昨冬は稀有の多量の雪でした。それに比べて今年は然程でもないと思っていました。ところが、ここ数日の雪は、昨冬の稀有を凌いでいます。車で小一時間の酸ヶ湯も、記録を塗り替えたようです。

昨日、今日と猛吹雪に見舞われています。雪吹の状態では視界は全て白一色です。どこが道路かが解からなくなります。吹雪の中の運転は動物的な勘を必要とします。

昨朝は、つい、左に寄り過ぎて藪に突っ込んでしまいます。車を止めれば後方から追突される懸念があります。前進すれば、前の車に追突することになります。

昨朝も今朝も30cmほども積もっています。朝に除雪し、昼もブルを駆ります。ご近所の皆さんと顔を合わせると、お互いにただ笑うだけです。

雨と違って、音無しに降るのが雪です。早朝、起きて目視で確認しなければ、積もっているか、降っていないかが解からないのが恨みです。正岡子規ではありませんが、深夜、手洗いに行くご婦人に、『いくたびも雪の深さを尋ねけり』のここ最近です。


午前中、県東に出かけます。車で1時間余りの地です。平内、野辺地、七戸を通ります。いつもは野辺地を過ぎる頃にはアスファルトが見えていました。しかし、今日は、野辺地も七戸も猛吹雪です。

県東に雪が降るのは春の兆しである、とされています。氷点下の雪吹も暖かく感じるのが不思議です。

このところ手を掛けていない狭庭はすっぽりと雪に埋まり、四阿(あずまや)と葡萄棚の屋根がくっついています。


七戸のM氏に「応量器」をお届けします。昔、禅寺で修行された方です。奥さんも娘さんも、その「応量器」を見た瞬間、『応量器ですね。』と言って下さいます。驚くとともに、今の時代に、「応量器」を知っている方が居ることに嬉しくなります。



2013/02/23(土) 15:26
昨年は大雪の年でした。その昨年と比べて、今年の雪は少ないと思っていました。しかし、量は同じではないか、という分析があります。

異なるのは、ドカーッと降った昨年に対して、今年は降っては暖気の繰り返しです。その結果、トータル的には同じ量、というというメカニズムのようです。理屈を捏(こ)ねながら、久しぶりにブルドーザーを駆ります。

今日はお休みをいただきます。即、工房に籠(こも)ります。このところ手を掛けている「額づくり」の続行です。先週は、大雑把な組立まで進んでいます。今日の課題は、ストッパーと補強です。

補強は直角二等辺三角形をコーナーに設置するだけです。その固定に「タケクギ(竹釘)」を使うことにします。黒のエンジュに対して、竹の小口の白は少し仰々しいものになります。一瞬、しまった、という思いに駆られます。

ストッパーは、額の下辺を固定するものです。これまでは丸棒を使っていました。しかし、今回は、角材に挑戦してみます。「ホゾ組」です。この加工には、コツコツとしたデリケートな作業が伴います。


嵌(は)め込むストッパーの加工は丸鋸(まるのこ)に頼ります。ホゾ孔はボール盤と鑿(のみ)です。この加工は、孔が大き過ぎると(ホゾが細ければ)ガフガフになり、ビシーッと固定できなくなります。試行錯誤の繰り返しが成功に導いてくれます。

全体の組立を終えた段階で、脚全体の彫刻に入ります。ディスクグラインダーで削ります。しかし、チマチマした彫りになります。ま、ここまでくればいつでもできる手直しです。即、塗りに入ります。

塗料は、額本体と同じ胡桃(くるみ)です。塗って拭き取る連続です。この作業は、座敷のストーブの前で行います。満足度は58%程度です。残りの42%は細工の拙(つたな)さです。しかし、色彩的には大変身を遂げています。

他方、工房は削り滓(けずりかす)で満ちています。小さい額縁をつくるだけだったのですが、足の踏み場も無く天文学的に散らかっています。明日の工房活動は、掃除からの開始になります。


今日は、入れ代わり立ち代わり、友人がお見えになります。地元のさまざまな情報が集まってきます。

その中に、『先日、裏山に白毛のカモシカが出た。このところ毎日、N氏がその取材に山に張り込んでいる。』があります。N氏は終日張り込んでいるそうです。

また、『八幡宮の境内に、変形している銀杏(いちょう)がある。その場所に賽銭箱を置くことになった。工房KUROOBIの賽銭箱を使うことになっている。』、というものもあります。世の中が目まぐるしく変化しています。

2013/02/16(土) 17:06
用事のため大分に行きます。このところ3~4回行っています。空港からの山沿いの竹林が目に付きます。やはり、昔から、この竹を使った工芸品づくりが盛んです。

帰路、その工芸館を覗いてみます。1階が展示場、そして2階は作業場です。展示場には名人クラスの作品が並べられています。感激します。触ることも撮影も禁止です。必死にその雰囲気を頭に叩き込みます。

2階には20人ほどがいます。編む人や部材づくりをしている皆さんです。指導者はご年配のY氏です。早速、話しかけます。そして名刺を交換します。名刺には「籠師一級技能士」と書かれています。号は「昌伯」です。

基本をマスターできさえすれば、あとは想像力と稽古でなんとかなりそうです。『3週間ほどて何とかなりますよ。』という「籠師(かごし)」のすすめもあり、少し本気で、弟子入りしたくなります。


帰り際、籠師のY氏が、『昨年の秋に考えたものです。これをお持ちください。』と、つくったばかりの作品をすすめてくれます。

それは、今年の干支(えと)をテーマとした、ハイレベルの技を駆使したものです。頭部には節を利用し、胴体は数枚に割ったものを縄状に編んだ「蛇」です。

巧緻な技と素朴さとのバランスが見事です。そして、『これもどうぞ。』と、編む前の、竹を割った状態のものもすすめてくれます。「編むときに水を使うのではないですか。」と聞いてみます。Y氏は、我が意を得たり、とばかり、さまざまな技について教えてくれます。

何のお返しもできない当方は、代わりに「名刺入れ」をプレゼントします。昨年つくったばかりの試作品です。普段使っていることで、やや瑕はついていますが、「青森ヒバ」ということで、Y氏も喜んでくださいます。


この名刺入れは、I氏とW氏のヒントをいただいたものです。10枚ほどを入れるのに最適です。特に、ストッパーをつけていることで、一度入れたものは簡単に滑り落ちない仕掛けになっています。その仕掛けにも驚いてくれます。当方も、我が意を得たり、です。

話は飛びますが、大分の街路樹は「ソテツ(蘇鉄)」と「ヤシ(椰子)」です。本来は、地元に自生していないようです。丁度、ロサンゼルスの街路樹と同じようです。ロサンゼルスは砂漠につくった街です。勿論、自生するヤシはなく、他から運び込んだものです。

63時間の旅を終えて奥州最北端に着きます。駐車場の車の屋根には、3日前の雪がそのまま残っています。


2013/02/13(水) 18:39
昨日は高崎に泊まります。はじめて訪れた地です。大宮から熊谷を経て日本海に向かう途中にあります。よく解りませんが、上州街道や信州街道に関係がありそうです。

一昨日、新幹線で雪の奥州最北端を発ちます。雪は、次第に薄く変化し、大宮に着く30分前頃からは、その白は車窓から全て消えます。

初めて乗る新幹線です。勝手を理解していなく、まず、駐車場でウロチョロします。車を留めた3階から駅までの経路を真剣に探します。駐車場から駅までは渡り廊下があると思っていたのです。空港のつくりが先入観念にあったからのようです。結局、1階に下りて地上を歩きます。

駐車料金は、30分までは無料、その後は200円だったようです。しかし、30分を経過するごとに料金が加算される仕掛けになっています。

一瞬、3日間ではどうなるのかを考えてしまいます。しかも、早朝から夜までです。クラクラしてきます。・・・あとで、『終日では1000円のはずです。』と聞かされホッとします。

これも後で聞いたことですが、隣駅のS駅には駐車料金を課していないようです。そのため、わざわざ、S駅まで移動して乗る方が多くなっているとのことです。このメカニズムは、ますます新A駅の人気を失わせることになりそうです。

ちなみに、始発駅からS駅までは、新幹線では10数分、そして、車では1時間30分ほどです。不思議な文明の利器です。

高崎の空は真っ青で、さんさんと陽光が降り注いでいます。しかし、体の水分を抜き取られるような冷たく乾燥した空気です。これが上州名物の空っ風なのか、と初めて認識します。そして緯度的距離を感じさせます。

つい2~3日前、仲代達也と岩下志麻の「北の蛍」を観ます。20年以上も前にも観た映画です。極寒の北海道が舞台です。高崎のカラカラ天気で、雪の有無の違いを明確にさせられます。同じ時間的次元での環境の異なりです。

今日は九州に飛びます。未明、リムジンバスで高崎から羽田に向かいます。3時間弱です。羽田から九州までは1時間少しです。ここでも、空間的距離と時間的距離の違いを見せ付けられます。

大分で、満開の梅を見ます。巨大な古木です。ここでも緯度的距離を感じます。奥州最北端の桜は4月末です。首都圏では一ヶ月先んじて3月末が花見の頃です。この緯度的距離も、二次元の直交座標軸では表現し難いようです。

先に咲くことと送れて咲くことの違いの意味はよく解りませんが、わずか1~2時間の空間的距離が、それぞれ異なる現象を呈していることが不思議です。

大分空港から市内に向かう途中は竹林です。


2013/02/12(火) 10:25
雪の降る中、工房に篭ります。「額」の目処がついたところです。即、スタンドづくりに挑みます。

材料を額と同じエンジュにします。先般、1本の枝を4半分にしています。それを組み立てることにします。

7本のパーツを接(は)ぎ合わせることにします。「ホゾ接ぎ」というようです。両者を凹凸にしてドッキングする方法です。

この凹凸の加工が厄介です。特に凹部分は不得意です。昔の大工さんは鑿(のみ)と金槌(かなづち)で行ったようです。

現代では「角鑿(かくのみ)」があります。我が工房にも存在するのですが、刃がボロボロで今は使えない状態です。酷使しすぎた所為です。結局、ドリル、鑿、金槌を使います。

一般的なホゾ孔は四角いようですが、今回は途中で、ドリルだけの丸い孔になってしまいます。ま、さほどの問題はなさそうです。

ホゾ孔にホゾがヒタリと吸い付くように、今回は、ホゾの差込みに万力(まんりき)を使ってみました。普通のクランプでは力が及ばなく、隙間ができたからです。

ある程度ビシーッとなったようです。しかし、仕上がりはまだまだです。やかて形を整える作業があります。彫刻のような作業です。

来週の楽しみに残すことになります。
2013/02/10(日) 18:35
今日は日曜日です。明日から3日ほど遠方に出かけることで、工房作業に拍車がかかります。

このとろこ「額」をつくっています。100円ショップでも見かける額ですが、延々と時間を消費しながらつくっています。大切な写真をいれるための額です。

フレームの組み立ては終えています。今日は、内部のダストカバー、裏板、そしてトンボの取り付け作業です。ダストカバーをアクリル板にします。窓枠に合わせて裁断します。

ツールを丸鋸(まるのこ)にします。実は、アクリル板をカットする専用のツールはあるのですが、作業が大変です。それは刃の無いカッターナイフのようなものです。裁縫の「瑕箆(きずべら)」に似ています。

やや尖っている先端をアクリル板にあてて何回も同じ場所に瑕(きず)をつけ、パンと割るのが一般的です。しかし、同じ場所に瑕をつけることは至難です。

丸鋸(まるのこ)を使う場合は、刃の高さをアクリルの厚さの半分ほどに設定しています。これも失敗から学んだ技です。刃の高さを板の厚さ以上にするとアクリル自体が砕けてしまうのです。

失敗することで学習した技です。おそらく、プロの方々にとっては常識の世界です。しかし、ズブの素人には驚くべき大発見でした。


いよいよ裏板の設定です。本来?であれば、ベニヤ板やPDFで十分なのですが、今回は気合を入れてケヤキ(欅)にします。

額の裏面は見られる機会は殆ど無いのですが、隠れている部分だけにこそ気を使いたくなるのです。江戸時代の倹約令の出たとき、着物の裏地に贅(ぜい)を凝らしたことがあったようです。そのことと少し似た心境です。

凹凸のある表面と違って、額の裏面は平面です。見比べると裏面のほうに見応えがありそうです。繰り返しになりますが、表側は頗(すこぶる)る質素を演出しています。面白くなりそうです。

そしてトンボです。購入すると1個3円~4円の世界です。効率的には買った方がお利口さんです。しかし、これを手作りにすることに意味があります。これもケヤキにします。勿論、端材です。



太さの異なるエンジュの枝からスタートしました。4辺のフレームは高さはまちまちです。最初は頓珍漢な具合です。

しかし、その寸法の違いが不思議な和みを演出しているようです。和みや調和は、整ったものよりも不揃(ふぞろ)いの中にこそあるのかも知れません。


2013/02/10(日) 18:33