その年の雪の量は、単に降った量ではなく、蒸散の多少との関係によるようです。降った量が少なくても、それが殆ど融けなければその量は多くなり、降った量が多くても、融ける機会がタイムリーであれば、その年の雪は少なくなります。

今年は後者です。雪が降った後に、雨や高温になる繰り返しです。例年の2月は、最も雪の多い時期です。しかし、節分の今日は、庭の「渡り石」が露出しています。皆無に近いです。稀有(けう)の少雪です。

昨秋の予報を思い出します。10月まで続いた暑さを根拠として、『今年の雪は顕著に多い。』、が一般的だったようです。それが信じられるほどの暑さでした。

しかし、今になってみると、丁度、卑弥呼(ひみこ)が鏡でやっていた予言のように思われてきます。尤も、このままでは済まない筈の冬将軍様です。心づもりだけはしておくに如(し)くは無さそうです。


工房では「霰(あられ)組み」の練習です。具体的には「枡(ます)づくり」です。先般、5合枡をつくり、「拭漆(ふきうるし)」の塗装をしているところです。一昨日、2回目の塗りを終え、1日置いた今日は、3回目になります。顕著ではないものの、それなりの艶(つや)が生まれています。

昨日は、接着剤を使わない組み立てを試します。具体的には、木工ボンドを使わない方法の模索です。実は、乾いたボンドであっても、日本酒や水等に浸されることで、接着剤自体が融ける傾向があります。御酒の容器としては悩む課題です。

昨日は「ビス留め」を試みます。1時間ほど経った後には、微かに滲(し)み出る程度の変化です。妥協の範囲です。しかし、その後、水を入れて一晩置くと、入れた水の全てが漏れ出しています。


しかし、これについての問題は殆ど無さそうです。その理由のひとつは、年齢です。一晩も枡に入れたままで飲み明かすことは考えられないのです。また、酒と水では浸透力に違いがあります。粘度の高い日本酒は、水とは全く弱い浸透力です。何とかなりそうです。


今朝、Y製材所から青森ヒバが届きます。枡(ます)の材料です。やや厚い、7分板のヤクモノです。粗末にならないように有効活用するつもりです。


夕刻になって、チラチラと降り出してきます。日中の気温では考えられないことです。今晩から明日にかけての将軍様は、少し気合が入るようです。

2014/02/03(月) 17:19

朝はシバれていましたが、午後の雨とともに、緩んできます。例年の今頃と比べると、顕著に少雪です。ご近所のご挨拶は『楽ですね。』です。一般住民としては良しとする傾向があります。

今日は日曜日です。工房作業はお休みするつもりでした。実は、昨日の、枡の「拭漆」がまだ乾いていなく、3回目に進むには無理があったのです。しかし、結局は嵌(は)まってしまいます。実は、「枡(ます)」づくりのプログラム自体に気がかりがあったのです。


接着剤を使わない組み立てが可能かどうかが明確でなかったのです。これは、枡で御酒をいただくことの正義に関わっています。一般的な市販の枡には木工用接着剤が使われています。しかし、我が工房では、極力、拘(こだわ)らなければならないプログラムです。

その解決案として、先般、やや冗談半分にビス留めを考えました。ビスには、部材同志を引き付け合わせる力があるからです。しかし、実際に試してみなければ机上の空論に過ぎないものです。

試すこと無しに悶々とするのは、精神衛生上、如何にも宜しくないものがあります。即、行動開始です。枡の側面には、以前つくったものを使います。作業は、新しい底板をビスで貼り付けるだけです。下穴をあけてから揉みます。しかし、今回の板は薄いことから、インパクトドイバーの力は加減します。

作業はこれだけですが、実験はこれからです。つくった枡を皿に載せて日本酒を注ぎます。ドキドキする瞬間です。考えられる結果は、即、ダラダラと洩る、数分の経過とともに洩る、まったく洩らない等です。結論は、注いだ直後は、洩る気配は全く感じられません。


しかし、1時間ほど経つと2面に微(かす)かな滲(にじ)みが現れます。この程度であれば、全く、といっても良いほど問題の無い状態です。期待以上の結果です。

今回は様子を見るだけのものです。実際は、ビスの頭はダボによって隠れます。見栄えはもう少し良くなりそうです。

確認後、実験に使った御酒をいただきます。青森ヒバの清涼な香りが素晴らしいです。「益々繁盛(ますますはんじょう)」は、2合半の枡2個でも良さそうです。当面は、2合半枡づくりになりそうです。既に昨日、材料の手配を終えています。面白くなりそうです。


2014/02/02(日) 18:04

流石に、「着更着(きさらぎ)」の2月です。朝の路面はバリバリと凍っています。それでも、あと数日で立春です。緑の萌える春は、実際にはまだまだ先ですが、春と聞いただけで、この寒さに耐える力が湧いてくるようです。


このところ、「霰(あられ)組み」の練習をしています。その延長上に「枡(ます)」が出てきます。形やつくりは単純ですが、実際につくろうとすると、結構、奥深いものがあります。先般、日記に紹介した接着剤もそうですが、部材の種類、そして厚さや寸法、そして大きさ等に研究の余地がありそうです。

今回の「5合枡」には、青森ヒバを使っています。米等の穀類を計るものとしては不適当のようです。一般的に、穀類のメジャーカップには、広葉樹の固い木を使うようです。昔、近所の米屋で見たものはすり減っていました。それだけ酷使されていたようです。その酷使に耐えるだけの固い材を使っていたようです。

また、材の厚さを5分(約15mm)にしています。全体の寸法には正解がありそうですが、今回は、120mm×120mm×62.5mmにしています。エクセルで計算してみると、900(cc)となるようです。この大きさは、節分の豆の入れ物としては良さそうです。

しかし、5合枡は、御酒の入れ物としては少し大きいようです。2合5勺?夕(2合半)をつくりたくなります。結果的に、内容量が450ccになれば良いのでしょうが、この、寸法のバランスがよく解らないところです。


話は飛びますが、『座(立)って半畳、寝て一畳、天下とっても2合半』の諺(ことわざ)があります。この「2合半」は、「一食に2合半の飯は食べることはできない。」という意味のようです。権力や名誉欲、そして物欲を嘲笑(あざわら)った格言のようです。

織田信長が定めたといわれる枡です。流石に歴史を感じさせます。今は、単に、計量器としてだけではなく、縁起物やインテリアとして使われています。祝杯、「福は内」の豆まきの器、花器、ワインや酒瓶の袴(はかま)等です。

また、駄洒落(だじゃれ)めいたものもあります。「一斗二升五 合」を「五升倍 升升 半升(御商売 益々 繁盛)」と読ませています。その他、小さい5角形の枡で、「ゴカク」を「合格」と読ませて縁起をかつぐストラップまでもあるそうです。

結構面白そうです。しばらくは、この「枡」に嵌ることになるかも知れません。今は5合枡をつくっていますが、やがて「2合半」バージョンにするつもりです。

さて、昨日、1回目の「拭漆(ふきうるし)」を施した「5合枡」は、今日2回目です。まず、生地調整です。全体にサンダーをかけ、滑らかにします。これは毛羽立ちによるザラザラ感の削除です。

漆の塗り方は、「生漆(きうるし)」を木肌に直接載せ、それを木箆(きべら)で延ばします。それを拭き取るだけです。木箆(きべら)を使うようになったのは最近です。これまでは筆を使っていましたが、先般、F県の漆問屋から、箆(へら)を使う方法を伝授されます。少量の漆で済むようです。

まだ2回目ですが、結構な艶(つや)が出ています。



2014/02/01(土) 16:21

昨日は4月中旬の気温にもなります。昨晩の時ならぬ雨は顕著に雪融けを促しました。そして、今日の寒さです。その差は14℃以上です。寒くなって、あらためて今が冬であることを思い知らされます。


午前中、研修に参加します。林業試験研究・林業普及・森林土木発表会です。その中に、木製遊具や家具の開発の研究発表があります。それを聞くためです。世の中を知る良い機会です。そして、創作意欲の増幅のためです。I氏、W氏とともに参加します。


何となく、作品自体にギコチなさを感じます。その理由は、おそらく、作品づくりの条件に、指定された県産材を活用する制約があったからのようです。不謹慎ながら、参加した証拠を残すために、敢えて、いくつかの質問をします。


今日の工房活動は、研修に出かける前の朝です。テーマは、「枡(ます)」への塗装です。塗料について迷ったものの、結局は「漆(うるし)」になります。「拭き漆」です。1回目は、テレピン油を混ぜて塗ります。木部に深く浸透させるためです。


薄い木箆(きべら)で数回擦り込みます。その後、専用の紙でふき取ります。木目に沿った方向で、躊躇(ちゅうちょ)なく拭き取ります。

黒の生漆(きうるし)を青森ヒバに塗ると、若干の赤味を帯びる傾向がありますが、やがて黒くなります。そして、塗り重ねると艶(つや)が出てきます。艶を出したくないときは、1~2回で終えることもあります。

今回のフィニッシュのタイミングは、その艶の様子を見ながら決めることになります。節分までに間に合わないことも考えられます。

2014/01/31(金) 17:44

工房のストーブに載せている鍋(なべ)の水が今朝も凍っています。しかし、今日は8℃にもなる、という予報でした。その予報通りになります。というか、予報以上です。

昼前に外出した折、自宅近辺で10℃です。そして県東の太平洋近くの気温計は14℃です。まだ1月の大寒の中でのこの気温です。気温自体もそうですが、昨日との隔たりの大きさに驚かされます。そして、明日は再び、最高気温が氷点下の真冬日の予報です。

帰宅は薄暗くなった夕刻です。予報通りの雨です。しかし、ポツリポツリとした程度です。雨雲にもかかわらず、いつもよりも明るく感じます。只管(ひたすら)夏至に近づいていることを実感します。



外出前の1時間ほど、今日も工房に入ります。テーマは、昨日手をかけた「5合枡」の組み立てです。組み立ての際の課題に「糊(のり)」の使い方がありました。しかし、この「5合枡」に日本酒を注ぐことは無さそうです。安易に、木工用接着剤に頼ります。

組み立てには、前回同様、バイス(万力)の力を借ります。その作業の中、W工房と会話します。彼曰く、『正確に加工されたものは適度なフィット感でピシーッと組み立てることができます。強力な万力に頼るようでは、ジグ自体が正確でないのかも知れません。』と診断します。ま、何回か繰り返す中で体得するつもりでいます。

底板も貼り付けます。これも、単に、糊をつけて密着させるだけです。しかし、数本ものクランプが活躍します。夕刻、生地(きじ)と目地の調整です。清純無垢(むく)な青森ヒバとの対面です。触るだけでも憚(はばから)られる清楚な姿です。大変身です。


その清楚さを、何とかフリーズ(frieze)させておきたいところです。やはり塗装です。「木固めエース」にも「漆」にも触手が及んでいます。何れを選択するかは、今晩の楽しみです。


万能細胞が作製されました。まだその意味は解りませんが、おそらく不老不死に関係するようです。そして、全ての価値観をご破算にする力を持っていそうです。大変なことになりそうです。明日は、研究発表会に参加する予定です。

2014/01/30(木) 18:52

最高気温が氷点下の真冬日です。昨日はプラス3℃ほどでしたが、昨日も今日も、同じような寒さです。


午後の一時(いっとき)工房に入ります。実は、昨日までの「霰(あられ)組み」が気がかりでした。その確認と試みです。まず、組み方です。昨日までつくったのは左送りです。右送りと左送りの何れが正解かはよく解りませんが、今日は右送りの練習をします。

この機に、本物?の枡(ます)をつくることにします。実は、間もなく節分です。その豆の入れ物としてです。今回は「5合枡」を考えます。5合は900ccです。内寸は120mm×120mm×62.5mmになるようです。


因(ちな)みに1升枡(いっしょうます)は4寸9分×4寸9分×2寸7分で、約、148.5mm×148.5mm×81.8mmのようです。これは、織田信長が定めたものと言われています。

計算上では、1升枡は正確な1800(cc)にはならないのですが、5合枡はピタリと900(cc)になります。

まず、側面となる4片をつくります。そして、先般のジグ(jig・冶具)でアラレ加工です。この段階で、右送りになるように仕掛けをします。板材の表裏に拘らなければ、どのように加工しても良さそうです。しかし、勿論、拘ります。

仮組みしたものに合わせて底板をつくります。あとで目地調整があります。大雑把にカットするだけです。今回の底板は、全体と同じ厚さにします。作業は極めて短時間のうちに終わります。


まだほんの仮組み段階ですが、その風貌には、歴史が育んだ跡と不思議な美しさガ刻まれているようです。その本質は、贅肉(ぜいにく)をとことん削(そ)ぎ落とした結果の清潔さのようです。

60年以上ぶりに対面する「5合枡」です。子供の頃、「米櫃(こめびつ)」で見たものはもっと大きかったようです。思わぬ邂逅(かいこう)です。懐かしさがこみあげてきます。


2014/01/30(木) 08:13