やや寒いものの、明るく穏やかな一日です。外出した昼前の気温は6~10℃です。この幅の理由は、場所と気温計の特殊性によるもののようです。それにしても4℃の違いは大きく、デジタルの信頼度を低下させるようです。


このところ手を掛けていた「ハノイの塔」を完成させることにしました。台に漆を塗ったことで時間を要しました。昨日は3回目の拭き漆です。パセリやデンドロと一緒に温室で休んでいただいたことでよく乾いています。

漆の乾燥程度は触って判断しています。不十分であれば微(かす)かなネバネバ感があります。他方、乾きが十分?であればサラサラしています。

愈々(いよいよ)最終段階です。とはいうものの、単に3本のポールを立てるだけです。先端に接着剤をつけて、予(あらかじ)め台にあけている孔に差し込むだけです。台の厚さは27mmです。孔の深さを15mmにしました。

3本のポールの長さは同じ寸法です。しかし、木槌(きづち)で打ち込んだ結果はまちまちになります。孔の深さが一定でない所為(せい)です。結局、高さの再調整をせざるを得ませんでした。二度手間になったことになります。

様々な木を用っています。ケヤキ(欅)、エンジュ(槐)、青森ヒバ、タモ、そしてプラムです。この中でケヤキ、ヒバは一般的のようですが、それ以外は初めての出会いです。


エンジュは炉縁(ろぶち)に使われる硬い木です。北海道に多い、と聞いていましたが、今年の夏、裏山から伐採しました。タモは薪(まき)となる木を鍛えました。これは野球のバットに使われます。また、昔はこれでスキーをつくったそうです。

プラムも初めてです。近くの旅館の駐車場にあった木を、建設会社のO社長とともに伐りました。太かったことで、それを製材し、4ヶ月ほど工房で乾燥させていました。まだ十分な乾燥では無いのですが使うことにしました。

実は、これを使うところに、この「ハノイの塔」のテーマがあったのです。板となった木は木表(木の外側)の両端が、外側に持ち上がるように撓(たわ)む傾向があります。自動カンナで平面化しました。

プラムの木の内部はピンク色です。カンナ(鉋)をかけると、焼く前のステーキのようです。どうやらサクラ(桜)の種類のようです。青森ヒバ以外は何れもカチンカチンと硬いものです。

「ハノイの塔」はそれぞれの木を移動して遊びます。その過程で木と木がぶつかり合います。そのとき、「チッ」とした金属音を発します。他と比べては柔らかい青森ヒバですが、これにも意外なほどの金属音が伴います。或いは、木口(こぐち)を上下に使ったことによるのかも知れません。

このまま更に数日養生させてからE女史にお届けするつもりです。多少、中心の心もとない箇所はあるものの、ま、手作りです。暖かさは伝わる筈と自己評価せざるを得ないところです。


昨晩、福井県の漆問屋から4荷の「樽(たる)」が届きました。・・・樽の数え方は、荷(か)、駄(だ)、樽(たる)、本(ほん)のようです。


この樽は漆の容器として使われたものです。やはり樽の内側は漆でコーティングされています。国内に出回る漆の9割は中国大陸産です。その中国からこの樽に詰められて神戸港に着きます。25kg入りです。

実は、工房で生じる端材の収納用、或いは、炭取(炭の容器)として調達しました。これまでのダンボールはやや扱い難く、またお行儀も宜しくなかったのです。

以前、漆問屋にこの樽の用途を聞いたことがあります。様々あるようです。傘立て、漬物樽等です。更に、この樽の外側にも漆を塗っても使うそうです。木地調整をした後、糊漆で布を巻き、そして漆でコーティングします。黒漆だけでなく、緑、赤、黄等の色彩も使うこともあるそうです。オール漆塗りの見事な樽に変身するのだそうです。

以前のものと合わせて5荷になります。その話を聞き、1、2荷は挑戦したいところです。実は、これほど大きい桶ではないのですが、2年ほど前、これと同じつくり方をした作品があります。楽しみです。


昼過ぎ、達人のI氏とW氏がおいでになりました。Y製材所で材料調達した帰りです。実は、ここ暫らく「漆」を使っていたことでI氏は敬遠していたところでした。実は、何回も反応した歴史があります。気を使うところでしたが、有益なたくさんの情報をいただく結果になりました。

その折、青森ヒバのブロックを持参しました。Y社長から預かったものです。瘤(こぶ)のついた青森ヒバです。これは樹木の根元等がふくれて瘤のようになったものです。板に製材すると玉杢(たまもく)や、鶉杢(うずらもく)などの変わった杢目(もくめ)模様が出来るものです。

希少なものです。まだ扱ったことの無い材です。是非鍛え上げて、特別な作品の材料にしたいところです。


昨晩、忘年会にお邪魔しました。以前お勤めしていた職場関係です。数十名とお話できました。来賓の中にU氏がお出ででした。

そのU氏とは、当面している工房関係、当地の状況について等のリアルな話題になりました。

ひっそりとした工房活動ですが、他とのさまざまな関わりの中に存在していることを痛感させられます。

2010/12/21(火) 18:36