奥州最北端に「大雪注意報」が出ています。当地も時折、湿(しめ)りっけの多い、大きいフレーク(flake)の雪や、雨を含んだ「糸雪」が頻(しき)りでした。
この種は、気温の低いときの雪ではなく、氷点よりも高い、+3℃ほどのときに降る「濡(ぬ)れ雪」です。本格的な冬になる前、そして本格的な春になる前のイントロ(introduction)です。
その「霙(みぞれ)」の中、今日も「園芸作業」を楽しみます。テーマは、「黒松の植え替え」です。駐車場一角の「鉢置き場」には300以上の鉢が出番を待っています。
因(ちな)みに、太宰も、「津軽」で、「雪の種類」に触れています。「降雪タイプ」としては「こな雪、つぶ雪、わた雪、みづ雪」の4種類です。そして、「積雪タイプ」としては、「かた雪、ざらめ雪、こほり雪」のようです。
しかし、太宰の中には、筆者が宣(のたま)う「濡れ雪」や「糸雪」、「ぼた(ん)雪」は登場していないようです。或(ある)いは、「濡れ雪」が「みづ雪」、「ぼたん雪」が「わた雪」なのかもしれませんが・・・。
尤(もっと)も、太宰の「七つの雪」は「東奥年間」からの引用のようです。或いは、その「東奥年間」の編集担当者が「津軽の方」でなかったことも考えられます。地元の筆者には、「つぶ雪」や「みづ雪」、「こほり雪」等は馴染(なじ)みがないのです。
しかし、この「七つの雪」が、「新沼謙治」の「津軽恋女」で発信されました。作詩は、同じ雪国の新潟出身の「久仁京介(くに きょうすけ)」です。因(ちな)みに、「東奥年間」の初版は1928年です。今から約100年前です。今更、太宰の「七つの雪」について「とやかく」論ずるに及ぶ可(べ)くは無いのです。
その雪の中、緑の濃い、元気そうな「黒松」を選び出します。選んだものに、草取り等の手を加え、「正月」の晴れ舞台に立たせようとします。しかし、「得(え)てして」、その「晴れがましい舞台」は、結構なフォロー(follow)に支えられていることが多いです。
それは、水鳥が水面(みなも)を平然と優雅に滑(すべ)っているように見えたとしても、その水面下では、「忙(せわ)」しなく、必死に、そして弛(たゆ)むことなく動かし続けている「水掻(みずか)き」の存在があります。その類(たぐい)に似(に)ているようです。
今日の作業は、まず、雪に埋まっている鉢を取り出します。その後、土(鹿沼土(かぬまつち))を新しいものに取り替え、植え直し、「苔(こけ)」を貼り、「化粧砂」を載せ、水を注(そそ)いで土の微粉末を取り除き、それを室内に持ち込む等です。(写真の不明瞭さに恐縮しています。)