
厳寒です。氷点下7~8℃もあったようです。朝、工房の水が凍っています。湿度を高めるため鍋に張った水、鉄瓶、ケトル(薬缶)、そして防火用等に使っているバケツ等に、です。
更に、台所(厨房)の水道も凍結させてしまました。0℃を境にして液体と固体に別れることを再認識させられること頻(しき)りです。午前中、Y製材所にお邪魔しました。5m先も見えない猛吹雪でした。
看板となる材の調達が目的です。ケヤキ(欅)、スギ(杉)もありますが、やはり青森ヒバが最適のようです。しかし、これにも様々あります。全く節(ふし)の無いヤク物、節のあるものです。看板としては、無節は味気ないものです。
更に、節も大小さまざまです。大きい節を選びました。厚さ2寸の見事な板です。しかし、これをどのように仕上げるかに、看板づくりの真価が問われます。

自然の雰囲気の表現には、そのデザインが大きい要素を占めます。大らかさ、柔軟性、気品、和(なご)み等の表現にはどうしても作り手のセンスが問われそうです。
これは庭づくりにも言えそうです。広い庭でもせせこましく貧弱なものもあります。反面、一坪に満たない空間にポピュラーな雑木(ぞうき)等を配すだけで深山幽谷を演じることもできます。全て作者のセンスに負うもののようです。これからの暫らくは、看板が頭の半分以上を占めることになりそうです。
朝一番は日課の「箸置きづくり」です。これは、T旅館に宿泊する方へのお土産です。同じものを売店にも置いています。一人で大量に求める方もおいでです。通常の製作速度に突然拍車(はくしゃ)がかかることがあります。

その後、「漆塗り」を再スタートさせました。木地はケヤキです。「拭き漆」です。実は、近くの工房にサンプルを置いています。注文が結構あります。作り置きが無くなったことで、急遽、番町さんから催促されました。また、Sお土産店からも依頼されてもいます。行動開始せざるを得ないようです。
まず、漉(こ)すことからの作業です。大きいアルミ箔に漆が入っています。実は、どうしても注ぎ口が固まる傾向があります。空気を残して蓋(ふた)をするからのようです。この不純物の削除には「吉野紙」を使います。
ものすごく優秀な紙です。簡単な容器に吉野紙を張り、時間の経過を待ちます。やがて、紙に漉されたトロトロの漆が下方に溜まります。
この厳寒が暫らく続くようです。漆を扱うには適期ではなさそうです。今回は数個に留めることにしました。例によって、デンドロやパセリの住む「温室」が「漆風呂」になります。湿度が高いからです。漆は温度もそうですが、高い湿度で乾燥します。
これからは、塗っては拭き取り、塗っては拭き取る、の毎日です。「拭き漆」が貴重品扱いされる所以(ゆえん)のようです。年を越す仕事になりそうです。
実は、ケヤキよりも気になっているのが青森ヒバのコップです。これはKUROOBIのオリジナル作品です。これまで相当数つくった筈ですが、いつも在庫は無いありさまです。年輩のご婦人が多く求めています。次から次へ課題が出現してきます。