30℃を超す気温がここ3~4日続いています。数日前の雨の後の暑さです。夏草が今とぞばかりに伸びます。一昨日と昨日の土日は草刈が当面する課題です。

当然ながら、暑くなる前の早朝6:00前の作業です。川原に降りるのは1週間ぶりです。先週刈ったばかりですが15cmも伸びています。川原は庭から2m弱ほど低い場所です。

その下から上を見上げると「紫陽花(アジサイ)」が花をつけています。それも、グジャグジャとです。一瞬、この光景を表現した文章を思い出します。

50年前の高校2年生の国語の教科書で見た記憶があります。漱石の「草枕」だったようです。はっきりとした記憶は無いのですが、主人公が石段を登るか降りるときに詠んだ歌です。


『木蓮の花許(ばかり)りなる空を瞻(み)る』です。確か、その後に『仰ぎ数う春星一二三』があった筈です。

この歌は春の歌です。勿論、今は30℃以上の猛暑でが、空を見上げたときに映る花を表すには季節に係りなく共通なものがあるようです。

同様に「合歓(ねむ)」もたくさんの花をつけています。やはり、「花ばかりなる空」です。更に、薄桃色の花に似合う微かな香りも漂わせています。


日中は工房作業と決め込みます。それも相当な気合を入れてです。手がけているのは「ポケットティッシュケース」です。構造等でさまざまな課題のある中、まず、部材づくりに手をかけます。

しかし、妥協の連続です。作業台や工具の前に座って10分もしないうちに、滝のような汗で中断です。座敷で涼んで、再挑戦、再々挑戦の繰り返しです。30℃といえども、奥州最北端の工房では恐るべき暑さです。


午後、K社長、達人のI氏ご夫妻がお見えになります。実は、達人のI氏は工房KUROOBIよりも早く、この「ポケットティッシュケース」をつくっています。『ああなればこうなる。こうすればああなる。』のデリケートな技を伝授してくれます。


間もなく「ねぶた祭り」です。しかし、暑い、暑いとはいっても「祭り」が終われば立秋です。北国の夏は一瞬で過ぎていきます。そして間もなく冬になります。今は、この暑さを徹底的に味わうことにします。

2012/07/29(日) 21:53

午後は、木工作業に没頭します。このところのテーマの「ポケットティッシュケース」づくりです。

実は、「ポケットティッシュ」は、ポテトチップやカリントウ同様、封の切る前は、空気でパーンと張っていて強いものです。しかし、一旦封を切るとその強さを失います。特に、お尻のポケットに入れると、いつの間にかグジャグジャになっています。

その悩みを解消するとともに、「青森ヒバ」の香りを有効活用し、洒落たケースをつくることが今回のテーマです。しかし、スリムさ、デザイン、合理性もそうですが、頑丈さは不可欠のものです。

作り方は、これまでの「名刺入れ」と同じ類です。昨日、「テンプレート」は作り終えています。今日は、カンナ(鉋)がけからです。先日、製材所のY社長が届けてくれています。そして、先日、部材の寸法は確かめています。いざ、です。


肝心の紙の取り出し口の加工は、「テンプレート」をつけたトリマーです。ボール盤であけた孔にストレートビットを入れてグルグル廻すだけでテンプレートと同じ形が仕上がります。ヨーロッパ的な不思議な世界です。

本来、トリマーやルーターの起源はスカンジナビア半島のようです。クリスマスツリーの飾りの加工のために考えられた、という噂(うわさ)があります。現金収入の無い冬、イギリスやヨーロッパむけにこのツリーの飾りをつくったようです。

組立後は、卓上丸鋸(まるのこ)と卓上サンダーを味方につけます。作業は一瞬です。糊付けには小型クランプが活躍します。今、目の前に4個の「ポケットティッシュケース」があります。W氏の作品が2つ、そして今日つくったものが2つです。

何とかそれらしく見えます。しかし、量産は、実際に使ってみて、その具合を確かめてからになります。人前に出すのは恥ずかしく、まずは、ひっそりと自分で使ってみることにします。



2012/07/22(日) 17:25

今日は日曜日です。一昨日、昨日と寒い日がつづきましたが、今日は暑くなるという噂があります。早朝、河原の草刈りを決心します。いつの間にか、草がボーボーと繁茂していたのです。

その音を聞きつけたK社長から、『丁度良い。少し手伝ってください。』、と誘惑されます。場所は「蛍(ほたる)湖」です。実は、「蛍狩り」の場所に至る山道がブッシュ状態です。その山道の草刈り、ということです。今日は忙しい日になりますが、まだ6:00前です。ボランティア活動に参加することにします。

『いつもニナ貝があるエリアに今年は見えない。今年は、いつも出る場所と離れたところに出ている。蛍は3年を周期として大発生するようです。』と、解説してくれます。


『しかし、昨年、あれだけ増えたメダカが見当たらないのが不思議です。』と、ビオトープづくりに気を使っています。「車百合」はいつものように咲いています。K社長と、あちらこちらの畑や漁師の店を廻ります。

生きの良いホタテで、ネギとカツオブシを入れて「貝焼き味噌」をつくります。しかし、その頃は朝食時間を過ぎています。たくさんの来客があります。まず、数種類の野菜と数種類の作品を持参でW氏がお見えになります。

野菜は、アイスプラント、カボチャ、ズッキーニ、アカジソ、アオジソ、バジル、そして根のついたネギ100本ほどです。いずれも立派な作品です。また『冬支度のために薪(まき)を持ってきました。』と、軽トラ一杯のリンゴ、ナシ、サクラです。

そして極め付けは「ポケットティッシュケース」と「ローソクケース」です。このところ我が工房でもテーマとしていた「ポケットティッシュケース」には感激します。デザインが違っているところが面白いです。


間もなく、ご近所の5~6人がお出でになります。実は、先日の豪雨で「鯉の屋根」が壊れたのです。その補修のためです。

今回は結構な時間を要します。結構な汗をかきます。作業中、町会長さんが差し入れしてくれます。ま、何とかなったようです。

結局、朝食をいただくタイミングを逸します。「断食を破る」ブレックファストと昼のランチが一緒になります。

そして、午後はいよいよ「ポケットティッシュケース」づくりの真似事です。
2012/07/22(日) 16:51

昨日に続いて今日も寒い日です。北国特有のヤマセ(東風)の所為です。しかし、気象事情とは無関係に、暦は確実に変化していきます。奥州最北端の火祭り「ねぶた祭り」の準備は、寒さとは無関係に大わらわです。

「ねぶた小屋」に行ってみます。今日は「台上げ」です。これは、これまで作ってきた人形を台車に上げる作業です。人形は、本体と送り絵の二つで3トン近くもあります。これを60人の若い衆が持ち上げます。

そして「神事」です。これは、運行の安全祈願です。関係者が「2礼、2拍手、1礼」して「玉ぐし」をささげます。肝心の「ねぶた」は見事な出来です。まだ発表されてはいませんが、まもなく「ねぶた名人」となるK氏の作品です。あと2週間ほどで本番を迎えます。


久しぶりのお休みです。この機会に荒れた狭庭に手をかけます。鉢植えしたジャガイモが枯れています。『ジャガイモの収穫は葉が枯れた時です。』、と聞いています。

しかし、他の畑はまだ青々としています。生っているかどうかが不安です。しかし、思い切って収穫することにします。結果は見事に生っています。20cmほどの鉢にしては我が意を得たり、です。

夕刻は「テンプレート(temperate)」づくりです。実は、先般、「名刺入れ」をつくっています。その延長上に「ポケットティッシュケース」があります。構造は殆ど同じですが、組立には「名刺入れ」の方が手間がかかります。


他方、「ポケットティッシュケース」づくりには事前の準備があります。「型枠」づくりです。

実は、紙の取り出し口の加工を、「コロ付きのトリマー」を使うつもりです。一度型枠をつくると、一瞬で加工することができます。この型枠が「テンプレート」です。

型枠と同じ形を切り取ることができます。この、型枠どおり、というのが便利でもあり、不便でもあります。型枠が狂っていれば、狂った通りに加工されるのです。したがって、このテンプレートづくりは妥協したくない工程です。

2012/07/21(土) 16:07

昨夜半から降り続く雨です。先週、九州の瀬戸内海寄りで降った雨がまだ残っていたようです。よくもまあ、空がこれだけの雨をため込んでいたものです。

海から蒸発したものが雨になることは、今は誰でも知っていることです。しかし、昔は一般的ではなかった記憶があります。自身も子供の頃は、空が無尽蔵の雨をため込んでいると信じていました。

川の水位が、家の前の河原を越しています。先般拵(こしら)えた「鯉(こい)の屋根」を引き上げます。頑丈(がんじょう)につくったつもりでしたが、量を増した水流の力にはひとたまりも無いのです。

久しぶりに雨らしい雨です。狭庭の草木が勢いづいています。名前の知らない野菜が満開です。ブロッコリーのようでもあります。しかし、こうなっては、切り花にして玄関に飾る他はなさそうです。あるいは、むしろ、その方が良さそうでもあります。


一昨日から手がけている「名刺入れ」が佳境を迎えます。今朝は4:00から工房に入り浸ります。組立の続きです。糊(のり)を使う、細かい作業です。沐浴の前に終えます。

正確な寸法でつくった部材ですが、いざ組み立ててみると目違い(段差)は極めて顕著です。更に、あちらこちらに糊が付着しています。この修正は丸鋸テーブルに頼ります。見事に変身します。

しかし、鋸(のこ)の刃跡が残ります。ベルトサンダーで更に修正します。フィニッシュはサンドペーパーです。やはり、デリケートな加工には、手以上のツールは 無さそうです。

そして塗りです。サンプルづくりでは「漆」、「亜麻仁油(あまにゆ)」、そして「木固めエース」を使っています。いずれも優秀な塗料です。それだけに悩むところです。

「漆」は本来?の「青森ヒバ」の淡黄色と木目が見えなくなります。「亜麻仁油(あまにゆ)」は、「亜麻仁油(あまにゆ)」自身の香りのため、「青森ヒバ」独特の香りを打ち消してしまうのです。そして「木固めエース」は、派手過ぎるようです。

結局、今日は、「木固めエース」をできるだけ薄く塗ることにします。塗った後は、そのまま一昼夜乾燥させるのでしょうが、木の素肌に薄く塗った「木固めエース」は、3~4時間で表面は乾いてきます。

その段階で、1500番のサンドペーパーをかけます。実は、大抵の場合、どんなに磨いた木地であっても、塗装後にはザラザラになるものです。そして、「木固めエース」独特のピカピカした光沢を消す目的もあります。あとは、シンナーの匂いが蒸散すれば、「青森ヒバ」は馥郁(ふくいく)とした香りを発する筈です。


たかが「名刺入れ」ですが、わずか20個をつくるのに2日も要したことになります。おそらく。プロの皆さんであれば半日の作業で済む筈のものです。充実感とともに、修行不足、そして細工の拙さをも思ってしまいます。

早速、午後、完成したての作品を持って製材所のY社長宅にお邪魔します。実は、今回の「名刺入れ」の材料は、製材時の微調整で出た、薄手の「青森ヒバ」です。その中に「鶉(うずら)もく」もあります。その材料をいただいてから二年も経て仕上げたことになります。

「薄手のヒバ」は製材所に確保してもらっています。「ねぶた祭り」が間近です。次のお休みには、新しいバージョンに挑戦することになりそうです。

音をたてて雨が降り続いています。

2012/07/16(月) 17:21

7月も半ばです。待ち焦がれていた季節のひとつです。しかし、結構な涼しさです。というよりもノースリーブでは寒いほどです。終日の工房作業は薪ストーブを焚きながらになります。

今日は、朝から夕刻まで「名刺入れ」づくりに没頭します。昨日、適当な材にカンナ(鉋)をかけています。それをもとに、まず、部材づくりです。1個をつくるためのパーツは5個です。そのうちの2つは同一の寸法です。向かい合う面です。底の相手は出し入れ口で、存在しないものです。

名刺の出し入れのための、親指と人差し指で挟むスペースの確保はフォスナービトットに頼ります。これは2枚1セットで孔をあけます。組立の際に一致させるためには不可欠の手順のようです。

作った数は20個分のパーツになります。全部で100部品です。しかし、トヨシ(籐葦)のスプリングが1個につき2片です。結局、パーツ数は140です。ま、結構な量です。


部材づくりが終わっては、後は組立です。実は、部材づくりの殆どは電動工具が手伝ってくれますが、組立ては一か所ずつの手作業です。簡単なものですが、パーツ自体が小片のことから指先の作業です。結構な時間を要します。

話は飛びますが、昔、ご年配の方と麻雀(マージャン)をしたことがあります。その時、「なぜマージャンをするのですか。」と聞いたことがあります。返った答えは、『指先の運動のためです。老化防止のためです。』でした。当時は、意外な答えでした。

しかし、そのことに、今、気づいています。麻雀は、いわば「クルミ(胡桃)」のようなものです。2~3個のクルミを手の中で回転させてする、指先と手の運動です。その際に出るコロコロとした音が年寄の代名詞でもあります。

謂わば、「名刺入れ」の組立は、その「クルミ」のようなものです。先般、長寿会の作品展に出品しています。また、昨日届いた同期会のつかいのイントロダクションに、「前期高齢者」のフレーズが載っています。これからは、「名刺入れづくり」のような細かい作業が最適なのかも知れません。

結局、組み立て作業は、明日以降まで及ぶことになりそうです。


今日も数方の客人があります。「十三湊(とさみなと)」近くの車力(しゃりき)からお出でになったK氏からたくさんの「蜆貝(しじみかい)」をいただきます。

『大きくなるまで、手をつけていなかったものです。初夏の今頃でなければ採れないものです。』という逸品です。あちらこちらにお分けします。


昨日、地元の「ねぶた祭り」が始まります。今晩が最終日です。人形はしっかりとしています。しかし、跳人(はねと)が少ないです。今年で小学校は閉校です。しかし、ご年配の皆さんの踊りが素敵でした。待ち焦がれていた夏が一瞬で去って行こうとしてるようです。

良い時が儚(はかな)いことは、アインシュタインの理論よりも確実なのかも知れません。


2012/07/15(日) 20:01