昨朝は今冬一番の雪でした。しかし、今朝が今年一番のようです。朝の6:00はまだ薄暗いです。その中、黙々とスノーダンプを押している方々がいます。T氏とY氏です。

続く雪の中の挨拶には苦笑が伴います。会話は『やりがいがあって良いですね。』です。諦(あきら)めて開き直っているのです。

まず、家の前の除雪です。今朝は昨朝よりも時間を要しました。朝食後はご近所のお手伝いです。タイヤショベルの扱いが大分上手(うま)くなったようです。

今日は庭に手を掛けることにしました。まず、煙突掃除です。屋根に梯子(はしご)をかけて煙突を外します。一旦分解して煤(すす)を除去します。

さほど多い煤ではありませんでした。しかし、掃除後は、ゴーッと音を立てて空気を吸い込みます。勢いよく燃えるようになりました。

その過程で少し疑問が生じます。「曲がり」です。実は、昨年から3個ほど立て続けに壊れています。同じ壊れ方です。よく見ると繋ぎ目(つなぎめ)に華奢(きゃしゃ)なピンが使われています。

それが外れるのです。ステン製であることから、他は全く問題が無いのに、です。どうやら設計ミスのようです。

あるいは故意でもありそうです。敢(あえ)て壊れ易いようにつくっていることも考えられるのです。何年も使える頑丈なものであれば、商品流通の抑制に関連してきそうです。壊れ易いことが正解なのかも知れません。

しかし、立て続けです。少しムッとします。自力で直すことにしました。単に、繋ぎ目に孔をあけて針金で縫い止めるだけです。

ほんのそれだけで全く問題なく機能するのが不思議です。これまで買い換えていたことが悔やまれてきます。


話は飛びますが、井筒(いづつ)の蓋(ふた)に竹を使っています。太い竹の簾(すだれ)のようなものです。

この蓋のため、数年に一度、市内のN竹店にお邪魔します。若社長さんは、『井筒には青い竹が似合います。1年毎に取り替えてくださいよ。何年も使うと竹店が困ってしまいます。』、と冗談を言います。

物を粗末にする文化は、大切に扱う文化以上に貴重な文化でもありそうです。同じように、大切に仕舞いこむ文化と捨て去る文化もあります。前者は雑多の中で生き、後者はサッパリとした空間に身を置くことになります。難しい世界です。


午前中を費やした庭の除雪です。テーマは屋根から落ちた雪の削除です。2m近くも高くそびえています。さらに、落下した雪は硬く、相当な重量です。ボリュームを眺めると気力の失せる課題です。目の前だけを見るのが正解のようです。

ところが、ほんの少しであっても片付けた分だけ確実に片付きます。作業の持つ不思議な魅力です。結局、4時間で一件落着です。

勿論、休み休みです。その休み時間に「看板」の仕上げ塗りです。昨日のマスキング液が完全に透明化しています。今日は全体に木固めエースの仕上げ用を塗布しました。多少の派手さはあるものの、明るい看板になったようです。

今は、文字部分はマスキングで覆われています。当初は剥(は)ぎ取るつもりでした。しかし、このままでも問題は無さそうです。薄い透明の膜です。まったく違和感が無いのです。少し考えることにします。

そして午後は「コースター」づくりです。ほとんどの下拵えは終えたつもりです。明日あたりはお届けしたいところです。




2011/01/21(金) 18:54

「越冬事情」・・・カマキリ

今朝は今冬一番の雪です。一尺以上も積もっています。

いつもは沐浴後の除雪です。しかし、今朝は呑気(のんき)なそのレベルではありませんでした。即、6:00前からの除雪になりました。

流石(さすが)にご近所ではまだ行動開始の前です。朝刊と牛乳配達の暗い時刻です。朝の一眠りはかけがえの無い一瞬です。安眠妨害は覚悟の上です。

降って間もない雪です。家の前は30分ほどでアスファルトが見えます。ご近所のお手伝いは沐浴後になりました。

片付けた瞬間は綺麗です。吹雪と一瞬の青空が交互にやってきます。午後にはまた10cmほども積もっています。またまた同じ繰り返しです。

他方、手を掛けていない庭は雪にスッポリ埋まっています。7尺の石灯篭(とうろう)の半分近くが隠れています。「濡鷺(ぬれさぎ)」と命名されている灯篭です。

屋根の雪は2~3℃の気温と太陽で滑り落ちる傾向があります。しかし、年末から、氷点近くの最高気温が続きっぱなしです。部分的ではあるものの、1m以上にも積もっているところもあります。

昨秋、山に入ったK社長と女将(おかみ)さんが、木の高いところに居るカマキリを見たそうです。例年はもっと低い場所で越冬しているのだそうです。それを見た女将さんが、『今年は深い雪になりそうですね。』、と判断したそうです。

やはり、カマキリの判断は正しかったことになります。また、昨夏は暑い日が続き過ぎました。その反動もあるようです。今になって、この雪の頻(しき)りさを納得しているところです。


「工房事情」・・・150%

今日も、日常化している課題と並行して「看板づくり」です。ホテル用です。昨日、文字に漆をのせました。かれこれ5~6回目のようです。

今朝見ると、懸念していた縮みは発生していません。次のステップに進むことができます。まずはめでたしめでたし、です。

次の作業は地の鍛えです。実は、これまでの数回の漆で、地にまで勇み足をしています。やはり修整した方が良さそうです。今日は文字部分のマスキングです。先般使った液体です。

コツコツとした作業です。塗った直後は白濁しています。空気に触れると乾燥し、透明になります。今晩は待機が仕事です。

マスキングの乾燥後、汚れ部分をサンダーで削除します。その後、地に木固めエースを塗布します。そのでき按配をみて、文字の修正の必要、不必要かを判断するつもりです。

午後、この看板の依頼人がお出でになりました。K女史です。他にも相談がありましたが、この看板の途中経過を確認していただくことが主題です。


満足度を63パーセントあたりと予測していました。しかし、150パーセントの評価をいただきました。勿論、その大半は材料にあることは理解しています。

厚さ2寸のキラキラ輝いている青森ヒバです。ま、その分を差し引いたとしても何とかセーフのようでもあります。

残念なのは、明日、取材のカメラがホテルに入ることです。テレビ局です。この看板のお披露目としてはタイムリーだったのです。

事前に知っていれば、拍車をかけることもできた筈なのです。しかし、もう少し鍛える時間が生まれたことにはなります。


前後して、達人のI氏とW氏がお出でになりました。I氏からはまたまたたくさんの情報を頂戴しました。そのひとつは「ガタの修整」です。鉛筆を使うところに昔から伝わる伝統の技術を窺(うかが)うことができます。

また、手鋸(てのこ)用のジグ(JIG)の構造です。これは「行燈(あんどん)」の微調整に使う秘密兵器です。是非活用したいところです。


朝と昼に片付けたものの、暮れた今はまた積もっています。状況によっては3回目の除雪になります。勿論、今冬はじめてのことです。

2011/01/20(木) 19:02

昨晩、若干、10cmほど積もりました。今日もまた早朝、沐浴後の除雪です。

我が家のタイヤショベルは夏分には殆ど使うことはなく、除雪専用です。使い慣れない夏に駆るときは非常に億劫(おっくう)です。

しかし、冬は殆ど毎日使います。降雪が無く、運転しない日は、何となく調子が出なく、物足りなさを感じてしまいます。日常化の恐ろしさのようです。

庭のアプローチにはスノーダンプを使います。これまで数回片付けています。しかし、一晩の雪で元の木阿弥です。今は長靴でも間に合わない藪(やぶ)になっています。


今日も終日、工房生活です。まず、日常化している課題の解決です。並行して「看板」2題です。大きい看板は手をかけ始めてから3週間ほども経(た)っています。課題の山積する中です。時間のかけ過ぎです。


このところ当面している事実は、綺麗な「漆の乾き」です。これには気温と湿度が顕著に反映します。

更に、どうしても厚く塗る傾向があります。MAXを見極めようとする誘惑が絡(から)んでいるからなのでしょう。大抵は、その結果に手直しが待っています。

急がば回れ、は厭というほど叩き込まれてきた歴史があります。しかし、その都度、つい結論を早く導きたくなる人情がしゃしゃり出ます。

頓珍漢(とんちんかん)な例えですが、義理と人情、理想と現実、安易さへの逃避、他力本願、岐路の楽観、ケ・セラ・セラ等の表現にも似た次元です。

今日も手直しです。朝一番の塗り直しです。シワシワや気泡の跡をサンダーで除去します。その後、漆を使った塗り絵です。

ケ・セラ・セラとはいうものの、やはり、乾く過程に発生するかもしれないシワシワが気になります。何回も様子確認にお邪魔することになりました。幸いにも、夕刻の今現在ではまだ発生していません。

漆風呂には入らない大きさです。急遽、小さい部屋が乾燥室です。その部屋には朝から石油ストーブを焚いています。

しかし、就寝時には消さざるを得ない火です。今晩の最低気温はマイナス5℃の予報です。室温は一気に20℃以上も下がります。しかし、この好条件でない中での乾燥の推移は、一度は体験しておくべきでもあります。

勿論(もちろん)、結果が不本意であればまたまたやり直せば良いだけです。とはいうものの、何とか乗り越えていただきたいところです。


昨晩、K社長さんから催促がありました。「行燈(あんどん)」です。実は、30個ほどの下ごしらえは半年前に終えています。

しかし、緊急と認識していなかったことで一休みをしていました。女将(おかみ)さんがヤキモキしているようです。そろそろ腰をあげるべきのようです。





2011/01/19(水) 18:46

昨晩から今朝にかけては殆ど降りませんでした。日中はチラチラと2~3cmの雪です。今晩あたりが要注意のようです。

結局、今日もまた漆三昧(ざんまい)です。まず、ミニ看板(スタンド)の鍛えです。実は、昨日、6面体の裏面を除く5面を塗り直しました。

しかし、微(かすか)ながらもその裏面に、不用意に付着している漆があります。蒔絵の前に、まずその手直しです。

今回は、その裏面のみに止めました。あちらこちらに手を触れないことらか、全体が綺麗に仕上がったようです。本来の塗り方は、このような2段階が正しいようなのです。

ところが、よく考えてみると、一見、無駄足を踏んだようでも決してマイナスの方向に向かっていた作業ではなかったことに気付きます。


そして大きい看板の手直しです。実は一昨日、文字用として「MR極上塗立」を試しました。やはり油断があったようです。心もち厚く塗り過ぎたようなのです。今回も、2枚の中1枚が見事に縮んでいます。やはり、という思いはありますが、少しガッカリです。

漆の魅力のひとつは、この、思うに任せない生態に潜んでいそうです。薄い拭き漆であれば全くといっていいほど問題は無いものです。

また、厚く塗った漆には表面が縮む性質があることは理解しているつもりです。不具合については手直しすればいいだけです。

単なる堪え性(こらえしょう)の問題かも知れませんが、明らかな安全圏ではなく、敢(あえ)て縮まない最大限の厚さに挑みたくなるのは修行中の性(さが)でもありそうです。


サンダーで削り取った後、再び?(三度、四度)の塗りです。今回は、少し手加減した厚さに妥協しました。根性が無い、といわれればその通りです。

サンダーで磨いてもザラつきは残っています。仮に今回が綺麗に乾いたとしても、更に2~3回の重ね塗りは必要になります。

多少、釈然(しゃくぜん)としない心もちです。理由があるとすれば、どうやら、迂回(うかい)する行為が自尊心を瑕つけていることのようです。

ま、つまらない見栄(みえ)の世界なのでしょうが・・・。
2011/01/18(火) 16:53

今日は遠方に出かけるつもりでした。然程の積雪ではないものの、朝、ブルを駆りました。

朝食後、即、スタンド(ミニ看板)の手当てです。これまで3回の拭き漆を施しています。次の段階は「蒔絵(まきえ)」の予定でした。しかし、もう一度拭くことにしました。

文字を入れた後では手直しが難しくなります。蒔絵の前に、憂いの無い地の鍛えをしたいところです。

実は、若干の不本意があります。拭き紙の触れた跡です。妥協の範囲ではあったものの、手を掛けることにしました。

材は、やや厚手の青森ヒバです。直方体の6面体です。これに一気に漆をかける場合、どうしても手で触る部分が出てきます。

プロの方が椀(わん)や皿を扱うときには吸盤のようなものを使っているようです。作品に直接手を触れさせないためです。

我が工房では「拭き紙」を駆使しています。これは漆を適度に拭き取るための専用紙です。しかし、よく拭き取ったつもりでも若干の漆は残ります。その結果、若干ではあるものの、紙の触れた跡が作品に残ります。

今朝の4回目は、6面中4面だけにしました。手をかけるのは裏面だけです。かろうじて何とかなったようです。やはり回を重ねる毎(ごと)に美しさは増します。


昼前、遠方に出かけました。片道2時間ほどの太平洋側です。魚市場です。冬の旬の探索です。若干、求めてきました。その中に「春鱒(はるます)」があります。

例年、3~4月ころに出回るものです。しかも驚くほどのお買い得です。大きいものを数本求めました。「酒塩」に一晩浸けて、明日、軒下に干すつもりです。


その市場の一室で展示会をやっています。半室は木工作品の展示販売です。つい熟視したくなります。若い青年が担当しています。聞くと、その彼が作った作品です。

洗練された古典的なデザインとともに、独自に工夫された現代的なセンスも反映されています。見事です。展示場でまず目を引いたのは硯箱(すずりばこ)と筆箱です。上品で見事な細工です。ケヤキ(欅)の拭き漆仕上げです。

実は、筆者も今朝、拭き漆をしたばかりです。その数時間後です。奇遇でした。つい長居をしてしまいました。許可をいただいて、数点を撮影させていただきました。硯箱と筆箱は筆者の作品ではなく、fkuzy 氏のものです。


当然のようにさまざまな話題に及びます。出身は太平洋側のH市ですが、高校は当地区のK高校です。そのインテリア科です。

20年前のことですが、やはり、お互いに知っている先生がいます。特にS先生のことを知っていることには感激しました。

彼の工房では桐のたんす、座卓、椅子、戸棚、ワークデスク、各種箱等の小物等を製作しています。展示会場では小箪笥(こたんす)が圧巻でした。

また、オーダーメイドにも対応している家具の専門店です。その工房の場所を教えていただきました。是非お邪魔したいところです。

南国と認識していた奄美大島で雪が降ったそうです。110年ぶりとのことです。オーストラリアの豪雨等とともにラニーニャ現象のようです。

他方、奥州最北端ではサンサンとした陽光を浴びてのドライブでした。太平洋側には殆ど雪は無く、乾いた道路です。

2011/01/17(月) 18:46

「越冬事情」・・・石橋

昨日からの積雪は殆どありません。日中は時折チリチリと降る程度です。南の、福井、鳥取、九州等の歴史的な降雪の中、奥州最北端としては恐縮もするところです。

しかし、これまで積もった量は結構なものです。先日片付けた庭は元の木阿弥(もくあみ)に戻っています。どうやら、雪は低いところを探して落ち着くようなのです。

庭の除雪はアプローチ確保もありますが、軒下もあります。屋根から滑り落ちた雪が廊下のガラスを破損させることがあります。その方が優先されます。

また、屋根から自動的に落ちない雪もあります。家の構造上、強い部分もそうでないところもあります。特に、工房の屋根はそろそろ下す時期のようです。

残念ながら、雪下ろしの事故が報道されています。さほど高い屋根には見えませんが、落ちたことでの事故です。身につまされます。

屋根雪の下し方にはそれなりの方法があります。気温の判断もありますが、屋根のどこから下し始めてどこを最後にするか、等です。

丁度、ペンキの塗り方に似ているようです。また、雪下ろしには、かつて、危険な経験をしているかどうかも大事な要素のようです。


かく言う筆者は、ヤバイ、という思いを厭(いや)というほど味わってきました。その経験が「石橋を叩かせる」のでしょう。おそらく大丈夫のようです。


「工房事情」・・・適材適所

「看板づくり」が佳境に入りました。漆を使ったことで、相当な時間を要しました。更に、縮みに悩まされてもいました。今日は、大きい看板2枚の文字入れです。

いつものことですが、その都度、「これが仕上げだ。」、と信じて取り掛かるものの、殆どの場合は手直しの連続になります。しかし、今回は最終仕上げになりそうです。

実は、昨晩、新しい漆が問屋さんから届きました。この日記をご覧になったH氏が「極上生塗立」をすすめてくださいました。初めての出会いです。

朝、早速開始です。今回はテレピン油を使いませんでした。ストーブの傍(そば)に置くことで多少は柔らかくなります。その勢いで書き上げます。しかし、やはり腰は強いです。今回も厚く塗り過ぎたきらいがありそうです。

どうやら、この漆は短時間に乾燥させるタイプのようです。今日の工房には薪(まき)ストーブの他に石油ストーブも活躍させました。

ストーブにはバケツ2個、鉄瓶、薬缶をのせています。それぞれモヤモヤと蒸気を出ています。

話は飛びますが、朝、大きい鍋一杯に水を張ります。その量は、夕刻には空に近くなっています。今日は、工房内に相当量の水を撒き散らしたことになりそうです。


時々、被(おお)いを上げて様子を見ます。6時間経た今のところ、チヂミは見えていません。表面の艶(つや)は理想的です。非常に良い傾向です。やはり、漆にも適材適所があるようです。

話は飛びますが、看板の作り方にはその視点があるようです。それには、どのような雰囲気の場所で使われるかもあります。また、どれだけの距離を隔てて見られるかにもよります。

ミクロ的には精巧であっても、数メートル、あるいは数十メートル離れた距離では訴える内容が半減することがあります。また、その逆もあります。勿論、この看板は後者のつもりです。

数年前の漆の概念は1種類だけでした。ところが今は、工房にあるだけでも数種類に及んでいます。普段、拭き漆に使う「早口上生」の他に「黒上生」、「練緑堅口半消上朱合」、「練黄呂色」、そして表示は見えなくなっていますが朱もあるようです。

この中の「練黄呂色」は「蒔絵」に使う種類です。ある程度の時間を経て変色するのだそうです。これを目安に金粉を蒔(ま)くのだそうです。恐れ入るところです。

本来は今日の蒔絵の筈でした。しかし、まだ気力が充実していないようです。文字の雰囲気は、もう一度今晩の夢の中で考えることになります。実際の地板はまあまあの仕上がりになったようです。


今晩から暴風雪の予報です。日の入りの時刻は遅くなっているものの、それにも増して、5:00前の今ても明るい空です。少し信じ難いです。念のため、明日も早起きした方が良さそうです。

2011/01/16(日) 16:46