タカノハススキ(鷹の羽薄)の葉が明確な白い斑(ふ)を見せています。秋を感じさせます。しかし、昨日の予報では「とんでもない暑さになる。」、ということでした。

やはり、今夏(?年)最高の暑さになったようです。実際には35℃前後です。しかし、感じる暑さはこの数字だけが作用してはいないようです。他との関係で納得できる暑さもあるからです。

実は、今日の気温は、北海道はじめ、首都圏、九州、沖縄等の全国が、いつも涼しい奥州最北端よりも数度も低かったことです。このいつものパターンでない現象が、35℃前後を更に暑いものに思わせている感がありそうです。


今日のテーマは「拭漆(ふきうるし)」の続きです。天気予報をもとに、暑くなる前の朝一番の工房作業です。とはいうものの、滝のような汗です。それが滴(したた)り落ちることが厄介です。

実は、漆の大敵は陽光と塩分です。塩を含む汗もまた不得意とします。汗が作品に触れないように、助手に2~3分ごとに拭いてもらいます。

自分の両手とはいうものの、漆のついたゴム手袋で顔を拭くには少し億劫(おっくう)なのです。結局、10回以上も冷たいタオルのお世話になります。一旦手をつけた以上は、中断することが効率的でない作業なのです。


今日で4回目の拭漆ですが、回を重ねる毎に艶(つや)が変化していることが確認できます。今回は特に明確です。少しビガビガし過ぎた感があるほどです。

話は飛びますが、この派手過ぎる?艶を遠慮したいときには、艶を抑える漆を使います。何段階かの「艶消し上生」という優れものです。

拭き漆のポイントは、塗った漆を斑(むら)なく拭き取ることにあるようです。しかし、拭き取ったものを漆風呂(乾燥室)に移動する際に、掴(つか)んだ跡が残ることがあります。それがカタやムラ(斑)になります。

この解決は、その部分を再び削ってやり直すことに尽きるようです。だらしのない拭き取りには2度手間、3度手間が伴うことになります。次回からはこの修正も兼ねることになります。いよいよ終盤です。


午後は試合見学です。驚きました。これまでの認識と全く異なる規模になっています。

市内の小さい大会ですが、50チーム近くも参加しています。それも東北各県から集まっています。このたびの罹災県からもです。

その盛会さもさることながら、会場の雰囲気が素晴らしいです。会長はじめ役員、審判員等のスタッフのみなさん、そして選手、監督、さらには応援のみなさんの人間性を垣間見る思いがします。見事でした。

明日は表彰式です。その準備のためにまたお邪魔することになります。
2011/09/03(土) 21:20

日中はシトシトとした雨です。昨日ほどの暑さではないものの、作業には膨大な量の汗が伴います。

このところの工房活動は拭漆(ふきうるし)がメインです。この湿度と温度は最適の環境のようです。1日で十分乾わくことからです。しかし、2~3日では解決しない長期戦になります。それは、数回繰り返すことを余儀なくさせられるからです。

拭漆は繰り返すことで密度の濃いコーティングになります。しかし、それ以上?に期待するのは、やはり艶(つや)です今日は3回目になりますが、2回目とは全く違う艶になっています。

並行してティースプーンにも塗っています。コップで余った漆の活用のつもりです。当初は艶の無い木地でしたが、これにも光沢が見え始めています。


今日は更に漆が余ります。「弁当箱」に塗ることにします。これは1年ほどまえ、H氏から譲り受けたものです。当初は木地づくりの参考のためでしたが、この際、仕上げてみたくなりました。

折角の木地です。少し手間をかけることにします。内部は朱、目に見えるところを黒に考えてみます。古典的なパターンです。ひとつの作品に異なる色を使うのは初めてのことです。

色の境界線の捌(さば)きを明確にすることが技術的に難しいようです。事前の準備に根気が伴いそうなのです。

結局、マスキングテープを登場させます。そして液もです。このマスキング液はH氏から紹介されたものです。一度使ったことがあります。本来は筆で塗るようです。しかし、その輪郭(りんかく)を描くことが難しいです。


弁当箱に塗ったものの、更に漆が残っています。卓上帯鋸盤に塗ることにします。実は、先日の雨があたって錆(さび)が発生しています。本来はそれなりの機械油を使うようです。それ以前に、水の心配のあるところに機械を置くべきではないのです。

それはとも角、一般的ではないようですが鉄に塗ることにします。勿論、初めての試みです。このヒントは、韓国の映画劇からいただいたものです。

刀の錆を防ぐために漆を使っていたのです。韓国には、古くから続く、ハイレベルの鉄器文化があります。試してみる価値は大いにあるのです。

2011/09/02(金) 18:48

予報図には雲と傘(かさ)のマークがついていましたが、綺麗な青空の一日です。外出した午後は32℃です。さすがに暑いです。今年の夏は暑い日が続きましたが、そのときの気温に戻ったようです。


今日の課題のひとつは漆塗りです。ケヤキ(欅)のコップを抜漆(ふきうるし)で仕上げるプログラムです。昨日は1回目の塗りでした。今日は2回目です。

1回目の前にも木地調整をしていますが、今日もその必要があります。1回目の後には木地が毛羽立つ傾向があります。今回もそうでした。部分的ではあるものの、ザラザラ感やチカチカ感があります。

2回目に入る前に400番のサンダーで調整します。そして2回目です。単に、塗って拭き取るだけです。1回目はテレピン油が登場しましたが、今日は「上生漆(じょうなまうるし)」そのままを使います。

コップ20個ほどと数本のティースプーン等に要した時間は小一時間です。このティースプーンは、漆が残った際に対応するために準備している木地です。

特に今回のように、木地の数が多いときには、使う漆の量をドンピシャリと予測するには多少の無理があります。ま、副産物のようなものです。


そしてメインテーマは「灰」の洗浄です。これは囲炉裏の灰のリフレッシュ化です。炭(すみ)を使っているものの、1年間ではさまざまな不純物を含んでくるものです。この状態で冬を越すのはだらしないようなのです。

当初はバケツに「灰」を入れ、その中に水を注いで洗うつもりでした。魚や肉を焼くときには特に汚れます。一昨年は大事(おおごと)でした。しかし、今回の「灰」は、不純物は混入しているものの、サラサラ感があります。焼肉は庭に徹していたのです。

結局、フルイ(篩)にかけるだけになります。不純物の正体はさまざまです。燃え残りの炭、小石に始まってピーナッツ、コイン、ボルト等です。汗顔すること頻(しき)りです。

囲炉裏すべての灰の量はバケツ2つほどです。それに対する不純物は小さいバケツ半分ほどです。意外に多いものです。要した時間はほんの30分ほどです。

軽くシットリとした灰に復元できました。しかし、この短時間でできるところに憂いがあります。今まで遅れたことに理由付けができないのです。単にフットワークの作用であれば少し憂鬱です。


夕刻、IK氏がお見えになります。大事な試合が続いているようです。ハードスケジュールです。年甲斐もなく助っ人に刈りだされることになります。


夜はパーティーの招待です。K社長が仕掛けた畑の「収穫祭」です。メインは大中小のジャガイモです。マシュポテト、コロッケ、素揚げ、煮物、吸い物等が圧巻です。他に、トマト、カボチャ等です。


流石にプロの板長のN氏の料理です。何れも見事な味付けです。『ブドウ(葡萄)のようなジャガイモを洗うのは大変でした。』、『まだ食べ頃でないカボチャを美味しく煮るには、それなりの腕が伴います。』、等と舞台裏を披露します。

山のように拵(こしら)えた料理は食べ切れるものではなく、参加者それぞれが持ち帰ります。新しい味が各家庭に普及することになります。

Y女史との会話が弾みます。田んぼの専門家でもあります。『この時期に何日遅れて植えれば、収穫は何日遅れます。』、『この調子で実が入れば、収穫は何俵になります。しかし、あまり期待しないでください。』等、分析してくださいます。

特に魅力的なのは「炭の作り方」です。これまでは頭の中で想像するだけでの憧れの世界です。実は、焚口(たきぐち)のコントロールが曖昧(あいまい)だったのです。

『窯(かま)から出る煙の色で調整します。はじめは黒い煙です。やがて白くなり、そして青白くなります。その様子をみて燃えをコントロールします。簡単です。』と解説します。彼女自身が何年も実践してきた世界だけに説得力があります。

皆さんが聞き入ります。『炭焼きは田んぼが終わってからでした。』の説明に、即、『適当な山があります。やってみましょうか。』、とO社長がその気になります。少し本気になってしまいます。テントでも張って山に篭るのも面白そうです。

2011/09/01(木) 13:30

やや蒸し暑い、薄曇りの日です。午前中は工房の掃除です。中清掃、といったところです。塵取(ちりとり)に入る99%は、ヒバの大鋸屑(おがくず)と微粉末です。丸鋸(まるのこ)、サンダー等から排出されたものです。

それらは全て薪(まき)ストーブに入ります。しかし、とても入りきらない量です。必然(?)的に火をつけます。暑い工房が更に暑くなります。然程(さほど)不快ではないものです。丁度、暑い中、熱いお茶をいただくのに似ています。

夏に煙突(えんとつ)から出る煙にご近所の皆さんが不思議な面持ちのようです。いつものことですが、単に掃除をするだけで創作意欲が湧いてくるのが不思議です。

今日のテーマは漆の塗装です。発注者はT社長さんです。このところお休みしていましたが、ついにお尻に火がつきました。塗装、とはいうものの、拭漆(ふきうるし)には結構な時間を要します。

それは、塗って拭取る、塗って拭取る、の作業を何回も繰り返すからです。しかし、木地を窺(うかが)うことのできるこの拭き漆は、その長い作業時間を忘れさせて余りある満足感があります。捨てがたい世界です。

今日は初日です。まず、木地調整からのスタートです。よく仕上がった木地ですが、流石(さすが)に硬いケヤキ(欅)です。ザラザラ感をサンダーで削除します。そして第1
回目の塗りに入ります。


初回には、「上生漆」に多少のテレピン油を加えます。木部への浸透を促すためです。そのテレピン油は明日には蒸散している筈(はず)です。今日は手始めに、大小合わせて20個に手を掛けます。

その作業中、依頼主のT社長さんがお見えになります。スタートからゴールまでのプロセスを認識することは当然のことなのです。一通りの説明で状況を把握できたようです。

しかし、雲行きが怪しくなります。工房の漆風呂に入っている青森ヒバに目がいきます。同じ拭漆仕上げの器ですが、木地づくりから塗りまでKUROOBIの完全オリジナル作品です。気に入ってしまったようなのです。

聞くところによると、青森ヒバでつくっている方はいないようです。さらに拭漆仕上げです。これも当地では一般的でないようです。大げさになるようですが、世界唯一の発信源になっているのかも知れません。

実際、これまで数百個の作品をつくりましたが、瞬間的に手元から失せています。依頼はあるものの、納品の遅れる人気者です。然(さ)もありなん、というところでしょうか。あるいは、進路変更を余儀なくさせられることも考えられます。


その塗り作業中、友人から呼び出しがあります。『面白いものがあります。お出でになりますか。』、というお誘いです。建材ですが、園芸にも使えそうです。またまた面白くなりそうです。

お邪魔した折り、熔接(ようせつ)作業をしています。これもまた憧(あこが)れの世界です。作業現場で1時間以上も見学させていただきます。アーク熔接には免許が必要です。20年来の夢です。年甲斐もなく挑戦したくなります。

たとえ無謀で果てしなく続く夢ではあるものの、単に挑むだけで実現できそうです。しかし、身辺がざわついてきています。今春に続いて今日もまたラブコールがあります。我儘(わがまま)な腰を如何に宥(なだ)めるかにかかっていそうです。

夕刻になって降り出します。漆にはもってこいの環境です。暑さもさることながら、高い湿度で乾燥するのが漆です。とりあえず、明日は2回目の拭漆になりそうです。

2011/08/31(水) 20:06

朝から終日の薄曇りです。しかし、暑さは健在です。昨日まで続いた青空の間に、「梅干づくり」を試します。これまでの様子ではまあまあの出来のようです。しかし、後始末が残りました。

実は、シソ(紫蘇)を不足したのです。干した梅を包むものです。これまでその調達は市販のものに頼っていました。しかし、今日は、畑から直接採ったものを試すことにします。

この季節には、大抵の畑に群生しています。即、高速道路に乗ります。片道1時間ほどの距離です。

驚いたことがあります。出口が渋滞しているのです。ETCではない、一般車の出口です。これまでは無かった現象です。

前後には殆ど車の姿の見えない、奥州最北端の高速道路です。不思議な光景です。よく解かりませんが、3.11の被災証明の所為(せい)のようです。だとすれば合法の範囲のようです。難しい社会の現状を見せ付けられます。


結局、往復4時間を費やしてのシソの調達です。効率的でない時間の使い方のようです。しかし、実は、今日の本来のテーマはご年輩のA女史と会うことでした。

自慢の庭を一周して説明して下さいます。そのかくしゃく(矍鑠?)さが嬉しいです。

帰宅後、即、梅干の後始末です。無農薬とはいうものの、まずは水洗いです。その後、2回ほど塩揉(も)みして梅酢(うめず)に漬けます。今回の発色は著しいです。作業しているT女史の手が綺麗に染まります。

前回はこれほど顕著でなかったようです。理由はよく解かりませんが、あるいは、鮮度が作用しているのかも知れません。梅干にシソを用いることは、この色を着色することにあるようです。

一般的には、単に、漬けた梅の上にこのシソをのせるだけのようです。しかし、風味もあるシソです。今回は、昔のように、全てを包んで漬けることにします。


午後になって来客です。今更ながら、それぞれに、それぞれの視点や考え方、そして価値観のあることに気づきます。

自力では想像もし得ない世界に触れることができます。不思議な世界ですが貴重な瞬間です。

T社長さんからは催促です。以前から依頼されていた件です。恐縮するところです。明日からは、日課の作品づくりに加えての作業です。ここしばらくの毎日がハードになりそうです。


2011/08/30(火) 19:02

朝の来客です。県内屈指の技術者です。官庁関係の仕事を担当しています。必然的に、お休みの日曜日が工事日になり、今日の月曜日がお休みです。思わぬ研修日になります。様々なコーチをいただきます。


気温は高いものの、このところは予報通りの天候です。今日は晴れから曇り空の筈(はず)です。「梅干づくり」の最終日を予定していました。

めでたく、晴れの午前中に干し、次の工程に進むことができました。先日、シソ(紫蘇)を梅酢に漬けて編集しています。編集、というのは、葉の大小と壊(こわ)れの状況に応じた区分です。そして、これまで干した梅をそのシソで包んで漬け込むことです。

使った器は、結構幅広のホーローです。200~300個の梅はほんの5層ほどです。意外に少ないものです。

よく解からないことがありました。「食べ頃」です。いつものようにWEBにお訊(たず)ねします。漬(つ)けてから3ヶ月経てからだそうです。これは、抜けきっていないアク(灰汁)が解決するまでの時間のようです。

ま、今回は稽古のつもりです。暫(しば)らくの間、成り行きを観察して来年に備えるつもりです。


今日も裏山に行ってみます。昨日に続いてです。昨日見た野花を再び確認するためです。

「ハマナス」が赤くなっていたのです。実は、昔、KEN TAKAKURAが、『遥か 遥か彼方にゃオホーツク 赤い真っ赤なハマナスが・・・。』と歌っていた、その実です。

また、啄木(たくぼく)の、『潮かをる 北の浜辺の砂浜の かの浜薔薇(ハマナス)よ 今年も咲けるや』を知ったのもその頃だったようです。

半世紀以上昔のことです。それ以来、気になる存在のものです。実は、確かめたいことがありました。その味です。「ハマナス」は「浜梨」とも表現するようです。

本当に梨(なし)のように甘いものかどうかを確認したかったのです。試してみます。今まで経験したことのない味です。


やや種は多いです。そして、甘さや酸っぱさは顕著ではないものの、平和な甘さを呈しています。やはり、昔からの言い伝えには確たる根拠があるようです。


そして「オモダカ」です。版(板)画家の志功はこの花で開眼したと云われています。パラリとした白い花弁(はなびら)です。その清楚(せいそ)さが嬉しいです。昨日紹介していないことが気になっていました。

2011/08/29(月) 19:28