高いからです。漆は温度もそうですが、高い湿度で乾燥します。

これからは、塗っては拭き取り、塗っては拭き取る、の毎日です。「拭き漆」が貴重品扱いされる所以(ゆえん)のようです。年を越す仕事になりそうです。

実は、ケヤキよりも気になっているのが青森ヒバのコップです。これはKUROOBIのオリジナル作品です。これまで相当数つくった筈ですが、いつも在庫は無いありさまです。年輩のご婦人が多く求めています。次から次へ課題が出現してきます。

2010/12/25(土) 19:07

午前中は持ったものの、昼過ぎから雪混じりの強風です。所謂(いわゆる)風雪です。本格的な寒さのイントロダクションのようです。

このところ、「積木」をつくっています。積木自体には然程(さほど)の時間は要しないようです。しかし、それを入れる箱に時間をかけています。この箱づくりが昔からの夢です。これまで結構な数をつくってきましたが、作り方をその都度(つど)変化させています。

昔、箱をつくるときのコーナーの処理は「平継ぎ」でした。これはリンゴ箱に見られる最も簡単な?方法です。とはいうものの、薄い板にクギ(釘)を使うことは非常に高度な技が要求されます。

自分で金槌を使うと、いつも、クギの先端が外側や内側に出てしまうのが不思議でした。リンゴ箱を見る度に感激します。単純で頑丈で、そして理に適(かな)った作り方です。芸術作品の部類としても遜色は無さそうです。

その頃の憧れは「留め」でした。しかし、この45°加工が大変でした。とても手の出る細工ではありませんでした。しかし、スライド丸鋸(まるのこ)のある今は一瞬に加工できます。最近はこの「留め」を主流にしています。

そして、つい先般、「ロックマイタービット」が入房し、試してみました。これは「留め」の内部に凹凸をつくるJIG(ジグ)です。「留め」の合わせ面は、糊(接着剤)の効(き)きが弱い木口です。その弱点を補う組み方のようです。


しかし、今回は青森ヒバだった所為か、やや欠けてしまいました。しかし、これまで想像もしなかった世界です。今回の箱の身(本体)に使いました。ビットの高さ調整がデリケートな世界です。

今日の蓋(ふた)には、「ひき込み留め接ぎ」を使うことにしました。これは「留め」のコーナーに溝をつくって別の材をガツンと差し込む方法です。いままではこの溝掘りが億劫(おっくう)でした。90㌫以上を完成させた後の大胆な加工には勇気が伴います。

実は、先般、W氏の工房からこのGIGを拝借してきました。本来はルーター用のようですが「卓上丸鋸」で使ってみました。やはり安定しています。初めての挑戦でしたが何とかなったようです。

「留め」もそのようですが、木工には、木口(こぐち)を外に出さない、という原則があるようです。しかし、この「ひき込み留め接ぎ」は正々堂々?と木口が表れます。しかし、升(ます)に使われる「あられ組み」、また、「ダブテール(ハトの尻尾)」、チギリ等にも木口が見えるようです。

話は飛びますが、この、板を差し込むことを「割込み」というようです。そしてこの板をカンザシ(簪)というようです。何百年、何千年も続いている木工の世界です。なんとも優雅な名前です。名前だけでも床の間に飾っておきたくなります。

さて、このカンザシに使う材は硬く乾燥した木のようです。チギリもそのようです。その際、木口に肩身の狭い思いをさせるのではなく、潔(いさぎよ)く、あえて目立つように、本体とは明確に異なる色の材を使ってもいます。この世界は今後の楽しみに残すことにします。


塗料について考えていました。さまざまな選択肢があります。結局、「オリーブオイル」を採用しました。達人のI氏からいただいたヒントです。実は、先般、このオリーブオイルの「お盆」が大好評でした。50枚中、10枚が蒸発するほどでした。非常に良い傾向です。

特に今回は幼児用の玩具(オモチャ)です。口に入れても安心なのです。ストーブの前で蒸散させているところです。パンパンとヒノキチオールの香りを発散させています。


午前中、Kホテルにお邪魔しました。女将(おかみ)さん他、皆さんとお話できました。東京のK女史もおいでになっていました。たくさんの情報交換ができました。ディナーショーにも招待されました。

言われて気づきました。今日はイブ(eve)でした。実は、雪は降っていても、意識の中はまだ強烈な夏の余韻が残っているのです。年末であることをあらためて認識することになりました。

女将さんからは、またまた新しい課題を頂戴しました。数面の看板です。思い出してみると、今年つくった看板は、大小あわせて40面ほどにもなっています。面白い世界です。早速(さっそく)挑戦したくなりました。

2010/12/24(金) 18:22

昨早朝からの雨が昼過ぎまで降り続きました。山に残っていた雪が融けて川の水嵩(みずかさ)を増しています。やや寒いものの、ギリギリしたものではありませんでした。

今日は積木(つみき)づくりです。数ヶ月前から依頼されていました。1寸5分の3寸幅の部材が足りませんでした。早速、Y製材所にお邪魔しました。即、対応してくださいました。有難いことです。

工場が綺麗に整頓されています。考えて見れば年末です。あと数日で御用納めなのです。年末年始の休みは結構長くなるようです。「箸置き」、「コースター」等の材料が、休み中に不足すると大変です。予備を確保しました。


さて、箱の身(み)は既にあります。それに収納できるようにタルキ(垂木)と板の寸法を調整します。1mmの値が、横では4mm、縦では16mmの値に増幅されます。プレナー(自動カンナ)の刃の高さ設定がデリケートです。

箱に収納できる寸法とはいうものの、指が入るための余裕は持たせたいところです。隙間(すきま)が無ければ積木を出し難(にく)くなります。

スライド丸鋸(まるのこ)の寸法設定は、実際のタルキの横幅を基準にします。メジャーは微妙な数値に対応し辛い(づら)いのです。2倍の長さにカットする場合は、実際に2個の部材を並べてストッパーを固定します。これまで何回も繰り返した作業です。殆(ほとん)どトラブルなくカットできます。

次は蓋(ふた)づくりです。身の寸法よりも、各辺2mmほどを大きくしました。蓋板(ふたいた)は2枚の板を接(は)ぎます。例によって「相決(あいじゃくり)」です。ルーターにストレートビットをセットします。軸径が6mmです。スパナ操作がテーブルの上からできます。楽です。

しかし、その前に縁(へり)の調整があります。両者を合わせてピタリとフィットさせるには、合わせる両者の面に水平な平面と直角が要求されます。実は、この加工にいつも悩まされていたところです。手カンナでは直角にならないことが多いのです。


先般入室したフラッシュトリムビットの登場です。はじめて使いました。本来の使い方は別にあるようですが、この縁の処理にも打って付けでした。

さて、蓋板の厚さは8mmほどです。4mmほどの相決(あいじゃくり)になります。デリケートな高さ設定です。物指しの目盛りを読み取るのが億劫(おっくう)です。いつものように、今回も「目見当」です。ピタリと1/2ずつ削除できました。

蓋枠(わく)のコーナーを45°ずつ削除する「留め」にしました。将来、カンザシ?(簪)を挿入するつもりです。先般W工房からお借りしたJIGが早速役立ちそうです。


夕刻、番長さんがお見えになりました。「拭き漆」のコップの注文です。探したところ、つくり置きがありませんでした。明日から暫らくの間、再び、漆とのお付き合いです。明日からまたガクンと冷えるようです。気合が入ります。

2010/12/23(木) 19:09