
朝はストーブのお世話をいただきます。しかし、やがて気温は高くなり、少しの作業で汗が出るほどです。夏の感があります。
午前中、あちらこちらに出かけます。今朝の一雨(ひとあめ)で、山々の緑がキラキラと輝いて映っています。その中に、ぼんやりと霞(かす)む薄紫の塊(かたまり)があります。「フジ(藤)」の花です。帰宅後、即、WEBにお訊ねします。さまざまな答えの中に、『花は天ぷらでいただく。』があります。勇気の要する世界です。
フジは、ツツジ、サツキ同様、花の色によって咲く順番が決められているようです。今朝見た薄紫は、早く咲く種類のようです。やがて、白系統へとリレーされるようです。そして、咲くにはまだ早い、と思っていたハマナスは既に散りかけています。啄木が『潮かおる 北の浜辺の砂山の かの浜薔薇よ 今年も咲けるや』と詠ったハマナスです。
そして、タカオ・カンベの詩でK.Tが歌った、『♪ 遥か 遥か彼方にゃ オホーツク 赤い真っ紅な ハナナスが 海を見てます・・・』のように、やはり、奥州最北端でも、海に面した山の斜面に咲いています。

今日の工房作業は「板の鍛(きた)え」です。実は、これまで作ってきた「ギター・スタンド」が、4架では足りないようなのです。追加に、イチイ(一位)の材料を考えます。フレームに枝、背凭れ(せもたれ)を、この板にする目論見(もくろみ)です。先般、Y製材所からいただいたものです。
「アマ」やクサリ(腐り)を含んでいます。「アマ」というのは、表皮に近い白身部分のことです。軟らかいことから、一般的には使わない部分です。まず、それらの取り除きからです。使ったツールはノミ(鑿)とセン(銑)です。このセン(銑)は、今の日常会話には登場しない言葉のようですが、昔はポピュラーだったようです。しかし、当時は、もっと難しい文字を使っていた記憶があります。

一種のカワハギ(皮剥ぎ)のようなものです。我が工房の銑は、我が工房には似合わないほど、ゾクッとする切れ味を持っています。しかし、アマやクサリの削除の作業には高レベルの根性が伴います。一旦は手をかけたものの、躊躇(ちゅうちょ)しているところでもあります。
最後までやり通すには、それなりの気力の鼓舞が必要です。とはいうものの、相手は、他に追随(ついずい)を許さない「一位」の名を持っています。材質はきめ細かく、硬く、しっとり感があります。赤味を帯びた色彩です。やり通す価値はありそうです。