
朝方の一瞬は雪でしたが、間もなく青空です。ほんの数日でも曇天の続いた後の陽光は、格別に素晴らしいです。
今日は大晦日(おおみそか)です。昔、今は亡きK氏が、『一夜五十日だ。』、と言いながら、早い夕刻から膳(ぜん)に着いていました。長い間、この「一夜五十日」の意味を理解できないでいました。
今、考えると、どうやら、『人間五十年化天の内を・・・』の「敦盛」からの引用のようです。『蝸牛角上何事をか争う 石火光中此の身を寄す 富に随い貧に随い且く歓楽せよ 口を開いて笑わざるは是れ痴人』です。
地球の誕生から現在までを一年に置き換えると、人類の誕生は十二月三十一日大晦日の除夜の鐘が鳴る三分前だそうです。相対的には、人の一生は火打石(ひうちいし)の火花の様に、儚(はかな)いものだ、ということになりそうです。
K氏は、だからこそ、人それぞれに楽しむべきではないか、と、大晦日には、早い時刻から膳について、御酒をいただいていたと思われます。
工房では3Dの確認とともに掃除です。つい先般、掃除したばかりです。今日は、大中小のうちの中のレベルで妥協します。3Dの確認というのは、昨日つくった六角形のひとつに枠(わく)をつけてみることです。

例によって、ビスケットジョイナーの練習も兼ねるものです。材料は、先般製材したケヤキです。それを、丸鋸(まるのこ)とプレナー(自動カンナ)で分(ぶ)を揃(そろ)え、昨日つくった六角形に外接するようにカットします。
尤も、この工程は現場合わせです。六角形の頂角の内角は、これらの部材の60°と60°で120°になる筈です。しかし、実際には、微(かす)かな誤差が生じているのです。若干?の角度調整の必要があります。
ある程度フィットしたところで、ビスケットを媒体として糊付けです。残念ながら、その段階でも隙間が生じます。恥ずかしさを物ともせずに、青森ヒバの超微粉末と接着剤を捏(こ)ねたもので埋めます。
その都度、濡れ雑巾が活躍します。しかし、結構、インパクトがあります。やはり、ケヤキはケヤキです。サンプルとはいうものの、面白そうなものが出来そうです。

三方(さんぼう)に、お供え餅、昆布、スルメ等を作業台に載せます。そして、御明(みあかし)と御酒を供(そな)え、さまざまな感謝とお願いをします。今日は、「一夜五十日」を楽しむことにします。
今年のご厚誼に深謝し、明年の、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。良いお年をお迎えくださいませ。
工房では、懲(こ)りもせず、明年も挑戦せざるベけんや、です。