肌寒く霧雨の朝です。『筍(タケノコ)がよさそうだ。』の友人の誘いで、午前中の若干時間、裏山に出かけます。山の空気には不思議な浄化力があるようです。その清涼な空気が肺の奥深くまで侵入し、淀(よど)んだ空気と入れ替わります。

表面的にはタケノコがテーマです。しかし、本来は、足腰の鍛錬(たんれん)と山の空気に満たされることを目的とします。朽ちる寸前の体が、山々の「気」でリフレッシュされるのを実感します。目的地は、細い「ササダケ(笹竹)」と、それよりもやや太い「ネマガリ(根曲り竹)」の混生地です。

今日は日曜日です。やはり先客がいます。車に会社名が記載されています。『彼とはよく会うのです。』とT氏が言います。竹は斜面に生えています。そして蔓(つる)が足に絡(から)み付きます。車を止めた場所から1~2分の距離で採るのですが、その条件下での移動は、一般的なスポーツの甘いトレーニングとは別格の次元です。堪能します。


少しですが、今日も工房作業を楽しみます。昨日までは「木地調整」でした。今日は、「水洗い」だけがテーマです。昨日の状態で「拭き漆」に進んでも良いのでしょうが、木地に付着している微粉末が気になります。バケツに水をとって洗い流します。朝は、その水が非常に冷たく感じます。


午後、ギターが届きます。先日のオークションで落札したレキント・ギターです。因(ちな)みに、「レキント」には、「5度(?5半音)高い音」という意味があるようです。40年~50年前に流行(はや)った「ベサメムーチョ」のトリオ・ロス・パンチョスや、「小樽のひとよ」で鶴岡雅義が使った「小型ギター」のことです。

実は、筆者の手が小さいことから、筆者は昔からこれを使っています。数十年も慣れ親しんできた楽器ですが、専門家の指導を受けなかったことからか、上達のまったく無い数十年でした。丁度、「メビウスの輪」を巡っているようなものです。話は脱線しますが、この「メビウスの輪」は、市内のA高校のマークになっている「無限の徴(しるし)」です。

濡れタオルで数回拭いた後、即、調弦して弾(ひ)いてみます。尤も、正確な調弦の仕方はよく理解していないところです。WEBによると、「ピアノのFをレキントのCにする。」とあります。また、ピアノの音にすると、1弦=A(ラ)、2弦=D(レ)、3弦=G(ソ)、4弦=C(ド)、5弦=E(ミ)、6弦=A(ラ)ともあります。クラクラする次元です。ピアノが無いことから、ギターの4弦を「調子笛」を使ってEに合わせてみます。この相関が正しいかどうかは、後刻の検証に委ねることになります。


結構、使い熟(こな)された跡の窺えるギターです。しかし、楽器の評価は、その新旧や瑕(きず)の有無でするものでは無さそうです。ブワーンとした良い音を出します。ゾクッとします。このレキントは、上京の際、YA楽器店で買い求めてきました。これまで7~8本を調達したようです。

しかし、その都度、自宅にお見えになる皆さんにお土産としてプレゼントしています。今回の到来で、ようやく3本のレキントが揃(そろ)います。これは、演奏というよりも伴奏用です。これまで、夜の食事の折に毎日弾いています。

簡単なコードで適当に弾くだけですが、歌う側にとっては、オーケストラのように心強い存在なのです。これからはクラス会にむけてのメニューを意識することになります。尤も、そのクラス会の実施については、全く話題になっていない次元のものです。


午前中寒かったものの、昼過ぎには青空になります。しかし、部屋ではストーブのお世話にならざるを得ない奥州最北端です。今もって、天気予報の情報は、どこの地方のものか解からないものです。夕刻お見えになったK社長がタケノコのレシピを教えてくれます。折角の香りを逃さない方法です。

2014/05/18(日) 19:29

昨晩も雨に恵まれます。今日の昼は、やや風はあるものの、見事な「五月晴れ」です。やがて暗い空になります。雨、青空、曇天、風、とさまざまな表情を見せます。


ついこの間まで氷で覆われていた庭は、今ぞ、とばかり春を主張しています。ツツジ(躑躅)は次々に開花しています。今日は薄紫の花が咲いています。この名前は「大紫(おおむらさき)」というようです。勿論、自信のほどは弱いレベルです。1年に一度、庭が華やかさに満たされる瞬間です。

ヤマシャクヤク(山芍薬)の蕾(つぼみ)が白っぽくなっています。まだまだ、と思っていましたが、早晩には咲きそうです。変化のスピードに驚いています。プックリとした白い花びらです。しかし、この花が花でいられるのは一瞬です。1日から2日ほどで、バラバラと散り急ぎます。

数年前までは、花の盛りを見届けることの出来ない春を過ごしていました。うっかり、もありましたが、忙しさのためです。しかし、今年は20本近くもあります。見損なうことはなさそうです。実は、昨年、このことを友人に話したところ、たくさんのヤマシャクが集まったのです。それぞれの開花はまちまちのようです。今年は、卵のような宝石を心行くまで堪能できそうです。


午前中は工房作業に夢中になります。今日のテーマも「木地調整」です。昨日残した半数近くに挑みます。作業内容は、不要箇所に付着した「埋め材」の除去です。効率性には疑問はありそうですが、仕上がったときの不満足さを思うと、通らなければならないプロセスのようでもあります。しかし、この工程は表面には現れない、謂(い)わば、派手さの無い地味な舞台裏です。

とはいうものの、作品づくりには欠かせないプロセスです。今日の作業は、完成後に涼しい顔をするための、血みどろの格闘のようなものです。やがて、ある日突然、フッと息を吐きながら、納得する瞬間に出会うことを想像しながらの作業です。


午後は曲の編集です。実は、歳が歳です。同年代が集まって親交を深める機会をつくるつもりです。その際、昭和に流行った想い出の曲をガンガン歌うつもりです。いわば「私たちの昭和メドレー」です。その殆んどを、簡単な、AM、DM、E7に限定することを考えています。


「夢は夜開く」(作詞・石坂まさを 作曲・曾根幸明)、「百万本のバラ」(訳詩・加藤登紀子 ラトビア歌謡)、「二つのギター」(ロシア民謡)、「水色のワルツ」(作詞・藤浦洸 作曲・高木東六)、「みだれ髪」(作詞・星野哲郎 作曲・船村徹)、「女の意地」(作詞・作曲: 鈴木道明)、「氷雨」(作詞作曲・とまりれん)、「赤いハンカチ」(作詞・荻原四朗 作曲・上原兼六)、「二人の世界」(作詞・池田充男 作曲・鶴岡雅義)、「愛しき日々」(作詞・小椋佳 作曲・堀内孝雄)等です。

おそらく、多くの皆さんの自分史に登場する筈の曲です。伴奏をレキント・ギターにします。先日、そのギターをオークションで落とします。提供者との情報交換では明日には届くようです。歌い手は問題ですが、何とか実現させるつもりです。

2014/05/17(土) 16:37

昨晩から今朝にかけて雨に恵まれます。待望すること頻(しき)りの雨です。そして今日は、午後から再び降り出します。静かですが長時間に及ぶ降雨です。水道からの散水とは次元の異なる水量です。多くの皆さんが天の恵みを味わっている筈です。


今日の作業会場は庭の四阿(あずまや)です。テーマは「木地調整」です。前回、マスキングテープで養生し、「埋め材」を施しています。まず、そのマスキングテープを剥(は)ぐ作業です。簡単な作業ですが、意外に多くの時間を要します。

この作業は、丁度、初冬に組み立てた「雪囲い」を春に解体する作業に似ています。囲いを組み立てるのと解体するのとでは、解体に費やす時間の方が短いのです。しかし、剥(は)いだテープをまとめるとハンドボール大です。「養生」のために、結構な量を使ったことを見せつけられます。


次は、余分に付着している「埋め材」の除去作業です。これは、木地表面の円滑化を兼ねています。サンドペーパーで削り落とす手作業です。簡単で単純な作業です。しかし、実際には、永遠に続くと思われる作業です。この類(たぐい)の作業は、楽しみながらのルンルン気分でしたいところです。根を詰めてやるべきではないようなのです。結局、全体の半数近くで妥協します。残りは次回の楽しみに残すことにします。

午前中、W工房にお邪魔します。秋の文化祭に関わる情報交換をします。参加に関わる基本的方向は、そろそろ、明確にする時期のようです。皆さんの応援をいただきながら、是非成功させたいところです。


シラネアオイ(白根葵)の花弁(はなびら)がハラハラと散っています。そして、紅い椿はボタボタと、八重の桜はサヤサヤと、です。他方、トマトが花をつけ始めています。色は黄ですが形は、やや、「イカリソウ(錨草)」に似ている感があります。野菜の花は、所謂(いわゆる)花の花や、木の花と同じく美しいです。

今日は「小玉スイカ」に手をかけます。実は、この「小玉スイカ」は、毎年、コブシ大に育った鉢植えをいただいています。今年は、自力で育てて、授粉から収穫までの一部始終を見守りたくなります。そして受粉後からの40日目を楽しみに待つつもりです。


今日のラジヲで平均寿命について触れていました。それによると、世界の平均寿命は68歳だそうです。期せずして、昼前、同じ68歳の同級生から電話をいただきます。60年近くも前からお世話になっている方です。世界でも国内でも、たくさんの人を巻き込む事故が多発している折でもあります。是非、お会いしたいところです。

2014/05/16(金) 18:17

昼前、市内中央部に出かけます。そのときの気温は23℃~26℃です。予報では、昨日とは5℃も低くなる、ということでした。しかし、その気配は無かったようです。体を動かすとビッショリと汗をかきます。このところのシャツの着替えペースは1日3回ほどにもなっています。


庭は、ツツジ(躑躅)が変化を見せています。ツツジの花は、その色の違いによって咲く順番があるようです。昨日、一輪をつけた赤が、今日はもはやグジャグジャと咲いています。そして今日は朱色が一輪咲いています。薄紫が咲くのは間もなくです。


残念なのは白ツツジです。実は、幹の中心部に空洞ができ、今春、伐採してしまいます。白ツツジの咲き方は見事でした。バケツを叩いたような音を発するのです。勿論、実際には音は出さないのですが、花の咲き方を音で表現する文化が素晴らしいです。

記憶は曖昧になっていますが、富田常雄も「姿三四郎」の中で使っていたようです。矢野正五郎から『池の中に入っていろ。』と言われた三四郎が、杭(くい)につかまって頑固を示す場面があります。そのとき、「蓮(はす)の花がポンと音を立てて咲くのを見る。」とあったようです。

因(ちな)みに、この池は「三四郎池」とは違うようです。「三四郎池」は漱石の小説「三四郎」で、「美禰子(みねこ)」と「三四郎」が出会う東大の「心字池」です。この名前は、池の形が「心」の形に似ていることによるようです。何でもあり、の世界です。「美禰子(みねこ)」は、頻(しき)りに「Stray sheep」と発していた、三つ目の世界の、華美溢れる世界の女人です。

さて、実際には、花は音を立てないで開きます。しかし、文章的に似合うのが面白いです。白ツツジには「ガン」という音が似合います。一般的でない表現です。30年ほど前、Y女史が表現したのを聞きました。エッと思ったことを覚えています。

くどくなりますが、矢野正五郎は加納治五郎、姿三四郎は西郷四郎をモデルとして書かれたといわれています。加納治五郎は国内初のIOC委員で、戦争で実現できなかったものの、74年前?東京オリンピックの招致を成功させた方です。


また、柳宗悦は彼の甥(おい)にあたります。生活に即した民芸品をテーマとした「用の美」を唱えた美学者です。そして彼のご子息には芸術家が多く、「シュミエン(趣味)」で解説を担当した柳宗民もその一人です。柔道も園芸も工房も同一座標軸にあるのかも知れません。

お向かいさんから「姫木賊(ヒメトクサ)」をいただきます。普通のトクサ(木賊)は1m近くにもなるのですが、これはせいぜい10cmほどです。それでいて、それなりの節(ふし)はあるのです。丁度、ガリバーの世界に似ています。驚きます。増やしたくなります。本来のトクサのように、水の近くに配置するのが良さそうです。


工房では「押し寿司器づくり」に大わらわです。今日の相手も「漆」です。エプロンやジャンパーの袖口、そしてズボンは、既に漆でピカピカになっています。そして、独特の匂いにつき合わされます。それもまた、楽しからずや、です。

2014/05/15(木) 17:20

既に春ではなくなっているような暖かい日です。つい昨日まで座敷ではストーブを焚いていましたが、流石に今日は化石燃料のお世話にならなくて済みます。

落葉樹の殆(ほと)んどは「芽吹き」がすすんでいます。他方、常緑樹の葉の新旧交代も盛んです。イチイ(一位・オンコ)に若草色の葉が出ています。これまでの濃い緑に比べて、頼りなげにみえますが、柔軟性に富んでいるようです。急な気温の上昇に、慌てて芽吹いたようです。


午前中、工房に籠(こも)ります。テーマは塗装です。外枠と上下の蓋(ふた)に分けて作業しています。まず、枠(わく)への「拭き漆」です。漆を塗る際のツールは2種類に大別されるようです。厚く塗る場合は腰の強い筆を使っています。「人毛」の刷毛(はけ)です。「拭き漆」の場合は「木箆(へら)」やゴム箆です。今回は「ゴムベラ」です。先日、100円ショップで見つけたものを使い易い形に直したものです。

話は飛びますが、近年、家の新築の際、廊下のフローリング(flooring)塗装に「漆」が使われているようです。鉋(かんな)をかけた板に3~4回の「拭き漆」をして、床材にするのです。何回も角度を変えて「木箆(へら)」で擦りつけ、紙で拭き取る方法です。

化学塗料と違い、自然塗料の「漆」が綺麗(きれい)で安心、安全、そして丈夫という考え方です。全体の「木地調整」は、最初に180番のサンダー、仕上げに400番を軽く使っています。400番は、吸い付くような滑らかさになります。


他方、上下の蓋(ふた)は「養生(ようじょう・masking)」からのスタートです。話は飛びますが、「養生」の一般的な意味は、「健康に留意する」のようです。しかし、塗装やコンクリート工事にも登場します。今回は、「埋め材」を必要箇所以外に及ばせないためのテープ貼りです。不思議な単語です。

多少手間取りましたが、必要な「養生」を終えます。しかし、手持ちの「埋め材」を使いきっています。明日あたり福井県から届く筈(はず)です。


先日、K社長から、秋の文化祭参加のお話しをいただきました。9月~1 0月の頃の予定です。その下拵え(したごしらえ)として、会場借り上げの打診をしているところです。いつもお世話になっているM氏にご相談しています。それとは別に、数度の展示発表会もあります。その出品についても検討しているところです。皆さんが、エッ、オッと驚くような、そして喜んでもらえるような作品にしたいところです。

2014/05/14(水) 15:50

寒いのか暑いのかよく解らなくなっています。丁度、必殺仕掛け人の「冬の花」の、『♪春と思えば夏が来て・・・』のようです。一輪ですが、庭のツツジ(躑躅)が開花いています。我が庭では最も遅く芽吹くケヤキ(欅)が始動し始めました。期待していた昨晩の雨は、降ったものの、ほんの少しでした。


相も変わらず工房作業に「血道をあげて」います。「血道をあげる」というのは、「無分別に道楽に狂う」という意味がありそうです。勿論、望むところではあります。

昨日に続いて今日のテーマも「木地調整」です。具体的にはマスキングテープを剥(はが)し、「埋め材」の不要部分の削除です。他に、接着剤の拭き残しも削除します。



実は、「拭き漆」の際に最も配慮すべき点が「糊(のり)の拭き残し」です。一般的に、作品づくりは、「木地師」と「塗師(ぬし)」の分業になっています。「塗師」が「拭き漆」で仕上げるときは、予(あらかじ)めその旨(むね)を「木地師」に伝えておきます。あとで付着した糊を取り除くのは大変な労力を要するからです。

我が工房では「木地師」兼「塗師」です。場合によれば伐採も製材も担当します。「拭き漆」にとって、「糊」の拭き残しはご法度であることは初めから解かっていたことです。解かっていてもこの有様です。原因は、作業を急いだことにあったようです。

永遠に続くのではないか、と思う作業です。しかし、いつの間にか予定した外枠(そとわく)の全て終えています。ひとつ作業することで、ひとつ解決するのがこの世界です。いつもながら不思議なメカニズムです。


次の作業は、上下の蓋(ふた)の木地調整です。明日は、再びマスキングテープ貼りからのスタートです。どの過程も結果と直結するものですが、この工程は、直接、「拭き漆」の出来塩梅(あんばい)に反映します。派手さの無い舞台裏の作業ですが、今が頑張りどころのようです。

上半身が痛くなっています。特に、両腕の三角筋がその存在を訴えています。然程(さほど)の筋力は使っていないのにこの体たらくは、普段の生活の軟弱さによるようです。もう少し荒っぽい体の使い方をすべきなのかも知れません。

2014/05/13(火) 16:52