「バラのタンゴ」は映画「カサブランカCasablanca」(1942年)にも登場します。ほんの一瞬でしたが、効果的な使い方でした。「リック(ハンフリー・ボガード)の店(Rick’s Café American)」でコリンナ・ムラ (Corinna Mura)が唄います。「よき時代」を偲ぶ演出でした。ギターの、「ジャーン」のイントロで始まります。切なさがありました。圧巻でした。
「バラのタンゴ」作詞者はイタリアのフィリッポ・シュライエル(Filippo Schreier)です。そのフランス語訳もあるようです。曲想は「ファド(fado)」の雰囲気に似ているようです。ファドは、ポルトガルに生まれた民族歌謡です。現地では、今もレストランなどで歌われているそうです。伴奏は、主に、ポルトガルギター(ギターラ)と、ヴィオラ(スチール弦使用のクラシックギター)です。
余談ですが、数年前、ヨーロッパ遊山を計画したことがありました。行程は、ロカ岬(ポルトガル・ユーラシア最西端)、スペイン等のヨーロッパ音楽巡りでした。しかし、その計画が具体化しそうになった頃にコロナ禍の来襲です。下火になった今は、数年前とは全く異なる、消失したアクティビティ(activity)です。断念することになります。
「旅上(朔太郎)」の『ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し・・・』ではありませんが、「せめて」風呂に浸かり、こざっぱりしたいで立ちで文机(ふづくえ)に向かい、パソコンでの世界旅行を楽しむことになります。
「カサブランカ」はアフリカのモロッコにある地名です。ジブラルタル海峡を挟んだスペイン、ポルトガルの目の前にあります。海峡の幅は最も狭いところで14kmほどです。この間隔では、或いは、イタリア、ポルトガル、スペイン等はアフリカのモロッコと同じ圏内として考えてもいいのかも知れません。因みに、青森・函館間は100km以上のようです。
映画での「バラのタンゴ」は、対ナチの意思表示のため、イタリア語で唄われたようです。どなたの訳かは不明ですが、筆者は、時折、次のような日本語訳で口ずさんでいます。
夢の赤きバラは 想い出残し いつしか散りゆきし ソレントの街
ただ想い出を残すだけ ナポリの街
二度と帰り来ぬ街 ただなつかしく あの日の赤きバラ 蘇る街
ただ想い出だけのナポリの街