昨夕、奥州最北端の当地に降った雨は短時間に終えます。しかし、津軽地方のH市の雨に、気象台は「記録的短時間大雨」と発表します。道路の冠水や床下浸水にまで及んだそうです。1時間90mmの降雨量だったそうです。

今日の雨は、朝からダラダラと降っています。この気象条件が「漆の乾燥」を促進させます。実際に作業すると、そのことを顕著に感じます。実は、朝、「箸置き」に3回目の拭き漆をします。

「拭漆」は拭き取るタイミングに気を使います。これまでは、4本全部に塗った後に拭き取っています。しかし、今日は、いざ拭き取る段には、最初に塗った漆が、既に乾き始めているのです。

いつものように拭きとるには無理です。粘度が高くなり過ぎているのです。漆の拭き取りは専用の「拭紙」で行います。その紙の、細かい繊維(せんい)が強い摩擦で分解されてしまうのです。その繊維が木地に付着し、醜い結果になります。


この解決法として、乾きかけた表面に再び「生漆(きうるし)」を塗り、粘度を低くしています。

結局、2度手間になります。しかし、専門家のH氏は、『粘度の高い状態で拭き取ることで、艶(つや)は増す傾向があります。』と言います。

確かに、3度目の「拭漆」で、これまでにない光沢を発しています。これで「塗り」の工程は終えても良さそうです。少し落ち着いてから、いよいよカットになります。漆塗りの「箸置き」をこの工程でつくるのは初めてのことです。少しワクワクしています。

次は「鉋がけ」です。今日の本来の課題でした。しかし、「塗り」の作業が優先されたのです。実は、プレナーには集塵機を使っていますが、その集塵機で漉(こ)し切れない微粉末が工房内に充満するのです。「塗り」は、早朝一番の仕事にしています。


鉋がけの後、予定した大きさにカットします。元末(もとすえ・木の根元と先端)と木の表裏を確認します。話は飛びますが、昔の人は、この「末」を「うら」と表現していたようです。今は亡き母も、『針のウラが折れてしまった。』、とよく言っていました。今の時代は、一般的でなくなった言葉のようです。

これで漸(ようや)く作業開始の準備完了です。できるだけ早く納品したいところです。

さて、昨日、「車輪」の試作品をつくってみました。試作品とはいうものの、まだ、海のものとも山のものとも解からない、試行錯誤の段階です。今日、昨日の作品に手をかけてみました。


外輪の削除です。そして、5角形のそれぞれの頂点も、中心に対して直角な面で削除します。その結果、折角(?)の「簪(かんざし)」もまた削除されてしまいます。

結果的に10角形の形状になります。手には馴染(なじ)むものの、何となく潔(いさぎよ)さが失われたようにも思われます。ま、この世界はセンスの世界です。どう、ということは無い次元の問題です。

とはいうものの、釈然としないものがあります。夕刻、第2作目をつくってみます。材料は、1作目の1/4ほどの太さにし、また、内径も、心持小さくしてみます。そして、スポークを「竹籤(たけひご)」にしてみます。オール青森ヒバにはならない恨みはありますが、ま、考え方としてはありそうです。


朝から続いていた雨は、夕刻になって上がります。日中の最高気温は20℃前後であったようです。過ごし易い日でした。

2013/07/03(水) 17:47