早朝の沐浴時には晴れていましたが、朝食後からシトシトとした雨です。赤いサツキが咲き始めています。我が家では最も遅く咲く種類です。これからがサツキ本番です。しかし、全体的には、いつもの勢いと違っているようです。やや、元気が無いように見えます。ここ数日の涼しさとそぼ降る雨に気遣っているのか、或いは、昨年、「詰め過ぎた」ことが作用しているのかも知れません。


「下駄(げた)づくり」は順調な捗(はかど)りです。昨日、ある程度までの「木地調整」をしています。デザインについて多少の懸念はあったものの、結局、妥協し、今日は、次の段階に進むことにします。

今日のメインテーマは塗装です。ウレタン系の「木固めエース」が塗料です。これは、食器に使われる、現代では最も安全といわれる優れものです。しかし、シンナーの匂(にお)いが頭をクラクラさせます。当初は作業場所に庭を予定していましたが、準備後に降り出し、結局、再度、工房になります。当然、匂いは家中に充満します。

塗装の前に「焼印」を押します。「青森ヒバ」と「KUROOBI」です。前者は素材、後者は作成者を表します。しかし、「KUROOBI」を押すことには若干?の恥じらいと躊躇(ちゅうちょ)が伴います。拙(つたな)い作品にはつけたくないのです。しかし、今回は、ほんの友人知人へのプレゼント用です。厚顔を決め込むことにします。


塗装は、簡単そうに思えてもそれなりの技のようなものがあります。そのためか、レベルの高い作品づくりの場合には、「木地師(きじし)」と「塗師(ぬし)」との分業になっていることがあります。今回の「木固めエース」は、何回も使ってきたものですが、これまで満足する結果は殆ど得られないでいます。

今回の「木固めエース」は、その解説書に『薄く数回塗り重ねる。』、とあります。しかし、木工仲間の多くは、『薄く1回塗り、乾いたらサンダーをかけるだけ。』と言います。どちらも試していますが、今回、どの方法にするかは、少し悩んで決めるつもりです。今日は、取り敢えず、1回目の塗装を終えます。

塗装はいくつかの目的を持っています。今回は、装飾的役割、木部の保護等を期待しての塗装です。装飾的役割というのは、「青森ヒバ」の色彩のアッピール(appeal)です。優雅で繊細な淡黄色を表現しないわけにはいかないのです。

他方、木部の保護は、木の表面の硬化を意味します。この塗料は、その名前のように、木の表面を硬くしてくれます。瑕(きず)がつき難くなり、汚れも遮断してくれます。汚れは、濡れた布の拭くことでとれます。他にも、接(は)いだ面や導(?道)管に侵入し、粘着度を高めるとともに水分の浸透を防ぎます。それは「反(そ)り」の抑えにもなります。


塗った瞬間、飴色(あめいろ)に変化します。この色は、時間の経過とともに、益々濃くなってくる筈です。2年ほど前につくった下駄が、今、良い色になっています。尤も、下駄の寿命を考えるとき、この2年という時間は既にマックス(maximum)状態のようです。

とはいうものの、以前プレゼントした方は『もったいなくて、とても履(は)けません。サイドボードに飾っておきます。』と言っていました。おそらく、これからはさまざまな現実との出会いが待っているようです。健やかなることをお祈りしながらの作業になります。


東京にお住まいのT氏から連絡があります。さまざまな内容の中に、『近作のリストを送ってください。』があります。少し困っています。実は、昨日、Y氏がお見えの際、作り置きの殆どを持っていきます。また、7月に市民美術館で開催される作品展の出品名の連絡にも迫られています。芸術的なものも手掛けたいところです。あれこれと気が急(せ)く昨今です。

2014/06/12(木) 15:41