
今日も青空の綺麗な小春日和です。このところ、1週間ほどを費(つい)やして工房の大清掃を断行しています。
話は飛びますが、全国ネットの、大きい会社には転勤があります。彼らには、このことに備えての生活の知恵があります。過去、2~3年の間に使わなかったものは処分する、というものです。
過去に使わなかったものは今後の2~3年でも使わない、という考え方で、処分するのです。その意味では、我が工房が出来た当初から手のかけられていないものも、処分すべきようでもあります。
今回の大清掃には、勇気を奮(ふる)って、その考え方を断行する意気ごみで臨みます。しかし、いざとなるとビビリます。いつか必要になるかも知れない、という思いが先立つのです。
結局、大鉈(おおなた)を揮(ふる)うまでには至らなかったようです。しかし、全体の雰囲気は、工房竣工(しゅんこう)の時点にリセット(reset)された感が大です。お見えになる皆さんが『広くなりましたね。』と言ってくれます。
室内にある物の絶対量は然程(さほど)変わってはいないのですが、整理整頓によって空間が生まれているのです。そして、この清掃期間中、事ある毎に掃き掃除をしています。何となく、床に光沢が生まれているようでもあります。一変すること頻(しき)りです。

完璧な状態にはまだ遠いようです。しかし、突然、何かを作りたくなります。不思議な、業(ごう)とも習性とも思われる条件反射です。
いつもの現象です。しかし、今回はそれに加えて、それぞれの機器の使い勝手の確認もしたいところです。プレナー、手押しカンナ、スライド丸鋸、昇降盤等です。
特にプレナーは、高さを低くしています。椅子に座っての作業を目論(もくろ)んでのことです。集塵機の位置も変えています。それらの確認です。
課題を「座椅子」にします。実は、以前から手掛けたかった課題だったのです。詳しくは、「畳用ロッキングチェアー」です。要するに、「脚の無い座椅子」ということになりそうです。
英語では「legless rocking chair for use on tatami」になるようです。実際は、このようなものがあるかどうかは定かでないものです。或いは、世の中には歓迎されない存在なのかも知れません。
確かに、使っている姿を想像すると、あまり良いとは言えないお行儀のようです。また、いざつくる段になって、何でも知っているWEBにお訊ねしても、手本となる適当なものを探すことができませんでした。
例によって、試行錯誤だけを盾にしながら、未踏の路を歩むことになります。「枕」同様、何脚か、或いは何十脚かはつくることになるのかも知れません。

とはいうものの、試作の一作目で完璧を目指したいところです。この段階の精神状態は、結構、複雑なものがあります。「失敗しても、また作り直せば良い。」とはいうものの、1回の試みで完璧であれば、それに越したことは無いのです。
今日の材料はプラムです。数年前、近くの庭のものを伐り、W製材所で1寸5分ほどに製材してもらったものです。多少の勿体無さはありますが使うことにします。まず、畳に触れる「弓」です。そしてフレーム材のつくりです。
ツールは、弓の曲線も垂木(たるき)の直線加工もジグソーに頼ります。使い方の幼稚さからか、2枚の刃を折ります。いつもながらパワフルなツールです。
第一歩は踏み出しました。あとは、只管(ひたすら)の作業だけです。完成した rocking chairに、無防備に体を委(ゆだ)ねて、ドリンクをいただきながらダラダラしている姿の想像が、そのエネルギーになるようです。