数日振りの除雪です。作業開始時刻は未明の5:30です。暗闇です。照明ライトを5~6ヶ所を点けての作業です。零下です。ヒーターをつけてから窓の氷が融けるまで30分を要します。

北極圏に住む人の会話に、「今日は暖かい。昨日はマイナス55℃だったが、今日はマイナス50℃だ。」があったことを思い出します。5℃の違いであっても、マイナス55℃を経た後のマイナス50℃は暖かく感じるのです。


工作室では「カホンづくり」です。先日、パーツ用の鮑(あわび)貝をカットしました。結果は、極めて幼稚な出来です。しかし、このまま前進することにしました。弁解としては、『整い過ぎたものは魅力に欠ける』です。

例えば、「正三角形」よりも「不等辺三角形」にこそ「安定感」を見出すことができる。の公理?に似ています。お茶をいただく「茶碗」も然り、です。陶芸家の多くは、一旦完璧な円形にした後、敢(あ)えてそれに「歪(ゆが)み」を加えて完成させるのだそうです。

下世話?な例では「痘痕も笑窪(あばたもえくぼ)」に似ているようでもあります。人は、「剃刀(かみそり)」のような「完璧さ」よりも、「明確な不安定さ」にこそ「安定度」を見出す傾向があるからなのかも知れません。

その「歪みきったパーツ」をカホンの「1面」に埋める作業は先日終えています。接着剤は、先般使った「ボンドの穴埋め剤」です。念のため、「接着剤の乾燥」に要する時間を3日ほどにします。

今日は、その「手直し」と「貝の輪かく」の明確化です。いくつかの選択肢の中から「漆(うるし)」を選択します。久しぶりの「漆工」です。色彩は「朱漆(しゅうるし)」に若干の「生漆(きうるし)」を混ぜ、「溶液(テレピン油)」を加えて攪拌(かくはん)するだけです。しかし、「乾燥方法」に手間取ります。

「漆の乾燥」には高い「湿度」と「温度」、そして「空間上の固定」を要します。最優先要素は「高い湿度」です。一般的に、「漆塗りの時季」は「梅雨どき」が最適です。しかし、この厳寒です。その環境を「人工的」につくることにします。

具体的には、「水を張ったトレイ」に「箱本体」を載せ、その全体を「漬物用ビニール袋」で覆いストーブの前に鎮座(ちんざ)させます。しかし、時折の「手直し」は付随します。この「手直し」には、長時間に及ぶ集中力と観察力を要します。「漆工の醍醐味」です。


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2023/01/29(日) 15:41