
用事のため大分に行きます。このところ3~4回行っています。空港からの山沿いの竹林が目に付きます。やはり、昔から、この竹を使った工芸品づくりが盛んです。
帰路、その工芸館を覗いてみます。1階が展示場、そして2階は作業場です。展示場には名人クラスの作品が並べられています。感激します。触ることも撮影も禁止です。必死にその雰囲気を頭に叩き込みます。
2階には20人ほどがいます。編む人や部材づくりをしている皆さんです。指導者はご年配のY氏です。早速、話しかけます。そして名刺を交換します。名刺には「籠師一級技能士」と書かれています。号は「昌伯」です。
基本をマスターできさえすれば、あとは想像力と稽古でなんとかなりそうです。『3週間ほどて何とかなりますよ。』という「籠師(かごし)」のすすめもあり、少し本気で、弟子入りしたくなります。

帰り際、籠師のY氏が、『昨年の秋に考えたものです。これをお持ちください。』と、つくったばかりの作品をすすめてくれます。
それは、今年の干支(えと)をテーマとした、ハイレベルの技を駆使したものです。頭部には節を利用し、胴体は数枚に割ったものを縄状に編んだ「蛇」です。
巧緻な技と素朴さとのバランスが見事です。そして、『これもどうぞ。』と、編む前の、竹を割った状態のものもすすめてくれます。「編むときに水を使うのではないですか。」と聞いてみます。Y氏は、我が意を得たり、とばかり、さまざまな技について教えてくれます。
何のお返しもできない当方は、代わりに「名刺入れ」をプレゼントします。昨年つくったばかりの試作品です。普段使っていることで、やや瑕はついていますが、「青森ヒバ」ということで、Y氏も喜んでくださいます。

この名刺入れは、I氏とW氏のヒントをいただいたものです。10枚ほどを入れるのに最適です。特に、ストッパーをつけていることで、一度入れたものは簡単に滑り落ちない仕掛けになっています。その仕掛けにも驚いてくれます。当方も、我が意を得たり、です。
話は飛びますが、大分の街路樹は「ソテツ(蘇鉄)」と「ヤシ(椰子)」です。本来は、地元に自生していないようです。丁度、ロサンゼルスの街路樹と同じようです。ロサンゼルスは砂漠につくった街です。勿論、自生するヤシはなく、他から運び込んだものです。
63時間の旅を終えて奥州最北端に着きます。駐車場の車の屋根には、3日前の雪がそのまま残っています。