雪はチラついていますが儚(はかな)い雪です。昔、横尾忠則?が「盾の番長」を悼んで歌った「・・防衛(まも)らず何の文化ぞや・・・(国を守ることをしないで文化を論ずることは意味が無い?)、(国が滅べば文化も滅ぶ?)」の「春の雪」のようです。

先日のテレビに、阿寒湖近くの陸別(りくべつ)町の紹介がありました。マイナス36℃にもなる「日本一寒い町」だそうです。そのレポートの中に「雪は暖かいときに降る。寒い日の朝の除雪は無い。」がありました。

さて、当地の今季は、雪は少なかったものの寒さは例年よりも厳しいものでした。その所為(せい)か、タイヤショベルの出動回数は、例年よりも少ないものでした。


曲目の「エピソード欄」の原稿をまとめているところです。コンサートのプログラム用です。このところ「荒城の月」に触れています。いつの何か、その(8)になっています。今日のテーマは「調」と「TPO(Time、Place、Occasion)」です。

「荒城の月」は何度も歌いました。特にA大学教授とは何度もデュエットしました。しかし、その当時は「意味の解らないまま」歌っていました。しかし、歌うときはいつもその場の空気に気を遣ってはいたようです。

昔、結婚式で「浪曲子守唄」を歌った人がいました。当時、誰もが知っている大ヒット中の歌です。やはり、多くの人の反応は「えッ」で、顰蹙(ひんしゅく)を買います。しかし、歌ったのが新郎の兄さんでした。その関係を知る皆さんは、「♪逃げた女房・・・」で大爆笑でした。

歌には、それぞれ、歌うに相応(ふさわ)しい「TPO」がありそうです。例えば「佐渡おけさ(末はカラスの鳴き別れ )」、「ダニーボーイ(私は墓の下で待っています)」、「讃美歌320番(主よともにいまして行く道を守り)」、「高校三年生(離れ離れになろうとも)」、「空港(一人遠い街に行く)」、「酒場にて(ドアを開けてみたって)」等は「惜別の歌」、のようです。

そして「荒城の月(むかしの光いまいずこ)」、「古城(昔を偲(しの)ぶ追手門(おうてもん)」、「チャンチキおけさ(大きな夢を杯に)」、「別れの一本杉(泣けた泣けたこらえきれずに)」、「テネシーワルツ( I knew just how much I had lost)」等は且ての栄華を懐かしむ「回顧の歌」のようです。

いずれも晴れがましい場では歌いにくい歌です。しかし、「TPO」にかかわらず、この種の歌は当時、毎晩のように放送されていました。或いは、人は悲しみや虚(むな)しさ等に惹かれる傾向があるからなのでしょうか。また、人は、悲しみに浸ることで明日への鋭気(エネルギー)を増幅させる動物であるからなのでしょうか。

この種の曲調はAm Dm E7 等のマイナーコードだけの終始が多いようです。しかし、中には、「マイナー」と「メジャー」を効果的に配置することもあるようです。シューベルトの「魔王」もそのようです。

ドイツやデンマークには、魔王は死の前兆として登場し、死に瀕した人物の前に現れる、という伝承があります。それをもとにゲーテがつくった「詩」が「魔王」です。そしてその詩に曲をつけたのがシューベルトです。

シューベルトは、「魔王の誘惑・・・(かわいい坊や、おいで、楽しいところに一緒に行こうよ・・・)」、「父親の勇気づけ(・・・我が子よ、何をそんなに怖がるのか・・・)」、そして「死を前にした子供の不安(・・・お父さん、あの魔王が見えないの・・・)」のセリフ(台詞)それぞれに「メジャー(長調)」、「マイナー(短調)」を使い分けています。

一般的に、「メジャーコード」は「happiness」、「マイナーコード」は「sadness」の表現に用いるようです。しかし、「マイナーコード」の中に、ほんの一瞬だけ「メジャーコード」を埋める手法もあるようです。その一瞬の「メジャーコード」が、「マイナーコード」より、より深い「虚無感」や「悲しみ」を表現できるからのようです。


ほんの曲目解説用の原稿づくりが、いつの間にか結構な量になってしまいました。このままこれを原稿とするには無理のようです。折を見て、極度のスリム化を試みることになりそうです。尤も、殆どは根拠の薄い私的な、そして極めての駄文です。如何なる削除であっても未練の無いところです。
2023/02/26(日) 14:47