高校生の頃、担任のO先生にした質問を思い出しています。それは、60年ほど前の、今のように暑い頃だったようです。「二者択一の場合、暑さと寒さのどちらを歓迎しますか。」でした。少し時間を置いて、『寒さは、かつての命の危(あや)うかった頃を思い出させます。』と答えてくれました。

後日、先生には、シベリヤ抑留の経験のあることを知ります。あの質問は、極めての愚問だったことになります。所詮、今の環境下でのこれしきの「暑さ」なんぞは、論外なのです。


「一大プログラム・アトリエの大清掃」が漸(ようや)く一段落を迎えました。ここ一ヶ月弱、毎朝未明から数時間の作業の成果です。感激すること頻(しき)りです。数回、床に掃除機をかけ、その「一大プログラム」を終了させます。眼前には、beforeとは全く異なる世界が展開しています。

尤も、その達成度は、70%ほどに留まります。しかし、残りの30%は、敢えて、「味」として残すべきもののようでもあります。それは、整い過ぎた空間には落ち着かない何かが潜んでいそうだからです。それに対して、「味(あじ)」には不思議な「趣 (おもむき)」が潜んでいるようなのです。

あらためてアトリエ内を窺(うかが)うと、「隅(すみ)」に何かがあります。よく見ると「小屋棒」の「屋根」です。実は、このアトリエは、庭の隅に建てたものです。そこは、石灯籠(いしどうろう)の「小屋棒(こやぼう)」があった場所でした。

その重さは1.5トンほどもある大きいものです。動かすことが出来ず、アトリエの中に「小屋棒」を取り入れて建てたのです。そして次第にアトリエに同化していったのです。忘れていた過去を思い出す一瞬でした。


朝、梨(なし)が落ちていました。所謂(いわゆる)「落果」です。鉢植えで丹精していた卵大になったものです。その後、テレビニュースでも、全く同じ「落果」の紹介がありました。果樹農家の方が『出荷前の落下は残念です。』と誰にともなく訴えていました。

実は、昨日は風の強い日でした。その影響だったようです。暑さ凌(しの)ぎには良かったものの、複雑な思いです。


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2024/07/25(木) 14:10