昨夜半から降り続く雨です。先週、九州の瀬戸内海寄りで降った雨がまだ残っていたようです。よくもまあ、空がこれだけの雨をため込んでいたものです。

海から蒸発したものが雨になることは、今は誰でも知っていることです。しかし、昔は一般的ではなかった記憶があります。自身も子供の頃は、空が無尽蔵の雨をため込んでいると信じていました。

川の水位が、家の前の河原を越しています。先般拵(こしら)えた「鯉(こい)の屋根」を引き上げます。頑丈(がんじょう)につくったつもりでしたが、量を増した水流の力にはひとたまりも無いのです。

久しぶりに雨らしい雨です。狭庭の草木が勢いづいています。名前の知らない野菜が満開です。ブロッコリーのようでもあります。しかし、こうなっては、切り花にして玄関に飾る他はなさそうです。あるいは、むしろ、その方が良さそうでもあります。


一昨日から手がけている「名刺入れ」が佳境を迎えます。今朝は4:00から工房に入り浸ります。組立の続きです。糊(のり)を使う、細かい作業です。沐浴の前に終えます。

正確な寸法でつくった部材ですが、いざ組み立ててみると目違い(段差)は極めて顕著です。更に、あちらこちらに糊が付着しています。この修正は丸鋸テーブルに頼ります。見事に変身します。

しかし、鋸(のこ)の刃跡が残ります。ベルトサンダーで更に修正します。フィニッシュはサンドペーパーです。やはり、デリケートな加工には、手以上のツールは 無さそうです。

そして塗りです。サンプルづくりでは「漆」、「亜麻仁油(あまにゆ)」、そして「木固めエース」を使っています。いずれも優秀な塗料です。それだけに悩むところです。

「漆」は本来?の「青森ヒバ」の淡黄色と木目が見えなくなります。「亜麻仁油(あまにゆ)」は、「亜麻仁油(あまにゆ)」自身の香りのため、「青森ヒバ」独特の香りを打ち消してしまうのです。そして「木固めエース」は、派手過ぎるようです。

結局、今日は、「木固めエース」をできるだけ薄く塗ることにします。塗った後は、そのまま一昼夜乾燥させるのでしょうが、木の素肌に薄く塗った「木固めエース」は、3~4時間で表面は乾いてきます。

その段階で、1500番のサンドペーパーをかけます。実は、大抵の場合、どんなに磨いた木地であっても、塗装後にはザラザラになるものです。そして、「木固めエース」独特のピカピカした光沢を消す目的もあります。あとは、シンナーの匂いが蒸散すれば、「青森ヒバ」は馥郁(ふくいく)とした香りを発する筈です。


たかが「名刺入れ」ですが、わずか20個をつくるのに2日も要したことになります。おそらく。プロの皆さんであれば半日の作業で済む筈のものです。充実感とともに、修行不足、そして細工の拙さをも思ってしまいます。

早速、午後、完成したての作品を持って製材所のY社長宅にお邪魔します。実は、今回の「名刺入れ」の材料は、製材時の微調整で出た、薄手の「青森ヒバ」です。その中に「鶉(うずら)もく」もあります。その材料をいただいてから二年も経て仕上げたことになります。

「薄手のヒバ」は製材所に確保してもらっています。「ねぶた祭り」が間近です。次のお休みには、新しいバージョンに挑戦することになりそうです。

音をたてて雨が降り続いています。

2012/07/16(月) 17:21