
終日の紺碧に輝く青空です。燦々(さんさん)と降り注ぐ陽光が天の恵みに思われます。シェクスピアの、リチャード三世の冒頭の『漸(ようや)く忍苦の冬が終わり・・・』は、おそらく、このような陽光をイメージして書いたものらしいです。
工房では「枡(ます)づくり」の終盤を迎えています。塗装です。今日は2回目の「拭漆(ふきうるし)」です。昨日、簡単な「木地調整」をしています。
これは、窪みや、部材の不満足な合わせ目に埋め材を施す作業です。所謂(いわゆる)パテ (putty)です。今朝見ると大分硬くなっています。「拭漆」の前に、サンダーで平面化を図ります。

これまでの「拭漆」には自作の木箆(きべら)を使っていました。しかし、今回は「ゴム箆」です。結構、使い易いです。100円ショップで見つけたものですが、これによって、文化レベルが顕著に高まった感があります。
「拭漆」の手順は、まず、木部に漆を載せます。それを、木部に浸透させるように縦横の角度を変えながらヘラで延(の)ばします。余分な漆は掬(すく)い上げます。その後、専用の紙で漆を拭き取ります。
その際、木目に沿うように拭きます。拭く方向は結果に反映します。外側は拭き易いのですが、内部が少し厄介です。狭いからです。醜くなる傾向があります。この対処は、拭き残しが無いようにすることのようです。

13個を拭くに要した時間は2時間ほどです。この長短のほどはよく解りませんが、集中力の持続を要する時間です。明日まで「漆風呂」で乾燥を待ちます。そして3回目の塗りです。その間、只管、待機することになります。待機すること自体が作品づくりです。
一般的な工房では木材の加工と塗装の部屋は分かれているようです。これにはさまざまな理由があるようですが、端的には、塗装の場に埃(ほこり)を立てたくないからのようです。
我が工房でも然(しか)りです。如何に「漆風呂」とはいえども、他の作業には手をかけたくないところです。午後、久しぶりの休息を楽しみます。