いつの間にかSeptember(九月)が終わりました。昔の「九月」は、毎日のように、映画も歌も「September」で賑わったものです。しかし、近年は、どういう訳か「鳴りを潜めて」います。静かに過ぎ去った「九月」でした。

この一ヶ月、毎日のようこ愚図(ぐず)ついていた空でしたが、今日は、一転して雲一つない青空です。やはり、青空には人を能動的にする力があるようです。朝は「漆工」、昼前からは「木工」です。「漆工」は「ペン皿の塗り」と「瀬戸物の金継ぎ」です。

「ペン皿」には「シワシワ」ができています。まず、その削除からです。これは、漆を厚く塗り過ぎたことで生じる現象です。空気に触れている表面の「漆(うるし)」と内部の乾きの時間差によるものです。

「漆」の乾燥は、「高温多湿」の環境で促進されます。シワシワ回避は、「漆」の乾き難い環境で乾かすことです。それは、「低い気温」と「乾燥した空気」です。その乾き条件下で時間をかけることのようです。

「生乾きの漆」のシワシワは、粗(あら)いサンドペーパーで強引に削り落とします。その後、時間を置いての再スタートです。

「生漆(きうるし)」を薄く塗り、全体を拭き取ります。拭き取っても、「薄い漆の膜」は残ります。所謂(いわゆる)「拭き漆(ふきうるし)」の技法です。以前、この「拭き漆」を100回以上繰り返した、という御仁の逸話を聞いたことがあります。

他方「木工」は、「銀閣寺」の「覆(おお)い」づくりの続きです。今回も、事前の「設計図」は無し、です。その場その場の状況判断だけが頼りです。

簡単なフレーム(frame)はつくっています。今日は、その「接(は)ぎ方」の検討です。「柱と梁(はり)」の取り付けは「ホゾ組み」にするつもりです。「柱」は「直立」、「梁」は「水平の補助材」のことです。

しかし、筆者には、「ホゾ穴」の「掘り(穿(うが)ち)」は大仕事です。最も根気を要する加工のひとつです。更に、我が工房の「鑿(のみ)」は研(と)いでいなく、「穴掘り」には無理です。

急遽、「角鑿(かくのみ)」に登場を願います。しかし、この「角鑿」も、数年、工作室の隅に眠っていた代物(しろもの)です。多少?の「錆(さ)び」も見えています。それでも使うことにしました。

工作室の「角鑿」の刃の寸法は3種類です。既に装填(そうてん)されていたのは、最も「細い刃」です。「太い刃」に変える必要があります。

「太い刃」の一辺は9mmのようです。「ホゾ」もまた、この寸法に合わせてつくることになります。手間(てま)はかかりそうですが、何とかなりそうでもあります。

しかし、既に好い歳です。今日は、次回のスタンバイ(standby)だけで終了します。本来、この作業は、満足する結果を優先するのではなく、試行錯誤や制作過程、また、失敗することさえも楽しむことを目的としていたのです。

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2025/10/01(水) 07:15