
つい数日前とは違い、昨日から寒くなっています。昨日も今日も、工房の薪(まき)ストーブとともに畳の部屋では石油ストーブを焚きます。
工房では展示会の支度です。まず、スツールの塗装の続きです。一般的な「拭き漆」の回数は最低、6~7回と言われています。ある程度の艶(つや)が出るまでの回数のようです。これを期待するのでなければ1回で済ませる方法もあります。

今回は、その最低限はクリアするつもりでいます。とはいうものの、今日で何回目かは忘れています。しかし、日毎に、艶が明確に変化しているのに気づきます。
こうなると困るのが、塗る前の木地の不十分さです。実は、日毎に、その粗(あら)が浮上してくるのです。例えば、座板(天板)の歪(ゆが)みが次第にクローズアップされてきます。
それが明確になった瞬間に思うことは、現在、根を詰めて漆を塗り重ねることへの疑問です。とはいうものの、今はこのまま、ゴールを目指して進まざるを得ないようです。
丁度、夏休みが終わる直前に、習字や絵を出かしているときの心境に似ています。拘(こだわ)る時間が無いのです。
更に、今回は、いつでも手直し可能のものです。細かいことで足踏みすることは、必ずしも正解ではないのかも知れません。

他方、幼児用のスクールチェアはダボ埋め作業です。座板はビス留めしています。
その頭をダボで隠す一般的な方法です。とはいうものの、ダボの太さと、溝を掘るビットの径の関係に気を使います。
最後は塗装です。当初は無塗装も考えました。しかし、白木(しらき)には、ややドギツイものがあります。結局、クルミ(胡桃)を塗ることにします。最近になって使い始めたオイルフィニッシュです。
2脚の椅子には、10個ほどで十分です。いつものように、テルテル坊主をつくって擦(こす)ってやります。白っぽい木肌がパッと黄色に変化します。
夕刻、H氏がお見えになります。早速、「拭漆欅スツール」を評価していただきます。『これは大変だったでしょう。普通は、組み立てる前に塗ります。組み立て後であれば、やり難くもあり、粗末になってしまうのです。』と言います。
先般つくった朱塗りの「糸巻き」も同じです。何回か経験しているのですが、学習能力に欠けてきているようです。